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原始仏典コミュの律蔵 「不浄戒3」 スディンナ不浄を犯す・学処制定

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(続き)

「時に長老スディンナは父にこう言った。
「もし食を与えようと思うのなら与えなさい。私たちを困らせてはいけない」と。
「私のスディンナ、食べなさい」と。
 こうして長老スディンナの父母は、自らスディンナに美味な硬くあるいは柔らかい食事をもてなして満足させ、十分に食べさせた。時にスディンナの母は、食べ終わって鉢から両手を放した長老スディンナにこう言った。
「私のスディンナ、この家は実に財産が豊かで、食物も多く、豊かな金銀・財貨・資具・召使いがいる。スディンナ、あなたは還俗して財産を享受し、功徳を積むことができる。来なさいスディンナ、還俗して財産を享受し、そして功徳を積みなさい」と。
「母、私は強いて努力しているのではありません。罪を犯したのでもありません。私は喜んで梵行を修めています」と。
 二度、長老スディンナの母は言った。
「私のスディンナ、この家は実に財産が豊かで、食物も多く、豊かな金銀・財貨・資具・召使いがいる。スディンナ、あなたは還俗して財産を享受し、功徳を積むことができる。来なさいスディンナ、還俗して財産を享受し、そして功徳を積みなさい」と。
「母、私は強いて努力しているのではありません。罪を犯したのでもありません。私は喜んで梵行を修めています」と。
 三度、長老スディンナの母は言った。
「私のスディンナ、この家は実に財産が豊かで、食物も多く、豊かな金銀・財貨・資具・召使いがいる。それならば、スディンナ。跡継ぎを与えなさい。私たちを子供のない者とし、リッチャヴィ王に財産を没収させることがないようにしなさい」と。
「母、それは私には為すことができます」。
「スディンナ、あなたは今どこに住んでいるのですか」。
「母、大林の中です」と。
 こうして長老スディンナは座より立って去った。
 時に長老スディンナの母は、スディンナの元妻を呼んで言った。
「嫁よ、あなたは月経となり、月経が終わったら私に言いなさい」と。
「はい、お義母さま」と、スディンナの元妻はスディンナの母に言った。
 時に間もなくスディンナの元妻に月経が起きた。こうしてスディンナの元妻はスディンナの母に言った。
「お義母さま、私は月経になりました。月経は終わりました」と。
「それならば、嫁よ、あなたは息子スディンナの好む服で着飾りなさい」。
「はい、お義母さま」と長老スディンナの元妻はスディンナの母に言った。
 こうして長老スディンナの母はスディンナの元妻を伴って、大林にいる長老スディンナのもとに行った。行き終わってスディンナに言った。
「私のスディンナ、この家は実に財産が豊かで、食物も多く、豊かな金銀・財貨・資具・召使いがいる。それならば、スディンナ。跡継ぎを与えなさい。私たちをして子供のない者とし、リッチャヴィ王に財産を没収させることがないようにしなさい」と。
「母、それは私には為すことができます」と元妻の手をとって大林の中に入り、いまだ制戒されていないためにそれが罪であることを知らずに、元妻と三度、不浄法を行った。その女は彼によって子供を宿した。
 地居天は叫んだ。「実に無垢にして無罪の私のサンガにスディンナ・カランダカプッタによって垢は生じ悪罪は起きた」と。
 地居天の叫びを聞いて四大王天も叫んだ。「実に垢濁なく過患なき私のサンガにスディンナ・カランダカプッタによって垢濁は生じ過患は起きた」と。
 四大王天の叫びを聞いて三十三天も叫んだ。「実に垢濁なく過患なき私のサンガにスディンナ・カランダカプッタによって垢濁は生じ過患は起きた」と。
 三十三天の叫びを聞いてヤーマ天も叫んだ。「実に垢濁なく過患なき私のサンガにスディンナ・カランダカプッタによって垢濁は生じ過患は起きた」と。
 ヤーマ天の叫びを聞いてトゥシタ天も叫んだ。「実に垢濁なく過患なき私のサンガにスディンナ・カランダカプッタによって垢濁は生じ過患は起きた」と。
 トゥシタ天の叫びを聞いても化楽天(ニンマーナラティ)も叫んだ。「実に垢濁なく過患なき私のサンガにスディンナ・カランダカプッタによって垢濁は生じ過患は起きた」と。
 化楽天の叫びを聞いて他化自在天(パラニンミタ・ヴァサヴァッティ)も叫んだ。「実に垢濁なく過患なき私のサンガにスディンナ・カランダカプッタによって垢濁は生じ過患は起きた」と。
 他化自在天の叫びを聞いて梵衆天(ブラフマ・カーイカ)も叫んだ。「実に垢濁なく過患なき私のサンガにスディンナ・カランダカプッタによって垢濁は生じ過患は起きた」と。
 こうしてその声はたちまちにして梵天界にまで到達した。
 時に長老スディンナの元妻は、その胎児が成熟することによって男子を生んだ。長老スディンナの友はその子にビージャカ(跡継ぎという意味)という名前を付け、スディンナの元妻にはビージャカマーター(跡継ぎの母)という名前を付け、長老スディンナにはビージャカピター(跡継ぎの父)という名前を付けた。彼らは後に共に出家して阿羅漢果を証した。

