『日本の歴史と最後の審判』〈23〉〈24〉〈25〉
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ) *p491
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) *p511
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ) *p529
「この論文は私が神の御意志のもとに書いたものであり、これが本当の正しい日本歴史なのですからそのつもりでお読み頂きたいと思います。安原 修」
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）八月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ) *p491
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) *p511
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ) *p529
「この論文は私が神の御意志のもとに書いたものであり、これが本当の正しい日本歴史なのですからそのつもりでお読み頂きたいと思います。安原 修」
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）八月
證 明 (✡しょう めい)
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『日本の歴史と最後の審判』〈23〉-1
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)
（p��491／p��491〜p��510）
>p491-1行〜
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)
これから述べる清寧天皇の歴史は日本書紀の允恭天皇の歴
史であることを断って置く。清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子
は仁徳天皇と皇后 磐之媛命との間に３６５年に生まれたので
あり允恭天皇(いんぎょうてんの)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)の同母弟だったのである。
日本書紀では瑞歯別天皇が死去した後、群臣達が集まって
協議した結果、その頃仁徳天皇の皇子は雄朝津間稚子宿祢皇
子と大草香皇子(おほくさかのみこ)と二人あったが雄朝津間稚子宿祢皇子の方が
年上で立派な方であると言う理由から、吉日を選んで玉璽(ぎょくじ)を
奉り、即位をお願いしたと言うことになっている。しかしこ
の様な話は全く見えすいた大嘘であることを知らねばならな
いのである。大和朝廷の天皇は群臣が協議して決めると言う
制度ではなかったのである。そして天皇が在世中に皇太子を
立てるのが普通だったのである。
それに古事記も日本書紀も反正天皇には四人の皇子と皇女
>p492
があったと書いてあるにもかゝわらず、反正天皇の死後皇子
のことには全くふれず、反正天皇の弟を選んで天皇にしたと
言う様なことは正当な理由にはならないのである。すでに述べた様に反正天皇は４０４年に即位して４０５年に退位
させられたのである。しかし４０５年は一応反正天皇の治世
とするから反正天皇の治世は二年となるのであり、清寧天皇
の治世元年は４０６年となるのである。
群臣達は反正天皇の政治に愛想をつかして天皇を変えよう
ではないかと相談したのであるからよくよくのことだったの
である。しかしその頃仁徳天皇の皇子は雄朝津間稚子宿祢皇
子と大草香皇子の二人であったと言うのは大嘘である。４０
５年の時点では仁徳天皇皇子で故人となっていたのは住吉仲
皇子と大兄去来穂別皇子の二人であり、小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)、
反正天皇磐坂市辺押羽皇子、雄朝津間稚子宿祢皇子、瑞歯別
皇子の四人が健在だったのである。
>p493
しかし小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)はあまりにも残忍狂暴な性格の皇
子であったから群臣達は誰一人として小泊瀬稚鷦鷯皇子を次
の天皇に選ぼうとしなかったのである。そしてもう一人 仁徳
天皇の末子 瑞歯別皇子は兄弟同志で皇位継承の争いをするこ
とを嫌って絶対中立を守り、皇位に即こうとはしなかったの
である。そして大草香皇子は仁徳天皇皇子ではなかったので
ある。故に反正天皇に代わって天皇になれそうな人と言えば
雄朝津間稚子宿祢皇子しかいなかったのである。それで群臣
達は仕方なく雄朝津間稚子宿祢皇子を反正天皇の代わりの天
