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いい音楽を探せ!コミュのコアメンバーshadowによる推薦アーティスト&音源

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管理人kyo☆★さんの指名を受けましたshadowです。

様々な音楽をあらゆる方々とシェアしていけたら、と思います。

テーマに沿って、マイナーなものメジャーなもの問わず紹介していきます。


時代を動かすのは、多くのリスナーの支持を得たメジャーなアーティスト。
それらにひらめきを与えるのは、マニアも唸る地下のマイナーなアーティスト。

大衆と歓びを共有するだけでは何か足りないし、地下の音源ディグってるだけでもつまらない。

全ての偏見と壁を取っ払い、あらゆる音楽を、開かれた場所へ。

Endtroducing...




コメント(49)

アーティスト・・・Sound Of Stereo
収録アルバム・・・Heads Up ! EP



ベルギー出身。スウィッチでフィジェットハウスに入った方は是非!震える低音に鼓膜がやられる。盛り上げ方ももちろん最高に巧く、さすが「今一番踊れる音楽」と称されるだけはある。普通のエレクトロハウスに飽きたという方にも是非おすすめ。

ここまで色々な音が組み合わされ解体されるともう訳がわからなくなってくるが、それこそが今のこのあたりのクラブミュージックの面白いところ。芸術なんて、一番理解できない時が一番面白い。モードが一番面白い時はいつだった?・・・マルジェラやギャルソンが一番キレてた時!と答える方は多いはず。。。


http://www.youtube.com/watch?v=dycwRpArgg8
アーティスト・・・Siva
収録アルバム・・・Time In Wish



ヴィジュアル系出身はなかなか良いべーシストが多くて面白い。Larc-en-cielやLUNA SEA、カリガリなどの神がかり的に素晴らしいベースを聴いて何も感じない方はいないはず。そんな中、このSivaというバンドのベースもなかなかやり手。間違っても曲が良いとか実力派バンドとかは言えませんが・・・。

この曲以外も、とにかくせわしなく動くベースが多い。目指せラルクか?はたまた黒夢か?もっと落ち着いた、グルーヴィーな低音が欲しい方は後期LUNA SEAを是非。繊細な低音が欲しいならPlastic Treeあたりを。何でも揃ってます、V系。


http://www.youtube.com/watch?v=ge4whBGioSQ
アーティスト・・・Joker
収録アルバム・・・Do It


あまりにもミステリアスなイントロから始まるこの曲は、Flying Lotusなどのリミックスで一躍有名になったダブステップDJ・Jokerによる作品。トークボックスを使った変声が随所で光り、T-PAINでcapsuleな現在のシーンに対応した一曲となった。

這いつくばり窒息しそうな低音の中、挿入される高音ボイスがたまらない。どこまでも暗くダビーな低音に絡む高音・・・そういえば、トリップホップが出てきたときも同じような形容がなされた。各所で言われている、「ダブステップは21世紀型トリップホップ」という紹介はあながち間違っていないかもしれない。

http://www.youtube.com/watch?v=NuSnov6n0lk&feature=related
アーティスト・・・Frikstailers
収録アルバム・・・ZZK SOUND VOL.1



デジタル・クンビアが、世界のクラブシーンを賑わせている。ブラジルのバイレ・ファンキやUKのダブ・ステップ/グライムなどもそろそろ地下に浸透し、マス受けも果たしたところでさて次の流行りは・・・なんて考えていたらすでにアルゼンチンにて動きは始まっていた、という。クンビアといえばコロンビアの音楽だが、それをアルゼンチンのクリエイターたちは21世紀風にエレクトロ化したのだ。

この曲は、ポンコツな雰囲気の低音が何とも言えない能天気さを醸し出している。欧米のカルチャー先進国が他の国の文化を発見・引用することについては賛否あるだろうが、結局のところ、リスペクトの念がこもっていさえすれば良いのだ。資本主義/大衆消費の波に乗せてこそできる素晴らしい作品というのも、確かにある。そして、それが全てではないということも、21世紀の今、我々は分かっている。・・・エドワード・サイード様のおかげだ!


http://www.youtube.com/watch?v=qOaWxmsxxFQ&feature=PlayList&p=8081A4BE28FE54D0&playnext=1&playnext_from=PL&index=10
http://www.myspace.com/frikstailers
元々のクンビアが泥くっさい超うっしろノリの酔っぱらいの為のダンスミュージックだったのに、デジタルクンビアが出てきてそれが流行だした去年ぐらいは思わずのけ反りましたw
ちなみに故ジョー・ストラマーが99年から死ぬまで活動していたメスカレイヨスはジョー曰くクンビアにインスパイアされたけど結局ROCKっぽくなったバンドだったらしいです。10年前にクンビアに目を付けていたのにはオドロキ。
>三毛猫坊さん

いや、ほんとその通りですよ!笑

しかしバイレファンキと言いレゲトンと言い、00年代は中南米あたりの音楽が大流行りですよね。

ジョーストラマーの件は知らなかったです!メスカレイヨス、聴いてみます!!さすが、先見の目が凄いなぁ。笑
アーティスト・・・Stanley Clarke
収録アルバム・・・Time Exposure



あまりにベタだが・・・。いや、貼る!スタンリー・クラーク!類いまれなるプレイでジャズやフュージョンを自由に行き来し活躍した彼。70年代こそ素晴らしいが、今回はあえて80年代のこの曲を。イントロから跳ねる低音!

