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スープカリー・gopのアナグラコミュのカレー話9 きたぐに家

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さて、きたぐに家。

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新しい店ができると、まず俺が行って作ることになる。
現在、ゴンベイスパイスさんが入っている、麻生の店できたぐに家は生まれることになる。

スリ狂での作り方をもう一ひねりし、さらに美味い味を目指す。
とはいっても、入れているものに変更は無く、タイミングや火加減の精度をさらに上げただけだったが。

アジスパについで、2店舗目の新規開店の経験は、その後の独立の際の強力な武器となることを俺はまだ知らなかった。

顔の聞く、市場の中卸センターの金物屋さんで、道具を一通り揃える。
さすがにプロだけあって、こちらの要求に答えるものを、手早く安く手配してくれる。

店は順調とはいえなかったが、少しずつ軌道に乗ってきてはいた。

この頃、俺が作る味を追ってきてくれるお客さんも多数いたが、新たな客層を取り込むため、いろいろなトッピング等を作り始める。

スパイシーチーズイモ
大ヒット商品である。
インドのスナックである「サモサ」の中身のようなもの。
初期はガラムマサラで味付けし、現在はカレーマサラで味をつけている。

手作りチーズ
出汁の味でうっている店は違うのだが、スパイスの味が持ち味のきたぐに家では、市販のチーズを使うと強すぎる風味のため、スパイス感が損なわれてしまう。
そこで、インドのパニールというチーズをもとに、自作することとなる。

揚げタマネギとトマト
単なるトッピングではなく、スープの風味を変えるという、斬新なトッピングであった。

ココナツプリン
タイでいろいろ試食後、帰国していろいろ試すが、何度やっても納得した味にならない。
これがダメだったらやめよう、と思っていた時にレシピが完成する。
こんなプリンはウチでしか食えないという、自信作ができた。
お菓子の修行はしていないので複雑なものはできない。
ココナツミルク、塩、砂糖、玉子のみを使う。

ココナツアイス
あっさり植物性がウリなので、ココナツミルク、塩、ハチミツ、後に知り合いのパティシエの助言で寒天を少量入れることとなる。

これらのメニューは、俺がレシピを置いてきたのだが店では出していなかったので、その後gopのアナグラで出すこととなる。

そのころスリ狂グループは、運営のいろいろな岐路に立っていた。
新しい人たちも入り、フランチャイズ化も視野に入れ、会社組織の拡大と、充実に力を入れていた。

特に力を入れていたのは、店舗間の味の画一化であった。
この重要さは俺にも良くわかる。

しかし、今まで自分で作っていたカレーベースであるが、他の人の作った物を使うと、どうも違う。
もっとタマネギをきちんと炒めてくれといっても何も変わらない。

その頃私生活でもいろいろと考えることがあり、様々な事のはざまで苦しみ、俺には珍しく日を追う毎に笑顔がどんどん消えていった。
ため息の分だけ、心がどんどん擦り切れていった。

店が軌道に乗ったら将来の事も考えようと思ってはいたのだが、その時期は近づいているように思えた。

どこでも同じ味が食えるような、フランチャイズ店とそのノウハウ的な安心感には、なんの興味も持つことはできなかった。

俺がなりたいのは、その店でしか食えない、自分の納得した味を毎日作る続けるカレー屋のオヤジであって、飲食店の経営者ではない。

「わかりました。そういうことなら俺は辞めます」

俺は、俺のやりたいようにカレーを作りたい。
この一言で、今まで考えていなかった「独立」という言葉が一気に現実となった。4月20日付けで退職。

今思えば、いいきっかけとなったのではないかと思う。
自分で借金をし、返せるかどうかもわからないのに自分の店を持つなんてのは、途方も無い覚悟と度胸と労力が必要なのだ。
ものぐさな俺にとって、居心地のいい毎日がもしも続いていれば、そんな面倒なことを敢えてやろうとは思わないだろう。

断っておくが、俺はスリ狂でカレーを作っていたことを、物凄く誇りに思っているし、アジアの食文化などを惜しみなく叩き込んでくれた、オーナーの水谷さんは大好きで、とても尊敬している。
出汁全盛の現在のスープカレー業界、スパイスの特性や生かし方を彼が教えてくれたからこそ、今の俺があるのだ。

ただ、この時期いろいろな人が入り、「味」よりも優先して、いろいろな物事が行われざろう得なかった。
俺を含めて誰もが自分自身を見失っていた。

調理をしている人間にとって「美味い」というのは何よりの賛辞で、また次に頑張る為の貴重なエールにもなる。

そのシンプルな希望をかなえる為に、俺は独立するという選択肢を選ぶより他には道が無かったのだ。

この頃、面白い出会いがあった。

現在、美園で人気タイ料理店「Ryu-goow」を経営しているRyuちゃんが店に入ってきたのである。

彼はバンドマンでベース弾き。
店に入る為にバンドを辞めたのだが、その入れ替わりとして俺が彼のいたバンドにギターとして入ることになる。

きたぐに家はその後、数ヶ月してなくなってしまうことになるが、その後独立を考えているRyuちゃんに、開店準備から1年間、店を手伝ってもらうことになるのである。


さてさて、次はいよいよgop編かな。

コメント(17)

面白いといったらいけないのかもしれませんが いろんな意味でおもしろいっ!
続きがたのしみです
ひげおやじさんはじめとして、知り合いのカレー屋店主全員の読んでみたいなぁと思います。
ぱぱちゅさん
元気ですかー!!
ダンナさんとは時々会えるのですが、どうしているかなぁと思っていました。
この頃は「調理マネージャー」という肩書きになっていて、作り方を教える立場でしたが、組織の組み立てがおかしなことになってきてしまいました。