皇として立てることにしたのである。
雄朝津間稚子宿祢皇子は生まれつき病弱な皇子であり、天
皇になる様な器(うつわ)の人ではなかったのである。しかし群臣達は
反正天皇にどうにも我慢出来なくなったから仕方なく雄朝津
間稚子宿祢皇子を立てることにしたのである。だから雄朝津
間稚子宿祢皇子自身も自分があまり人気が良くないことを知
>p494
って居り、天皇になっても政治をやって行ける自信もないか
ら群臣達の頼みを拒否していたのであるが、無理矢理に天皇
にされた様な狀態だったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-1 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��491-1行〜p��494-3行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）八月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)
（p��491／p��491〜p��510）
>p491-1行〜
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)
これから述べる清寧天皇の歴史は日本書紀の允恭天皇の歴
史であることを断って置く。清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子
は仁徳天皇と皇后 磐之媛命との間に３６５年に生まれたので
あり允恭天皇(いんぎょうてんの)大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)の同母弟だったのである。
日本書紀では瑞歯別天皇が死去した後、群臣達が集まって
協議した結果、その頃仁徳天皇の皇子は雄朝津間稚子宿祢皇
子と大草香皇子(おほくさかのみこ)と二人あったが雄朝津間稚子宿祢皇子の方が
年上で立派な方であると言う理由から、吉日を選んで玉璽(ぎょくじ)を
奉り、即位をお願いしたと言うことになっている。しかしこ
の様な話は全く見えすいた大嘘であることを知らねばならな
いのである。大和朝廷の天皇は群臣が協議して決めると言う
制度ではなかったのである。そして天皇が在世中に皇太子を
立てるのが普通だったのである。
それに古事記も日本書紀も反正天皇には四人の皇子と皇女
>p492
があったと書いてあるにもかゝわらず、反正天皇の死後皇子
のことには全くふれず、反正天皇の弟を選んで天皇にしたと
言う様なことは正当な理由にはならないのである。すでに述べた様に反正天皇は４０４年に即位して４０５年に退位
させられたのである。しかし４０５年は一応反正天皇の治世
とするから反正天皇の治世は二年となるのであり、清寧天皇
の治世元年は４０６年となるのである。
群臣達は反正天皇の政治に愛想をつかして天皇を変えよう
ではないかと相談したのであるからよくよくのことだったの
である。しかしその頃仁徳天皇の皇子は雄朝津間稚子宿祢皇
子と大草香皇子の二人であったと言うのは大嘘である。４０
５年の時点では仁徳天皇皇子で故人となっていたのは住吉仲
皇子と大兄去来穂別皇子の二人であり、小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)、
反正天皇磐坂市辺押羽皇子、雄朝津間稚子宿祢皇子、瑞歯別
皇子の四人が健在だったのである。
>p493
しかし小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)はあまりにも残忍狂暴な性格の皇
子であったから群臣達は誰一人として小泊瀬稚鷦鷯皇子を次
の天皇に選ぼうとしなかったのである。そしてもう一人 仁徳
天皇の末子 瑞歯別皇子は兄弟同志で皇位継承の争いをするこ
とを嫌って絶対中立を守り、皇位に即こうとはしなかったの
である。そして大草香皇子は仁徳天皇皇子ではなかったので
ある。故に反正天皇に代わって天皇になれそうな人と言えば
雄朝津間稚子宿祢皇子しかいなかったのである。それで群臣
達は仕方なく雄朝津間稚子宿祢皇子を反正天皇の代わりの天
皇として立てることにしたのである。
雄朝津間稚子宿祢皇子は生まれつき病弱な皇子であり、天
皇になる様な器(うつわ)の人ではなかったのである。しかし群臣達は
反正天皇にどうにも我慢出来なくなったから仕方なく雄朝津
間稚子宿祢皇子を立てることにしたのである。だから雄朝津
間稚子宿祢皇子自身も自分があまり人気が良くないことを知
>p494
って居り、天皇になっても政治をやって行ける自信もないか
ら群臣達の頼みを拒否していたのであるが、無理矢理に天皇