大抵のべーシストは、これを聴いて嫉妬を覚えるだろう。彼のようなアーティストの功績とは、大きく分けて二つある。一つはもちろん音楽的な面において。もう一つは・・・「スタンリー・クラークに憧れてべーシストになりました!」とか(べつにビリー・シーンでも良い)いう無邪気な演奏家は例外として、ひとまず「自分は音楽を志してはいけないのだ・・・」ということを凡人に教えてくれるという、半ば教育的な面において。ある文芸評論家の方がおっしゃっていたのだ、「作家志望の生徒にはまず谷崎を読ませる」と。なんて良心的なサディスト!

http://www.youtube.com/watch?v=HCIshmOWz18&feature=related
アーティスト・・・Black Finger
収録アルバム・・・Fearless EP


この方の作る音は、いつも低音が凄いことになっている。このうねりは一体!?入りも、単純な四つ打ち・・・と見せかけつつここぞとばかりにテンポをズラし、いちいち小技が効いている。盛り上げ方もツボをおさえていて、フロアを沸かせること間違いなし!最近はこのような低音炸裂エレクトロ・ディスコが増えてきて嬉しいばかり。

ある方は、最近のシネコン映画が何十年かぶりに照明に凝った暗く美しい画調を取り戻しつつある原因について「家庭における大型テレビの普及」を挙げている。大型テレビは画面に暗い部分があっても大きいので真っ暗には見えず、画面の多くに「影」や「黒」を散りばめることが可能となり、明るい部分とのコントラストが出て画面が際立つようになる、とのこと。これはもちろん音楽にも言えることで、低音を信じられないレベルで拾ってくれる音響環境のおかげにより(と断言していいかは分からないが)00年代以降のクラブミュージックはベースをとびきり強調する実験を展開している。この件は、非常に興味深い。

http://www.youtube.com/watch?v=3nVpUyOUkMI
アーティスト・・・Dominik Eulberg
収録アルバム・・・SENSORIKA


テック・ハウス界では有名なDominik Eulbergのこの曲は、幸せな鐘の音に耳を奪われるのもつかの間、中盤から入る心地よいスムーズな低音がメロディーを作っていく。そう、ただそれだけなのだが、「それだけ」がこんなにも美しいのは何故だろう。朝方にフロアで聴いたら、きっと天にも昇るかのような幸福感を味わえるに違いない。

この曲をショーで使うなら・・・NINA RICCI!上質な作品をクリエイトしつつも降板になったオリビア・ティスケンスだが、彼の発表した2009S/S のショーは美しい音楽とのマッチングも最高だった。 透き通る素材を使い、エレガントで耽美的なムードを創造したのだ。この曲も、鐘の音はエレガントで、低音は耽美的。そして澄み渡った透明なサウンド空間。ほら、ぴったりだ。


http://www.youtube.com/watch?v=y0yRusYMZjE&feature=related
サウンドスケープが脳内に広がる音ですね〜。
鐘の音がガムランに聴こえるのはおいらだけかなw
>三毛猫坊さん

そう、映画的というか・・・空間処理がうまいですよね。
三毛猫さんの前世ってインドのお坊さんか何かだったんでしょうね・・・笑
アーティスト・・・Micron Sixty Three
収録アルバム・・・S.T.


一部のインダストリアル・ファンの中ですでに話題沸騰中のバンド。ベースの音がかなり大きめに録音されており、一定のリズムを刻むそれは直線的なノリで我々の体を揺らす!エレクトロ全盛のこのご時世、こういった踊れるインダストリアルは実はかなりの需要があるはず。

正直なところ、デプトやノイバウテン、SPKほどの実験性もなければNINの完成度にも程遠い。だが、とにかく「踊れるか否か」という、大衆が音楽に求めている目的がはっきりした現在のシーンでは必要な音だろう。実験性も完成度もともにかなり高い次元で追求してきたBUCK-TICKが、インダストリアルから離れポップな音を鳴らす2009年だもの、仕方ないよ。


http://www.youtube.com/watch?v=3AyWr_nEXBs
アーティスト・・・XX
収録アルバム・・・CRYSTALISED



ムーディーなベースの音から始まり、男女混声のボーカルにうっとりしたあたりで我々は気づく。この曲・・・その通り!アリーヤのカバーだ。ここまで音数を減らし低音を聴かせてもらったらもう貼るしかないのだが、それにしても、当時シーンを震撼させたティンバランドの挑発的な音はこのカバーでは影をひそめ、実にスモーキーで柔和な雰囲気に落ち着いている。


ティンバランドの功績とは、こんなドリーミーなメロディラインにも刺激的なトラックをあてた点にある。ティンバランド以降、「とにかく変てこな音を鳴らそう」という空気が常にシーンの最先端を牽引していくようになった。懐古主義に捉えられがちなあのカニエの音でさえ、90年代前半のトラックと聞き比べたら「変」だ。そう、それこそ今のハイフィなども、ティンバランドの空気をしっかり引き継いでいる。ティンバがいなければE-40もFEDERATIONも現れなかった、自分はそう確信している。


http://www.youtube.com/watch?v=BhapGU13xqQ
アーティスト・・・Auteur Jazz
収録アルバム・・・TWO JAGUARS IN WARSAW


