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原始仏典コミュの律蔵 「ゴータマ伝4」 カッサパ三兄弟

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(続き)


「(一五)
 時に先生は次第に遊行してウルヴェーラーに着いた。その時ウルヴェーラーに三人の結髪者(髪を結った者、髪を結んだ行者)が住んでいた。
 ウルヴェーラカッサパ・ナディーカッサパ・ガヤーカッサパという。
 そのうちの結髪者ウルヴェーラカッサパは五百人の結髪者の導く師であり、遍く導く師であり、最も尊く、第一人者であり、最上であった。
 結髪者ナディーカッサパは三百人の結髪者の導く師であり、遍く導く師であり、最も尊く、第一人者であり、最上であった。
 結髪者ガヤーカッサパは二百人の結髪者の導く師であり、遍く導く師であり、最も尊く、第一人者であり、最上であった。
 時に先生は結髪者ウルヴェーラカッサパの庵にいたった。いたって結髪者ウルヴェーラカッサパに言った。
「カッサパよ、もしあなたの意に介さないならば、私は火堂で一夜を過ごしたい」
「大沙門(マハーサマナ)よ、私の意に介さないのはでない、そうであるがあそこには凶暴で神通を持つ龍王がいる。猛毒の毒蛇である。あなたを害することがなければよい」。
 ふたたび先生は結髪者ウルヴェーラカッサパに言った。
「カッサパよ、もしあなたの意に介さないならば、私は火堂で一夜を過ごしたい」
「大沙門よ、私の意に介さないのはでない、そうであるがあそこには凶暴で神通を持つ龍王がいる。凶暴な毒蛇である。あなたを害することがなければよい」。
 三たび先生は結髪者ウルヴェーラカッサパに言った。
「カッサパよ、もしあなたの意に介さないならば、私は火堂で一夜を過ごしたい」。
「大沙門よ、私の意に介さないのはでない、そうであるがあそこには凶暴で神通を持つ龍王がいる。猛毒ある毒蛇である。あなたを害することがなければよい」。
「私を害することはないだろう、カッサパよ。火堂に入るのを許しなさい」。
「大沙門よ、意にままに入って下さい」。
 時に先生は火堂に入り、草の敷具を敷いて座り、結跏趺坐し、姿勢を正しくして、念を目の前に住させた。時にその龍は先生が入ってきたのを見た。見て苦悩し悲嘆し煙を吐いた。時に先生に思念が生じた。
「私はまさにこの龍の皮膚、肉、筋、骨髄を損なうことなく威力によって威力を滅尽させよう」。
 時に先生はこのような神通行を現して煙を吐いた。時にその龍は怒りを抑えられずに火焔を放った。先生もまた火界(テージョーダートゥ、火界、火界三摩地)に入って火焔を放った。両者は光明を放ってそのために火堂が火災を起こしたように火焔を出し明るくなった。時にその結髪者たちは火堂を取り囲んでこのように言った。
「立派な大沙門も龍のせいで害された(死んだ)であろう」。
 時に先生はその夜を過ごして後、その龍の皮膚、肉、筋、骨髄を損なうことなく威力によって威力を滅尽させ、(龍を)鉢に入れて結髪行者ウルヴェーラカッサパに見せた。
「カッサパよ、これはあなたの龍だ。その威力は威力をもって滅尽された」。
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパに思念が生じた。
「大沙門は大神通、大威力を持つ。なぜなら、凶暴で神通ある龍王、猛毒ある毒蛇の威力を威力によって滅尽させることができるからだ、しかしいまだ彼が私にとっての阿羅漢になるまではいかない」
 ネーランジャラー川の岸辺で先生は、結髪者ウルヴェーラカッサパに言った。
「カッサパよ、もしあなたの意に介さないならば、この月夜(原本の原註は一日)を火堂で過ごしたい」。
「私の意に介さないのはでない、あなたを安穏にしようと思って留めるのだ、あそこには凶暴で神通ある龍王がいる。猛毒ある毒蛇だ。あなたを害することがなければよい」。
「私を害することはないだろう、カッサパよ。火堂に入るのを許しなさい」。
 彼が許したのを知り、恐れるところなく、恐怖を超越して入って行った。仙人が入ったのを見て龍王は嘆き悲しんで煙を吐いた。龍である人は適切に惑うことなく、またそこで煙を吐いた。蛇龍は怒りを抑えきれずに烈火のごとく火焔を放った。火界に巧みな龍である人もまたそこで火焔を放った。両者ともに光明を放ち、そのために火災にあったような火堂を見て、結髪者たちは言った。
「立派な大沙門も龍のせいで害されたであろう」。
 時にその夜を過ぎて後、龍の火焔は除かれた。ところが神通ある先生の火焔は依然として様々な色彩を持っていた。青色・赤色・茜色・水精色の様々な色彩を持つ火焔はアンギラサ(アンギラス族に属するもの、ブッダの異名)の身に現れた。蛇龍を鉢に入れてバラモンに見せた。
「カッサパよ、これはあなたの龍だ、その威力は威力によって滅尽させられた」
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパは先生のこのような神通神変によって信心を起こして先生に言った。
「大沙門よ、ここに住んで下さい。私はあなたに常に食事を調えましょう。