にされた様な狀態だったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-1 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��491-1行〜p��494-3行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）八月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈23〉-2
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��494／p��491〜p��510）
>p494-4行〜
清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子が即位したのは４０５年で
あるが、その年は一応反正天皇の二年とするから清寧天皇の
元年は４０６年となるのである。允恭紀には二年の春二月に
忍坂大中媛(おしさかのおほなかつひめ)を立てて皇后としたと書いてある。允恭二年は本
当は元年であり４０６年である。皇后 忍坂大中媛は応神天皇
皇子 若野毛二派皇子(わかぬけふたまたのみこ)の娘となっているけれども大嘘である。
応神天皇 皇子 若野毛二派皇子と言うのは偽系図を作るために
でっちあげられた仮空の人物であり、本当は成務天皇の遺児
和訶奴気王(わかぬけのみこ)のことである。
景行の建てた饒速日系王朝が滅びた後、神功天皇 息長足媛
命は成務の遺児 和訶奴気王(わかぬけのみこ)に自分の弟 息長日子王の二男 河派(かはまた)
仲彦王(なかひこのみこ)の娘 息長眞若媛(おきながまわかひめ)を嫁がせて子孫の存続を図ったのであ
>p495
る。和訶奴気王(わかぬけのみこ)と息長眞若媛との間に生まれた子が忍坂大中(おしさかのおほなか)
媛(つひめ)と妹の衣通郎媛(そとはりのいらつひめ)らだったのである。忍坂大中媛の母 息長眞
若媛のまたの名は百師木伊呂弁(ももしきいろべ)となっている。これは名では
なく世間の通称と言うかあだ名の如きものである。百師木(ももしき)と
は百敷(ももしき)であり、伊呂弁(いろべ)は色服(いろべべ)と言う意味である。昔から着物
のことを「べべ」と言っていたのである。そして色のついた
きれいな着物だから「色(いろ)べべ」と言うのである。百敷(ももしき)とは百
と言う沢山の数のものを敷いて並べると言うことである。息
長眞若媛は沢山の色のついたきれいな衣服を持っていて、親
しい人々を自宅へ招いてはそれらの色服(いろべべ)を床に広げて並べて
見せて自慢していたのだと思うのである。それで皆がうらや
ましがって「百敷色服(ももしきいろべべ)」と言っていたものを百敷色服(ももしきいろべ)と一字
抜いて書いた丈のものであり、名前ではないのである。
天皇と皇后 忍坂大中媛との間に生まれた皇子と皇女は古事記、日本書紀共に木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)、名形大娘皇女(ながたのおほいらつめのひめみこ)、境黒彦皇子(さかひのくろひこのみこ)、
>p496
穴穂天皇(あなほのすめらみこと)、軽大娘皇女(かるのおほいらつめのひめみこ)、八釣白彦皇子(やつりのしろひこのみこ)、大泊瀬幼武皇子(おほはつせのわかたけるのみこ)、但馬橘大娘皇女(たぢまたちばなのおほいらつめのひめみこ)、酒見皇女(さかみのはめみこ)の九人となっている。しかしこの九
人の中で本当に雄朝津間稚子宿祢皇子と忍坂大中媛との間に
生まれた子は木梨軽皇子、境黒彦皇子、軽大娘皇女、八釣白
彦皇子の四人丈である。
名形大娘皇女(ながたのおほいらつめのひめみこ)は大兄去来穂別皇子の子 中磯皇女の名を変え
てごまかしているのである。穴穂天皇は仁徳天皇 皇子 住吉仲
皇子の遺児である。大泊瀬稚武天皇は仁賢天皇の皇子であ
ってここでは仁賢天皇皇子小泊瀬稚鷦鷯皇子と名を
取り変えられているのである。つまり日本書紀の雄略天皇は
本当は仁賢天皇皇子となっている武烈天皇小泊瀬稚鷦鷯皇子
のことであり、雄朝津間稚子宿祢皇子の子ではないのである。
また但馬橘大娘皇女は多遅摩国造(たぢまのくにのみやつこ)迦多遅王(かたぢのみこ)の娘であり、日本
書紀の雄略天皇皇后 幡梭皇后(はたびのこうごう)なのであり、酒見娘女(さかみのいらつめ)は但馬橘
大娘女の妹なのである。
>p497
さて允恭紀では三年の春正月に新羅へ使者を派遣して良医
を求めたと言う。それは本当は二年であり４０７年のことで
ある。天皇が新羅へ良医を求めたのは理由があるのである。
即ち雄朝津間稚子宿祢皇子の母は葛城襲津彦王の娘磐之媛で
あり、磐之媛の母は新羅国王女だったのであるからその頃の
新羅国王と雄朝津間稚子宿祢皇子とは二従兄弟(ふたいとこ)の間柄であり
言わば親族だったのである。その様な親しい間柄であったか
ら天皇は新羅王家へ良医の派遣を依頼したのであり、新羅王