繰り返される諸行無常・・・じゃないや、繰り返されるベースのフレーズ。低音が安定しているからこそ、アフロ・キューバン・ビートが映える映える!時おり挿入されるピアノも文句なしにかっこいいが、実はこの曲をさらに素敵な一品に仕立て上げているのは渋くて流麗なメロディではないか。

この曲のBGVはジャン・ピエール・メルヴィルの一連のノワール作品で決まり。「マンハッタンの二人の男」「ギャング」などあるが、やはり流麗なカメラワークという点でいうと「賭博師ボブ」が最もぴったりか。モンマルトルの町、黒いスーツに煙草、女、犯罪。少々のシニカルな笑い。そうだ、あの映画も黒い影がしつこいくらいはっきりと描かれていた。まさに、この曲の低音のごとく。


http://www.youtube.com/watch?v=0GtSFtSDs9I
アーティスト・・・shackleton
収録アルバム・・・Three EPs


とある任務遂行に目処がたち時間もできてきたので、攻撃再開。今度は低音に限らずセレクトしていきます。


shackletonはダブ・ステップ界ではそこそこ名の知れているDJで、先月出した今作にて呪術的なテイストをかなり強めてきた。低音は一定に保ちつつ、上音でかなり遊んでくる。たとえば日本のT2Rのように、民族性をダブステップとミックスさせる手法は最近の流行りだが、shackletonの場合はそれに伴う暴力性が半端ない。

正直なところ、2ステップなどと同じくダブステップもアンダーグラウンドを少し騒がせただけでそろそろブームとしては収束に向かっている。ただ、ダブステップから始まった新しい流れというのは確かに生まれた。いわゆる「ダブステップ・ハウス」のようなファンキーなる新ジャンルを生んだのはもちろんだが、その膨張し大きくデフォルメされた低音の使い方は正しくフィジェットハウスなどに継承されただろう。ダブステップは、ゼロ年代の最後に現れた一種のマニエリスムであったフィジェットハウスの源流として決して忘れられることはない。



http://www.youtube.com/watch?v=20y31UoK9zw
アーティスト・・・FALTY DL
収録アルバム・・・Love is a Liability


しつこくダブステップ。FALTY DLはニューヨークのDJで、このアルバムは「Anxiety」という曲もリズムが非常に面白くておすすめなのだが、今回はこの「To New York」を紹介。恐らくこれがダブステップ流ポップネスの限界地点だろう。下の音(ずっしりヘヴィ!)と上の音(軽快ポップ!)がここまでかけ離れている曲もなかなかあるまい。

その路線で最も極端な技を披露してくいれたのはサウスR&Bのアーティストたちである。例えばシアラのクランク&Bでも良いし、サウスでなくとも例えばビヨンセ「Upgrade U」などでも良い。ゼロ年代サウスヒップホップの野蛮さはある意味異常だった。ヘヴィな低音にポップなメロディ・・・そういえば、偉大な人物がまだいたなぁ、、、そうそう、エイフェックス・ツインだ!



http://www.youtube.com/watch?v=ith-PmRqwo8
アーティスト・・・ A CAT CALLED FRITZ
収録アルバム・・・SLOW DOWN




フランスのプロデューサーA CAT CALLED FRITZが、女性ラッパーをフューチャーした一曲。00年代のジャジー・ヒップホップを通過したトリップホップといった感じか。ドガの『アプサント』やロートレックの一連の油絵(ポスターではなく)をイメージさせるような、お洒落なのだがどこか陰鬱で、しかも酒臭い雰囲気の世界観が脳内に広がる。

フランス文化には、音楽にしろ絵画にしろ映画にしろ、なぜか「哀しみ」を背負っている作品が多くて、同じく「哀愁」が身体に染み付いている我々日本人はやっぱりそんなフランスが好きでたまらないのだ。


http://www.youtube.com/watch?v=T72VzLnDIIk
アーティスト・・・ シカゴランダム
収録アルバム・・・ロック・ハリウッド



近年、福岡のヒップホップ・シーンが興味深い動きを見せている。Olive oilなどのトラックメイカーを中心として、EL NINOやこのシカゴランダムら数多くのラッパーが狭い地域でひしめきあっているのだ。これはもはや、福岡ニューウェーブという新たなムーブメントとしてとらえてもよいかもしれない。

00年代の日本のヒップホップは、年を追うごとにどんどん良いアーティストがメジャーへ上がらないままアングラに溜まっていってしまうという現象を生んだ。メジャーとアングラが張り詰めた緊張感のもと切磋琢磨しあうというよりは、メジャーに見切りをつけた優れたアーティストたちが自ら地下へと閉じていってしまった印象が強い。(VERBALとSEEDAの事件のショボい結末がそれを象徴している。)だからこそ、最近の日本のアングラヒップホップはエンターテイメント性やポップネスから遠く離れたところで、ストイックな実験を繰り返している。降神から始まり、キリコやレイト、そして福岡ニューウェブが続く。今回紹介したシカゴランダムは、特に新しい要素はないが、安定した実力が垣間見れる。福岡の10年代の動きに期待したい。


http://www.youtube.com/watch?v=XV-zX-QUHVY
**********2009年マイベストアルバム15+α***********

