桜さんの休業中の活動については、ほとんど知りません。
００年の秋ごろ、「Ｌｉｔｔｌｅ Ｓｅｒａｐｈ（リトルセラフ）」名義で、
ＨＰ「ＷＯＮＤＥＲ−ＮＥＴ」を立ち上げ、ＨＰ上での活動やＣＤの発売を開始。
０２年、「ＡＮＧＥＬ（エンジェル）」に改名し、ＣＤリリースを開始。
０４年、「さくら」に改名。
ＣＤリリースに加え、
本格的にボイスヒーラーとしてのお仕事の開始し、
ヒーリングイベントなどの開催を始められる。
０５年、異業種の男性と入籍される。
０８年、「たんげさくら」に改名。
「うたのすきなことり」で絵本作家としてデビューされる。
（※将来絵本を書きたい、とは声優時代から言われていました。）
定期的にライブ活動を開始。
私が「風の噂」に聞いていた情報は、このくらいです。
休業中、特に「Ｌｉｔｔｌｅ Ｓｅｒａｐｈ」「ＡＮＧＥＬ」時代は、
桜さんは、少なくとも表向きには、
自分がかつて声優「丹下桜」であったことを意識的に隠そうとされていたように感じます。
本当にゼロから再スタートしたかった、とか、
なにか名前を使えないなどの理由があったのだと思いますが、
声は確かに桜さんなのに、「Ｌｉｔｔｌｅ Ｓｅｒａｐｈ」の名前で
匿名的で姿を隠したところから発信される作品に違和感を感じて、
最初の２枚のシングルのあとは、
「Ｌｉｔｔｌｅ Ｓｅｒａｐｈ」さんは、大切な人で、応援はするものの、
無理して追いかけるのはやめて、距離を置く道を選びました。
だから、ＴＳＵＴＡＹＡで「ＡＮＧＥＬ」さんや「さくら」さんのＣＤがレンタル棚に並んでいても、
怖くて手に取ることができませんでした。
活動が匿名的で、姿が見えないので、かつて丹下桜さんだった人が、
「声の同じ違う人」になってしまっているような気がして、、、。
休業中、２回ほど「特別出演」のような形で声優のお仕事をされたことがありました。
１つ目は、０５年のゲーム「イース�此．淵團轡絅謄爐厘此廚離廛譽ぅ好董璽腑鵤家如�
「さくら」さんはヒロインのオルハ役で出演されました。
このゲームも怖くてプレイできませんでした。
歌の活動は続けられていたものの、声優のお仕事は、実に５年ぶり。
これだけブランクがあると、
きちんとした声優としての演技ができるのか心配だったし
なによりも、当時の桜さんにとって、声優のお仕事がどういうスタンスなのか、
それが分からなかったこともありました。
付け加えると、「イース」というゲームが
個人的に大変思い入れの深いタイトルであったということもあります。
私はボイス無しのwindows版でプレイしました。
オルハというキャラは、
休業前の桜さんが演じていればハマリ役だったのではないかと思います。
２つ目は、同じく０５年にコナミから１年間に渡り発売された
ＣＤドラマシリーズ「まんすりぃ萌音」。
おそらく製作プロデューサーが
コナミ時代から現在にいたるまで桜さんをサポートされ続けられている
前澤ヒデノリさんだったので、その縁での出演になったのだと思います。
「さくら」さんは「松嶋友萌」役で出演。
このＣＤドラマは、出演されていた、ある声優さんの演技が聴きたかったので
思い切って聴いてみました。
そして、なんとも複雑な気持ちになりました。
声には確かに桜さんの面影はあるのですが、なにかが違う、、、。
かつて名声優だった桜さんのことを考えると、
活躍の場が変わったので仕方がないとは言え、ちょっとせつなかったです。
しかも、この「松嶋友萌」というキャラが、
「リスナーに人気のラジオパーソナリティ」という役どころだったので、
なおさら複雑でした。
この「萌音」シリーズでは、
他にも「さくら」さんは、イメージソングとして
往年の名曲Ｊ−ＰＯＰを多数カバーされています。
○【ゲーム】「ラブプラス」（０９年９月３日発売）
今年の４月、コナミの恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」に
桜さんの出演が発表されました。
私は当初、また「特別出演」扱いだと思って、慎重に構えていたのですが、
どうやら、これはそうではなかったようです。
※「ラブプラス」プロデューサー内田明理さんへのインタビュー記事
『内田：そもそも「ときめきメモリアル Girl's Side」という
女性向けの恋愛シミュレーションゲームで、
