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2015年02月06日19:24

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第94回アニメスタイルイベント 「梅津泰臣 WORK&STYLE」

新宿ロフトプラスワンの「ぽてまよ」トークイベントが終わり、
今度は約半年ぶりとなる阿佐ヶ谷ロフトAへ移動。

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『第94回アニメスタイルイベント 「梅津泰臣 WORK&STYLE」』に参加しました。

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94回目にして「アニメスタイル」イベントに念願の初参加。

しかも、ゲストはあの梅津泰臣さん。

「神様」を生で見られるのは、本当に楽しみでした。





会場入りし、「梅津泰臣のうすい本」を購入。

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梅津さんのサイン入り。
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そして、イベント開始時間になり、司会のアニメスタイル編集長、「アニメ様」こと小黒祐一郎さんが登場。



小黒祐一郎さん(以下・小)
「あれ?
梅津さんがいないなー。
梅津監督、よろしくお願いします。」



そして、ついに「神様」の登場!!


梅津泰臣さん(以下・梅)
「今日はお忙しい中、寒い中、来ていただいてありがとうございます。
梅津です。」


小「梅津さん、よかったですね、思ったより若いお客さんがいっぱい来てくれて。」(笑)


梅「いや、年齢関係なく、来てくださって嬉しいです。」


小「ずっと梅津さんのイベントやりたいと言ってたんだけど、
『今、新しい企画があるから。』と言われて、
去年、『ガリレイドンナ』と『セシル』があって、今日、実現できました。
最初、私達と同じ50代くらいの人ばかりだったらどうしようと思いました。(笑)
それでもいいんですけど。」



そして、いよいよトーク本編のスタート。

このトーク、半分くらいはネットには書けないような危険な内容だったので、
本当にもったいないけど、当たり障りのない部分のみのレポとなります、、、。





まずは、最初は梅津さんが手がけたOP ED映像の上映とそれについての解説。







○『OVA ガッチャマン』第3話ED

梅「久々観たなー。
こんな感じだったんですねー。」


小「『ガッチャマン』はキャラクターデザイン・作画監督での参加で。」


梅「この時はまだ、演出志向がなくて、まだ絵で自分を表現したいと思っていました。
その中でEDをやってみたいな、と思ってやりました。
3巻しか無いので、描かれる事が限られてて、
僕は昔のガッチャマンが好きで、
OVAでは描かれなかった5人の私生活を描きたいなと思ってつくりました。

リスペクトって言うのが大事だと思って、自分の中で抑えられない衝動が巻き起こってきて
つくらせていただいたのがこのEDなんです。

僕は旧作が大好きなんで、吉田竜夫さんが描かれたキャラクターで
僕がやらないといけないというのがあって迷ったんですけど、
元のキャラクターに似せるというよりは自分の絵でやろうと思いました。」


小「当時、南部博士はなんでああなったんだと言われましたが、
なんで梅津さんの男性キャラはあんな変な髪形が多いんでしょうか。」(笑)


梅「僕、ああいう髪型が大好きなんですよ。(笑)
本当はああいう髪型のキャラだけでやりたいんですが、
なかなかクライアントがOKしなくて。」










○『新 破裏拳ポリマー 第2話』ED


梅「全2巻なので、1巻は物語の始まりで、2巻はもう終わりなんです。(笑)
なので、機会があればまたやりたいと思ってるんですよ。
あと、『ポリマー』から監督が新房(昭之)さんになったんですよ。
新房さんもタツノコの大ファンで是非やりたいと。
背景も全部セルで描いていて、それを全カット描いていくのはアニメーターとしては労力がいりました。」


小「テルちゃんの首が取れるところは衝撃でした。」


梅「お遊びですね。
『ポリマー』って、そういう作品なんで。」


小「あと、梅津作品と言えば、男子トイレですが。」(笑)


梅「自分の作品には意識的に入れてます。
トイレが好きなんですね。(笑)
落ち着くというか。

EDでは本編にないものを見せたいというのがありましたので、
本編と違うものをつくりたいと思って、つくり込みました。」











○『MEZZO -メゾ-』OP


梅「どうですかね、今観ると。(笑)
当時の勢いがあるOPだと思いますが。

OPは『Ζガンダム』のOP作画をさせてもらったので、
その経験でつくったOPです。」


小「意識的にサービスカットを入れてますね。」


梅「元になったOVAが18禁だったんで。(笑)
TVコードぎりぎりまでやろうと思った記憶があります。」











○『女子高生 GIRL'S-HIGH』ED


小「問題作です。(笑)