2009年にリリースされた作品の中で、ベスト15+αを選びます。とは言ってもこんなスペースを借りてまで自分の好きなアルバムを垂れ流して綴ってもしょうがないので、きちんと選定基準を設けました。

※新しいことをしているか
※同じくらい良いものがあったとしたら、売れている方を選ぶ

このポストモダン極まった時代において、本質的な意味で新しいものなんてもはや存在しないのかもしれません。しかし、それでも新しい試みに向けて挑戦しているであろう作品を選びました。

そういう意味では、完成度ではやや劣ったものもあるかもしれません。完成度よりは時代に乗った勢いの方を重視しました。

それでは、どうぞ。
カウントダウン方式でいきます。まずはαから。
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


α

安室奈美恵「Past<Future」

2009年は年末まで日本の作品でクオリティの高いものがなくて、やや失望していたのだが、その中での安室奈美恵とクチロロの滑り込みリリースである。助かった。

正直に告白すると、前作までの前衛感はやや影をひそめていて、聴くに耐えないバラードも入っている。アルバムとしての完成度はそれほど落ちていないのだが、“ポピュラーミュージック最前線”という評価軸で聴くと明らかに競争から降りてしまった感が強く、多少寂しいイメージを受けてしまう盤ではある。

新顔のプロデューサーが絡み始めたのが原因にあると思うのだが、しかし以前からタッグを組んできたT.Kura&michicoやNao'ymtとの相性は変わらずに抜群で、リアーナやビヨンセやシアラなどと同列に聴いても全くひけをとらない。

特に「First Timer」の実験性が興味深く、様々な音を幾何学的的に詰め込んでいく試みはまさしくクチロロの新作と酷似している。USヒップホップのベースミュージックを基盤にコズミックな音をデコレイトしており、時代感覚が抜群に飛び抜けている。

その後の「Wild」「Dr」といった流れも良く、中盤の構成が本作のハイライトであろう。Jay-Z「Blueprint3」が宣言したオートチューン死亡宣告以後の現在においても、依然説得力のある音となっている。

しかし、安室奈美恵が先鋭化された作風で時代を作っていくのも今作が最後かもしれない。次作が如何なるベクトルへ向かうのか多少の不安が募る中の、ギリギリ評価できるボーダーラインを本作はさまよっている。

http://www.youtube.com/watch?v=WRMFuVNvBDM

**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第15位


口ロロ「everyday Is A Symphony」


邦楽はSeedaかアーバンギャルドかRADWIMPSかEgo-Wrappin'かをランクインさせようと思っていたのだが、年末にきてまさかの傑作がリリースされた。いとうせいこうが新たに加入したクチロロの新作である。

日常のあらゆる音をサンプリングするという、これまで散々試されてきた手法なのだが、それがポップスとしてここまで鍛え上げられるのは恐らく音楽史上初めてであろう。何も、皆が皆サウスヒップホップよろしく歌に近いニュースクールのラップでベース音をきかせ、スカスカのトラックで曲を作らなくても、こういう風なアプローチで新しい音楽は作っていけるのだというお手本のような作品。なんたって、いとうせいこうのラップスタイルは古い。古いけれど、それがトラックに乗ると新しくなるという、不思議な不思議なマジック・ミュージック。


http://www.youtube.com/watch?v=FYsZaKdwPNM
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第14位


Cloaks「Versus Grain」


Nine inch nails以降、もう進化はないだろうと思われていたインダストリアル・ミュージックだけれど、この無名の新人はダブステップの手法を利用することで新たなインダストリアルを作り上げることに成功した。とにかく今、ダブステップの他ジャンルへの侵食というのが凄まじい。革新的な動きが次から次へと生まれる。

「Against」「Rust On Metal」の世界観は、今までの音楽にはなかったものだ。インダストリアルを立体的にしたらこのようになるのだろう。ポストモダン時代においても音楽はまだまだ「進化」できるのだということを示してくれる、実に頼もしい作品である。

http://www.youtube.com/watch?v=jghUoE8h85k
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第13位


SEEDA「SEEDA」


トラックがそんなに新しいかと聞かれれば「いえ、それほど最先端をいっているわけではありません」と答えるだろうし、だからといって古いわけでは全くなく、USヒップホップの“流行準先端”あたりをいっていると思うのだが、とにかく作品全体に流れる勢いが驚異的かつ脅威的。ノリにノっている人は違うのだ。様々なビートが垂れ流される中、計算と勢いでグッとラップを乗せていくパワーに惚れる。

流行ど真ん中のUSヒップホップを高次元で日本語と融和させるという、「STYLE」の頃の安室奈美恵が果たしていた役割は今SEEDAが担っている。ハスラーラップ、社会派ラップ、日常描写ラップ、様々な切り口でベラベラとまくし立て、テリヤキボーイズとのビーフなど作品外部のアクションまでも血肉化した上でエンターテイメントとして吐き出すその技には、ひれ伏すしかなかった。

そして何よりも、祝・bounce誌2009年ベストアルバム獲得!おめでとう!!


http://www.youtube.com/watch?v=x_0X5Smw1RI
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第12位


2562「Unbalance」


2008年のデビュー作も星の数ほどリリースされるダブステップ作品の中では良質な方だったのだが、この新作はその比ではない。2562は本作により一気に優秀なトラックメイカーとして名を馳せるようになるだろう。BurialやBengaによって更新され続けてきたダブステップ革命は、本作をもってまた一つ次のステージへと向かった。