主人公の友達のキャラクターとして出演していただいた時に、
皆口（裕子）さんの声に惚れてしまって
「いつか皆口さんの声で恋愛ゲームを作らなきゃダメだ！」
と思ってしまいまして(笑)。
それが始まりです。
そんな時に、懇意にしているプロダクションの方に
「今度、男性向けでこういうの作りたい」って言ったら、
その方が「本気でやるんだったら、丹下桜、連れてくるよ。内P」
って言ってくださったんです。
──おお、それはすごいですね。
内田：で、すぐ丹下さんとお話する機会を作っていただいたんです。
「私でいいんですか？」
と丹下さんはおっしゃったので「是非とも」とお願いしたところ、
ブランクを埋めるためにボイストレーニングにまた通われ始めたんですよ。
そんな感じで大変熱を入れてやってくださいました。これは嬉しかったですね。』
なんだかすごいお話です！！
いっぽう、桜さん本人は、「ラブプラス」参加の経緯についてこう語られています。
『２００６年頃から、私がお世話になった事務所のマネージャーＫさんと、
年に１〜２回一緒に食事をするようになったんです。
Ｋさんは、昔から声のお仕事はもちろん、
アーティスト活動担当のマネージャーさんだったので、
一番近くにいてくれた人。
そんな彼女とご飯を食べていたときに
「またいつか一緒にお仕事がしたいですね」という話になって。
そのとき私は、ネットで配信したりとか、そういう規模の話かな、
と思っていたんですけど、
それからしばらくしてＫさんが持ってきてくれた話が
「ラブプラス」だったんです。
思いがけない大きなお仕事。
敏腕というか、スゴ腕マネージャーだなってびっくりしました（笑）。
とにかく、Ｋさんともう一回一緒にお仕事をしたいと盛り上がっていたので、
そのときは「ラブプラス」がゲームのお仕事というくらいで、
どういう内容か全くわからなかったかったけれど、
ふたつ返事で「ハイ、やります」と答えました。
「キミと仕事がしたいんだ」「ハイ、お願いします！」
・・・・・・カップル成立みたいなノリですよね（笑）。』
（「ボイスニュータイプ」Ｎｏ．０３５より）
しかし、この「ラブプラス」、女の子は３人だけだし、画面は地味だし、
全然流行らないだろうな、、、と思っていたのですが、
発売と同時に、日本中が「ラブプラス」一色に。
びっくりしたけど、なんだか嬉しかったです。
そして、二度びっくりしたのが、
「ラブプラス」で桜さんが演じた小早川凛子の演技でした。
私はＤＳを持っていないので、ニ○ニ○動画で映像を観ただけのなのですが
これまで桜さんが演じてきたどんなキャラにも似ていない、全く新しい演技！！
身震いしました。
特に、先述の「萌音」で、
声優としての桜さんはもういなくなってしまった、と思っていただけに。
しかも、ゲームの主題歌「永遠ダイアリー」の桜さんソロパート。
「何を調べてもこのときめきに答えはない」。
「このときめき」って、絶対意識してるでしょ！！コナミさん！！！
『この時期、
こんなに新鮮で、こんなに嬉しい気持ちになれる
素敵な作品に参加させていただいたことは、
とてもありがたいことだなって感じます。
久々の出演だから、ぎこちなく大変なこともあるけれど、
一瞬一瞬が、かけがえのない宝物です。
たぶん、「今」、わたしはとても幸せです。』
（さくらｂｌｏｇ７月１日更新分より）
○そして、「ラブプラス」発売の翌日、９月４日、
桜さんのＨＰ上で、「声優業復帰宣言」が行われました。
『９／３のゲーム「ラブプラス」完成・発売を前にしました８月吉日、
以前、所属させていただき御世話になりました
青二プロダクションさんへ、ご挨拶に伺って参りました。
長らく活動休止しておりました声優業ですが、
改めて、再始動させていただきます事を皆様にご報告させて頂きます。
また、重ねてのご報告になりますが、
秋からのテレビ新番組の出演も決定しております。
「あにゃまる探偵 キルミンずぅ」羽鳥カノン役です。
（音響制作が青二プロダクションさんで、
音響監督が「ラブプラス」で御世話になりました音響監督さんです。）
活動休止は、体調不良等、様々な要因が重なった上での事でしたが、
今回もまた、様々なきっかけやタイミングが重なり、再始動の運びとなりました。
この度、素敵な作品のお話を頂きましたことを、とても嬉しく幸せに思っております。
