今回の日記は、断続的に書いている『魔法少女の系譜』シリーズの一つです。前回までのシリーズを読んでいないと、意味が通じません。
前回までのシリーズを読んでいない方、読んだけれど忘れてしまったという方は、以下のシリーズ目録より、先にお読み下さい。
魔法少女の系譜、シリーズ目録(2014年01月22日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=25849368&id=1920320548
今回は、前回(魔法少女の系譜、その15)からの続きで、『好き!すき!!魔女先生』を取り上げます。
ヒロインの使う「呪文」について、考えてみましょう。
『魔女先生』のヒロイン月ひかるは、呪文に相当するものを使います。
ただし、それは、呪文というより、掛け声に近いものです。
仮面ライダーなどの変身ヒーローが、技の名前を叫びますよね? あれと同じです。
後年の「戦う魔法少女」たちでは、それは、当たり前になりました。「ティロ・フィナーレ!」とかですね(笑)
『魔女先生』は、このような「技名を叫ぶヒロイン」の先駆けです。
前回の日記で、『魔女先生』は、前半と後半とで、違った作風になると書きましたね。
これにしたがい、呪文、というか、掛け声も、変わります。
前半では、魔法道具のムーンライトリングをかざして、「ムーンライトパワー」と叫びます。これで、いろいろな魔法が使えます。
後半では、魔法道具の変身コンパクトをかかげて、「アンドロ仮面、ローッ」と叫びます。これで、月ひかるは、アンドロ仮面に変身します。
「呪文」が「掛け声」に変わった点でも、『魔女先生』は、画期的でした。変身ヒーローものの要素を、ばっちり取り入れているのが、わかりますね。
後半、アンドロ仮面に変身すると、魔法は使いたい放題です。仮面で顔が見えないので、正体がばれないで済むわけです。
その代わり、月ひかるからアンドロ仮面に変身するところは、誰にも見せられません。「魔法の秘密性」を維持する苦労は、変わりません。
マスコットの点でも、『魔女先生』には、見るべきものがあります。
『魔女先生』には、バルという名のマスコットが登場します。マスコットといっても、小さくありません。等身大です。人間が着ぐるみで演じています。でっかいウサギの姿です。
ウサギ型なのは、やはり、月からのイメージでしょうね。
バルの場合、マスコットというより、お目付け役です。月ひかるより、立場が上です。彼女の地球での活動を見守っています。
普通に、人間の言葉で会話することができます。けっこう、口うるさいです(笑)
普段は、月ひかるの部屋の奥にある隠し部屋にいます。
バルも、魔法を使えます。「ぱいちょ」や「すぽちょ」という呪文を唱えて、魔法を使います。こちらは、掛け声ではなくて、伝統的な呪文です。
魔法でもって、月ひかるを手助けしたり、時には、騒動を起こしたりします。
バル以前のマスコットたちと比べてみると、面白いことに気づきます。『コメットさん』のベータン、『さるとびエッちゃん』のブクと、比べてみましょう。
ベータンは、完全に、コメットさんより、立場が下でした。一方的に、ヒロインに使われる立場です。
ブクは、エッちゃんと同等です。エッちゃんとブクとは、人間の友達同士のように付き合っています。
バルは、月ひかるより「偉い人」です。ヒロインを「姫」と呼んで、尊重してはいますが、忠告めいたことを言ったり、お説教めいたことをしたりします。
だんだん、マスコットの立場が、高くなっていますね。
これが究極まで行き着くと、『魔法少女まどか☆マギカ』のように、マスコットが、ヒロインたちを一方的に搾取するようになります(^^;
とはいえ、昭和四十年代後半(一九七〇年代前半)では、『まどマギ』までの道のりは、はるかに遠いです。この時代は、まだ、マスコットという存在そのものが、定着していません。
ある程度、定着してからも、マスコットは、ヒロインと同等か、それ以下の立場というのが、長く続きます。
「ヒロインよりも偉いマスコット」を出した点で、『魔女先生』は、時代に先駆けていました。
今回は、ここまでとします。
次回も、『魔女先生』を取り上げる予定です。
2014年03月26日追記:
この日記の続きを書きました。
よろしければ、以下の日記もお読み下さい。
2.17)魔法少女の系譜、その17(2014年03月26日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=25849368&id=1923833667
今回のレビューは、宇宙人の月ひかるにちなんで、『空飛ぶ円盤の真実』を選びました。
フィクションではなく、ノンフィクションです。原著は、一九六〇年代に出ています。当時、一般的には、UFOは、「空飛ぶ円盤」と呼ばれていました。
本書の著者のフランク・エドワーズ氏は、当代一流の超常現象研究家でした。その彼が、「空飛ぶ円盤」の選りすぐりの事例を集めたのが、本書です。
エドワーズ氏は、「空飛ぶ円盤」が、実体のある、未知の飛行機械だと考えていました。当時の人類の科学技術力では、とうてい作れない代物です。ゆえに、彼は、「空飛ぶ円盤=宇宙人の乗り物」説に、かなり傾いていました。
そのようなバイアスがあることを承知の上で、本書を読むべきでしょう。
その点に気をつければ、本書は、非常に貴重な資料です。
よろしければ、以下のレビューもお読み下さい。
空飛ぶ円盤の真実 (超科学シリーズ〈5〉)
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=25849368&id=2995452
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