ダブステップが、テクノやヒップホップとのクロスオーバーを完全に果たしている。ダブステップとは結局のところ映画でいう3Dに近いような印象があって、作品がどんどん立体的になっていくのだ。映画の3D化はロバート・ゼメキスやピクサーによる試みがようやくジェームズ・キャメロンによって結晶化された感覚があるけれど、Bengaがロバート・ゼメキスだとしたらこの2562はもはやジェームズ・キャメロンの域に達していて、音塊の驚くべき立体化へと成功している。

2010年代も、音楽の未来を占う上でダブステップはまだまだ重要なキーワードになりそうだ。


http://www.youtube.com/watch?v=PIbR194NXAs
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第11位


Rihanna「Rated R」


完璧ではない。時代を担うトップ・アイドルだから、聴けたものではない曲もあって、例えば「Stupid In Love」や「Fire Bomb」といった曲はそれこそ弛緩しまくっていて完全に駄目なのだが、それでも私は本作を二点の理由でもって推薦する。

一点目は、ついにダブステップがメジャー・フィールドに紹介されたという記念碑的な作品だという理由によって。「Wait Your Turn」や「G4L」といった曲を聴いていただきたい。完全なダブステップ・ビートである。地下では完全に浸透していたもののなかなかメジャー化の動きが見えなくて、この見事なまでの資本主義社会だもの、ある程度大衆に紹介されないと歴史から葬り去られるという恐れまでも沸いてくる現在、リアーナによってついに全世界何百万人の耳へとこのビートが届けられた意義は大きい。今年はブルックリンのLemonadeやポストロック番長Tortiseなどのバンドによってロック側からダブステップへのアプローチも増えていた中、リアーナがトドメをさした格好となった。

もう一点の理由は、エレクトロ〜フィジェットハウス全盛のカラフル蛍光色が幅を利かせている現在、少なからずこの作品のイメージが2010年代の流行を作っていくのではないかという予感によって。ゼロ年代後半の音楽シーンを色で表すと、それはそれは見事なまでの派手な蛍光色〜原色である。そんな中、リアーナは本作にてダークな世界観を提出してきた。(当然ながら、その世界観の構築にダブステップが使われたのであるが。)例えば、三ヶ月ほど前に行われた2010S/SパリコレクションでのGareth Pughのショーなどにも新しき2010年代の世界観は披露されている。映画「ターミネーター」にインスピレーションを得たガレス・ピューのダークなルックはジャーナリスト達の絶賛を得た。Flying Lotusらによるコズミック・ヒップホップもガレスピューの近未来かつダークな世界観に近いものがあると思うのだが、リアーナの本作の先鋭さも、今後ポピュラーミュージックにおいて確かな指標となっていくのではないだろうか。(個人的には、Lady Gagaのファッションなどもこのあたりの近未来かつダークな世界観と呼応していると思う。)

ゼロ年代にDior Hommeを成功させたエディ・スリマンのごとく、10年代においてガレスピューは確実にトップ・デザイナーとなるだろう。彼の世界観に非常に近い位置で、このリアーナの作品は妖しくダークに、しかし鋭く輝いている。


http://www.youtube.com/watch?v=8u965-x-l3w
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第10位


Two Fingers「Two Fingers」


正直なところアモン・トビンなんて過去の人だと思っていたのだが、聴いてびっくり、これが名だたるトラック・メイカーを凌駕するほどのクオリティを誇っていて心底驚く。このあたりをきちんと評価してくれないのが、「Diplo」や「Flying Lotus」といった流行の表象的なフレーズに反応するしかないマスメディアの限界だと思うのだけれど如何だろうか。

「Flying Lotus以降」のコズミックな感覚がところどころ感じられる一方で、「Keman Rhythm」や「Jewels And Gems」といった曲からは凝った民族趣味もうかがえる。しかし、根底にあるのはやはり90sドラムンベースの雰囲気。もちろんリズムは新しいが、ずっしりと重い感覚はUKに脈々と受け継がれているあの時代の空気だろう。

このまま見向きもされぬまま埋もれてしまうのはあまりに勿体無い、次世代ビートの博覧会。


http://www.youtube.com/watch?v=XoSHwN62_m8
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第9位


Nosaj Thing「Drift」


この作品が発表された頃私は「恐らく本作は様々な方の2009年間ベストを総なめするだろう」と予想していて、しかし結果的にその座はHudson Mohawkeに奪われる格好となり、そうなったら皆結局右に倣えだから、どのメディアもHudson Mohawkeで埋まってしまって何だか不満である。Nosaj Thingも、地味だが素晴らしいビートメイカーだ。どうか忘れないでいてほしい。

くくりとしては「Flying Lotus以降」となるのだろうが、音の重なりの美しさという観点ではFlying Lotusを超えている。様々な音が重層的に融解していて、全く違和感を感じさせない。本年度屈指のインスト傑作。


http://www.youtube.com/watch?v=6LZgINyGTV0
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第8位


