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2010年01月20日20:47

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おかしくないか? 永住外国人の地方参政権/猪瀬直樹

2010年1月19日 猪瀬直樹氏
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100118/205635/?P=1
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●おかしくないか? 永住外国人の地方参政権
憲法違反の疑いあり、地方分権から考えても問題がある

日本に住む永住外国人へ地方参政権を付与する法案が、通常国会で政府提出法案として出されることになった。しかし、この問題は、地方分権から考えても、おかしな話である。
国民主権に反し、憲法違反の疑いが指摘される政府・民主党が検討している法案とその問題点は以下のようなものだ。新聞報道から引こう。

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「民主党で検討されている法案は、地方自治体の首長と地方議員の選挙権を、戦前から日本に在住するか、またはその子孫である在日韓国・朝鮮人らの『特別永住外国人』(42万人)に加え、その他の『一般永住外国人』(49万人)の成年者にも与える内容。ただ、『朝鮮』籍保持者には付与しない方針だという。(略)
政府・民主党が検討する永住外国人への地方参政権(選挙権)付与法案は、国民主権に反し、国益や安全保障を損なう恐れがある。
憲法15条第1項は参政権を『公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である』とする。永住外国人への地方参政権付与は国民主権の根幹をなす15条違反の疑いが強い」
(2010年1月12日付の産経新聞より)
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一般的な手続きを経て永住を許可された一般永住外国人にたいして、特別永住外国人は「サンフランシスコ平和条約の発効により日本国籍を離脱した者およびその子孫」(永住外国人法的地位向上推進議員連盟「永住外国人への地方選挙権付与に関する提言」より)である。特別永住外国人のほとんどが韓国・朝鮮籍である。


●おかしくないか? 永住外国人の地方参政権
「先進国の外国人参政権は当たり前」は誤解だ

過去の歴史があるから、特別永住外国人には地方参政権を付与すべきだという意見もある。しかし過去の歴史は別に清算すればいいのであって、外国人地方参政権を結びつけるべきではない。また特別永住外国人は自らの意思で戦後日本に残っている、との指摘もある。

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「終戦時、日本国内には約200万人の在日朝鮮人がいたが、終戦後GHQ(連合国総司令部)の積極的な支援のもと昭和23年までに140万人が帰国している。だから日本にとどまった人々は自らの意思で残ったことになる」
(「WiLL」2009年12月号、百地章・日本大学教授「外国人参政権は憲法違反だ」より)
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外国人も納税をしているから、地方参政権は当然の権利だという意見もおかしい。納税は行政サービスの対価であって地方参政権とは直接結びつかない。
また推進派は、先進国では外国人参政権は当たり前になっているというが、欧州連合(EU)や英連邦(イギリスとかつてその植民地で独立した主権国)の域内で相互に付与しているケースがほとんどだ。アメリカでも原則として外国人参政権は与えられていない。永住権(グリーンカード)と選挙権は別である。
東アジア共同体を具体的に形にして、それから外国人参政権を認めていくというのなら筋は通っている。しかし東アジア共同体が形になる見込みは今のところない。
そもそも外国人参政権は日本国憲法に違反している。外国人参政権が認められているEUですら、ドイツやフランスなどは憲法違反という指摘を受けて憲法改正が行われた。
しかし事実は逆だ。特別永住外国人の帰化は年々進んでいる。韓国・朝鮮籍の特別永住外国人についていえば、2002年の48万人から、2006年には44万人、2008年は42万人にまで減っている。
特別永住外国人は一般永住外国人にくらべて帰化しやすい。帰化をして国会議員になっている人もいる。「共生への道」を開くのならば帰化要件の緩和を議論すればよい。そこまで道が開かれているのに外国人参政権を要求する意味がわからない。

●おかしくないか? 永住外国人の地方参政権
参政権を付与すれば過去のわだかまりが解ける?

特別永住外国人は、地方参政権がほしいのなら帰化すればいい。アイデンティティを日本人にしたうえで、地方参政権を獲得すべきだ。外国人のまま地方参政権を要求するのは、アイデンティティが宙に浮いた状態を招く。

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「大部分が日本生まれの世代で構成される在日コリアンに見てとれるのは韓国・朝鮮籍を持ちながらも母国への帰属意識にも、外国人意識にも欠けるという二重の状況だ。そんな人々に地方参政権が与えられたら、宙ぶらりんな状況が永続化してしまうだけのことだろう。彼らはペーパーコリアンであるとともにペーパー外国人になっているのであり、自分を説明しにくい存在になっている。外国人参政権法案とは、そんな在日を永遠の外国人として保存しようとするものだ」
(2010年1月6日付の産経新聞、鄭大均・首都大学東京教授「論点 永住外国人の参政権 『在日』永続化の恐れ」より)
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推進派は、過去のわだかまりがあるから、特別永住外国人が帰化を避けているという。外国人参政権を付与すれば、過去のわだかまりが解けて、帰化が進むというのだ。小沢一郎・民主党幹事長はつぎのように言っている。

