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原始仏典コミュの長部経典 第30経 三十二相経 「如来転生法」 1

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如来に転生する方法である「大人二十戒」の記述がある経典を引用します。これを読んで「大人二十戒」を完成すれば、三十二相を持つ偉大なる者として転生することができますので、この戒律を一つでも採用して守れば利益は大きいと思います。




(『原始仏典 第三巻 長部経典3』春秋社 P191から)







   第三〇経  偉大な人の三十二の特徴――三十二相経  岡田行弘





 本経は、ブッダがサーヴァッティー市の給孤独長者の園林に滞在しているとき、偉大な人に具わっている三二の身体的特徴(三十二大人相)について説かれたものである。
 まず、三二の相を具えている人は、将来、在家に在っては、転輪聖王になり、出家すれば、ブッダに成るという。そして、それぞれの特徴(相)について、それがどのような善行によって獲得されるかということと、その特徴を具える偉人はどのような果報を得るかということについて説かれ、続いて詩句で要約される。このような形式で三二の相について、詳細な説明がなされるのである。
 本経に対応する漢訳は「中阿含経」五九、『三十二相経』(大正蔵一、四九三上―四九四中)である。しかし、本経の大部分を占める各相についての説明(第一章四節から第二章三一節まで)は、「中阿含経」には訳出されていない。この部分の漢訳は『優婆夷浄行法門経』(大正蔵一四、九五五上―九六〇上)である(岡田行弘「三十二大人相の成立」『勝呂信静博士古稀記念論文集』山喜房、一九九六年、七一―八六頁参照)。







  第一章

[142]わたしはこのように聞いた。
 一、あるとき世尊はサーヴァッティー市のジェータ林中の孤独な人々に食を給する長者(アナータピンディカ)の園林に滞在しておられた。そのとき世尊は修行僧たちに「修行僧のみなさん」と呼びかけた。修行僧たちは「尊いお方」と答えた。世尊は次のように説かれた。
「修行僧のみなさん、偉大な人には三十二の偉人の特徴があります。これらを具える偉大な人には、二つの将来があり、それ以外はありません。もし在家の生活を送れば、転輪聖王(世界を支配する帝王)となって徳高き真理の王、四方の支配者、国の支配者、七宝の所有者となります。この人にはこのような七つの宝が具わります。すなわち、輪宝、象宝、馬宝、マニ宝、女宝、居士宝、そして第七番目の将兵宝です。また王には千人以上の息子がいて、勇士、英雄であって、敵軍を打破するものたちであります。かの王は、この大地を海の周縁まで、刑罰によらず、武器によらず、ダルマ(正義)によって征服して統治しています。もしかれが在家の生活を捨てて出家者となれば、真人・正しく覚った人となり、この世で煩悩の覆いを開いたものとなるのです。
 二、修行僧のみなさん、偉大な人には三十二の偉人の特徴があります。これらを具える[142]偉大な人には、二つの将来があり、それ以外はありません。もし在家の生活を送れば、転輪聖王となって、[徳高き真理の王、四方の支配者、国の支配者、七宝の所有者となります。この人にはこのような七つの宝が具わります。すなわち、輪宝、象宝、馬宝、マニ宝、女宝、居士宝、そして第七番目の将兵宝です。また王には千人以上の息子がいて、勇士、英雄であって、敵軍を打破するものたちであります。かの王は、この大地を海の周縁まで、刑罰によらず、武器によらず、ダルマによって征服して統治しています]。もしかれが在家の生活を捨てて出家者となれば、真人・正しく覚った人となり、この世で煩悩の覆いを開いたものとなるのです。この三十二の大人相とはなんでしょうか」