8th Wonder「ヴァルハラ」


エクストリームコアなメタル〜ヘヴィミュージックは、この二・三年目立った進化はなく停滞状態が続いている。リズム面での限界はすでにNapalm DeathやSunn O)))によって示されていたけれど、その後も何とかゼロ年代半ばまでは、ThursdayやIsis、Toolらが試行錯誤しつつ新たなイメージを探ってきていた。しかし、もう限界である。さすがに、ここにきてヘヴィミュージックは行き詰まってしまった感が強い。

今年も、ConvergeやSlayer、凛として時雨、Zu、Kylesaなど悪くない作品を出してくるグループは多かったものの、年間ベストに挙げるほどではなかった。そんな中、ヘヴィミュージック・ファンに向けて今私は8th Wonderの本作を強く推す。

実際、以前ヘヴィミュージックが担っていた熱量や実験性をいま再現しているのは日本のアンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンではないか。特にこの8th Wonderは、根底にハードコアメタルのバックボーンがあるためか他の凡百のラップグループとは異なる個性が感じられる。メタル特有の弛緩したギターラインなども突然挿入されたりと完璧とは言い難いのだが、それを差し引いても、本作の魅力はもっとしっかりと語られるべきだろう。

トラックは正直そんなに新しくもないのだが、ゴシックな雰囲気はありそうでなかったものだろう。売りはやはりラップで、切迫感がひりひりと伝わってくる。ゴシックというと、人工的な路線でなるたけ動物性を消していくのが定石であるのはニューウェーブ期の様々なロックバンドが証明しているが、しかしこのグループの場合、切迫する動物性をかき消さずに融合させた点に素晴らしさがある。

近頃のコアなヘヴィミュージック・ファンはマスロックやノイズに逃避している感じがして、確かにAde bisi shankもLightning BoltもFuck Buttonsも新作は素晴らしかったが、それらと同列に8th Wonderも評価されるべきではないだろうか。何たって、素晴らしいのだから。



http://www.8thwonder.jp/8th_main090827.html
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第7位



Dizzee Rascal「Tongue N' Cheek」


日本の音楽メディアがなかなかUKグライム〜エレクトロを正当に評価してくれなくて怒りが溜まっているのだけれど、例えばこのディジー・ラスカルなど本年度一番の過小評価作品である。だからこそbounce誌の扱いには満足しているのだが、UKのロックなんか最早どう見ても死に腐っている中よくぞロック系メディアはあれほどテンションを上げて年間ベストなどで褒めちぎることができますねと、こうやって見苦しい文句の一つも綴りたくなってくるのだけれど、それもこれも本作の豊かな出来映えゆえのことである。

Wileyの新作も良かったが、あちらがオールドスクールなスタイルを崩さないままグライムをより筋肉質に鍛える方向へ向かったのに対してディジー・ラスカルの本作は最高のセルアウトを果たしている。しかしそのセルアウトはBlack Eyed Peasの新作にあったようなやや貧しいセルアウトではなく、格別に豊かなセルアウトとなっているのだ。

あらゆるビートに「乗る」という、様々なMCが苦労している難題をこうも本能的にこなしてしまうディジーは、今最も偉大なラッパーにちがいない。しかもそれがライトなラップだったら分かるものの、彼の場合ねちっこいグライム特有の、身体性が充満しきったラップなわけで、アクの強いビートにアクの強いラップが乗ってもはや凄まじいことになっている。

USにLil WayneがいるならばUKにはDizzy Rascalがいる、そう確信させてくれるような偉大なるセルアウト・ダンスミュージック!


http://www.youtube.com/watch?v=mac73rR_eAg
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第6位


Kid Sister「Ultraviolet」


メジャー・フィールドまで侵食した、ゼロ年代最後のムーブメントはフィジェットハウスだった。待ちに待ったKid Sisterのデビュー作は、Crookersなどと共振しつつフィジェットハウスの熱を伝える素晴らしい作品となっている。

私自身初めは気づかなかったのだけれど、以前当コミュニティのコアメンバーである三毛猫坊氏から「フィジェットハウスは一種のマニエリスムではないか」という意見を提出され、ハッと驚いた。確かに、うねるベースラインや装飾過多なシンセは不要と思われるほどだし、その一方で必要な要素が足りていない。Kid Sisterのサウンドとは、そういうものである。だからこそ、絶妙なバランスを楽しむのがマニエリスム芸術の正しい鑑賞法なのだが、Kid Sisterの場合飽くまでアングラ・ミュージックだったフィジェットハウスに突き抜けたポップ感がプラスされたのだから、これはもう評価しないわけにはいかない。

ポピュラーミュージックとは、商業音楽である。映画と同じく、ポピュラーミュージックは芸術性と商業性の狭間で未来永劫格闘していく運命を余儀なくされている。そこで、考えてみてほしいのだ。ポピュラーミュージックとは商業音楽である以上、大衆にとって必要なものを詰め込んだ商品であり、どうしてもその事実からは逃れられない。暖かい風の出ない暖房器具を人は喜ぶだろうか?味のしない弁当を人は買うだろうか?必要なものは必ずそこに備わっている、それこそが商品である。

フィジェットハウスには、必要なものが足りていない。マニエリスム的手法をとっている以上、あるべきものは存在せず、無くてもよいものが強調〜デフォルメされる。そう、必要なものがない音楽…その時点で、ポピュラーミュージックとして商業性を大きく裏切っている。フィジェットハウスは商品として欠陥だらけなのだ。これは、明らかに商業音楽へ対する挑発ではないだろうか。

