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2まんえんくださいコミュの夏を追いかける。

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あいつが肩を押さえマウンドに崩れ落ちた。
その瞬間、歓声が悲鳴に変わった。

甲子園の夏は暑い。
あいつは、この学校のエースで、俺の親友だ。
小学校1年生から野球を始め、中学高校と、ずっと二人でがんばってきたんだ。

あいつは元々のセンスがいいのか、どのチームでもエースで、高校でも1年生の頃から不動のエースだった。
この大会が終われば、日本のみならず海外からも、プロ球団による争奪戦が行われるともっぱらの噂だ。
契約金は2まんえんとも2まんえんとも言われている。
つまり、2まんえんだ。

それに対して、俺はずっと補欠。
まだ試合には出たことがないんだ。

そんなデコボココンビだけど、妙にウマが合うってやつなのかな、昔からずっと仲が良かった。
あいつは学校のヒーローで、女の子にもモテて、商店街を歩いてると囲まれるくらい人気者なんだけど、すごいいいやつで、周りが不思議に思うくらい、仲良しだった。
まだ体は許していないけど。

そんなあいつが、マウンドに崩れた。
この夏、1人で2まん試合を投げ抜いてきたあいつの肩は、もう限界だったのだ。
この試合も2まん球を投げ抜き、強力打線を2まん点に抑えていた。

あいつはベンチに戻る間、泣きながら「ごめん」って謝るんだ。
あいつはちっとも悪くなんてないのに・・・・。

最終回。
点差は2まん点。敗色濃厚だ。

そんなとき、監督が代打を告げた。
俺の、高校初めての、いや、人生初めての試合になった。
あいつは肩が痛いはずなのに、まだベンチにいて、笑って「がんばれよ!」と送り出してくれた。

この試合が終われば、3年生の俺たちは引退して、それぞれの道へと進む。
あいつはプロになり、俺はたぶん、実家のリンゴ農園を継ぐだろう。

これが、あいつとやる最後の野球なんだっ!
こんなところで、こんなところで終わるわけにはいかない!
少しでも長く、あいつと野球をしたいんだ!!

ずっと補欠だったけど、人一倍練習をやってきた。
毎日2まん回素振りをしたし、毎日2まん個の生卵を飲んだ。
ここでなんとしても塁に出て、明日もあいつと一緒に野球をやるんだ!

俺は、力一杯バットを振り抜いた。
打球の音が、熱い甲子園いっぱいに鳴り響いた。









平凡なせかんどふらいだった。

コメント(2)

2万ヘクタールの農園で、2万個のリンゴを育てるのも立派だよ

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