mixiユーザー(id:10127183)

2013年03月07日20:07

99 view

新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol.36 細田守ナイト

(つづき)
真田アサミさんの舞台が終わり、池袋へ移動。

新文芸坐で開催されたオールナイトアニメ上映「細田守ナイト」に参加してきました!!

フォト



最近は、すっかり泊まりで関東遠征をする時は、
「新文芸坐」で夜を明かすことがデフォになりましたww


※新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol.29 『まなびストレート!』真夜中の文化祭
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1859921444&owner_id=10127183


※スーパーSF日本特撮映画大会 追悼・特撮映画美術監督 井上泰幸の世界
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1870283547&owner_id=10127183





好きな人だけが大勢集まって、オールナイトでその筋のアニメや映画を観る体験は、
本当に心地よいんですよ!!

「新文芸坐」大好きです!!



ところで、今回は「細田守ナイト」なのですが、
告白してしまうと、実は私、細田守さんの映画を観た事がなかったんです。(爆)

でも、ずっといつかは観たいな〜と思っていたので、
縁あって関東遠征の日に
「おおかみこどもの雨と雪」「サマーウォーズ」「時をかける少女」
の3本立てオールナイト上映が開催されると聞いて、思わずチケットを買ってしまいました!!

フォト


フォト


フォト


フォト


フォト


フォト


フォト




開演時刻の23:00になり、まずは

細田守監督×アニメスタイル編集長小黒祐一郎さん(セーラームーン研究家のクマさん)
によるトークショーが開始。



小黒祐一郎さん(以下・小)
「『時かけ』の頃からオールナイト
思ってて。」


細田守さん(以下・細)
「6年越しに。」


小「『おおかみこども』ができた時、これでようやくオールナイトができる、
と思いました。」


細「新文芸坐で3本タイトルが並んでいるのを見ると感慨深いですね。
こうやってまとめて観ると、1本1本観るのと違った感じかもしれないかなと思います。」


小「順番逆ですけどね。」
『おおかみこども』今日初めて観る人いないよね。」


細「いや、いるでしょう。」


小「今日初めて観る人ー。」


それなりに手が上がる。


小「大ヒット作かと思いきや。」


細「いや、大ヒット作ですよ。(笑)」


場内、拍手。(笑)


細「でも、初めて観るのにこの劇場を選んでいただいたのは嬉しいですね。」


小「今日おかけする『時をかける少女』は、
若干フィルムが傷んでいるんですけど、
公開当時のものだからです。」


細「14本しかプリントしてないからね。
その中で上映に耐えるものが3本。
その中の1本。」(笑)


小「『時かけ』から『サマーウォーズ』に行く時に、
公開館が10倍くらいになった訳で。」


細「『サマーウォーズ』公開の時にすごいドキドキしました。
こんなに観てくれる人いるんだろうか、と。」


小「『時かけ』の時、こんなに素晴らしいフィルムが
みんなのところに届かなかったらどうしよう、という空気があって、
口コミで広めようって。」


細「公開が14館というのは、どうみても赤字じゃないですか。
これで俺も監督終わりだなって思いました。」


小「14館って分かったのは制作の終わり頃だったの?」


細「4月頃だから、思い残すことのないようにつくろう、と。
その後2本つくれるとは思わなかったです。
取り組み方はそれぞれ違うかな。
『サマーウォーズ』は『時かけ』の反応を踏まえてつくっていったところはあるし。