[三十二の特徴(相)]
「さて、修行僧のみなさん、偉大な人は安定した足をしています(1足安立相[そくあんりゅうそう])。じつに修行僧のみなさん、偉大な人が安定した足をしているのは、修行僧のみなさん、偉大な人の大人相です。
 またじつに修行僧のみなさん、偉大な人は両足の裏面に輪があります。それは千の輻(や)、外輪、轂(こしき)を具え、すべての形がくっきりとしています(2足下二輪相[そくげにりん])。じつに修行僧のみなさん、偉大な人が、[両足の裏面に輪があり、それが千の輻、外輪、轂を具え、すべての形がくっきりとしているのは、]また、修行僧のみなさん、偉大な人の大人相です。
 またじつに修行僧のみなさん、偉大な人は広いかかとをもっています(3足跟広平相[そくげんこうびょう])。[じつに修行僧のみなさん、偉大な人が広いかかとをもっているのは、また、修行僧のみなさん、偉大な人の大人相です。]
 偉大な人は、指が長いです(4長指相[ちょうし])。[じつに修行僧のみなさん、偉大な人の指が長いのは、また、修行僧のみなさん、偉大な人の大人相です。]
 偉大な人は、手足が柔軟です(5手足柔軟相[しゅそくにゅうなん])。・・・([]は繰り返しの記述なので「・・・」の表記に代えて省きます)
 偉大な人は、手足に水掻きがあります(6手足網縵相[しゅそくもうまん])。・・・
 偉大な人は、足の甲が高くなっています(7足趺高満相[そくふこうまん])。・・・
 偉大な人は、ふくらはぎが鹿のようです(8伊泥延腨相[いでいえんせん]。・・・
 偉大な人は、直立して屈んでいないとき、両手の掌で膝に触れ、撫でることができます(9正立手摩膝相[しょうりゅうしゅましっそう])。・・・
 偉大な人は、男根が覆いで隠されています(10陰蔵相[おんぞう])。・・・
 偉大な人は、金色です。黄金のような色の皮膚です(11金色相[こんじき])。・・・
 偉大な人は、皮膚が滑らかです。皮膚が極めて滑らかなので、ほこりや汗が身体を汚しません(12細薄皮相[さいはくひ])。・・・
 偉大な人は、一孔一毛です。毛穴にそれぞれ一本の毛が生えています(13一一孔一毛生相[いちいちくいちもうしょう])。・・・
 偉大な人は、毛が上向きです。上向きに生えている毛は、紺青のアイシャドーのような色で、耳輪のように右まわりにカールしています(14毛上向相[もうじょうこう])。・・・
 偉大な人は、梵天のように身体が真っ直ぐです(15直身相[じきしん])。・・・
 偉大な人は、七カ所が盛り上がっています(16七処隆満相[しちしょりゅうまん])。・・・
 偉大な人は、上半身がライオンのようです(17獅子上身相[ししじょうしん])。・・・
 偉大な人は、両肩の間が盛り上がっています(18両腋下隆満相[りょうやくげりゅうまん])。・・・
 偉大な人は、身体がニグローダ樹のように円満です。その身長は両腕を伸ばした長さと同じです(19身広長等相如尼拘陀樹[しんこうじょうとうそうにょにぐろーたじゅ])。・・・
 偉大な人は、肩が円くなっています(20肩円好相[けんえんこう])。・・・
 偉大な人は、最高の味覚をもっています(21味中得上味相[みちゅうとくじょうみ])。・・・
 偉大な人は、ライオンのようなあごをしています(22獅子頬相[ししきょう])。・・・
 偉大な人は、四十本の歯があります(23四十歯相[しじゅうし])。・・・
 偉大な人は、整った歯をしています(24歯斉相[しさい])。・・・
 偉大な人は、歯に隙間がありません(25具足歯相[ぐそくし])。・・・
 偉大な人は、白い歯牙です(26歯白相[しびゃく])。・・・
 偉大な人は、長い舌をもっています(27広長舌相[こうじょうぜっそう])。・・・
 偉大な人は、神々しい声をしています(28梵音相[ぼんおんそう])。カラヴィーカ鳥の声色です。・・・
 偉大な人は、眼が紺青です(29真青眼相[しんしょうげん])。・・・
 偉大な人は、睫毛が牛のようです(30牛眼睫相[ぎゅうげんしょう])。・・・
 偉大な人は、眉間に毛があり、白く柔らかい綿毛のようです(31白毫相[びゃくごう])。・・・
[145]またじつに修行僧のみなさん、偉大な人には、肉髻があります(32肉髻相[にくけい])。じつに修行僧のみなさん、偉大な人が、肉髻があるのは、また、修行僧のみなさん、偉大な人の大人相です。
 三、修行僧のみなさん、偉大な人には、じつにこのような三十二の偉人の特徴があります。これらを具える偉大な人には、二つの将来があり、それ以外はありません。もし在家の生活を送れば、転輪聖王となって徳高き真理の王、四方の支配者、国の支配者、七宝の所有者となります。この人にはこのような七つの宝が具わります。すなわち、輪宝、象宝、馬宝、マニ宝、女宝、居士宝、そして第七番目の将兵宝です。また王には千人以上の息子がいて、勇士、英雄であって、敵軍を打破するものたちであります。かの王は、この大地を海の周縁まで、刑罰によらず、武器によらず、ダルマによって征服して統治しています。もしかれが在家の生活を捨てて出家者となれば、真人・正しく覚った人となり、この世で煩悩の覆いを開いたものとなるのです。
 修行僧のみなさん、このような偉人の三十二の大人相は、異教[外教]の仙人たちも具えています。しかしかれらは、これこれの行為をすることによって、これこれの相を獲得するということを知りません」