たぶん、このEDで梅津さんの名前を知った若いファンが多いと思います。
ネットでもパロディがよく出てます。」


梅「僕も観ましたよ、それ。
面白いですよね、あれ。(笑)
これ、1人原画なんです。
これで寿命が縮んだな、と。(笑)
1ヶ月くらいでつくりました。

踊りは知り合いの人に踊ってもらって、ビデオに撮ってアレンジしながら描きました。
キャラクターが踊ってるというコンセプトなので、
キレッキレのダンスにしたくなかった。
普通の女子高生が踊ってる素人っぽさが残っている、という意図なんです。

曲も凄くよかった。
僕はOPもEDも曲にとても左右されちゃうので、これは楽しんでやりました。

打ち上げで、歌を歌っていたmeg rockさんから、泣いたと言われて嬉しかったです。」











○『一騎当千 Great Guardians』ED


梅「1回モノクロをやってみたいというのがあったので、これはそれを試してみました。」










○「戦場のヴァルキュリア」2代目OP


梅「OPなんでゲームに合わせないといけないじゃないですか。
あと、これ2期のOPなんで、2期で○○○○が出てくるんですが、
それを出していのかなー、と思ったんですけど、
それを描いて良いと言われたので描いたんですが、
そしたら、ネタバレだってボコボコに叩かれたんですよ。(笑)
俺のせいじゃねえって。(笑)

総作画監督の渡辺敦子さんのチェックが入ってるんですが、
僕のクセが強いです。

戦争映画とかを調べて、こういうふうになりました。」










○『テガミバチ REVERSE』ED


梅「このEDはキャラクターを原作の絵に似させてくれってお願いされました。
梅津さんのいつもの、、、。(笑)

俺はわざとやってる訳じゃなくて合わせてるんだ。(笑)

ちゃんと似させてくれと言われて、意識しましたね。」










○『それでも町は廻っている』OP

小「TVアニメの歴史に残る傑作ですよ。」


梅「ミュージカル調でやってほしいという新房さんのオーダーで。
もともとこの原作、好きで読んでいたので、運命を感じました。
はりきってコンテを描いた記憶があります。
これもスタッフの方に踊ってもらいました。」


※この「それ町」OP、TV放送版は諸般の事情で梅津さんの意図とは違ったものになっていて、
今回初めてDVD収録版を観たのですが、全然印象が違いました。
正直、TV版を観て知った気になっていた自分を反省しました、、、。
これは、DVDを観なければいけない!!









○「べるぜバブ」2代目ED



小「異色作が続きます。」


梅「これ、モチーフはメリー・ポピンズなんです。
それで、メリー・ポピンズみたいに傘を持ってるイメージでやりました。
あと、曲がすごい良くて、これもノリノリでコンテ切った記憶がありますね。」








○『BLOOD-C』OP



梅「これはですねー、
監督が水島努さんで、萌えの日常と刀で活躍するシーンの2面性があるので、
萌えの要素を入れてくれというオーダーがあって、
どうしたらいいかと迷いがありあました。
全編アクションにしようかと思いましたが、
冒頭に頭を叩かれるシーンを入れました。

これは、僕が初めて自分で絵を描かなかったOPなんですよ。
黄瀬(和哉)くんが上手かったし、僕がやりたい事と近かったというのもあって、
とても気に入ってるOPですね。」





ここで、第1部は終了し、15分間の休憩。







(第2部)

小「ライブならではのアクシデントがありまして、
梅津さんが足をつっちゃって座る事ができません。(笑)



梅津さん、立ったままトークを進行する事にww



そして、怒涛の梅津泰臣さんのOP、ED特集、まだまだ続きます。





○『ガリレイドンナ』OP

梅「これも凄い難しかったんですよ。
1話に○○○が出てくるのは内緒にしたいと言われてて、
OPに描いちゃうとバレちゃうから、出せなくて苦労しました。」











○『ウィザード・バリスターズ〜弁魔士セシル』OP

梅「派手派手ですね。
弁護士という設定なので法廷を出したり、弁護士さんの日常にしようかと思ったんですが、
上がってきた曲がノリノリだったので、アクション系にしました。
後半は3年くらい前につくったPVを修正して使いました。」