 その時、具寿スディンナに後悔が生じた。
「実に私に不利益だ、実に私に利益がない。実に私にとって悪いことだ。実に私にとって善いことではない。私はこのように善く説かれた法律の中に出家して、終生、完全無欠・清浄無垢の梵行を修めることができない」と。
 こうして彼はこの後悔のために、痩せこけて顔色は憔悴し、静脈はことごとく手足に現れて、心が砕けて沈み込み、悲しみ、後悔し、落胆した。
 時に具寿スディンナの友人である比丘たちはスディンナにこう言った。
「友スディンナ、君は前は容姿が麗しくて身体も肥えて、顔色もよく皮膚の色もよかった。しかし今、君は痩せこけて顔色は憔悴し、静脈はことごとく手足に現れて、心が砕けて沈み込み、悲しみ、後悔し、落胆している。友スディンナ、君は梵行を修めるのを楽しまないのか」と。
「友、私は梵行を修めるのを楽しまないのではない。私は悪行を為してしまった。私は元妻と不浄法を行った。友、それに対して私はこのように後悔がある。『実に私に不利益だ、実に私に利益がない。実に私にとって悪いことだ。実に私にとって善いことではない。私はこのように善く説かれた法律の中に出家して、終生、完全無欠・清浄無垢の梵行を修めることができない』と」。
 「友スディンナ、実に疑いがあるだろう。実に君に後悔があるだろう。君はこのように善く説かれた法律の中に出家して、終生、完全無欠・清浄無垢の梵行を修めることができない。
 友、世尊は様々な方法によって貪を離れるために法を説き、貪を具えるためではない。縛を離れるために法を説き、縛を具えるためではない。無執着のために法を説き、有執着のためではないのだ。
 ここに友、君は実に世尊によって、貪を離れるために説かれた法を貪を具えるものとなし、縛を離れるために説かれた法を縛を具えるものとなし、無執着のために説かれた法を有執着のものとする。
 友、世尊は様々な方法によって欲を離れるために法を説き、驕慢を破るために、渇きから離脱するために、愛を除くために、種を断ずるために、離欲・滅・涅槃のために法を説いたではないのか。
 友、世尊は様々な方法によって欲の断滅を説き、欲想を知ることを説き、欲渇の調伏を説き、欲尋の滅を説き、欲熱の静止を説いたのではないのか。
 友、これはいまだ信じていない者に信を起こさせ、すでに信じている者にその信を増長させるものにならない。これはむしろ、いまだ信じていない者に不信を起こさせ、すでに信じている者の一部が他に転向させるものだ」と。
 時にその比丘たちは様々な方法によって具寿スディンナを呵責し、世尊にこのことを言った。時に世尊はこの因縁によってサンガを集め、具寿スディンナに質問した。
「スディンナ、あなたは真実、元妻と不浄法を行ったのか」と。
「真実です。世尊」と。
 ブッダ世尊は呵責した。
「愚か者、これは適法ではない。随順行ではない。威儀ではない。沙門行ではない。浄行ではない。為してはならないことである。
