先日は「必殺シリーズ」の概要について紹介させていただきましたが
今回は、各作品について、簡単に紹介させていただきます。
こんな日記、需要がないのは分かっています（爆）。
でも、「仕事人２００９」の放送開始で、
自分の周りで雑談の中に「必殺」の名前が挙がることが時々ありますが
あまりにも「誤解」している人が多いので、
これは、書いておかなければ、と思ったのです、、、。
「中村主水シリーズ」
「必殺シリーズ」全３０作中、
半分の１５作品は「中村主水（なかむら・もんど）シリーズ」。
残りの１５作品が「非・中村主水シリーズ」になります。
中村主水（藤田まこと）は、シリーズ第２弾「必殺仕置人」で初登場して以来、
「必殺シリーズ」を通しての主役というようなポジションにあるキャラクターで、
簡単にプロフィールを紹介すると、
元、佐渡金山見廻り役人。
その後、江戸に出てきて中村家に婿養子として入り、北町（後に南町）奉行所同心となる。
しかし、奉行所の腐敗した現状に、絶望し、
剣の達人でありながら、無能者を装い、昼行灯を決め込んだ生活を送っていた。
しかし、とある事件に巻き込まれたことから、佐渡時代からの悪友達と結託し
法で裁けぬ悪を自ら裁く「仕置人」クループを結成し、内に秘めた怒りを爆発。
悪人達を次々に闇に裁いていく。（必殺仕置人）
しかし、そんなギラギラした日々も仲間の死により、終わりを告げ、
裏稼業の業を思い知った主水は、自ら裏稼業から足を洗う。（暗闇仕留人）
しかし、過去からの因果により、再び裏稼業に引き戻された主水は
仕置としての「制裁」ではなく、プロの殺し屋として生きていく決意をする。（必殺仕置屋稼業）
そして主水は裏稼業にどっぷりとハマっていくことになる、、、。
額面通りの言い方をすると
「表の顔はうだつのあがらない同心。裏の顔は凄腕の殺し屋」
といったところでしょうか。
そんな主水の殺し屋としての人生を描いた大河ドラマとも言うべき「中村主水シリーズ」と
主水が登場しない、１作完結の「非・中村主水シリーズ」が
基本的に交互に製作された、と言っていいでしょう。
○シリーズ第２弾 必殺仕置人
中村主水が初登場。
悪友・念仏の鉄（山崎努）、棺桶の錠（沖雅也）たちと組んで、
悪人に対して思う存分激しい怒りを爆発させるエネルギッシュな作品。
ただ殺すだけでなく、
身体の自由を奪って聴衆の晒し者にしたり、一生強制労働の身に陥れたりと、
やりたい放題。
権力を盾にのさばる悪党どもを力で裁く、容赦なきアウトロー集団「仕置人」。
主水にとっては、もう戻ることのできない、輝いていた黄金時代。
○シリーズ第４弾 暗闇仕留人
時は、黒船来航に揺れる嘉永６年（１８５３年）。
主水は、夢よもう一度、と新たな仲間、
糸井貢（石坂浩二）、村雨の大吉（近藤洋介）をスカウトし、裏稼業を再開。
元・高野長英門下の蘭学者、糸井貢は、
病気の妻・あやの薬代を稼ぐため、裏稼業に手を染める。
しかし、シリーズ中盤、裏稼業の抗争に巻き込まれ、
あやは殺されてしまい、
糸井は裏稼業について疑問を抱き始める。
そこから、悩めるインテリ・糸井の崩壊劇は始まる、、、。
主水の黄金時代の終わりを告げた作品。
○シリーズ第６弾 必殺仕置屋稼業
裏稼業から足を洗った主水だったが、逃れられない因果により、
再び裏稼業に引き戻される。
プロの殺し屋として仕事をしていく決意をした主水が、
新たに仲間としてスカウトしたのは
殺し屋の父に殺人マシーンとして育てられた冷徹な殺し屋、市松（沖雅也）と
破戒僧の印玄（新克利）。
この頃から、主水にとって殺しは、「制裁」ではなく、
「仕事」になっていき、「プロの殺し屋」の階段を登っていく。
○シリーズ第７弾 必殺仕業人
前作最終回の事件により、主水は、奉行所で一番格下の「牢屋見廻り」に降格。
中村家は困窮を極め、部屋を間貸ししたり、内職にいそしんだりする始末。
そんなやつれた状況下、
プレイボーイの灸師・やいとや又右衛門（大出俊）と組んで
裏稼業を続けていた主水の前に
愛した女のために人を斬り、お尋ね者になった浪人・赤井剣之介（中村敦夫）が現れる。
剣之介はお尋ね者ゆえに、表の稼業で金を稼ぐ術を持たず、裏稼業の道に入る。
主水、剣之介、やいとやは、とにかく金が欲しい身分であり、
お互いに「金」だけでつながったドライな関係。
基本的にハードな前期シリーズの中でも、特に暗くすさんだ世界観が