そしてこの時の経験が、gopの方向性を決める時の重要な動機付けになっていくのだから、人生、面白い。

カレーを作る以外の事は考えたくなかったので、店を移る度に、店のそばに引っ越していました。いろんなとこに住めて面白かったな。
でも、毎日カレーのことしか考えていなかったので、家の周囲の地理や建物については、いまだにぜんぜん頭に入ってません。
ゴンベイスパイスは、僕の家の近所です。
僕にとって「スープカレーがうまい」と思った最初の店でした。
いまではいろんな店に行くようになりましたが、そのきっかけとなった店ですね。

ゴンベイスパイスと出会わなければ、もしかしたらgopにも行ってなかったかもしれません。
わたしが習い事したり、師事したりしない理由に似てるなぁ。
tomoさん
出会いというのは面白いものです。
なにがきっかけとなるかわかりません。
人生、「つながり」は大事ですね。世界が広がる。
スリ狂にいた時に、ゴスペラーズとポルノグラフィティのメンバーの方々が食べているところに、偶然、常連さんの、みのやさんが食いにきたことがありました。
店内プロミュージシャンしかいない。
あれは面白く、不思議な光景でした。

天津冴子さん
俺の初めての習い事は、30代後半のタイ語でした。
カレーについては、技術よりも哲学を習ってきたと思います。
アジアを長年渡り歩いてきた人の言葉は、本当に勉強になりました。
で、大事なのはそれを学んだ自分がどう行くべきか、ということですよね。

今でも毎日、自分を信じつつ、本当にそれでいいのか疑いながらカレーを作っています。
本当にそうですね。
僕は松崎さんと知り合ってなかったら、スープカレーを食べることはなかったと思います。
というのも、僕はアンチスープカレー派だったんです。

松崎さんに初めてお会いした時に、スープカレーの話になって、食してみたら・・・
「おいしい」
と感動した記憶があります。

もちろん、きっかけがおいしい店だったこともあるかもしれません。
きっかけって、どこにあるか本当にわからないものですね。
相変わらずの文才ですな〜

gop編には思い出の冷蔵庫運びも書かれるのかなぁ〜わーい(嬉しい顔)
tomoさん
本当に面白いものです。
20年以上前、大学のときの元カノが松崎君のファンだったのです。
なんだか、マニアックなトッピングをするお客ちゃんがいて、何回かの来店後に「実は僕もミュージシャンなのですが」と言い、元カノの事も彼は覚えていて、お互いにびっくりしたのです。

今では来る度にいろいろな音楽情報を教えてくれます。
ちなみに、みのやさんのバックで昔ドラムをやっていたのは、元のバンドメンバーで、ベースをやっていたのは、スリ狂の常連さんでした。

人のつながりは、いつも不思議で幸せ。
BROTHER KING☆KO-JIさん
わっはっは!
でもあれはドラちゃんがメインでしょ!(笑)。
ハードロックをやっていては知り合えない、ジャズ方面のミュージシャンと知り合えたのは、カワシマさんのおかげですね。

秋にライブに出るかも。
必要なら声かけるんで、手伝ってね!
ウラさんの熱いsax、好きだゼ!
「出汁全盛」という言葉が、凄い主張を感じさせます。
この辺りの話を聞いたら、もっと美味しく食べられそうです。

カレー話、雑誌の連載みたいですね。
邪悪店長★毒っ太りんさん
10人いれば10通りのカレーがあるわけで、みんなそれぞれ自分の味を求めて頑張っているのですね。
ウチの作り方はウチだからこそ合っているのであり、他のカレー屋さんでは正しいとは限りません。

で、異なる味でお互いを認め合っている仲間がいるのは本当に幸せなことだと思います。

gopの巻、なんだか長くなりそうです(笑(。
水谷さんは「○○風」という言葉をとても嫌っていました。

「昆布のだしを利かせたスリランカ風スープカレー」などというキャッチフレーズなんかを見ると「それのどこがスリランカ風なんだ」と怒っていたし、大型アジア料理店なんかに食いに行くと、現地とはまったく異なる調理にあきれていました。
作り手からすると、こんな広い店で既製品を使わないのは無理だ、とは思っても、知っている人から見れば「なんじゃこりゃ」という料理店が多いものなのです。

多くのスープカレー屋から尊敬される、偉大な人です。

そんな人から影響を受けているので、「カレーはスパイスでしょ」と俺は思うのですが、カレーはいろいろな文化を受け入れることのできる奥の深い料理であり、自分が食べる際にはスパイス系ではなくとも、作り手の主張が伝わる、1本芯の通ったカレーが好きですね。

プロなので、カレーについての疑問点や、自分の出しているものについての説明は、すべてきちんとできるようにしています。

スープカレーって何?と聞かれたときに、お客ちゃんに説明できないのは恥ずかしいからね。

こういう啓蒙活動も、自分の仕事だと思っています。
いつも興味深く読ませて頂いてます。
画一化と自己性、というのはなかなか相居れない物ですね
自分の手をかけられる範囲で物事に関わる
というのは僕も心がけてますが
拡大化というのは世間の要望でもありますから
一概には否定しがたいのが苦しい所ですね。
しっきーさん
先ほどはどうも!
カレーに関して、ある部分ではとても保守的なのに、別な面では破天荒な事をやりたくなってしまいます。
本当は拡大化もして、無茶苦茶儲かるといいなぁとも思いますが、教えるにしても簡単に作れるものではないので永遠に貧乏です(笑)。
でも、自分の管理できる規模で、自分のやりたいようにやり、生きたいように生きるのはとても幸せなことで、お客ちゃんやスタッフや、いろんなカレー屋さんと親しくなれるのは、なによりもうれしいことです。

人とのつながりが、一番自分を幸せにしてくれるかな。

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