[足安立相]
 四、「修行僧のみなさん、完き人(如来)は、過去の生まれ、過去の生存、過去の住処において人間として生まれ、さまざまな善き教えをしっかり受持し、動揺しませんでした。身体・ことば・心の善き行ない、施しをすること、戒めを守ること、ウポーサタを行なうこと、母への孝行、父への孝行、修行者やバラモンへの恭敬、一族の長老への敬意などさまざまな勝れた行為を確固として遂行しました。
[146]かれは、この善行を行ない、集め、蓄積し、増大することによって、肉体が消滅して死んだ後、よきところである天界に生まれます。天界ではかれは他の神々と比べて、寿命、容色、安楽、名誉、威光、外形、音声、芳香、味覚、触覚の十の点で勝れています。かれはそこで寿命が尽きて後、この世界にやって来て次の大人相を獲得します。
 五、この相を具える人は、もし在家の生活を送れば、転輪聖王となって徳高き真理の王、四方の支配者、国の支配者、七宝の所有者となります。この人にはこのような七つの宝が具わります。すなわち、輪宝、象宝、馬宝、マニ宝、女宝、居士宝、そして第七番目の将兵宝です。また王には千人以上の息子がいて、勇士、英雄であって、敵軍を打破するものたちであります。かの王は、この大地を海の周縁まで、刑罰によらず、武器によらず、ダルマによって征服して統治します。
 王としてかれはなにを得るでしょうか。かれはいかなる人間の敵方・反対者によっても邪魔されません。王としてはこれは獲得します。
 もしかれが在家の生活を捨てて出家者となれば、真人・正しく覚った人となり、この世で煩悩の覆いを開いたものとなるのです。
 仏としてなにを得るのでしょうか。内部・外部の敵方・反対者によって、愛欲・憎悪・迷妄によって、あるいはまた修行者、[147]バラモン、天の神、悪魔、梵天、さらにはこの世界にいる何者によっても妨げられることはありません。仏としてはこれを獲得します」
 世尊はこのように説かれた。
 六、これについて次のようにいわれている
  真実語、善行、自制、抑制
  清浄、戒め、ウポーサタ 
  施し、不傷害、非暴力に喜びを見いだして
  しっかり受持し、完全に実行した
  かれはこの行為によって天界に入り
  安楽と歓喜を享受した
  そこで死んでからこの世に再び生まれたとき
  平らな足で大地に触れた
  集まった占者たちは次のように解説した
  「平らな足で立っている人には、どんな障害もありません
  在家者であれ、出家者であれ
  この相はこのような意味を表しています
  在家の生活を送れば、邪魔されることなく
  他の人々を統治し、敵を打ち破ります
  いかなる人間も
  行為の果報をもっているかれを妨げることはできません
  もしこの人が出家の生活に入れば
  喜んで出離に満足し、明察をそなえ
  比類なき最高の人となって、決して胎に宿ることはありません
  かれにとってこれは当然のことなのです」

