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2016年11月01日18:31

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▲ 物語を考えてみた ◎ (第1789回)

1話完結の新しい物語です
暇なときにでも、読んで頂けると幸いです
面白かったら「イイネ」や「コメント」をして頂けると嬉しいです(^_^)

※生き物をテーマに書いてみました。ただ、そんなに生き物は出てこないです。あと、無添削ですので、ご了承を…

※文章がつたないので、小説やライトノベルのような文章が好きな方は合わないかもしれません
※雰囲気が伝われば面白いかなと思います

タイトル「見上げた先に…」

――

そういえば、小学生の頃
空を見上げた時に鳥が飛んでるのを見て、羨ましいなと思ったことがある
それは、その鳥が何のしがらみもなく自由に飛んでいるように見えたから


当時の私はその時を生きるのが嫌だった
毎日、同じ時間に学校へ向かい、他人と同じ事をして、決まった時間に家へと帰る
そんな代わり映えしない毎日が嫌で嫌で仕方なかったのだ
だから時々、「こんな1日に何の意味があるんだ!?」と声を上げたこともあった
もちろん、一人の時に…
ただ、そのぐらい不満が溜まっていても、実際は、自分でどうにか出来る訳がないというのを理解していた
だって、当時の私は子供だったし、心に湧き出るエネルギーを上手く処理できるほど、知恵があるわけでもなかったから…

その時である
あの鳥を見たのは…
鬱憤や不満が限界まで溜まった私には、翼を広げて、まるで自由に我が物顔で飛ぶ姿にあらゆる希望を感じたのだ
今の自分でも変えられるモノがあるんじゃないかって…
そして、それと同時に私の人生において目指す目標が出来た
それは「あの鳥のように空を飛びたい」

大人になって思えば、それは実に子供らしい答えだったと思う
でも、当時の私は純粋で真剣で真面目な想いだった
自分でも呆れてしまうほどに…

その日から私の日常はガラリと変わる
来る日も来る日も飛ぶ事ばかりを考えて、思い付いたらそれに挑戦をするようになった
毎日が楽しくて、失敗しても何故かウキウキする
そんな日常へと変わったのだ
ただ、そんな風に一生懸命に生きていると、ある問題が生まれる
それは、私のような人間を笑うヤツが必ず現れる
私の時にも現れた
ソイツは私を見る度にこう言うのだ
『空を飛びたくて仕方ない鳥頭が来たぞ』とか『飛ぶなんて無理なのに、バカなヤツだ』などなど
こんな事を毎度のごとく言ってくる
ただ、私はその言葉を言われて怯む事や落ち込むなんて事はしなかった
だって、落ち込む時間なんて無駄だから
例えば、嫌なことを言われて落ち込んだとする
その時間で飛ぶ方法を考えて、素晴らしい答えが見つかった方が最高だと思うから
だから、私はそんなことでは落ち込まない
逆にソイツらにはこう言い返してる
『お前たちは夢とか、やりたいことはあるのか?』って
そしたらアイツらは必ず「無いよ」と自信なさげに答える
だから、私は鼻で笑って「そんなヤツが俺の邪魔をすんなよ」って強めに言ってやるのだ
そうすると、ソイツらは負け犬のごとく、捨て台詞を吐いて私の前から去っていく
それは気持ち良いくらいに…


ただ、そんな態度を周囲にもしていたから友達とかには恵まれなかった
でも、そんなことはどうでも良い
だって、私の進む道に障害を設ける友達なんか排除する事が一番正しいと思っていたから

そう思ってた時、私はある友達と出会った
名前は「クリハラ ジュン」
コイツの事を一言で言うなら、臆病だけど賢くて真面目
言い替えれば、挑戦はしないが、失敗もしないで人生を上手く生きていくようなヤツ

そんな彼とはどこで出会ったかというと、私が空を飛ぼうとして手作りの翼を羽ばたかせて高台から飛んた時に目があったのが最初の出会い
その時の私は、彼に好奇な目をして見られてると思った為、「またか」と苛立ち、睨み見た
これで離れると思ったのだ
ところが、彼は物怖じすることなく私に話しかけきた
正直、それには驚いた
何故なら、これで話しかけてくるヤツなんていなかったし、その時の彼は何故かワクワクしていたから

『ねぇ、何してんの?』
『……飛ぶ練習してるの』

そう言うと、クリハラはさらに目を輝かせながら聞いてくる
『飛ぶ練習!? これで飛ぶの!』
『そうだよ…』
『凄いね!』
『…嘘はいいよ』
『嘘じゃないよ!』
『…!』

正直、何故、コイツがこんなにも私に興味を示したのかが分からない
自分で言うのもなんだが、こんな変なことをしている人に関わるなんておかしいもの

その後もしつこく話しかけてくる彼は、私の呆れた気持ちをよそに、明日も来ることを無理矢理、約束して帰っていった…

この日からクリハラとの関係が始まる
私が何かやるときは必ず側にいてくれるようになり、知ってる知識やアイディアを出して私を助けてくれた
その彼の行動に、私はいつの間にか心を開くようになり、親しくなっていった

今、思えば、この時がなければ私の人生は変わっていただろう
彼がいなければ、「空に飛びたい」という子供じみた夢など、大人になった瞬間に絵の具が水で薄まっていくように消えていくはずだったと思う
それだけ、彼の存在が大きかったのだ
だから、私は彼に感謝をしてる
そして、この関係はいつまでも続くものだと思っていた
小学生や中学生や高校生を過ぎても…

