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原始仏典コミュの律蔵 「不浄戒2」 サンガ堕落の原因・スディンナ

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(続き)


「その時、長老サーリプッタは座より立ち、右肩をあらわにして合唱して世尊にこう言った。
「世尊、まさに今がその時です。善逝、まさに今がその時です。世尊、弟子たちのために学処を制し、波羅提木叉を誦出し、それによってこの梵行が長く続くようにするべき時です」と。
「サーリプッタ、あなたは待ちなさい。サーリプッタ、あなたは待ちなさい。如来は自らその時を知る。
 サーリプッタ、サンガにいまだいずれかの有漏法が生じない限りは、如来は声聞のために学処を制さず、波羅提木叉を誦出しない。
 サーリプッタ、サンガにいずれかの有漏法が生じた時、そのときに如来は声聞のため、彼らの有漏法を断ずるために、学処を制し、波羅提木叉を誦出するだろう。
 サーリプッタ、サンガにはいまだ出家して長い者が増えない間は、サンガにいずれかの有漏法は生じないだろう。
 サーリプッタ、サンガに出家して長い者が増えた時に、サンガにいずれかの有漏法が起こるだろう。その時如来は声聞のため、彼らの有漏法を断ずるために、学処を制し、波羅提木叉を誦出するだろう。
 サーリプッタ、サンガが発達して大きくならない間は、サンガにいずれかの有漏法は生じないだろう。
 サーリプッタ、サンガが発達して大きくなった時、サンガにいずれかの有漏法が起こるだろう。その時如来は声聞のため、彼らの有漏法を断ずるために、学処を制し、波羅提木叉を誦出するだろう。
 サーリプッタ、サンガがいまだ大きな利得を得ない間は、サンガにいずれかの有漏法は生じないだろう。
 サーリプッタ、サンガが大きな利得を得る時、サンガにいずれかの有漏法が起こるだろう。その時如来は声聞のため、彼らの有漏法を断ずるために、学処を制し、波羅提木叉を誦出するだろう。
 サーリプッタ、サンガがいまだ多聞において大きくならない間は、サンガにいずれかの有漏法は生じないだろう。
 サーリプッタ、サンガが多聞において大きくなる時、サンガにいずれかの有漏法が起こるだろう。その時如来は声聞のため、彼らの有漏法を断ずるために、学処を制し、波羅提木叉を誦出するだろう。
 サーリプッタ、比丘サンガは実に垢汚れなく、罪ある者なく、黒法の者なく、純浄にして真実地に住している。
 サーリプッタ、実にこれら五百の比丘たちの中、最も劣った者でも、預流に入り、悪趣に堕ちない者となり、必ず正しい覚りに至る者である」と。
 その時、世尊は長老アーナンダに言った。
「アーナンダ、要請されて安居に入ったならば、告げずしては諸国へ遊行に出ない、これは諸仏の常法である。さあ、アーナンダ、ヴェーランジャー婆羅門に告げなさい」と。
「はい、世尊」と長老アーナンダは答えた。
 その時、世尊は下衣を来て、衣鉢を持って長老アーナンダを従者としてヴェーランジャー婆羅門のところに行き、行き終わって設けられた座についた。
 その時ヴェーランジャー婆羅門は世尊のところに行き、世尊に礼をして一方に座った。一方に座り終わったヴェーランジャー婆羅門は世尊にこう言った。
「婆羅門、あなたに請われて雨安居に入った私たちはあなたに暇を告げて諸国遊行に出ようと欲する」と。
「ゴータマ、実に私に請われてここに安居に入りました。しかも供養しなければならないのにいまだ供養していません。それは物がないのではありません、また与えるつもりがないのでもありません。それはどうしてかというと、家にいては仕事が多く、為すべき事が多いからです。尊師、世尊は比丘衆とともに明日の食事をとることを私に許してください」と。
 世尊は沈黙してこれを許した。その時世尊はヴェーランジャー婆羅門に法話をして教戒し、歓喜させて座から立って去った。
 その時ヴェーランジャー婆羅門は、その夜を過ぎて自分の家で美味な食事を調理させ、世尊に食事の時間を告げた。
「ゴータマ、時間です。食事の準備ができました」と。
