奇しくも某国民的ロックバンド、ジ・〇ルフィーと同日・同会場での開催となった今回の読書会ですが、初参加の方もお越しになり、いつもよりメリーアンな会となったと思います。今回の課題本は小川さやか著『「その日暮らし」の人類学』。会の冒頭でも述べましたが、私が課題本を選出する際、今回の本も含め、労働／仕事関係の本が多いような気がします。私本来の興味関心である人文学系の話と世間一般の接地面として労働／仕事を捉えているのだと思います。
皆さんの感想を伺っていくと、以下のようなものが寄せられました。
・「その日暮らし」の生き方は、理想の生き方
・「その日暮らし」って、フーテンの寅さん的な生き方
・「その日暮らし」は動物の生死みたい←たくさん生まれたくさん死ぬ→「直接体験の原則」の動物性
・昨今、日本は副業元年→「その日暮らし」に近づいた？
・私たちの社会では、一つの仕事を長く続けることが美徳とされ、信頼の証ともなっている→「信頼のカタチ」の違い
・コピー商品や使い捨て感覚など、モノに対する考え方が私たちと違う
・「その日暮らし」と社会保障→私たちの社会での社会保障は「上から」のもの→相互扶助を原点と考えると「上から」である必然性はなく、「その日暮らし」社会においては「下から」の相互扶助が実現されている？
・日本の国土の特徴→災害が多い→「その日暮らし」が育つ？それとも阻害される？
・「その日暮らし」と自己責任(論)
・「その日暮らし」を担う領域としてのグレーゾーン→日本においてはその領域が縮小傾向にある
・映画『ジョーカー』はマジおもしろいので観たほうがいい
以下、気になった点を。
「その日暮らし」と災害の関係です。「プレートの綴じ目に乗っかり台風もドンドコやってくる日本において、『その日暮らし』マインドは今後、ポスト・アポカリプス的なものを先取りする形で育っていくのではないか。」「いやむしろ逆で、災害が多いからこそ綿密に計画し将来に備えて社会設計がなされるのではないか。」大変おもしろいことに、災害を中心に据えると、「その日暮らし」に対してまったく正反対の見通しが出力されます。
これは何ゆえなのでしょうか。偶然、運、運命という語の系列で表現される「何ものか」に対して、人間がどのように処してきたかがここに関わってきています。一方では偶然の力を初期条件として認め開き直る感性があり、他方では偶然の力を制御し征服しようとする感性があるように思えます。この二つをそれぞれ極点とした場合、私たちの生活はどの辺にマッピングされるのか。この二つの極点の中間なのか、それとも、偶然を考える際の極点は二つに限られないのか。「計画的に偶然に身をまかせる」なんて言いたくもなりますが、果たしてそれにどんな意味があるのか。個人的にはいろいろ気になる話題でした。
あと、グレーゾーン領域の人々のこともおもしろいですね。ここでいうグレーゾーンとは「法の枠の境界にいる人や、ちょっと出てる人」のことです。課題本ではマチンガや各種海賊など、しなやかで強靭な人々が挙げられていましたが、弱者としてのグレーな人々もいるわけで、彼ら彼女らに、しなやかさや強靭さを与え返すことはできないだろうか。それがかつての私掠船と同じように、社会（国家）にとっても益となるようなプロセスを想像できないだろうか。そんなところです。
というわけで、読書が一般的にそうなのですが、人によって刺さる部分が違うと思います。私は上に書いたところでしたが、皆さんはどうでしたでしょうか。当日言い足りなかったことなど、以下コメントでどうぞ。
皆さんの感想を伺っていくと、以下のようなものが寄せられました。
・「その日暮らし」の生き方は、理想の生き方
・「その日暮らし」って、フーテンの寅さん的な生き方
・「その日暮らし」は動物の生死みたい←たくさん生まれたくさん死ぬ→「直接体験の原則」の動物性
・昨今、日本は副業元年→「その日暮らし」に近づいた？
・私たちの社会では、一つの仕事を長く続けることが美徳とされ、信頼の証ともなっている→「信頼のカタチ」の違い
・コピー商品や使い捨て感覚など、モノに対する考え方が私たちと違う
・「その日暮らし」と社会保障→私たちの社会での社会保障は「上から」のもの→相互扶助を原点と考えると「上から」である必然性はなく、「その日暮らし」社会においては「下から」の相互扶助が実現されている？
