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2011年11月02日15:47

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『ロープ』

映画『ロープ』を観た。

(1948年 米 監督:アフルレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュワート ジョン・ドール ファーリー・グレンジャー コンスタンス・コリア セドリック・ハードウィック ダグラス・ディック エディス・エヴァンソン ディック・ホーガン)

前から観たかった作品。ヒッチ先生の初めてのカラー作品だそうだ。

【マンハッタンの、とあるアパートの一室。完全犯罪を完結させることにより、自分たちの優位を示すために殺人を犯したフィリップ(ファリー・グレンジャー)とブランドン(ジョン・ドール)。彼らは、殺人を犯した部屋に人を呼んでパーティを開く、というスリルを楽しみさえするが…。(allcinema ONLINE) 】

原作はパトリック・ハミルトンの戯曲「Rope's end」。
1924年、シカゴで実際に起きたローブ&レオポルト事件が題材らしい。それをヒューム・クローニンが脚色し、アーサー・ローレンツが脚本化した。

80分というコンパクトな作品だが、今でいう『24』シリーズでおなじみの、映画の進行時間と事件の進行時間が同じという手法が実験的に試されている。戯曲の映画化とあって、物語はアパートの一室内のみで描かれ、外に出ることはない。つまり、夕方から夜にかけての狂気の80分間がリアルな進行時間で描かれているというわけだ。

狂気…、そう、ブランドンとフィリップが犯した殺人の動機は狂っている。自分たちがいかに優秀であるかを示すために人を殺すなんて!!そればかりか、死体を隠したその場所でパーティーを開き、スリルを楽しむ。

犯した殺人に優越感に浸るブランドン。
対して、だんだん犯した罪におびえ始めるフィリップ。
パーティーに招かれたジェームズ・スチュワート演じる二人を教えた大学教授は、教え子たちの主催するパーティーの不可解さに少しずつ気づいていく…。

なんてことないストーリーなのだが、やけにスリリングで目が離せない。おそらく、ヒッチ先生のカメラワークの凄さなのだろう。カメラは、アパートの一室の中を行ったり来たりするわけだが、死体のある場所を拠点に映し出しているところがニクイ。私たちは時折、死体目線で部屋の中の出来事を観ているのだ。殺された被害者は当然姿を見せないが、彼は常にこの部屋の中にいて、その存在感によって緊張感が増してゆく。

この作品が約60年も前に作られただなんて…! ヒッチ先生の作品の中では一風変わった異彩を放つ作品だけど、今の時代に観ても色あせない。

やっぱり、締めはこのセリフをつぶやいちゃうのよねぇ。。。
「ヒッチ先生、あなたは凄い!」



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