 その時世尊は早朝、下衣を着て、衣鉢を持ってヴェーランジャー婆羅門の家に着いて、比丘衆とともに設けられた席に座った。その時ヴェーランジャー婆羅門はブッダを長とする比丘衆に自ら美味な食事をもてなし、満腹にさせ、食事が終わって鉢より手を離した世尊に三衣を施与して、また比丘たちにもそれぞれ一組の衣布を施した。その時世尊はヴェーランジャー婆羅門に法話をして教戒し、歓喜させて座から立って去った。
 その時世尊は意のままにヴェーランジャー村で過ごしてソーレッヤの町、サンカッサ国、カンナクッジャ国に入り、さらにパヤーガの渡し場に着いて、そこからガンガー川を渡ってバーラーナシー市に着いた。こうして世尊はバーラーナシー市において意のままに過ごしてヴェーサーリ市に向かって遊行にたって、次第に巡行してヴェーサーリ市に着き、そこで世尊はヴェーサーリ市の大林の重閣講堂に住んだ。

(五)その時、ヴェーサーリー市にカランダという名の村があった。そこにスディンナ・カランダカプッタ(カランダカの子[あるいはカランダカ族]スディンナ)という名の長者の子がいた。時にスディンナ・カランダカプッタはある用事を持って、多くの同僚とともにヴェーサーリー市に行った。その時、世尊は大衆に囲まれて座り、説法していた。スディンナ・カランダカプッタは世尊が大衆に囲まれて座り、説法しているのを見てこのように思った。「私もまた説法を聞こう」と。
 こうしてスディンナ・カランダカプッタは、その聴衆のところに行って一つの場所に座った。一つの場所に座って思った。「世尊が説き示した法は、私が了解したところによれば、家に住する者には完全無欠の清浄無垢にして磨かれた真珠貝のような梵行を修することは簡単ではない。私は髪とひげを剃り落して色の汚れた衣を着て、家から出て出家の身となろう」と。
 その時、その大衆は世尊の説法によって説示教戒されて、歓喜して座より立って世尊を敬礼し右回りして去って行った。時にスディンナ・カランダカプッタは人々が立ち去るとただちに世尊のところに行き、世尊に礼をして一方に座った。一方に座り終わって彼は世尊に言った。
「世尊、世尊が説き示した法は、私が了解したところによれば、家に住する者には完全無欠の清浄無垢にして磨かれた真珠貝のような梵行を修することは簡単ではない。私は髪とひげを剃り落して色の汚れた衣を着て、家から出て出家の身となろうと思います。世尊、私を出家させてください」と。
「スディンナ、あなたは父母によって家より出て家なき身となるのを許されたのか」。
「世尊、私はまだ父母によって家より出て家なき身となるのを許されていません」。
「スディンナ、如来は父母に許されていない子を出家させない」。
「それならば、世尊、父母が私に家より出て家なき身となるのを許すならば、私はそうしましょう」と。
 時にスディンナ・カランダカプッタは、ヴェーサーリ市において仕事をし終わり、カランダ村の父母のもとに行った。行って父母にこう言った。
「父母、世尊が説き示した法は、私が了解したところによれば、家に住する者には完全無欠の清浄無垢にして磨かれた真珠貝のような梵行を修することは簡単ではありません。私は髪とひげを剃り落して色の汚れた衣を着て、家から出て出家の身となろうと思います。私に出家を許してください」と。
 こう言われてスディンナ・カランダカプッタの父母は彼に言った。
「私のスディンナ、あなたは実に私たちが愛するただ一人の子であって、幸福に成長し、安楽に育てられた。スディンナ、あなたは苦しいということがどういうことかわかっていない、私たちは死によってもあなたと別れることを望まない。どうして生きているあなたの出家を許すだろうか」と。
 二度スディンナ・カランダカプッタは父母にこう言った。
「父母、世尊が説き示した法は、私が了解したところによれば、家に住する者には完全無欠の清浄無垢にして磨かれた真珠貝のような梵行を修することは簡単ではありません。私は髪とひげを剃り落して色の汚れた衣を着て、家から出て出家の身となろうと思います。私に出家を許してください」と。
 こう言われてスディンナ・カランダカプッタの父母は再度、彼に言った。