・日本の国土の特徴→災害が多い→「その日暮らし」が育つ？それとも阻害される？
・「その日暮らし」と自己責任(論)
・「その日暮らし」を担う領域としてのグレーゾーン→日本においてはその領域が縮小傾向にある
・映画『ジョーカー』はマジおもしろいので観たほうがいい
以下、気になった点を。
「その日暮らし」と災害の関係です。「プレートの綴じ目に乗っかり台風もドンドコやってくる日本において、『その日暮らし』マインドは今後、ポスト・アポカリプス的なものを先取りする形で育っていくのではないか。」「いやむしろ逆で、災害が多いからこそ綿密に計画し将来に備えて社会設計がなされるのではないか。」大変おもしろいことに、災害を中心に据えると、「その日暮らし」に対してまったく正反対の見通しが出力されます。
これは何ゆえなのでしょうか。偶然、運、運命という語の系列で表現される「何ものか」に対して、人間がどのように処してきたかがここに関わってきています。一方では偶然の力を初期条件として認め開き直る感性があり、他方では偶然の力を制御し征服しようとする感性があるように思えます。この二つをそれぞれ極点とした場合、私たちの生活はどの辺にマッピングされるのか。この二つの極点の中間なのか、それとも、偶然を考える際の極点は二つに限られないのか。「計画的に偶然に身をまかせる」なんて言いたくもなりますが、果たしてそれにどんな意味があるのか。個人的にはいろいろ気になる話題でした。
あと、グレーゾーン領域の人々のこともおもしろいですね。ここでいうグレーゾーンとは「法の枠の境界にいる人や、ちょっと出てる人」のことです。課題本ではマチンガや各種海賊など、しなやかで強靭な人々が挙げられていましたが、弱者としてのグレーな人々もいるわけで、彼ら彼女らに、しなやかさや強靭さを与え返すことはできないだろうか。それがかつての私掠船と同じように、社会（国家）にとっても益となるようなプロセスを想像できないだろうか。そんなところです。
というわけで、読書が一般的にそうなのですが、人によって刺さる部分が違うと思います。私は上に書いたところでしたが、皆さんはどうでしたでしょうか。当日言い足りなかったことなど、以下コメントでどうぞ。
|
|
|
|
コメント(2)
本にも書いてある通り、そもそも人はみんな基本的にはその日暮らしなんだと思います。
そして、その日暮らしという生き方が一番心にもよくて身体にもよくて理想的なんだと思うのです。
一日一日が充実している生き方です。
けれど、日本の多くの人たちはそうではない生き方をしています。
同じ会社に長く勤め、入社から定年、老後までがレールの上にあってその上を行く生き方です。
なので、若いうちは楽しいことや家族さえも犠牲にして働くとかそういうことが起こります。
一日一日を我慢したり犠牲にする生き方です。
これは一見将来が安心できる生き方ではあるけれど、その会社でのスキルしかない人間がもし会社を辞めることになったときのことを考えると危険です。
実は会社に守ってもらって甘やかされているということに気づかないといけない。
ということで、「その日暮らしに俺はなる！」（ルフィ風）
映画『ジョーカー』観てみます。（関係ないけど 笑）
そして、その日暮らしという生き方が一番心にもよくて身体にもよくて理想的なんだと思うのです。
一日一日が充実している生き方です。
けれど、日本の多くの人たちはそうではない生き方をしています。
同じ会社に長く勤め、入社から定年、老後までがレールの上にあってその上を行く生き方です。
なので、若いうちは楽しいことや家族さえも犠牲にして働くとかそういうことが起こります。
一日一日を我慢したり犠牲にする生き方です。
これは一見将来が安心できる生き方ではあるけれど、その会社でのスキルしかない人間がもし会社を辞めることになったときのことを考えると危険です。
実は会社に守ってもらって甘やかされているということに気づかないといけない。
ということで、「その日暮らしに俺はなる！」（ルフィ風）
映画『ジョーカー』観てみます。（関係ないけど 笑）
- mixiユーザー
- ログインしてコメントしよう！
|
|
|
|