お声掛け下さいましたスタッフの方々、支えて下さるスタッフの方々、
いつも応援して下さる皆様に、心からの感謝を込めて
一歩一歩大切に、ベストを尽くして頑張ります。
今後共、どうぞよろしくお願い申し上げます。
丹下 桜』
あまりにも予想外の発表に、
嬉しい、というよりもこの事実をどう受け取っていいのか戸惑いました。
もう桜さんが声優業に復帰される日は永遠に来ない、
とばかり思っていたので、、、。
それに、桜さんについてはここ１０年間、
歌やヒーリングなどで活躍されていることは知っていましたが
その生の声は、ブログなどで断片的にしか伝わって来なかったし、
その中では「昔お芝居をしていた頃は〜」といったように、
声優時代のことはもう終わった、遠い昔の出来事のように語られていたことが多かったので
今の桜さんが私たちの前に現れたとき、
はたしてそれは、私が知っている桜さんなのだろうか、、、。
正直不安で、声優さんとしての桜さんと再会することが
恐ろしかったところはあります。
でも、もちろん桜さんの声優業復帰はすごく嬉しかったし、
楽しみでもありました。
○【ＴＶアニメ】「あにゃまる探偵キルミンずぅ」（０９年１０月５日〜放送）
復帰後初のアニメレギュラー。
桜さんは「羽鳥カノン」役で出演。
『「キルミンずぅ」の音響監督さんが「ラブプラス」と同じ監督さんなんです。
どうやら「ラブプラス」の凛子を録っているときに
「あ、この声はカノンちゃんだ」と思ってくださったみたいで。
役者として一番うれしいことですよね。
やっている作品で、それがそのままスタッフさんの意識にインプットされて
次につながっていくっていうのは。
だから「キルミンずぅ」のお話をいただいたときも、
同じ音響監督のディスカッションで安心して現場に入ることができるな、と
ふたつ返事で「はい、お願いします」とお受けしました！』
（「ボイスニュータイプ Ｎｏ．０３５」より）
「ラブプラス」の凛子もそうでしたが、
このカノンちゃんも、これまでになかったタイプのキャラクターでした。
今の桜さんは、「声優業復帰」と言っても、
過去に演じたようなキャラクターに甘んじるのではなく、
積極的に新境地を切り開いていかれているように感じます。
しかも、１０年前に比べて、
時を重ねた分だけ演技の幅が広がっているように思いました。
声優業休業中も、桜さんは声優として成長されていたようです。
『わたしが演じるカノンちゃんは、
最初にお話をいただいた設定では
「主人公たちのクラスに転校してくる金髪美少女で、
ツンデレで、使用人のイケメン軍団を従えたお嬢様。」
つまり・・・おいしい設定ですよ（笑）とのことで、
反射的に「はい。ぜひ。」とお受けしました。
特に、最後のところが響きました＜（●￣▽￣●）』
（「さくらｂｌｏｇ」１０月４日更新分より）
さ、桜さん、、、相変らずです＾＾
○【ラジオ】「丹下桜のRADIO・A・La・Mode」（０９年１０月１１日〜放送 超！Ａ＆Ｇ＋）
このラジオの第１回を聴いた時の感想は、こちらを読んでください。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1308021797&owner_id=10127183
ラジオから聴こえてきた第一声を聴いたとき、
ものすごい安心感を感じたのを覚えています。
これまでブログの文章を読んでいても伝わらなかった桜さんの「人柄」が
声を聴いた瞬間にはっきりと伝わってきて、ものすごい安心感に包まれました。
正直、この１０年間はなんだったのか、と思いました。
桜さんは少しも変わってなんかいなかったです。
いや、それどころか
休業前のどこか余裕がなく張り詰めていたような雰囲気から解放されて、
前よりもやわらかくなられていたように感じました。
そして、声優時代の桜さんは、終わってしまった過去の出来事なんかではなく、
当時のことも、休業中のことも、同じように現在につながる大切な自分史として
オープンに語られる桜さん。
止まっていた時計のネジをきつく巻いたような感覚でした。
声、口調、アクセント、細かい喋り方のクセから、トークのツボまで、
びっくりするほど、１０年前のまま。
だけど、１０年前とまったく一緒ではなく、
１０年前とは違う、今の桜さんらしい、自然体で心地よくもそそられるトーク。