そういう意味で、フィジェットハウスはアングラでしかあり得ない音楽である。しかし、Kid Sisterはポピュラーミュージックとしてフィジェットハウスを鳴らすことに成功した。あまりにポップなメロディによって。

これが革命でなくて、何が革命であろうか!


http://www.youtube.com/watch?v=ZVAbC7vmrXE
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第5位


Animal Collective「Merriweather Post Pavillion」



ゼロ年代後半の革新的な動きはもはやフリークフォーク・シーンにしかなかったと断言できるが、元来「フォーク」から始まったにもかかわらず様々な音楽を吸収し膨張し続けるこの面白いムーブメントをバンドという単位で体現しているのがアニマル・コレクティブだ。全世界で大絶賛された、驚嘆すべき傑作!

エレクトロニカの使用度が一気に上がり、エレクトロニカというとどうしてもあのゼロ年代前半まで続いた内省ポストロックを思い出してしまうのだけれど、彼らポストロックバンドが持ち得なかった肉体性をアニマル・コレクティブはしっかりと備えている。エレクトロニカがここまで幸福に鳴ったことなんてないだろう。なぜって、エレクトロニカなんてこれまでポストロックという、「ロックの死」を宣告する理由づけばかりに使われてきたのだから。

ロックを肯定しようと、どこまでも明るく突き抜けている音。幽玄的幸福 !

ポップになったというか、「歌」の比率がグッと上がったのも本作の特徴。「歌」という物語から離れていこうとしたのがゼロ年代ポピュラーミュージックの基本的な姿勢だったけれど、ここにきて物語復権の動きも少なからずあって、そのスタートを声高らかに宣言したのが本作だろう。

間違いなく、2009年ロックの最高傑作だった。―――Dirty Projectorsが新作をドロップしてしまうまでは。



http://www.youtube.com/watch?v=zol2MJf6XNE
**********2009年マイベストアルバム15+α***********


第4位


Major Lazer「Guns Don't Kill People…Lazers Do」


すでに各メディアで大絶賛されている本盤であるが、これはやはり凄い。エレクトロ〜フィジェットハウス作品は他にもたくさん素晴らしい盤があるが、この作品はまずベ基盤にダンスホールレゲエがあるという点で個性的。DiploとSwichが絡んでいるということでフィジェットハウスやバイリファンキの文脈で語られがちだが、実はThe BugやGhislain Poirierなどのデジタル・ダンスホールと同列に評価されるべきであろう。

レゲエ特有のトースティングがもはや動物と化していて、殺気だったまま耳の奥すれすれまで迫ってくる。これは恐怖すら覚える野蛮音楽だろう。

いつの時代もこういった、振り切ったまでの革新的な試みは行われるもので、ゼロ年代半ばまではUS西海岸のハイフィがその役割を担っていたと思う。昨年あたりから失速が見え、09年はほとんどリリースすらなかったハイフィシーンだったが、革新の中心は明らかにDiplo周辺へと移ったようだ。ネプチューンズ周辺からリル・ジョン周辺のクランクへ、クランクからE-40周辺のハイフィへ、ハイフィからついにDiplo周辺のゲットーミュージックへ。ゼロ年代ヤバい音史を締めくくる、決定的名盤!


http://www.youtube.com/watch?v=5lU2NAiWe8A&feature=related
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第3位


Gucci Mane「The State Vs. Radric Davis」


今年はそこまで派手な動きはなかったが、ゼロ年代を通して最も革新的だった音楽シーンとは間違いなくサウスを中心としたヒップホップである。サウスによって挑発された西海岸までもが驚くべき実験とエンターテイメントの融合に成功し、クランク→スナップ→ハイフィ→ジャーキンと、様々なムーブメントを生み出した。短期間の間にポピュラーミュージックがこれほどの実験を試みたのは、ロックによる80年代前半のニューウェーブや90年代前半のオルタナティブ以来だろう。

クランクやスナップなどゼロ年代のヒップホップ革命が進んだ道には共通点があって、要するにそれらは引き算的手法に則ったミニマル化であろう。今年になってから流行っているジャーキンこそスナップの焼き直しに近いけれど、基本的にゼロ年代のヒップホップ史とはミニマリズムの加速史である。今思えば、1999年に発表されたDr.Dre『2001』こそそのゼロ年代ミニマリズムを予見していたのだろうけれど、10年後の今年2009年に発表されたGucci Maneの本作は『2001』をサウス・マナーで解釈し直した作風になっているのが興味深い。手法自体はまさにゼロ年代サウス・ミニマリズムで特に目新しさはないのだが、ループに次ぐループでリズムを作っていき、その度にドープさが増し続けるというこのマジックがDr.Dreも驚きの水準で達成されている。

この一枚で、ゼロ年代は見事に総括された。2009年に渾然と輝く屈指の名作である。


http://www.youtube.com/watch?v=QMgJLgsO8WI
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第2位


Dirty Projectors「Bitte Orce」


2009年ロックの最高峰。ブルックリン・フリークフォーク周辺のムーブメントを中心とした動きはもう加速し続けていて、ここまで来たらもう行けと、行くところまで行ってしまえと叫んでしまいそうなのだが、2008年のGang Gang Danceといえこの周辺はやはり今一番面白い。一体ブルックリンでは何が起こっているのだ。ロックが死んでしまったあとも、こんなに面白く幸福な祭りが行われているなんて!ニューヨークのあれほど狭い地域に、挙げるのに両手で足りないくらいの多数の有能なバンドがひしめいている現状が信じられない。今年だけでも、TelepatheにAkron/FamilyにAmazing babyに・・・!

