戦争や難病や寒さや飢えや絶望や誰かの欲望で
いま死のうとしている人の
表情や背中や手や声はここにはないから
ぼくには見えないから聞こえないから届かないから
だから心は痛まないでぼくにはどうしようもありませんぼくには関係ありませんって
心なんか痛めないで平然と自分のことだけをしていられる
ペラペラの心臓は量りではかれないで ぼくはいいひとみたいな顔をして
痛みわかりますわかりますみたいな顔をしてのうのうとこうしてここにいる
気休めならいくらでも
取ってつけたようなプラス思考ならいくらでも