このラジオが今現在放送されている、ということがいまだに不思議でなりません。
第２回放送では番組中で「ＬＩＶＥ・ＳＡＫＵＲＡ」のライブ音源として
なつかしのオリジナル曲の２００９年度版が流れていました。
１曲目は「ＭＡＫＥ ＹＯＵ ＳＭＩＬＥ」。
まぎれもない、過去ではなく、
今、２００９年に歌われている「ＭＡＫＥ ＹＯＵ ＳＭＩＬＥ」。
「あの日の君を夢中にさせた強い力を今も信じて
同じ輝きを身につけていたいから」
という歌詞を今の桜さんの歌で聴くと、「思うもの」がありました。
２曲目は「ｔｕｎｅ ｍｙ ｌｏｖｅ」。
ラジオドラマ版「ＭＡＩＣＯ２０１０」のＥＤで
個人的にも思い入れが強い曲だったので
「桜さんが私のバラード曲の中で１、２を争う好きな曲」
と紹介されていた時は嬉しかったです。
そして、そのライブ音源の歌声には身震いしました。
本当に２０１０年から歌が届いているかのような、
心がこもった２００９年度版「ｔｕｎｅ ｍｙ ｌｏｖｅ」でした。
昔はいろいろあったけど、
今度は私も必要以上に色々考えず、ゆっくりと桜さんと歩いていければ、、、
そう考えながら、毎週ラジオを聴いています。
○【ラジオ】「えどっ娘 天下大変！ 第２９回」（０９年１２月１８日更新）
桜さん復帰後の、記念すべき初ラジオゲスト出演は
神田朱未さんと三上枝織さんがパーソナリティをつとめるネットラジオ番組。
桜さん、なんだか初々しかったです。
桜さんにとって、神田朱未さんは
以前所属していた青二プロダクションの５つ下の後輩に当たり、
９ヶ月間だけ、所属時期がかぶっていたりします。
当時、面識はあったのでしょうか、、、。
そう考えるとどうしても感慨深くなってしまいます。
「ときメモ」つながりでもありますし。
一方の三上枝織さんは、すごく桜さんが好きなのが伝わって、
すごく緊張されていました＾＾。
今後の桜さんの予定
＜TV＞
１２月２５日 １６：００〜１７：００
『それいけ！アンパンマン』クリスマススペシャル
アミちゃん役
※地域によって放送日時が変更される可能性が強いのでご注意ください。
＜LIVE＞
２０１０年１月３１日 『ＬＩＶＥ・ＳＡＫＵＲＡ』開催
行きたかったけど、この日はどうしても無理なのです＞＜
＜CD＞
２０１０年２月１０日発売 『Musees de Sakura』
(初のセルフカバーアルバム全12曲収録）
これは、絶対買います。すごく楽しみ♪
＜着ボイス＞
『ポケ声＆ポケ音 JOY SOUND』より近日配信。
あと、今週号の「ファミ通」によると、
ゲーム「Ｆａｔｅ」シリーズの最新作・「Ｆａｔｅ／ＥＸＴＲＡ」で
セイバー（？）を演じられるようです。
凛子やカノン以上にこれまでにないキャラなので、
更なる新境地が聴けそうで楽しみですが
このキャラをもともと演じられていた声優さんも、
桜さんと同じくらい好きな方なので、
キャスト変更は、少し複雑でもあります、、、。
桜さんの復帰で、個人的に嬉しかったのは、
休業から１０年の月日が経ち、声優業界はすっかり世代交代を終え、
新しい世代の声優さんたちがたくさん誕生して活躍されているにも関わらず、
インターネット上が、桜さんの復帰を喜ぶ声で埋め尽くされたことです。
昔からファンだった方、休業中にファンになった方、「ラブプラス」でファンになった方、
世代は様々ですが、１０年も前に休業された桜さんの復帰を喜んでくれる方が
こんなにもいてくれる、
１０年たっても桜さんはこんなにも愛されていた、
ということが嬉しくてたまりませんでした。
おかえりなさい、桜さん！！！
『今、レギュラーでいただいているお仕事はもちろんのこと、
お声がけいただいている作品も何作かあるので、
とにかくそれに向けて態勢を整えていきたいと思っています。
たとえばアニメなら、スタッフのかたがイメージなさっているものに
適確にお応えできるように・・・・・・。
その上で私らしいカラーも出していけたらなと思います。
今は目の前にあることに大切に向き会っていこうということで・・・・・・
そうですね、先のことはちょうど今は考えられない段階かもしれません。
もうちょっと状況が落ち着いてきた頃に、見えてくるかもしれません。』
（「ボイスニュータイプ Ｎｏ．０３５」より）
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