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2015年05月25日21:09

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「真夜中のゆりかご」

いつも恐ろしく強引な展開と表情のアップや心象風景を多用したエモーショナルな演出で
観客の心をガンガン揺さぶるスサンネ・ビア。
新作も衝撃波が次々に押し寄せて来て息苦しいことこの上なし。

「まさかこれはありえない!」と思う一方で、
「いやいや切羽詰まったら人間何をするかわからないしな」とも思ってしまう。

子どものオムツすら替えられないほど無気力にならざるを得ない母親だっているし、
湖畔の美しい家でイクメンの夫と優雅に暮らす母親にも誰にも言えない思いがある。
妻を失わずにすむなら、どんなことでもやってしまう夫がいる。

人を裁ける人なんて、どこにもいやしないのよ、
とスサンネおばちゃんは言うのです。

そして、人生には取り返しのつかないこともあるけれど、
最悪の状況がジャンピングボードになることだってあるわよ、と。

同僚のSOSに応えられなかったアル中の刑事が、
部屋中に転がっている酒瓶を片づけ始める瞬間の無類のうれしさ!

ラストもじつにイイですよ。
なにしろ原題は、EN CHANCE TIL=A SECOND CHANCEなのです。

不穏な邦題も悪くないけどね。



◎スサンネ・ビア監督作品
ある愛の風景 Brødre (2004)
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アフター・ウェディング Efter brylluppet (2006)
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悲しみが乾くまで Things We Lost in the Fire (2007)
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未来を生きる君たちへ Hævnen (2010)
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愛さえあれば(2012)
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