「私のスディンナ、あなたは実に私たちが愛するただ一人の子であって、幸福に成長し、安楽に育てられた。スディンナ、あなたは苦しいということがどういうことかわかっていない、私たちは死によってもあなたと別れることを望まない。どうして生きているあなたの出家を許すだろうか」と。
 こうしてスディンナ・カランダカプッタは「父母は私に家から出て家なき身となることを許さない」と、そこで敷物もない地上に寝た。「ここで私は死ぬか、そうでないなら、出家を得るだろう」と。こうしてスディンナ・カランダカプッタは、一日の食事をとらず、二日の食事も取らず、三日の食事もとらず、四日の食事もとらず、五日の食事もとらず、六日の食事もとらず、七日の食事もとらなかった。
 その時、彼の父母は彼にこう言った。
「私のスディンナ、あなたは実に私たちが愛するただ一人の子であって、幸福に成長し、安楽に育てられた。スディンナ、あなたは苦しいということがどういうことかわかっていない、私たちは死によってもあなたと別れることを望まない。どうして生きているあなたの出家を許すだろうか。私のスディンナ、立ちなさい。食べて飲んでそして楽しみなさい。あなたは食べて飲んで愛欲を享受しながら、福徳を行じて楽しみなさい。私たちはあなたが出家するのを許さない」と。
 こう言われてもスディンナ・カランダカプッタは沈黙していた。
 再度、スディンナ・カランダカプッタの父母は彼にこう言った。
「私のスディンナ、あなたは実に私たちが愛するただ一人の子であって、幸福に成長し、安楽に育てられた。スディンナ、あなたは苦しいということがどういうことかわかっていない、私たちは死によってもあなたと別れることを望まない。どうして生きているあなたの出家を許すだろうか。私のスディンナ、立ちなさい。食べて飲んでそして楽しみなさい。あなたは食べて飲んで愛欲を享受しながら、福徳を行じて楽しみなさい。私たちはあなたが出家するのを許さない」と。
 こう言われてもスディンナ・カランダカプッタは沈黙していた。
 三度スディンナ・カランダカプッタの父母は彼にこう言った。
「私のスディンナ、あなたは実に私たちが愛するただ一人の子であって、幸福に成長し、安楽に育てられた。スディンナ、あなたは苦しいということがどういうことかわかっていない、私たちは死によってもあなたと別れることを望まない。どうして生きているあなたの出家を許すだろうか。私のスディンナ、立ちなさい。食べて飲んでそして楽しみなさい。あなたは食べて飲んで愛欲を享受しながら、福徳を行じて楽しみなさい。私たちはあなたが出家するのを許さない」と。
 時にスディンナ・カランダカプッタの友人は彼のところに行きこう言った。
「友スディンナ、君は父母の愛するただ一人の子であって、幸福に成長し、安楽に育てられた。君は苦しいということがどういうことかわかっていない。君の父母は死によっても君と別れることを望まない。どうして生きている君の出家を許すだろうか。立てよスディンナ。食べて飲んでそして楽しむことだ。あなたは食べて飲んで愛欲を享受しながら、福徳を行じて楽しむのだ。君の両親は君が出家するのを許さない」と。
 こう言われてもスディンナは沈黙していた。
 再度、スディンナ・カランダカプッタの友人はこう言った。
「友スディンナ、君は父母の愛するただ一人の子であって、幸福に成長し、安楽に育てられた。君は苦しいということがどういうことかわかっていない。君の父母は死によっても君と別れることを望まない。どうして生きている君の出家を許すだろうか。立てよスディンナ。食べて飲んでそして楽しむことだ。あなたは食べて飲んで愛欲を享受しながら、福徳を行じて楽しむのだ。君の両親は君が出家するのを許さない」と。
 こう言われても再度、スディンナは沈黙していた。
 三度、スディンナ・カランダカプッタの友人はこう言った。
「友スディンナ、君は父母の愛するただ一人の子であって、幸福に成長し、安楽に育てられた。君は苦しいということがどういうことかわかっていない。君の父母は死によっても君と別れることを望まない。どうして生きている君の出家を許すだろうか。立てよスディンナ。食べて飲んでそして楽しむことだ。あなたは食べて飲んで愛欲を享受しながら、福徳を行じて楽しむのだ。君の両親は君が出家するのを許さない」と。