ところが、中学卒業を間近に向かえたある日
いつもの通り、空を飛ぶ為の方法をクリハラと話し合っていると、彼からこんなことを言われた

『僕、引っ越すんだ』

私の頭は思考停止した
引っ越す…それは、私の元から離れていくということ
さらに言えば、彼が私から離れていくということは、私の夢は叶わなくなるということに繋がるかもしれないからだ

私は、すかさずクリハラに引っ越しを止めてくれないかと頼んだ
しかし、彼の返事は出来ないと言うことだった
無理だろとは分かっていた
それなのに、その答えには頷きたくない自分がいる
彼と離れたくないのだ
離れたら…離れちゃったら…

その想いが込み上げた時、自然と涙が溢れだした
何度も涙を拭うが全く止まらなくなり、もう自分にもどうすれば良いか分からない

その姿を見たクリハラは、私にこう言った

『大丈夫。夢を諦めなかったら、また必ず会えるさ』

そう言ったクリハラは一筋の涙を流した
きっと彼も同じ気持ちだったのだろう
その姿に私はまた泣いてしまった…

それからの日々は、大事にしようと思えば思うほど、あっという間に過ぎていき、気がつけばクリハラと私は中学を卒業した
そして、その日の夕方、彼と最後の話し合いを行なった
その時間は、時に笑ったり、議論したり、話が合わなくて怒ったりといつも通りの感じだったのだが、やっぱり、どこか寂しい
その気持ちはクリハラも同じだったのだろう
終わる前になるといつも言っている『今日はここまで…』を言ってくれない
じゃあ、自分が言えば良いじゃないかと思うけど、どうしても言いたくないんだ
言ったら本当に終わってしまうから…

だから、沈黙が起こる度にすぐに雑談を繰り返した
でも、そんな事いつまでも続けられない
だから、私は彼にこう言った
『よし、今日はここまで』と

すると、クリハラは『ありがとう』と言ってくれた

帰り支度を終えて、本当に別れる時が来たとき、私達は何か言うわけでもなく
ただ、同時に『また、明日ね』と言って別れを告げた…

その後、私は夢に向かって一直線だった
高校に進学した私は「鳥のように空を飛ぶこと」という夢を宇宙飛行士に変えた
それは、最後の話し合いをしていた時にクリハラが言ったのだ
夢を叶えたいなら宇宙飛行士になった方が先に進める、と…
だから、私はその夢を叶える為に自然科学系の学科が学べる大学に進学し、大学院へも入学した
彼との約束を果たすために…
だけど、大学と大学院を卒業するのには本当に苦労した
何故なら、私は気持ちだけで前に進もうとしてるだけなので、頭が良いわけではなかったから
何度も留年しそうになったりもした
何度も挫けそうになった
でも、クリハラとの約束のおかげで頑張ることが出来き、苦労の末に卒業した
そして、私は宇宙飛行士になるため必要な条件を整えて、JAXAを受けた
しかし、落ちた
そりゃそうだ
想いだけで叶えられるほど、簡単なものではない
それは何となく分かっている
でも、やっぱり、悔しい…

その後、私はその募集がある度に採用試験を受けた
しかし、受かることはなく、年齢もギリギリになってきた為、もう諦めようかと思った…

ところが、それから数年後
驚くことに私は今、宇宙服を着て、スペースシャトルの前に立っている
実は、なんと、私は最後と決めた宇宙飛行士の採用試験に合格したのだ

何故、私が宇宙飛行士になれたのか
それは簡単に言えば、私にコネみたいのがあったからだ
話を聞くと、私の事を強く推薦してくれた人がいるらしい
私もそれを聞いて驚いたが、その人の名は「クリハラ ジュン」
なんと、アイツがJAXAにいたのだ
どうしてか気になると思う
実は、私にあの言葉を言って別れた後、私ならきっとJAXAに目指すだろうと思い、彼もとんでもない苦労の末にそこに入社し、私が来るのを待っていたというのだ
この話を聞いた誰もが、全く馬鹿げた話だと思うだろう
もちろん、私も思った
そこまでする価値がどこにあるんだろうと…
でも、クリハラは本当にやったのだ

本当に感謝しかない…


私はその想いを胸に、スペースシャトルへ乗り込む
そして、カウントダウンが始まり、0になった瞬間、私は空へと上がった…

私はようやく空を飛んだ
子供の頃に思っていた形とは違うけど、私は鳥になれたのだ




――
どうも僕です( ̄∀ ̄)

今回はマイミクさんのテーマに合わせて書いてみたら、こんなお話になりました(^_^)

で、この話を書いてる時に、私が思っていたことを含まして書いてみようと思って書いてます( ・∀・)
ちなみにそれは、夢は絶対に一人じゃ叶わない。そして、誰かとどこでどの様に出会うかでも出来るかどうかは変わるんだということを含まして書いてみました

また、こんなにも登場人物の心境をたくさん書いてみました(^_^)
こんな風に書いたのは初めてだったので、上手く書けたのかは自信はないですが、広い心で見てください(;_;)

次回も読んで頂けたら幸いです

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【企画】生きものを登場させた作品(mumeiさん企画)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1956297589&owner_id=47474346
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