 愚か者、あなたはどうしてこのような善く説かれた法・律の中に出家して終生、完全無欠・清浄無垢の梵行を修めることができないのか。私は様々な方法によって欲を離れるために法を説き、欲を具えるためではない。縛を離れるために法を説き、縛を具えるためではない。無執着のために法を説き、有執着のためではないのだ。ここにあなたは実に私が、欲を離れるために説かれた法を欲を具えるものとなし、縛を離れるために説かれた法を縛を具えるものとなし、無執着のために説かれた法を有執着のものとする。
 愚か者、私は様々な方法によって欲を離れるために法を説き、驕慢を破るために、渇きから離脱するために、愛を除くために、種を断ずるために、離欲・滅・涅槃のために法を説いたではないのか。愚か者、私は様々な方法によって欲の断滅を説き、欲想を知ることを説き、欲渇の調伏を説き、欲尋の滅を説き、欲熱の静止を説いたのではないのか。
 愚か者、たとえ恐ろしい毒牙の口の中に男根(男性器)を入れるとしても、女性の根(女性器)の中に入れてはならない。
 愚か者、たとえ毒蛇の口の中に男根を入れるとしても、女根の中に入れてはならない。
 愚か者、たとえ燃え盛る火坑の中に男根を入れるとしても、女根の中に入れてはならない。
 なぜか。愚か者、それを原因として実に死、あるいは死に等しい苦を受けるだろう。しかしそのために、身体が破れ命が終わった後、悪いところ・悪い行き先・悪い生まれ・地獄に生まれることはない。
 しかし、愚か者よ、この原因によって身体が破れ命終した後、悪いところ・悪い行き先・悪い生まれ・地獄に生まれるだろう。
 愚か者、あなたはここに実にこの罪業・卑しい業・悪行・汚れた行・末水行(性行為の末に水を用いることから)・隠れたところで行う法・ただ二人あることによってのみ成就する法を行った。
 愚か者、あなたは人々による多くの不善法の最初の犯行者・先駆者となった。
 愚か者、これはいまだ信じていない者に信を起こさせ、すでに信じている者にその信を増長させるものにならない。
 愚か者、これはむしろ、いまだ信じていない者に不信を起こさせ、すでに信じている者の一部が他に転向させるものだ」と。
 こうして世尊は様々な方法によって具寿スディンナを呵責し、扶養しがたく、給養しがたく、多欲にして足るを知らず、人々に交わって放逸であることの非を説き、扶養しやすく、給養しやすく、少欲知足にして清浄、頭陀を好み、端正であって、人々と交わらず、勇猛精進であることを称賛し、比丘たちのために適切で随順な法話をして、比丘たちに言った。
「比丘たちよ、それならば私は、十の利益のゆえに、比丘たちのために学処を制するだろう。サンガをまとめるために、サンガの安楽のために、悪人を調伏するために、善なる比丘が安楽に住するために、現在の漏を断ずるために、将来の漏を滅するために、未信者を信じさせるために、巳信者(すでに信者)の信を増長させるために、正法が長く住するために、律を愛好するために。比丘たちよ、あなたたちはこのようにこの学処を誦しなさい。

  いずれの比丘といえども、不浄法を行ずれば、波羅夷にして共住すべきではないものである

 と。このように世尊は比丘衆のためにこの学処を制した」(続く)

   『南伝大蔵経1 律蔵1』大蔵出版  P26-33

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