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2015年10月29日00:04

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健康で文化的な最低限度の生活。

健康で文化的な最低限度の生活 1 (ビッグコミックス)
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=14121777&id=3250467

何かいきなり長ったらしい表題で申し訳ない。
以前からスピリッツで見てて気になってた漫画、本日単行本を買ってきました。


柏木ハルコさんが週刊ビッグコミックスピリッツに連載中の、最近かなりの話題を呼んでいるこのマンガ。
題名は、日本国憲法第25条第一項でうたわれているところの

「全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

からとられています。
最近は憲法というと第9条ばっかり取り上げられる状況なんですが、あんたらがそんな議論をのんべりくだくだとやれるのも、この25条があってこそのものなんよ。
宗教のお題目みたいに反戦の旗印に憲法を都合よく使うなんてアホなことせんと、これ見て何のために憲法があるか考えてみいと言いたいところではありますが・・・


お話の内容は、少々場の空気を読むのが苦手な新人ケースワーカーが、生活保護を巡る様々な人間模様にぶつかりながら成長していくというもの。
内容だけでも、なんかこう胃が痛くなってきません?
今の不景気が、こういう漫画を話題作へと押し上げるわけで、もはやこういうお話は他人事でなくなってきているのです。
なんか暗澹たる思いにかられますなあ・・・

人間って、お金にかかわることは誰しも必死になるもの。
ましてこのような「生活保護」というテーマともなれば、需給額の大小やら打ち切りの危機やら、それはそれはとんでもない修羅場の様相を呈するのは火を見るより明らかで、下手したら命を自ら絶たねばならんという悲惨な結末も有り得る。
新人さんがそうそう耐えられる職場とちゃうわな〜。

無論漫画なので、ある程度は救いがある展開にはなってるんですけど、それでも読むのにちと気合いが要るのは確かで、それはどうやら書く方も同じらしく、作者はスピリッツ連載再開のほう体調不良で少しばかり延期したそうです。
(連載のほうは、ある程度の量が貯まって連載してから一休止し、また連載再開というローテーションをとっています)

アマゾンに実際にケースワーカーの経験者のレビューが載ってましたけど、上記漫画的救いを除けばおおむねこの作品世界のような有様なんだそうです。
ということは、かなり綿密な取材やって書いてますねこれ。
デリケートなテーマなので、少しでもおかしな表現があればたちまち叩かれるのが、こういう実際の事象をテーマにした漫画の厳しいところ。
サイエンスフィクションでも変なところは突っ込まれる時代ですからなあ・・・もう昔みたいに笑い飛ばしてはくれません。
よくこんなプレッシャーのかかるお題を書きはったな。

作者の柏木ハルコさん、元々は女子のエッチなところをクローズアップして評判を得た人。
ワタシ「よいこの星!」は見てましたけど、あれも子供をテーマとしながら、かなり子供の本音に突っ込んだ綺麗事無しの作品でした。
今回の漫画も、そういう面が出てますね。多分これが作者の資質の一つなのかも。
絵柄は少々堅いんですが、見慣れれば何か味みたいなものが出てきます。


我々もいつ何時お世話になるか分からない生活保護、受けるには世間の目に耐える覚悟が必要で、それを悪意をもって不正需給するやつはなんとかならんかなと思います。
こんなやつのせいで、本来受けるべき人に保護が行き渡らない。
それならケースワーカーを増やせばとは思うけど、世の中そんな単純ではなく、彼らの人数が恐らく足りないのは、こんな大変な職場だからでしょうね。離職率たかそうやな〜。
彼らも人間だから、絶対対象者に一物ある人も居るはずなんよね。
マンガの主人公はなんとか道を踏み外さずやってるようですが、さてどこまで頑張れるか?

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