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「そのこと(注:外国人参政権付与)により日本に対するわだかまりも解け、また、結果として帰化も促進され、永住外国人が本当によき日本国民として、共生への道が開かれることになるのではないでしょうか」
(小沢一郎ウェブサイト「永住外国人の地方参政権について」より)
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●おかしくないか? 永住外国人の地方参政権
選挙の見返りとしての参政権の付与、不純な動機ではないか

普通の特別永住外国人がどんどん帰化していくなかで、外国人参政権を要求しているのは、じつは組織の論理である。外国人参政権を熱心に要求しているのは在日本大韓民国民団(民団)だ。帰化が進み、在日韓国人が減ると民団は存在理由がなくなっていく。現状を固定したいという組織の論理が働いて、帰化をしなくても地方参政権がもらえる外国人参政権を要求するようになった。
そのために民団は2009年夏の衆院選で民主党を支援した。

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「昨夏の衆院選で『在日本大韓民国民団』(民団)は、推進派候補に選挙でポスター張りや法定ビラの証紙張りなどで全面協力した。参政権付与に前向きな公明党を自民党から離反させる手だてにもなりえる。参院選の勝利を確実にするために小沢氏は『やれることは何でもやれ』と周囲にハッパをかけ
ており、参政権付与法案もその一つだというわけだ」
(2010年1月13日付の産経新聞より)
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民団の組織の論理と小沢幹事長の選挙戦略が重なったのである。
また小沢幹事長は昨年に訪韓した際、外国人参政権実現を約束している。だから議員立法ではなく政府提出法案にしようとしているのだ。

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「小沢氏は政権交代後、李大統領の実兄でハンナラ党国会議員の李相得(イサンドク)氏に『何とかしなければならない。通常国会で目鼻を付けたい』と言明。12月のソウル市内での講演では『日本政府の姿勢を示す意味でも政府提出案として出すべきだ』と強調した」
(2010年1月12日付の産経新聞より)
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民主党が選挙支援の見返りとして外国人参政権を付与しようとしているのは、不純な動機ではないか。地方参政権という重いテーマまで選挙の材料にしてしまっていいのか。不見識がすっかりまかり通っている。
小沢幹事長にとって選挙がすべてである。目的と手段を逆転させてでも、勝利を目指す。しかし選挙のために逆立ちしていいはずがない。民主党という二大政党の一翼で、そういう発想が広まっていることが危なっかしく感じられる。

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たとえば、長崎県の対馬。北部の比田勝港から釜山港まで高速艇で1時間半程度しかかからない。その対馬では、韓国資本による土地やリゾートホテル、民宿などが買収されている。こうした外国に近い島や町、あるいは永住外国人が多い地域は、もし外国人参政権が認められたら、いったいどうなってしまうのだろうか。
地方分権の観点からも、外国人参政権は問題である。国から地方に権限が移れば移るほど、地方参政権の重みは国政参政権に近くなる。地方政治は権限がないから外国人が地方参政権を得ても影響はない、という考え方は、地方分権の重要性をまったく理解していない。

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●おかしくないか? 永住外国人の地方参政権
希薄になった日本人の国家意識が問題の根底にある

日本人の国家意識が希薄になっていることも、この問題をややこしくしている。
普通の国家では、国民と国家のあいだに契約意識がある。国家は外敵から国民を保護する存在だから、外国では国境が人為的なものとして強く意識される。
日本は海に囲まれているから、国境線は所与のものであり、国家意識が薄い。個人と国家の緊張関係がないから、自分の位置がわからなくなり、外国との距離もつかめなくなる。
国民と国家の契約意識がないから、その関係は、ファナティック(狂信的)になるかゼロになるかという極端に振れやすい。
明治時代は、国家と個人の利益がかなりの程度で一致していた。国家が消えたら、植民地にされて個人の利益も消える時代だった。その後、昭和初期の日本は、国益追求に個人が引きずられて、ファナティックになってしまった。
戦後は、アメリカに防衛と外交を任せたために、戦前のようにはっきりと国家と個人の利益関係が見えなくなった。日本人の国家意識はファナティックからゼロに振れ、国民と国家の契約関係は曖昧になっている。
日本人の国家意識は、戦前はファナティックになり、戦後はゼロとなったが、本質は何も変わっていない。だからこそ、外国人参政権というおかしな話が出てくる。安定した契約意識があれば、そもそもこんな話は出てこない。国家というものを意図的に意識の外に置いてきたために、問題の意味すらわからなくなっているのである。

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