 こう言われても三度、スディンナは沈黙していた。
 時にスディンナ・カランダカプッタの友人は彼の父母のところに行った。行って父母に言った。
「ご両親、あのスディンナは『ここで私は死ぬかあるいは出家を得るだろう』と敷物もない地上で横になっています。もしご両親がスディンナに出家を許さないならば、そこに死が訪れるのみです。しかし、もし彼に出家を許すならば、出家するとしても彼を見ることができるでしょう。もしスディンナが出家を楽しまない時は、彼に他にどのような道があるでしょうか。その時こそ、彼は帰ってくるでしょう。彼に出家を許してください」と。「あなた方、私たちはスディンナに出家を許すことにしよう」と。
 こうしてスディンナの友人はスディンナのところに行ってこう言った。
「友スディンナ、立てよ。君は君の両親によって家を出て家なき身となることを許されたのだ」と。
 その時スディンナ・カランダカプッタは「私はついに父母によって出家を許された」と歓喜して手で身体を払って立った。こうしてスディンナは数日で体力を得て、世尊のところに行った。行って世尊に礼をして一方に座った。一方に座り終わってスディンナは世尊にこう言った。
「世尊、私は父母によって家を出て家のない身となることを許されました。世尊、私を出家させてください」と。
 スディンナ・カランダカプッタは世尊のもとで出家を得て、具足戒を得た。具足戒を得たのち、やがて長老スディンナはこのように頭陀行の修行を行じた。すなわち阿蘭若(林など)に住む者、乞食する者、大便を拭う衣を着る者、順番に乞食していく者となって、あるヴァッジ族の村の近くにいた。

 その時、ヴァッジは飢饉で食を得ることが難しく、白骨狼藉であった。作物は葉や茎しかなく、布施の食物で生活することは簡単ではなかった。時に長老スディンナは思った。
「今、ヴァッジは飢饉で食を得ることが難しく、白骨狼藉だ。作物は葉や茎しかなく、布施の食物で生活することは簡単ではない。しかし、ヴェーサーリに私の多くの親戚がいて、実に富裕で食物は多く、金銀は豊かに、財物はおびただしくあり、穀物を豊富に持っている。私はその親戚に依って暮らそう。親戚は私に依って布施をし、福徳を積むだろう。こうして比丘たちも利益を得て、私もまた乞食を苦としないだろう」と。
 こうして長老スディンナは、住まいを片付け、衣鉢を持ってヴェーサーリに向かって出発し、次第に遊行してヴェーサーリに着いて、そこで彼は大林の重閣講堂に住んだ。長老スディンナの親戚は聞いた。「実にスディンナ・カランダカプッタが、ヴェーサーリに来た」と。こうして彼らは、長老スディンナに六十の大盤の供養の食事をもてなした。長老スディンナはこの六十の大盤の食事を比丘たちに贈り、早朝、下衣を着て衣鉢を持って、乞食のためにカランダカ村に入り、カランダカ村で次第乞食をし、自分の父の家にいたった。
 その時、長老スディンナの実家の下女がいて、昨晩の残り粥を捨てようとした。長老スディンナはその下女にこう言った。
「妹よ、もしそれを捨てるのならば、この私の鉢の中に移しなさい」と。
 こうしてスディンナの実家の下女は、その残り粥をスディンナの鉢の中に移す時、手足と声の特徴によって彼であるということを知った。
 それから長老スディンナの実家の下女は、スディンナの母のところに来て言った。
「なんということでしょう。私のご主人さま、息子のスディンナが来たことを知っていますか」と。
「もしあなたの言葉が本当なら、私はあなたを下女であることから自由にしましょう」と。
 その時、長老スディンナはその昨晩の残り粥を一つの垣の下で食べていた。長老スディンナの父も、仕事から帰ってきて、スディンナが残り粥を垣の下で食べているのを見た。見終わって長老スディンナのところに来て言った。
「なんと、スディンナ。お前は昨晩の残り粥を食べているのか。スディンナ、お前は自分の家に行くべきではないのか」と。
「居士、私はすでにあなたの家に行き、そこでこの残り粥を得たのです」と。
