ダヴィッド・オイストラッフ
( David Fyodorovich Oistrakh 1908-1974)
ウクライナ出身のソ連が生んだ20世紀最大のヴァイオリン奏者の一人。
5歳からオデッサの名教師P.ストリアルスキーにつき、1926年オデッサ音楽院を卒業。在学中からオデッサ交響団の独奏者とコンサートマスターを兼ね、27年にはグラズノフに招かれてキエフでその協奏曲を弾いた。28年モスクワに移り、34年からモスクワ音楽院で教えた。35年ヴィエニアフスキ国際コンクールでヌヴィーについで第2位、37年イザイ国際コンクール(ブリュッセル)で第1位。50年代に入ると西欧諸国に演奏旅行を行うようになり、55年初めてアメリカと日本を訪れ、圧倒な感銘を与えた。
その演奏は卓越な技巧と高い音楽性とが結びついた格調の高いもので、55年のカーネギー・ホールで演奏の際にはタイム誌に「一点の非の打ち所も無く、彼を超えるヴァイオリニストはどこにもいない。」と絶賛されている。
バッハからソ連の現代曲に及ぶ幅広いレパートリーをこなし、晩年は指揮もした。