[足下二輪相]
 七、「修行僧のみなさん、完き人は、過去の生まれ、過去の生存、過去の住処において人間として生まれ、[148]多くの人々の幸福のために尽くし、苦痛や恐怖を除去し、理にかなった保護と防御を整え、行き届いた施しを行ないました。
 かれは、この善行を行ない、集め、蓄積し、増大することによって、肉体が消滅して死んだ後、よきところである天界に生まれます。天界ではかれは他の神々と比べて、寿命、容色、安楽、名誉、威光、外形、音声、芳香、味覚、触覚の十の点で勝れています。かれはそこで寿命が尽きて後、この世界にやって来て次の大人相を獲得します。それは、両足の裏面にある輪です。千の輻、外輪、轂を具え、すべての形が完全でくっきりしています[2]。
 八、この相を具える人は、もし在家の生活を送れば、転輪聖王となって徳高き真理の王、四方の支配者、国の支配者、七宝の所有者となります。この人にはこのような七つの宝が具わります。すなわち、輪宝、象宝、馬宝、マニ宝、女宝、居士宝、そして第七番目の将兵宝です。また王には千人以上の息子がいて、勇士、英雄であって、敵軍を打破するものたちであります。かの王は、この大地を海の周縁まで、刑罰によらず、武器によらず、ダルマによって征服して統治します。
 王としてかれはなにを得るでしょうか。多数の従者です。大勢の人がかれに付き従います。すなわちバラモンや資産家、市民や村民、財務官や顧問官、衛兵、門番、大臣、延臣、周辺国の諸王、領主、王子たちです。王としてはこれを獲得します。
 もしかれが在家の生活を捨てて出家者となれば、真人・正しく覚った人となり、この世で煩悩の覆いを開いたものとなるのです。
 仏としてなにを得るのでしょうか。多数の随伴者です。仏には随伴者があります。すなわち、修行僧、在俗信者、在俗信女、天の神々、人間、阿修羅、龍神、ガンダッバ(音楽神)です。仏としてはこれを獲得します」
 世尊はこのように説かれた。
 九、これについて次のようにいわれている
  はるか昔、過去のさまざまな生まれにおいて
  人間として、多くの人々に幸福をもたらした
  苦痛と恐怖を除去し
  保護と防御に精励した
  [149]かれはこの行為によって天界に入り
  安楽と歓喜を享受した
  そこで死んでからこの世に再び生まれたとき
  両足に輪があり
  完全な外輪と千の輻をそなえていた
  集まった占者たちは、童子の
  たくさんのめでたい特徴を見てこう解説した
 「この方は随伴者に囲まれて、敵を打ち破る者となるでしょう
  それは完全な外輪のある輪を具えているからです
  もしこのような人が在家の生活を送れば
  輪を転じて、大地を統治します
  この世界においてクシャトリアたちは福中し
  名声大いなるかれに随伴します
  もしこの人が出家の生活に入れば
  喜んで出離に満足し、明察を具えます
  天の神、人間、阿修羅、サッカ(帝釈)、悪魔
  ガンダッバ、龍王、鳥類、四足獣たちは
  神々とい人間に供養され、最高にして
  名声大いなるかれに随伴します」

[足跟広平相、長指相、直身相]
 一〇、「修行僧のみなさん、完き人は、過去の生まれ、過去の生存、過去の住処において人間として生まれ、生き物を殺さず、生き物を殺すことを嫌悪し、刑罰と武器を廃し、恥を知り、憐れみの心をもち、あらゆる生き物に利益と慈悲をもたらしました。
 かれは、この行為を行ない、集め、蓄積し、増大することによって、肉体が消滅して死んだ後、よきところである天界に生まれます。天界ではかれは他の神々と比べて、寿命、容色、安楽、名誉、威光、外形、音声、芳香、味覚、触覚の十の点で勝れています。かれはそこで寿命が尽きて後、この世界にやって来て三つの[150]大人相、すなわち広いかかと[3]、長い指[4]、梵天のように真っ直ぐな身体[5]を獲得します。
 一一、この相を具える人は、もし在家の生活を送れば、転輪聖王となって[徳高き真理の王、四方の支配者、国の支配者、七宝の所有者となります。この人にはこのような七つの宝が具わります。すなわち、輪宝、象宝、馬宝、マニ宝、女宝、居士宝、そして第七番目の将兵宝です。また王には千人以上の息子がいて、勇士、英雄であって、敵軍を打破するものたちであります。かの王は、この大地を海の周縁まで、刑罰によらず、武器によらず、ダルマによって征服して統治します]。
 王としてかれはなにを得るでしょうか。非常に長い寿命です。長い寿命を保ち、この世界において、いかなる敵方、反対者、修行者、バラモン、天の神、悪魔、梵天によっても中途で命を奪われることはありません。王としてはこれを獲得します。
[もしかれが在家の生活を捨てて出家者となれば、真人・正しく覚った人となり、この世で煩悩の覆いを開いたものとなるのです。]
 仏としてなにを得るのでしょうか。非常に長い寿命です。長い寿命を保ち、この世界において、いかなる敵方、反対者、修行者、バラモン、天の神、悪魔、梵天によっても中途で命を奪われることはありません。仏としてはこれを獲得します」
 世尊はこのように説かれた。
 一二、これについて次のようにいわれている
  死と殺害をみずからも恐れることを悟って
  かれは他の生き物を殺すことを嫌悪した
  この善行によって、かれは天上におもむき
  善き行ないの果報を享受した
  死後、再びこの世にやってきたとき
  ここで三つの相を獲得した
  広く長いかかとをもち
  梵天のように真っ直ぐで、美しく、均整のとれた体をしていた
  よき腕は若々しく、端正で、整っていた
  かれの柔らかく繊細な指は長かった
  [151]このような三つの偉人の相によって
  長い生存が童子に与えられる
  「もし在家の生活を送れば、長生きするでしょう
  もし出家の生活に入れば、神通力を身につけてさらに長く生きるでしょう
  このように長寿がこの特徴です」