(一六)
 時に先生は結髪者ウルヴェーラカッサパの庵に近い一つの密林に住んだ。時に四大天王は深夜に優れた色彩を現しあまねく密林を照らし、先生のいるところに近づいた。近づいて先生を敬礼して四方に立った。たとえば、大火焔のように。
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパはその夜を過ごして後、先生のいるところに近づいた。近づいて先生に言った。
「大沙門、時間です、食事が調いました。大沙門、誰か深夜に優れた色彩を現しあまねく密林を照らしあなたのいるところに近づき、近づいてあなたを敬礼して四方に立ち、たとえば大火焔のようではありませんでしたか」。
「カッサパよ、あの四大天王は私のところに近づいて法を聴こうと欲したのだ」。
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパは思った。
「大沙門は、大神通・大威力を持っている。なぜなら、四大天王も近づいて法を聴こうと欲したからだ、しかしまだ私の阿羅漢となるのにはいたらない(まだ私の師匠にはしない意)」。
 時に先生は結髪者ウルヴェーラカッサパの食事を摂ってその密林に住んだ。

(一七)
 時に神々の王サッカ(帝釈天)は深夜に優れた色彩を現しあまねく密林を照らし、世尊のいるところに近づいた。近づいて先生を敬礼し一方に立った。たとえば大火焔のように。しかも先の光彩よりもさらに優れて美しかった。
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパはその夜を過ごして後、先生のいるところに近づいた。近づいて先生に言った。
「大沙門、時間です、食事が調いました。大沙門、誰か深夜に優れた色彩を現しあまねく密林を照らしあなたのいるところに近づき、近づいてあなたを敬礼して四方に立ち、たとえば大火焔のようであり、しかも先の光彩よりもさらに優れて美しくありませんでしたか」。
「カッサパよ、あの神々の王サッカは私のところに近づいて法を聴こうと欲したのだ」。
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパは思った。
「大沙門は、大神通・大威力を持っている。なぜなら、神々の王サッカも近づいて法を聴こうと欲したからだ、しかしまだ私の阿羅漢となるのにはいたらない」。
 時に先生は結髪者ウルヴェーラカッサパの食事を摂ってその密林に住んだ。

(一八)
 時に梵天サハンパティは深夜に優れた色彩を現しあまねく密林を照らし、先生のいるところに近づいた。近づいて先生を敬礼し一方に立った。たとえば大火焔のように。しかも先の光彩よりもさらに優れて美しかった。
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパはその夜を過ごして後、先生のいるところに近づいた。近づいて先生に言った。
「大沙門、時間です、食事が調いました。大沙門、誰か深夜に優れた色彩を現しあまねく密林を照らしあなたのいるところに近づき、近づいてあなたを敬礼して四方に立ち、たとえば大火焔のようであり、しかも先の光彩よりもさらに優れて美しくありませんでしたか」。
「カッサパよ、あの梵天サハンパティは私のところに近づいて法を聴こうと欲したのだ」。
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパは思った。
「大沙門は、大神通・大威力を持っている。なぜなら、梵天サハンパティも近づいて法を聴こうと欲したからだ、しかしまだ私の阿羅漢となるのにはいたらない」。
 時に先生は結髪者ウルヴェーラカッサパの食事を摂ってその密林に住んだ。