マニアの心を掴んだ作品。
○シリーズ第１０弾 新必殺仕置人
数多くの仲間の死を経験し、もう、すっかり裏稼業にどっぷりとはまり込んでしまった主水は
かつてのベストパートナー「必殺仕置人」の念仏の鉄と再開。
そして、新たな仲間・巳代松（中村嘉葎雄）らを加えて
新たな仕置人チームが結成される。
シリーズのひとまずの総決算的な作品で、
過去９作品のノウハウをいかんなく発揮した、パワーに満ちた作品。
江戸の裏稼業をまとめあげていた一大組織「寅の会」の恐怖支配の下、
主人公グループ、ゲスト仕置人、悪人に通行人までが
強烈な個性を持って暴れまくる。
そんな、主水にとっての「第二の黄金時代」は、「寅の会」の崩壊と
「ベストパートナー」との永遠の別れによって、終わりを告げる、、、。
○シリーズ第１２弾 江戸プロフェッショナル 必殺商売人
主水の妻・りつが懐妊。
困惑する主水の前に、
新たな殺し屋・おせい（草笛光子）と新次（梅宮辰夫）が現れ、裏稼業を再開。
おせいと新次は、かつては夫婦だったが、
誤って、間違った相手を殺してしまった事件をきっかけに
今は「他人」同士、という微妙な関係。
ややアダルトな作風の中、プロの殺し屋として円熟を迎えた主水のハードな殺しが炸裂。
○シリーズ第１５弾 必殺仕事人
八王子に左遷されていた主水は、突然の辞令により江戸に舞い戻る。
しかし、それは、影で、鹿蔵（中村雁治郎）なる殺し屋の元締が
主水を配下に引き入れるために仕組んだものであり、主水は鹿蔵の元締の下で、
浪人・畷左門（伊吹吾郎）、血気盛んな若きかんざし職人・秀（三田村邦彦）と共に
再び裏稼業を再開。
シリーズのターニングポイントになった作品で、
初期は、「原点回帰」を目指して、ひたすら密度の濃い、ハードな作風の力作を連発。
しかし、シリーズ中盤から、「路線変更」により、
分かりやすく、ワンパターンな、「バラエティ番組」へと変化した。
○シリーズ第１７弾 新必殺仕事人
三味線屋・勇次（中条きよし）、およびその育ての母・おりく（山田五十鈴）が新たに加入し
「仕事人ブーム」を支えた秀・勇次コンビが誕生。
脚本のワンパターン化、バラエティ化、殺しのシーンの華麗さが定着し
「必殺仕事人」はお年寄りから子供まで安心して楽しめる人気番組となる。
○シリーズ第１９弾 必殺仕事人��
前作のメンバーに加え、仕事人に憧れる受験生・西順之助（ひかる一平）が加入。
「仕事人ブーム」はますます高まり、最高視聴率を記録。
○シリーズ第２１弾 必殺仕事人��
前作のメンバーがそのまま連続出演。
「仕事人ブーム」はピークを迎え、劇場用作品の製作も始まる。
○シリーズ第２３弾 必殺仕事人��
「新必殺仕事人」以来、仕事人ブームを支えてきた秀・勇次コンビに代わり
新たに、花屋の政（村上弘明）、組紐屋の竜（京本政樹）が加入。
第２次仕事人ブームが起こる。
しかし、メンバーは変わっても、作風は特にこれまでの「仕事人」と変化なし。
○シリーズ第２５弾 必殺仕事人�后〃稙�編
主水、政、竜に加え、壱（柴俊夫）、弐（梅沢富美男）、参（笑福亭鶴瓶）の
「はぐれ仕事人」が加入。
ハード路線への回帰を目指して、
初期話は、緊迫した難関突破・強敵打倒編を連発し
必殺ファンを喜ばせるが、一般視聴者は拒否反応を示し、
途中から元の路線に戻った。
○シリーズ第２７弾 必殺仕事人�后＼�風編
主水は出張番屋詰役人へ左遷され、政、順之助、夜鶴の銀平（出門英）とともに
裏稼業を再開。
設定をリニューアルするも、「仕事人ブーム」は低迷し、１４話で急遽打ち切りに。
○シリーズ第２８弾 必殺仕事人�后”�雲竜虎編
順之助、銀平に代わり、新たに、かげろうの影太郎（三浦友和）を仲間に加える。
脚本を強化し、シリーズの立て直しを図るが、本作放送中に、「必殺」の
ひとまずの終了が決定する。
○シリーズ第３０弾 必殺仕事人・激突！
約４年のブランクを経て製作された新作。
新たなメンバーは再会した秀と、
夢次（中村橋之助）、お歌（光本幸子）、山田朝右衛門（滝田栄）。
奉行所が仕事人狩りのために組織した特殊部隊「覆面組」と仕事人たちの
「激突」が描かれる予定だったが
仕事人ＶＳ覆面組のエピソードは第６話で終了し、
後は、いつもの「仕事人」に戻った。
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