曲自体はスカスカで、あまりに空洞状態。しかし、一つのひとつ鳴らされる音から伝わってくる説得力が半端ない。ボーカルも凄まじくて、「Stillness Is The Move」などの曲では歌の区切り方がかなり独特。ゼロ年代ラップ出現以降の新たな歌唱法として評価されるべきだろう。メロディを歌う上でのこの息継ぎはこれまで誰もやっていなかった。

しかもその実験的な歌が楽器と一体化していて、この躍動感は一例を挙げるとするとズットズレテルズから発せられた肉体性に近い。

Gang Gang Danceを超えたかもしれぬ、ゼロ年代最後のブルックリンの至宝。これこそが全世界全音楽ファン必聴、快楽ミュージック!


http://www.youtube.com/watch?v=YMPF6lpM0XM
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第1位


Buraka Som Sistema「Black Diamond」


ポストモダンが加速したゼロ年代後半は、エレクトロやオートチューンの台頭が顕著だったこともあり音楽は一気に肉体性を失うこととなった。ロラン・バルトの言説をここでひくまでもなく、肉体性や身体性、もしくは動物性と称してもよいが、とにかく作者の肉体を感じ取れるような神秘的な力こそが芸術に必要なのだ…という時代ではなくなっているらしい。ディスクトップ上でガチャガチャやって、シンセサイザーをちょろっと乗せて、そんな音楽にどこの誰が感動するというのだろうか。データベースな音楽作成方法やデジタル化に異義を唱えているのではない。時代はもう21世紀なんだろう?そんなことは分かっている。ただ、芸術にとって最も必要なのは肉体性であり、そこだけは変わらないということをここでもう一度強調しておきたい。古今東西、全ての優れたパフォーマンスには肉体性があった。バレエにも、劇にも、映画にも、そして音楽にも。昨年最も評価された作品は何だったか、思い出してみてほしい。Lil Wayneの『The Carter?』で満場一致であったはずだ。では、あの作品の何が一番凄かったのか。Lil Wayneの肉体性である。スピーカーから彼の身体が透けて見えるという、奇跡的なまでの躍動感に胸をうたれたはずなのだ。

そして今年、2009年。Buraka Som Sistemaは、ゼロ年代ならではの“データベース的音楽作成”や“エレクトロの借用”といった手法に頼りつつも、決して肉体性を失っていないという強力な作品を発表してきた。基盤になっているのはアンゴラ生まれのクドゥロという音楽だが、元来クドゥロに備わっていた汗臭さが少しも消えることなく、むしろエレクトロのフィルターを通すことでより強靭になっている。

ポストモダン時代にポストモダン手法を使いながらも肉体性を失っていない・・・その力をここで仮に“ポストモダンフィジカリティ”と呼ぼう。きたるべき2010年代、我々の音楽に対する最大の注目すべきポイントは“ポストモダンフィジカリティが備わっているか否か”に尽きる。その点で、Buraka Som Sistemaの作品には数多の作家が見習うべきポイントが潜んでいる。

十分評価されたが、もっともっと「売れて」いい。実際、本作はポストモダンフィジカリティだけでなく、強力なポップネスも備えている。そういう意味で、一昨年のM.I.Aや昨年のLil Wayneと双璧をなす、ゼロ年代後半のポピュラーミュージックの理想形態と称されるべき作品だろう。


http://www.youtube.com/watch?v=4CkXhtw7UNk
http://therabadas.wordpress.com/2009/04/07/buraka-som-sistema-in-japan/

Buraka Som Sistema、去年の四月には単体で来日してたみたい。
最近知って驚いたw

それに合わせて国内版出したけど去年の四月なんてまだまだ、みんなクンビアクンビア言ってたから辺境Ghetto Bassのクドゥロなんて日本じゃでんでんだったしね汗
去年末に新宿のタワレコでBuraka Som Sistemaの最近でたRemix盤とBlack Diamondとクドゥロのコンピが合わせて売ってたけど、クドゥロのコンピは直ぐに消えてたなw
じんわりとFUJI ROCK FESでの2度目の来日以降Buraka Som Sistema以外の現地クドゥロにも注目が広がってきてるけど流通悪すぎ苦笑

サラーム海上さん情報ではフランスでクドゥロがかなりブレイク中らしい。
You tubeでKuduroもんを検索したらフランス語で「最高!でも何語だ?」とか「アンゴラ産だからポルトガル語ざんす。」とかコメントついてて笑った。

おいら的には07はM・I・A、08はGang Gang Dance、09はBuruka Som SystemaがPOP MUSICではNo1だね〜。

そんでもって日本でKuduroを作ってる人発見!!
Tokyo funkudoro
HP:http://afulo.jp/kuduro.htm

YOUTUBE
http://www.youtube.com/watch?v=XkOZMu7LueQ&feature=player_embedded#at=45
http://afulo.jp/kuduro.htm

DJきなこもちアイス
http://djkinako.blog106.fc2.com/

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