シーザー・チャベス/César Chávez
(1927.3.31~ 1993.4.23)
全米農業労働者組合創始者
労働運動活動家
公民権運動家
人権運動活動家
アメリカ合衆国アリゾナでメキシコ移民の家庭にうまれる。自作農業を続ける家庭は大恐慌で土地を失い、10歳の時に移動農業労働者として南西部を転々とする生活が始まる。
そこではメキシコ系やフィリピン系農家や季節労働者の過酷な労働と生活状況を目の当たりにする。
ガンジーやサウル・アリンスキー("Rules for Radicals"の筆者)の影響を強く受け、1960年代初めから積極的に農業労働者の権利を求める運動を起こす。
ボイコットやハンガーストライキなどの非暴力な活動は合衆国どころかヨーロッパなどの国々でも支援者を増やし、大きな運動(movement)になっていく。立ち上がったのは移民農業労働者達だけではなく、学生や活動家達などの支援者も増やしていく。学校や仕事を辞めてこの活動に捧げる人達も少なくなかった。その理由にチェベスのカリスマ性を欠かす事はできない。
合い言葉となった「Si, se puede!」(It can be done!) や、ボイコット活動中に各地のスーパーマーケットで支援者を募るために使われたアイロン台などは、合衆国での権利運動のシンボルと今でもなっている。オバマ大統領がサウル・アリンスキーなどの活動家の影響を受けているのは有名だが、彼の選挙運動の中のスローガンであるYes, We Can!もチェベス達の運動からヒントを得ていると言われている。
このCommunity Organizingと呼ばれる手法は抑圧された人達自身が立ち上がり、社会を変えて行くという方法で、市民権運動のマーティン・ルーサー・キング牧師などもこれによって成功をおさめている。ちなみに先にかいたサウル・アリンスキーは合衆国ではCommunity Organizingの父と呼ばれる人ではあるが、近年ではオバマ大統領が彼の影響を多大に受けており、選挙の圧勝の理由の一部をこの手法の為だと言う研究者も多い。オバマ氏も元Community Organizeを仕事としており、今では合衆国で再注目されている分野である。2009年4月11日には有名なニューヨークタイムズでCommunity Organizingへの新しい注目度が記事にされている。
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チャベス達が率いるUnited Farm Workers Union (全米農業労働者組合)はこのような手法のもとに多くの功績を残して行く。
現在では合衆国の9つの州で彼の誕生日は「シーザー・チェベスの日」として休日になっている。
抑圧された人達自身が立ち上がり、大きなムーブメントを作った人類の歴史の大きな誇りであり、私達が学ぶべき事は沢山ある。
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<参照>
DemocracyNow! Japan
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Americans Who Tell the Truth
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Wikipedia
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本
The Fight in the Fields: Cesar Chavez and the Farmworkers Movement (英語)
by Susan Ferriss and Ricardo Sandoval
Beyond the Fields: Cesar Chavez, the UFW, and Struggle for the Justice in the 21st Century (英語)
by Randy Shaw