家もその依頼に応じて良医を派遣して呉れたので、そのお蔭
で天皇の長年の病気が治ったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-2 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��494-4行〜p��497-10行》
✡ 執筆：平 成 七 年
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��494／p��491〜p��510）
>p494-4行〜
清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子が即位したのは４０５年で
あるが、その年は一応反正天皇の二年とするから清寧天皇の
元年は４０６年となるのである。允恭紀には二年の春二月に
忍坂大中媛(おしさかのおほなかつひめ)を立てて皇后としたと書いてある。允恭二年は本
当は元年であり４０６年である。皇后 忍坂大中媛は応神天皇
皇子 若野毛二派皇子(わかぬけふたまたのみこ)の娘となっているけれども大嘘である。
応神天皇 皇子 若野毛二派皇子と言うのは偽系図を作るために
でっちあげられた仮空の人物であり、本当は成務天皇の遺児
和訶奴気王(わかぬけのみこ)のことである。
景行の建てた饒速日系王朝が滅びた後、神功天皇 息長足媛
命は成務の遺児 和訶奴気王(わかぬけのみこ)に自分の弟 息長日子王の二男 河派(かはまた)
仲彦王(なかひこのみこ)の娘 息長眞若媛(おきながまわかひめ)を嫁がせて子孫の存続を図ったのであ
>p495
る。和訶奴気王(わかぬけのみこ)と息長眞若媛との間に生まれた子が忍坂大中(おしさかのおほなか)
媛(つひめ)と妹の衣通郎媛(そとはりのいらつひめ)らだったのである。忍坂大中媛の母 息長眞
若媛のまたの名は百師木伊呂弁(ももしきいろべ)となっている。これは名では
なく世間の通称と言うかあだ名の如きものである。百師木(ももしき)と
は百敷(ももしき)であり、伊呂弁(いろべ)は色服(いろべべ)と言う意味である。昔から着物
のことを「べべ」と言っていたのである。そして色のついた
きれいな着物だから「色(いろ)べべ」と言うのである。百敷(ももしき)とは百
と言う沢山の数のものを敷いて並べると言うことである。息
長眞若媛は沢山の色のついたきれいな衣服を持っていて、親
しい人々を自宅へ招いてはそれらの色服(いろべべ)を床に広げて並べて
見せて自慢していたのだと思うのである。それで皆がうらや
ましがって「百敷色服(ももしきいろべべ)」と言っていたものを百敷色服(ももしきいろべ)と一字
抜いて書いた丈のものであり、名前ではないのである。
天皇と皇后 忍坂大中媛との間に生まれた皇子と皇女は古事記、日本書紀共に木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)、名形大娘皇女(ながたのおほいらつめのひめみこ)、境黒彦皇子(さかひのくろひこのみこ)、
>p496
穴穂天皇(あなほのすめらみこと)、軽大娘皇女(かるのおほいらつめのひめみこ)、八釣白彦皇子(やつりのしろひこのみこ)、大泊瀬幼武皇子(おほはつせのわかたけるのみこ)、但馬橘大娘皇女(たぢまたちばなのおほいらつめのひめみこ)、酒見皇女(さかみのはめみこ)の九人となっている。しかしこの九
人の中で本当に雄朝津間稚子宿祢皇子と忍坂大中媛との間に
生まれた子は木梨軽皇子、境黒彦皇子、軽大娘皇女、八釣白
彦皇子の四人丈である。
名形大娘皇女(ながたのおほいらつめのひめみこ)は大兄去来穂別皇子の子 中磯皇女の名を変え
てごまかしているのである。穴穂天皇は仁徳天皇 皇子 住吉仲
皇子の遺児である。大泊瀬稚武天皇は仁賢天皇の皇子であ
ってここでは仁賢天皇皇子小泊瀬稚鷦鷯皇子と名を
取り変えられているのである。つまり日本書紀の雄略天皇は
本当は仁賢天皇皇子となっている武烈天皇小泊瀬稚鷦鷯皇子
のことであり、雄朝津間稚子宿祢皇子の子ではないのである。
また但馬橘大娘皇女は多遅摩国造(たぢまのくにのみやつこ)迦多遅王(かたぢのみこ)の娘であり、日本
書紀の雄略天皇皇后 幡梭皇后(はたびのこうごう)なのであり、酒見娘女(さかみのいらつめ)は但馬橘
大娘女の妹なのである。
>p497
さて允恭紀では三年の春正月に新羅へ使者を派遣して良医
を求めたと言う。それは本当は二年であり４０７年のことで
ある。天皇が新羅へ良医を求めたのは理由があるのである。
即ち雄朝津間稚子宿祢皇子の母は葛城襲津彦王の娘磐之媛で
あり、磐之媛の母は新羅国王女だったのであるからその頃の
新羅国王と雄朝津間稚子宿祢皇子とは二従兄弟(ふたいとこ)の間柄であり
言わば親族だったのである。その様な親しい間柄であったか
ら天皇は新羅王家へ良医の派遣を依頼したのであり、新羅王
家もその依頼に応じて良医を派遣して呉れたので、そのお蔭