○『ウィザード・バリスターズ〜弁魔士セシル』ED

梅「舞台が上野と浅草で、アニメであまり出てきた事がないので、それを絵にしました。
最後にロボットと一緒にセシルがたたずんでいるのは、昔のロボットアニメのオマージュです。」










○『幸腹グラフィティ』OP

梅「これはですね、原作者の方が『それ町』のOPを観てて、僕を指名してくれたんです。

新房さんからは不思議の国のアリスをモチーフにしてくれと言われて、
不思議の国のアリスと食べ物をどう結びつけようかと思いました。

あまりスタイリッシュでもないし、エロがある訳でもないし、僕の中では異色な。」


小「目つきの悪い男も出てこない。」(笑)


梅「僕にもこういうものがつくれるんだ、と。」(笑)









○『ISUCA』ED

梅「これは、久しぶりにエロいEDですね。
自由に楽しくやらせてもらいました。
たぶん、同時期に『幸腹』もやってたので、その反動がこちらのEDに行ってる。(笑)

放送コードに引っかかるかな、と思ったけど、
これでOKならもうちょっと、と欲が出てきました。」(笑)












こうして、梅津泰臣さんが手がけたOP・EDの上映は終了し、
引き続き、来場者からの質問コーナーへ。





Q「『新 破裏拳ポリマー』のEDの頭のほうで、
幽霊みたいな青い顔をした女の子が建物の中にいるんですが、あれは誰なんですか?」


小「何者ですか?
綾波レイ?」(笑)


梅「これ、誰だと思います?
『梅津さん、綾波描いたでしょ。』って言われたんですけど、
これ、広末涼子なんです。
当時、ちょっとファンで。(笑)
全然関係ないけど入れました。」










Q「なんで18禁アニメに行ったんですか?」


梅「僕がオリジナルをやりたいと言った時に、
企画が通らないんですよ。
当時、18禁が盛り上がっていて、18禁アニメの企画は、割と通してくれたんです。
それで、18禁になる要素を入れたら通ると言われて、
『A KITE』や『MEZZO FORTE』をつくりました。」












Q「OP・ED映像をつくる時に、歌詞やメロディーに合わせてこうしようと思いますか?」


梅「曲はすごく影響されます。
歌詞はあまりつくる時は考えない。
メロディーは意識します。」









Q「なんで、コンテをすごく描きこんでいるんですか?」


梅「例えば、コンテって設計図じゃないですか。
そうすると、絵は具体的なほうが伝わりやすいんですよ。
手間も省きたいし、僕が何を描きたいのか設計図の段階で明らかにしてたほうが
作品のために良いと思うんです。」












Q「『ウィザード・バリスターズ』のCMナレーションで
田辺留依さんが『ウィーザード・バリスターズ』と話していてたのが気になって、
英語堪能なセシルのイメージが、、、。」(笑)


梅「ちょっと田辺に言っておかないといけない。」(笑)









Q「梅津さんの作品で、かわいい女の子と同じくらい存在感を発揮しているのが
個性の強いおっさん達だと思うんですが、
モデルはいるんですか?」


梅「モデルにしている人はその都度います。
人間じゃない場合もありますし、人間だと、僕のスタジオにいる人に、
『ごめんね、借りるよ。』って。

『MEZO』の黒川は、広川太一郎さんが18禁に出てくれるかなー、と思ってたら全然OKで、
広川さんが出てくれたのが嬉しくて、黒川は大好きなキャラクターですね。」










Q「『Zガンダム』OPの最初に出てくるロボットのシルエットは梅津さんのオリジナルなんですか?
僕の中のデータベースでは、どのモビルスーツとも一致しないんです。」(笑)


小「あれは、Ζなんですか?」(笑)


梅「設定に無いメカは描いていません。

1本目のOPも作画監督のチェックは一切入っていません。
2本目は自分の持っているキャパシティで勝負してみようと思ってやりました。
富野(由悠季)さんには申し訳ない事をしたなーと今でも思っています。」











ここで第2部は終了。

休憩を挟んでラストの第3部へ。

梅津さん、まだ足が治らず、引き続き立ったままのトークww

まずは、「オリジナル作品をつくる事についてのこだわり」というテーマのトーク。




梅「どうしてもオリジナルじゃないとやらないっていうのは無いんですよ。
原作ものを振られた事もありましたし。
それは、タイミングが合わなかったんですけど。

『セシル』は弁護士ものというあまり例がないジャンルだったので、
どうしようかな、となかなか動かなかったんですよ。
それで、先に『ガリレイドンナ』を動かしたら『セシル』が決まって、
去年の今頃は地獄でしたね。(笑)

