なんのことはない。
そう。
ある大学の
あるゼミの
ある仲間たちである。
私たちは2008年度4回生。
どれほど「考えても意味なくない?」といわれても、
どれほど「それって答えなくない?」といわれても、
私たちは答えを捜し求め続ける。
いや答えなんて必要ないのかもしれない。
なぜかって?
それは捜し求めることに意味があるからだよ。
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鳶野ゼミ概要
文化と人間形成
このゼミでは、基本的に、現代文化における人間関係のあり方を、私たちの人間形成にかかわる問題として位置づけて議論していく。受講者は、現代社会を特徴づける文化現象であれば、どのようなテーマを持ち込んでもよいが、そのテーマが、他者とかかわりながら自己を形成していくという私たちの生き方を理解していく上で切り開くであろう理論的・実践的展望を示すよう促される。
今年度前期は、下記のテクストの読解を中心に進められる。
「あの人との出会いが私を変えた」といった表現は、今日、私たちが自己の生き方の変化について語る際、半ば常套句になってしまっている。しかしながら、「出会い」が私たちにもたらすものは、生きることの意味をめぐる容易ならざる深さと激しさを原理的に秘めていると思われる。ゼミでの議論を通じて、「出会い」という出来事に伴う驚きと懐疑、喜びと不安の様相を丁寧に考究していきたい。
後期は、次年度の卒論作成を視野に入れ、人間関係や人間形成に関する各自の問題意識に基づく研究の成果を順次発表していく。発表内容は、前期の共通テーマに拘束されなくてよい。むろん、前期の議論に触発された発表も大いに歓迎される。肝要なのは、自身の問題意識を鮮明にし、研ぎ澄ますことである。なお、発表テーマの設定などについても個別に相談に応じる。
このゼミの目指すところは、精緻な文献読解を基礎とした、人間形成に関する新鮮で説得力ある理論構築であるが、現地調査や統計データなどを活用する研究方法も受け入れられる。
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鳶野克己教授紹介
専門分野 教育哲学、人間形成論、人間関係論
所属学会
教育哲学会
日本笑い学会
教育思想史学会
著書・論文
『先生は眠らない−生の誘惑としての教育−(Teachers Keep Awakened :Education As the Seduction to Live)』(単著、2003年、皇紀夫編『臨床教育学の生成』玉川大学出版部)
『生の冒険としての語り−物語のもう一つの扉−(Narrative as Life Adventure : Another Door of Life Story)』(単著、2003年、矢野智司・鳶野克己編『物語の臨界−物語ることの教育学−』世織書房)
『笑いのスタンス-「笑いの人間形成論」ノート-(Laughter and Its attitude toward Values : Notes on the Theory of Human Becoming from the Viewpoint of Laughter)』(1996年、光華女子大学人間関係学科編『人間関係のプリズム』ナカニシヤ出版)
研究主題 現代文化における人間関係と人間形成
近代思想としての「教育学的な人間観」の特質を捉え直しつつ、現代文化における人間関係と人間形成についての基礎理論の構築を目指している。
紹介 「教育のレトリック」と「笑いの臨床人間学」
最近の主要な研究関心の一つは、教育や発達、人間関係や生き方を語る際に用いられるレトリックを検討し直すことである。「子どもの心が発するSOSに気づく」だとか「ありのままの自分の姿を受容することから始める」だとかの常套的言い回しが威を振るうにつれて、私たちの思考回路が存在論的な意味に向けて駆動することを妨げられ、「おざなりの感動」へと追い立てられていく現状にどうしてもなじめないでいる。人間として生きていることの不思議さが、用いるほどにいよいよ拡大深化していくようなレトリックを蘇らせたいものだ。もう一つの関心は、笑いである。笑いには、「おざなりの感動」に埋没せず「ズレの快楽」を生きる人間のあり方を、日常生活に即して具体的に示しうる豊かな力が潜んでいるように思われる。「笑いの臨床人間学」を夢想する所以である。
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