『時かけ』は小さな作品を凄く支持していただけたというのが嬉しくて、
観てくれた皆さんにお返しをしたい、サービスをしたい、というのがあって。
『時かけ』って、やはり自分としては、映画をなんとかつくりきりたい、というのがあって。
その前に、とある大きな作品があって、それがつくれない事になって、
それで、このままでは死にきれん、という気持ちになって。
映画にたどり着きたいという気持ちがあって、
『「時かけ」をつくりたい。』と言ったら
『お前、東映辞める前に「(劇場版ONE PIECE)オマツリ男爵(と秘密の島)』」つくれ。』
という事になって。
映画がつくりたかったんだよなー。
映画って、年間何本も上映されるのが普通に見えるけど、
映画が1本出来上がるのって奇跡的な事だと思うの。
全ての作品に幸福があるとは思わないけど、
1本、恵まれた形になったらいいな、と思ってやってました。
『オマツリ男爵』も映画は映画なんだけど、
『オマツリ男爵』というのは、誰かがやらなきゃいけない映画なんですよ。
ところが、『時かけ』というのは、
俺がやめたら誰もつくらない映画なのよ。
かける情熱は同じなんだけど、企画の成り立ちが違いますよね。

『サマーウォーズ』できたのは、『時かけ』で皆さんに観てもらえた事が大きいですね。
幸運をもたらしてくれた方々に何らかの形でお返ししなきゃ、というのを
初めて思ったんですよ。
それが『サマーウォーズ』の企画の動機だと思う。
それで、自分が考えられる限りの楽しい映画にしましたけど。」


小「それで、これから細田さんは
みんなを楽しませるエンターテイメントをつくるんだ、と思ったら、
手のひらを返したように『おおかみこども』をつくって。」


細「また、違う形で次の作品は映画の面白さを伝えたいな、と思って、
『おおかみこども』になるんですよね。
『サマーウォーズ』は複雑な映画だったので、
その反対で、シンプルで力強いものをつくれないかと思いました。」


小「いやらしい事を聞きますけど、
周囲の期待がある中で地味な企画を選ばれたのは、なぜなんですか?」


細「企画は全然別じゃないですか。
むしろ忘れないといけないんです。
ヒットしたのは何かの幸運に過ぎない。
映画の興行は、何かの見込みがあってヒットするという、そんな甘いものじゃない
というのは分かってるので。
正直に言えるものじゃないと映画にならないと思うの。
ヒットしなきゃ、みたいな事が考えてない、、、、って言ったら怒られるのかな。」


小「大丈夫みたいです。」


細「映画というのは不思議な世界ですよ。
博打だと思うの。
当たるものは当たるし。
アニメって嘘がつけないっていうか、やっぱ思ってる事が全部画面に出ちゃうじゃない。
良し悪し含めて。
アニメって、そういうのバレる気がするんだ。
つくろったりしてもダメで、でも、伝わった時はしっかり伝わってくれると思うの。
アニメ観てて好きだなーって思うのはそういう事だと思う。
短編でも、つくってる人の顔が透けて見えてしまうようなところが愛おしくて。
俺がアニメ好きだからそう思うのかもしれないけど。

キャンペーンで全国いろんなところをまわったんですよ。
全国21都道府県まわらせていただいて、
土地土地の劇場の支配人や従業員の方と一緒に写真を撮らせていただいて、
それが初めての経験だったので嬉しかったです。
そういう方々とお話した時に、応援していただいているというのが嬉しくて、
よかったんですよ。
そこで、映画というのはいろんな人達の力によって成り立っているというのを
勉強させていただきました。
質疑応答で、皆さんがどんな表情をしているか、というか、すごい勉強になりました。
お盆の時期だったので、『サマーウォーズ』みたいに、
ずらーっと並んで観てくださる方がいて。
親戚一同で同じ映画を観てるんですよ。
そういう事が自分の個人的な経験としては無いので、
そういうのっていいんです。
『時かけ』の頃は、気合いの入ったお客さんしかいなかった。(笑)
今日は、その時の舞台挨拶を思い出しています。」(笑)