[七処隆満相]
 一三、「修行僧のみなさん、完き人は、過去の生まれ、過去の生存、過去の住処において人間として生まれ、極上のおいしい食物、すなわち噛む食物、柔らかい食物、味わう食物、舐める食物、飲物を与えました。かれは、この行為を行ない、集め、蓄積し、増大することによって、肉体が消滅して死んだ後、よきところである天界に生まれます。天界ではかれは他の神々と比べて、寿命、容色、安楽、名誉、威光、外形、音声、芳香、味覚、触覚の十の点で勝れています。かれはそこで寿命が尽きて後、この世界にやって来て偉大な人の相を獲得します。かれには七カ所の隆起[6]があります。七カ所の隆起は両手、両足、両肩、胴体にあります。
 一四、この相を具える人は、もし在家の生活を送れば、転輪聖王となって・・・・・・
 王としてかれはなにを得るでしょうか。極上のおいしい食物、すなわち噛む食物、柔らかい食物、味わう食物、舐める食物、飲物を得ます。王としてはこれを獲得します。・・・
 仏としてなにを得るのでしょうか。極上のおいしい食物、すなわち噛む食物、柔らかい食物、味わう食物、舐める食物、飲物を得ます。仏としてはこれを獲得します」
 [152]世尊はこのように説かれた。
 一五、これについて次のようにいわれている
  最高の味の噛む食物、柔らかい食物
  味わう食物、舐める食物を与える人だった
  かれはこのよき行為によって
  ナンダナ園[天上の園]で長い間楽しんだ
  この世界に来て、七カ所が隆起し 
  手足が柔らかくなった
  相好を占う者はいった
 「食物、飲物の精髄を得るでしょう
  これは在家者にはその意味は明らかではないが
  出家の生活を送れば
  食物、飲物の精髄を得る最高者となり  
  一切の家庭生活の束縛を断ったといわれるのです」

[手足柔軟相・手足網縵相]
 一六、修行僧のみなさん、完き人は、過去の生まれ、過去の生存、過去の住処において人間として生まれ、四つの把握法、すなわち気前よさ、やさしいことば、奉仕、協力によって人々を導きました。かれは、この行為を行ない、集め、蓄積し、増大することによって、肉体が消滅して死んだ後、よきところである天界に生まれます。天界ではかれは他の神々と比べて、寿命、容色、安楽、名誉、威光、外形、音声、芳香、味覚、触覚の十の点で勝れています。かれはそこで寿命が尽きて後、この世界にやって来て二つの[153]偉大な人の相を獲得します。それは柔らかく繊細な手足[7]と水掻きのある手足[8]です。
 一七、この相を具える人は、もし在家の生活を送れば、転輪聖王となって・・・・・・
 王としてかれはなにを得るでしょうか。よく統御された臣下です。かれにはよく統御されたバラモンや資産家、市民や村民、財務官や顧問官、衛兵、門番、大臣、周辺国の諸王、領主、王子たちがいます。王としてはこれを獲得します。・・・
 仏としてなにを得るのでしょうか。よく統御された弟子、信者たちです。仏にはよく統御された男女の修行僧、在俗信者、在俗信女、天の神々、人間、阿修羅、龍神、ガンダッバがいます。仏としてはこれを獲得します。
 世尊はこのように説かれた。
 一八、これについて次のようにいわれている
  気前よさと奉仕
  やさしいことばと協力を
  実行し、多くの人々のために親切にして
  尊敬される徳を具えたかれは、天界に行った
  死後、再びこの世界にやって来て
  幼く、若い童子は
  極めて素晴らしく、美しく、見目麗しい
  柔らかい手足と水掻きを得た
  [154]「臣下は忠実にして従順で
  その国に住む人々は、よく掌握されるでしょう
  ことば優しく、利益と幸福を願い
  喜ばしい徳行を実践します
  もしあらゆる欲望や享楽を捨てれば
  勝利者として、人々に真理を説きます
  そのことばの効果を信じる人々は
  さまざまな教えを聴いて実行します」

   『原始仏典 第三巻 長部経典3』春秋社 P191−211



(続く)

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