インベストメントバンカー。
日本企業においては、出身大学によって人物評価をしたり出世が早かったりということがあるが、一般に外資系投資銀行の場合、評価は入社後の成績のみによって決まるため、どこの大学院出身(ケンブリッジ、オックスフォードやハーバード、コロンビア大学等海外名門大学院)であっても、簡単に解雇されることが多い。
そこそこの有名大学院出身の従業員で固まっているのは、あくまで「利益をもたらすことの出来ると会社が判断した社員」が結果としてそれらの大学出身だったということに過ぎないとされる。
また新卒採用もあるが、日本の場合、基本的に外資系金融機関は中途採用が主流で、MBA採用を除くと、大手邦銀・大手証券、若しくは他の外資系金融機関等で秀でた業績を有した者のみを取る、中途採用がメインストリームとなっている。
近年よく話題となるフロント部門(バック・ミドルオフィスを除く)の報酬水準は、年による変動があるものの他の外資系金融機関同様基本的に米国水準、若しくは世界水準である。一般にアナリスト(新卒〜3年目)で1500〜2000万前半、アソシエイト(4年〜7、8年目)で1000万後半〜4000万、VP(8年目以降〜)で3000万〜1億円程度、MDで5,6000万〜10数億円程度とされる(括弧内の年数は社会人としての実務経験年数。MDでもグローバルレベルでの経営層やトップトレーダは50億円を超えることもある。)
通常、職位が上がるにつれ高度な対人折衝能力が要求(e.g. 大手企業社長や取締役への助言業務)される投資銀行サイドでは、海外名門大学でのMBA取得者や弁護士・会計士資格取得後数年間の実務経験を積んでからアソシエイトになるバンカーが多いため、マーケットサイドのバンカーよりは平均年齢は数年高い。逆に、短期売買が主体で瞬時の的確な判断能力が要求されるトレーダー・ディーラー等マーケットサイドでは若くしてVP、MDクラスになるバンカーがいる一方、30歳前半でリタイアするバンカーも多く、退職年齢も早くなる傾向がある。
また、ゴールドマン・サックス等トップクラスの外資系投資銀行バンカーが次のキャリアステップ先として好む、外資系PEファンドの給与水準はこの水準にキャリードインタレストを加えた金額となる。一般に投資ファンドは弁護士事務所同様、投資銀行ほど職位が細かく分かれていないケースが多く、アソシエイト(投資銀行のVPクラス〜12、3年目)とディレクター(10数年目以降)、パートナー(シニア層)で構成されるところが多い。アソシエイトとパートナーのみの投資ファンドもある。