続いて、質疑応答へ。

質問
「『おジャ魔女どれみ』や『デジモン』と『サマーウォーズ』でリンクするシーンがあるのですが。」



細「前につくった作品に自分が刺激を受ける事もあると思うんですよ。
つくってる時は何をつくっているのか分からなくても、
つくり終えた後、こういう事なのかなと分かる時があるんです。
『おジャ魔女どれみ』の『魔女をやめた魔女』という話で、
何の気無しにイメージに合うから、声優さんを原田知世さんにお願いしたんですけど、
後から『細田さんは「時をかける少女」をつくりたかったんですか。』と言われて、
そんな気は全然なかったんだけど、
よく考えると、原田さんのキャラが長く生きる魔女で、
これは『時をかける少女』をイメージしていたんじゃないかと思って。
そういう事が、信じられないかもしれないけど、あるんですよ。
割と『サマーウォーズ』なんかもそういうところがあるかもしれない。
つくる事によって、自分の芯の部分が自分自身で見えてくるという事があるんだよね。
『(デジモンアドベンチャー ぼくらの)ウォーゲーム!』の発注の時言われたのは、
『歌って合体しろ』っていう事だったんだけど。(笑)
合体か、、、と思って。
でも、あの映画の本質って、合体する事じゃねーじゃん。
後からそういう事が分かってくるっていう事が、
他の演出家の方にもあるんじゃないかと思います。


演出の技術は1回やったら終わりっていうんじゃなくて、磨いていく。
それがハマる作品とそうでない作品があって。
東映の時にやっていた表現主義というのは、だんだんやらなくなっていると思うんです。
映画の技としては面白いんだけど、
そこだけが際立っちゃって、
本当に見せたいところが表現に包み隠されちゃって。
別に演出のうまさを見せたい訳じゃないじゃない。
そういうのを気づかないようにしてるっていうのはあると思う。」


質問
「監督の作品の『今っぽさ』が好きなのですが、
『今っぽさ』を意識してつくられているのですか。」



細「人の常識とか考え方というのが、
ほんのちょっと前と今とで結構変わってる事ってあるんですよ。
『今』という時間がどんどん更新されてるんだよね。
その、更新されている時間に対応しないといけないな、というのが1つと、
更新されても変わらないものがあるというのがあって、
映画監督にとって、『今』という事を意識するのは重要な事だと思う。
時代劇でも超未来の話でも、描いているのは『今』で、
『今』というものからは逃れられないんだよね。
で、映画というのは描いた時点から、どんどん昔の映画になっていく訳で、
昔の映画になっても変わらないものがあればいいな、と思ってつくっています。
俺、昔の映画観るの好きなんですけど、
昔の映画でも今、胸を打つものがあって、
そういうものになればいいな、と思います。」




その後、細田守監督サイン入りの
「アニメスタイル001」か「『おおかみこどもの雨と雪』絵コンテ集』を
受付で販売、という事で長蛇の列ができました。

なんと、時間ギリギリまで、70冊くらいもサイン書かれていたみたいで凄い、、、。

そら、絵コンテとか描くのに比べたら楽かもしれないけど^^。


私は整理番号60番台だったので、買えればもうけ、くらいに思っていたのですが、
無事買うことができました。

フォト


フォト


↓「アニメスタイル」の誌面は、あいかわらず素晴らしいな〜!!
フォト






そして、いよいよ上映開始!!

初見の細田守作品3本を続けて大画面で観るという、大変贅沢な経験をさせていただいたのですが、
3本とも、評判に違わず素晴らしい映画でした!!

作画・演出・脚本・音楽全てに完璧な説得力があり(難があるのは「声」だけ)、
どちらかと言えば地味目な題材にも関わらず、途中眠くなる事もなく、
夢中で6時間一気に観てしまえて、非常にアニメファンとして幸せな時間でした。

3作とも、全然タイプは違うけど、クライマックスの盛り上がりが半端ない!!
思わず身震いしてしまいました。
あれを劇場の大画面で観る事ができてよかったです。






6:30、上映終了。
こうして、あやひー、アサ姉、細田守という長い1日が終わり、
ようやく池袋のネットカフェにチェックインしました。

少し寝て、あと1つイベントに参加したら関西に帰ります。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する