チャイコのうんちく♪コミュの交響曲第３番ニ長調「ポーランド」

実はチャイコの交響曲の中で、最も人気のない交響曲。
しかし。
最もマニアの人気を誇る曲でもあるのです。

私の周りに少なくとも３人は「３番好き」がおり、
その内の一人は、この曲を演奏したいためにオーケストラを創ったそうです。もちろん、演奏もされたとのこと。
聴きに行きたかった。

さて、チャイコには珍しく長調の交響曲。
「ポーランド」という表題に惑わされてはいけない。
ポーランドとは何の関係もないのだから。
フィナーレ楽章がポロネーズで書かれたために、後世の演奏をした指揮者が勝手に命名したらしい。

実は、チャイコの全交響曲の中で最も自然体で美しい交響曲だと思うのです。
さりげなく始まる１楽章はセンチメンタルな主題と堂々とした主題の共演。第２楽章は個性的な主題が印象的。つづく第３楽章は美しい。いつまででも聴いていたくなる。４楽章は不思議な楽章。あれよあれよ、というまに第５楽章フィナーレ。明るいヒロイックな主題が素晴らしい。

初期の交響曲群のなかでは、最も完成度が高いのかな。
そして、続く後期の交響曲のように過剰な感情表現が盛りこまれていない分、ストレスなく聴ける。
つまり、健全な印象なのです。

ただし、その分テーマがハッキリしていないので散漫な印象もあり、演奏者の腕が試されるでしょう。

チャイコフスキーをわかった指揮者による、愛情溢れた演奏者で聴きたい。

・ウラディミール・フェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団

コメント(5)

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[1] mixiユーザー 12月21日 10:50

そうなんですか～。

まだ数回しか聴いていませんが、第一印象は。
英語に例えると、いろんな単語はたくさん知ってるんだけど、接続詞がうまく使えなくてカタコトな英語になってしまう。
という印象でした。（とってもわかりにくい例えですね・・・＾＾；）
ところどころ、すっごく好きな旋律や和音があるのだけど、まだ聴きなれないせいか、どこかつなぎがぎこちなく聞こえてしまいました。。。

もう少し、聴き込んでみます♪

[2] mixiユーザー 12月21日 23:35

のんのさん、
「英語に例えると、いろんな単語はたくさん知ってるんだけど、接続詞がうまく使えなくてカタコトな英語になってしまう。
という印象でした。」

いや、その印象は正しいでしょう。
そんな感じです。
いろんな素材がバラっと並べてある。そのつながりについては、あまり厳密なものではないですよね。
その意味では、「ロシア５人組み」たちの標榜する「ロシアの交響曲」の特徴そのままです。
つまり、優れたロシア国民楽派交響曲なのでしょう。

この時代の「５人組み（バラキレフ、ムソルグスキー、キュイ、ボロディン、リムスキー・コルサコフ）」は、ある種の政治団体と捉えてもいいと思いますが、彼等の音楽に対する姿勢は明確で、非アカデミズム、反西洋、ロシア国民主義、表題音楽。

ひらべったく言ってしまうと、論理的な音楽の創り方を優先していない、と。なんだか気に入ったものをただつなげたたけ、っぽく聞こえるのはそのせい。

その分チャイコフスキーらしさ（それはこの後の交響曲で顕著になってきますが）が弱いですよね。
でも、ここを聴くと面白い。

とにかく、曲が明るいですよ。
（そんなチャイコは許せない、チャイコの明るい交響曲はいらない、かなあ・・・）

さらに誤解を恐れずに言ってしまうと、話題の交響曲第７番「人生」（レオ・ギンスブルク版、ヤルヴィ版）はこの交響曲の延長にあると、思える。
聴いた後の印象が、近いんですよ。
やっぱり、言い過ぎかな・・・。

[3] mixiユーザー 12月22日 21:58

はじめまして。チャイコの名前に引かれて参加させていただきました。。最近所属オケで悲愴を演奏しましたが、練習すればするほど混乱をきたす難解さと、チャイコの凄さ、己の技術に完敗でした。。チャコさんについていろいろ勉強したいので教えてください！！よろしくお願いします。。

[4] mixiユーザー 12月23日 00:37

＞留守keyさん、
いつも、私の表現を理解してくださり、うれしいです☆＾＾
交響曲７番。「人生」。「ジーズニ」。
ＣＤ買って聴きたいです。
でも、なんだか、まだ心の準備が…(笑)。

＞ねぎぃさん
こんばんわ！
クラスメイトが増えてうれしいです(笑)♪♪
今のとこ、
管理人のんの→生徒
留守keyさん→先生
の、プライベートレッスン状態です(笑)。

生の「悲愴」を聴くと、自分の命を削られるような感覚があります・・・

[5] mixiユーザー 12月24日 22:43

のんのさん、
「でも、なんだか、まだ心の準備が…(笑)。」
準備、しといてください。

「生の「悲愴」を聴くと、自分の命を削られるような感覚があります・・・」
いや、本当に。そのとおりだと思います。

ねぎぃさん、
はじめまして。私も学生時代のオケで「悲愴」やりました。難曲ですから、かなり悲惨なできになってしまったことが悔やまれますが。極度な集中力を要求される音楽ですよね。そして、劇的。私はこの交響曲を演奏したことによって、確実に寿命を縮めたと思っております。

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