(一九)
 その時、結髪者ウルヴェーラカッサパがまさに大祭祀を行おうとしていた。アンガ国とマガダ国の人々がこぞって食物を持って行こうと欲した。時に結髪者ウルヴェーラカッサパは思った。
「今、私はまさに大祭祀を行おうとしている。アンガ国とマガダ国の人々はこぞって食物を持って来るだろう。もし大沙門が人々の中で神通神変を行えば、大沙門の利益と尊敬は増し、私の利益と尊敬は衰退するだろう。望めるならば明日大沙門が来ないように」
 時に先生は結髪者ウルヴェーラカッサパが心に思うところを心によって知り、ウッタクル州に行ってそこで食を受け取り、アノータッタ池にいたって食べてそこにおいて日中の間、座った。時に結髪者ウルヴェーラカッサパはその夜を過ごした後、先生のいるところに近づいた。近づいて先生に言った。
「大沙門、時間です、食事が調いました。大沙門、なぜ昨日は来なかったのですか。私たちはなぜあなたは来ないのだろうかと、あなたのことを考えてました。あなたの分の食物をとっておきました」。
「カッサパよ、あなたは思ったのではないか。『私はまさに大祭祀を行おうとしている。アンガ国とマガダ国の人々はこぞって食物を持って来るだろう。もし大沙門が人々の中で神通神変を行えば、大沙門の利益と尊敬は増し、私の利益と尊敬は衰退するだろう。望めるならば明日大沙門が来ないように』と。
 カッサパよ。私はあなたが心に思うところを心によって知り、ウッタラクル州にいたり、そこで食を受け取り、アノータッタ池にいたって食べてそこで日中の間、座った」
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパは思った。
「大沙門は大神通・大威力を持つ。なぜなら心によって心を知るからだ。しかしまだ私の阿羅漢となるにはいたらない」。
 時に先生は結髪者ウルヴェーラカッサパの食事を摂ってその密林に住んだ。

(二〇)
 その時、先生は糞掃衣(パンスクーラ、ふんぞうえ、汚物を拭う布の衣)を得た。時に先生は思った。
「私はどこで糞掃衣を洗おうか」。
 時に神々の王サッカは先生が心に思うところを心によって知り、自ら池を掘って先生に言った。
「先生、ここで糞掃衣を洗って下さい」。
 時に先生は思った。
「私はどこで糞掃衣をこすろうか」。
 時に神々の王サッカは先生が心に思うところを心によって知り、大きな石を前に置いて言った。
「先生、ここで糞掃衣をこすってください」。
 時に先生は思った。
「私は何を頼りに池を出ようか」。
 時にカクダ樹に住む神がいた。先生が心に思うところを心によって知り、枝を垂れて言った。
「先生、これに頼って出て下さい」。
 時に先生は思った。
「私はどこに糞掃衣をさらそうか」。
 時に神々の王サッカは先生が心に思うところを心によって知り、大きな石を置いて言った。
「先生、ここに糞掃衣をさらして下さい」。
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパはその夜を過ごした後、先生のいるところに近づいた。近づいて先生に言った。
「大沙門、時間です、食事が調いました。大沙門、ここに前はこの池はなかったのにどうして今ここに池があるのでしょうか。前はこの石がなかったのに誰がこの石を置いたのでしょうか。前にはこのカクダ樹の枝は垂れていなかったのにどうしてこの枝は垂れているのでしょうか」。
「カッサパよ、ここに私は糞掃衣を得た。
 カッサパよ、時に私は思った。『私はどこで糞掃衣を洗おうか』。
 カッサパよ、時に神々の王サッカは私が心に思うところを心によって知り、自ら池を掘って私に言った。『先生、ここで糞掃衣を洗って下さい』。この池は人間でないものが手づから掘ったものである。
 カッサパよ、時に私は思った。『私はどこで糞掃衣をこすろうか』。
 カッサパよ、時に神々の王インダは私が心に思うところを心によって知り、大きな石を前に置いて言った。『先生、ここで糞掃衣をこすってください』。この石は人間でないものが置いたものである。
 カッサパよ、時に私は思った。『私は何を頼りに出ようか』。時にカクダ樹に住む神がいた。私が心に思うところを心によって知り、枝を垂れて言った。『先生、これに頼って出て下さい』。これはその手を与えたカクダ樹である。
 カッサパよ、時に私は思った。『私はどこに糞掃衣をさらそうか』。時に神々の王サッカは私が心に思うところを心によって知り、大きな石を置いて言った。『先生、ここに糞掃衣をさらして下さい』。この石は人間でないものが置いたものである」
 時に結髪者ウルヴェーラカッサパは思った。
「大沙門は大神通・大威力を持つ。なぜなら神々の王サッカが彼のために世話をしようと欲するからである。しかし、まだ私の阿羅漢となるにはいたらない」。
 時に先生は結髪者ウルヴェーラカッサパの食事を摂ってその密林に住んだ」(続く)


    『南伝大蔵経3 律蔵3』大蔵出版 P44-54  を現代語訳

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