 その時、長老スディンナの父はスディンナの手をとって彼にこう言った。
「さあ、スディンナ。来なさい。私の家に行こう」と。
 こうして長老スディンナは自分の父の家に来て設けられた席に着いた。時に長老スディンナの父は、彼にこう言った。
「さあ、スディンナ。食べなさい」と。
「やめてください、居士。私はすでに今日の食事を終えました」。
「スディンナ、それならば明日の食事を承けなさい」と。
 長老スディンナは沈黙して承諾した。こうして長老スディンナは座より立って去った。
 時に長老スディンナの母は、その夜を過ぎて、緑の牛の糞で地面を塗らせ、一つは金貨でもう一つは黄金からなる二つの積み重ねを作らせた。積み重ねはこのように大きかった。すなわち、この側に立った男子はその側に立った男子を見れなかった。その側に立った男子はこの側に立った男子を見れなかった。この積み重ねを敷物で覆わせて、その中間に席を設けて、幔幕(まんまく)をめぐらせて、長老スディンナの元妻に言った。
「さあ、嫁よ。あなたは息子スディンナの好む服で着飾りなさい」と。
「はい、お義母さま」と。
 長老スディンナの元妻はスディンナの母に答えた。
 こうして長老スディンナは早朝に下衣を着て衣鉢を持って、自分の父の家に来て設けられた席に着いた。時に長老スディンナの父は、スディンナのところに来て、その積み重ねを開いて長老スディンナに言った。
「私のスディンナ、これはお前の母方から来た婦人の財産であって、さらに他に父の財産があり、祖父の財産もある。私のスディンナ、お前は還俗して財産を享受し、功徳を積むことができるだろう。来なさい、スディンナ。お前は還俗して財産を享受し、また功徳を積みなさい」と。
「父よ、私は強いて努力しているのではありません。罪を犯したのでもありません。私は歓んで梵行を修めているのです」と。
 二度、長老スディンナの父は長老スディンナに言った。
「私のスディンナ、これはお前の母方から来た婦人の財産であって、さらに他に父の財産があり、祖父の財産もある。私のスディンナ、お前は還俗して財産を享受し、功徳を積むことができるだろう。来なさい、スディンナ。お前は還俗して財産を享受し、また功徳を積みなさい」と。
「父よ、私は強いて努力しているのではありません。罪を犯したのでもありません。私は歓んで梵行を修めているのです」と。
 三度、長老スディンナの父は長老スディンナに言った。
「私のスディンナ、これはお前の母方から来た婦人の財産であって、さらに他に父の財産があり、祖父の財産もある。私のスディンナ、お前は還俗して財産を享受し、功徳を積むことができるだろう。来なさい、スディンナ。お前は還俗して財産を享受し、また功徳を積みなさい」と。
「居士よ、私はあなたに語ろうと欲する。もしあなたが怒らないのであれば」。
「スディンナ、言いなさい」。
「それならば、居士よ、あなたは大きな麻布の袋を作らせてこの金貨・黄金を満たして、車で運ばせて、ガンガー川の中流に投じてください。どうしてでしょうか、居士よ。そうすれば、それを原因としてあなたにある恐れ、あるいは驚き、あるいは恐怖、あるいは心労があなたになくなるでしょうから」と。
 このように言われて長老スディンナの父は喜ばなかった。
「どうして息子スディンナはこのように言うのか」と。
 こうして長老スディンナの父はスディンナの元妻に言った。
「それならば嫁よ、あなたは寵愛されている者、あなたならば息子スディンナもあなたとは言葉を交わすでしょう」と。
 こうして長老スディンナの元妻は、スディンナの両足をとって彼に言った。
「私の夫、あなたがそれを得ようとして梵行を修めているその天女はどのようなものなのでしょうか」と。
「妹、私は天女のために梵行を修めているのではない」と。その時長老スディンナの元妻は「私の夫スディンナは、今日から私を妹という言葉で呼ぶ」と、悶絶してその場に倒れた」 (続く)

      『南伝大蔵経1 律蔵1』大蔵出版  P14-26

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