『ガリドン』は『セシル』と同時期だったので、
キャラデザインを2つやるのはしんどいな、という事で足立(慎吾)くんに依頼しました。
僕は足立くんの絵、すごく好きです。」


この後、『ガリレイドンナ』と『セシル』について、
ネットには書けない、エグいお話がいろいろと繰り広げられましたwwww









その後、再び質問コーナーへ。


Q「井上麻里奈さんとか真堂圭さんとか、毎回起用されている声優さんがいますが、
理由はあるのですか?」


梅「芝居の感じが好きだったんですよ。
それで、また別の側面が見たいと思って、同じような役ではないキャラに起用しています。」








Q「『セシル』の山手線の戦闘シーンで流れているBGMが好きなんですけど、
こういうイメージで、という発注はあったのですか?」


梅「僕の好きなハリウッド映画のサントラを聴いていただいて、
こういう曲をつくってほしいと言いました。
めちゃくちゃかっこいい曲だと思います。」









Q「キャラクターが方言を喋るのは監督のオーダーですか?」


梅「方言にしようというのは、そうですね。
『KITE LIBERATOR』で井上さんに京都弁をやっていただいてから、
僕の方言好きが始まったんです。」









Q「『KITE」の続編の予定はありますか?」


梅「『A KITE』はBDになります。
『MEZZO FORTE』もBDになります。

『LIBERATOR』の続編はまだ諦めていません。
前作と同じ40分になります。」









Q「痛みの表現について。」


梅「アニメの場合、痛みの表現はめちゃくちゃ難しいんです。、
僕が痛みを感じたのは『AKIRA』という作品で、あれを観て、『痛そうだなー。』と感じて、
僕が作品をつくる時は、痛みを感じられるようにしないといけないと思いました。
そういうのは大事にしたいと思っています。」









Q「ヒロインの部屋は、なにか参考しているものはあるんですか?」


梅「『KITE LIBERATOR』の場合は、百南花も宇宙に対する憧れがあるから、
宇宙系でまとめてくれと発注しました。
セシルはカナダに住んでいて日本的なものが好きというイメージで設定しました。」











Q「『セシル」の続編はやりたいですか?」


梅「僕はやりたいです。
エピソードは考えています。
使い切ってない設定もあるんです。」










Q「アニメーターとして腕を振るったという作品は何ですか?」


梅「こういう技術職は満足する事はないんですよ。
だから、全部観てほしいな。
恥ずかしいけれど。」


小「『レンズマン』がおすすめですよ。」(笑)










ここで小黒さんからの質問。


小「オリジナル作品は10代の女の子が主人公な事が多いですが、
おっさんや熟女が主人公の作品はつくってみたいと思いますか?」


梅「つくりたいけど、今の状況では難しいなと。
おっさんの主人公はやってみたいです。」











Q「ガリレイドンナは2クール予定だったと聞いたのですが、
紙媒体で2クールバージョンの構想を発表する予定はありませんか?」


梅「そういうのは出してもいいですね。
『セシル』は1回ネットで漫画を描こうと思ったんです。
それはエロばっかりだったんですけどね。(笑)
でも、次の企画が動いてるのでなかなかできないですね。」










Q好きな映画監督は誰ですか?


梅「山ほどいますね。
僕が20台の頃に観ていたのはジェームス・キャメロン、スピルバーグとか、
あの頃の人は勢いがありました。
あと、タランティーノが出てきた時はびっくりしました。
いろんな作品が血や肉になっています。
去年観た中では、マーティン・スコセッシの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』が面白かったです。」



こうして、時間いっぱいまでフルに使った質問コーナーは終わり、
3時間以上に及ぶトークイベントは終了しました。


最初に書いたように、半分くらいはネットには書けないような危険な内容で、
そこがいろいろ面白かったのですが、、、。(汗)



梅津泰臣さんと言えば、アニメ界のビッグネームだし「ああいう作風」の方なので、
尖った方なのかな、、、と構えていましたが、
終始とても穏やかに笑いを交えながらお話され、会場からのきわどい質問にも丁寧に答えてくださり、
いい意味でイメージと異なる、素敵なおじさまでした。

やっぱり梅津さんは凄いわ、、、。
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