で天皇の長年の病気が治ったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-2 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��494-4行〜p��497-10行》
✡ 執筆：平 成 七 年
『日本の歴史と最後の審判』〈23〉-3
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��497／p��491〜p��510）
>p497-11行〜
次に四年の秋九月に家系や姓名を偽(いつわ)る人々が多いと言う理
由で大和の国の味橿丘(うまかしのおか)で盟神探湯(くがたち)をしたと言う。それは本当
の治世二年、４０７年のことである。味橿丘は奈良県高市郡
明日香村にある。そして古事記では雄朝津間稚子宿祢皇子の
都を遠飛鳥宮(とほつあすかのみや)としているのである。しかし允恭紀には天皇が
>p498
即位後に都を建てたと言う記録が全くないのであり、都の名
も所在地も全く書かれていないのである。また天皇が死去し
た時も死去した場所即ち宮の名が書かれているのが普通であ
るにもかゝわらず、雄朝津間稚子宿祢皇子の場合は死去した
宮の名も書かれていないのである。
允恭紀に天皇が建てた都の名や所在地が全く書かれていな
いと言うことは雄朝津間稚子宿祢皇子の建てた都は存在しな
かったと言うことである。では一体どこで政治をしていたの
かと言うと反正天皇の宮であった丹比(たぢひ)の柴籬宮(しばかきのみや)であると私は
断定するのである。つまり反正天皇は丹比の柴籬宮を建てて
から一年位で都を追われたのである。だから宮殿はまだ新し
かったのである。それで反正天皇の宮を清寧天皇が引き続き
使用したのである。だから天皇が即位しても宮の名を書くこ
とが出来なかったのである。
反正天皇元年に恐らく大軍を百済の救援に派遣して高句麗(こうくり)
>p499
と戦って大敗し、更に反正天皇は丹比(たぢひ)柴籬宮(しばかきのみや)を去った後近江
に市辺宮(いちべのみや)を立てて天皇と称したために雄朝津間稚子宿祢皇子
は天皇として即位はしたけれども自分の都を建てる余裕はな
かったのではあるまいか。それと柴籬宮(しばかきのみや)がまだ新しかったか
ら充分そこで政治が出来たものであろう。それでは古事記に
書かれている遠飛鳥宮(とほつあすかのみや)は何だったのかと言うと雄朝津間稚子
宿祢皇子が即位する前住んでいた屋敷であろうと思うのである。
雄朝津間稚子宿祢皇子の陵墓である河内の長野原陵(ながのはらのみさざき)の所在地
と丹比の柴籬宮のあった所とはあまり離れていないと思われ
ることからも私は雄朝津間稚子宿祢皇子の都は反正天皇の丹
比の柴籬宮(しばかきのみや)であったものと思うのである。
さて允恭紀では五年の秋七月に地震があったと言う。それ
より前に葛城襲津彦の孫 玉田宿祢(たまだのすくね)に命じて瑞歯別天皇の殯(もがり)の
責任者にしたと言う。そして地震のあった夜 尾張連(をはりのむらじ)吾襲(あそ)を派
遣して殯宮(もがりのみや)の様子を見させたところ皆が集っているのに責任
>p500
者の玉田宿祢の姿が見えないのでそれを天皇に報告したとこ
ろ今度は玉田宿祢の様子を探らせたと言う。その時玉田宿祢
は男女を集めて酒宴をしていたと言う。これは玉田宿祢が勝
手に天皇の命令に叛いて酒宴を開いていたのであるから非常
に不謹慎なことをしたことになる訳であるから罰せられても
仕方はない訳である。
しかしこの話はどれ丈信用出来るかは判らないのである。
允恭紀の五年は本当の三年であり４０８年である。そして瑞
歯別天皇の殯をしたのではなく、近江の国の蚊屋野(かやの)で小泊瀬
稚鷦鷯皇子に殺された反正天皇磐坂市辺押羽皇子の殯(もがり)をした
のである。しかし反正天皇の遺体は蚊屋野に埋められたので
あるから遺体はない訳であるが、反正天皇の霊をなぐさめる
ための教養をしたのである。しかし殯の責任者である玉田宿
祢が殯の席に居らず、男女を集めて酒宴を開いていたと言う
ことが問題なのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-3 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��497-11行〜p��500-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）八月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��497／p��491〜p��510）
>p497-11行〜
次に四年の秋九月に家系や姓名を偽(いつわ)る人々が多いと言う理
由で大和の国の味橿丘(うまかしのおか)で盟神探湯(くがたち)をしたと言う。それは本当
の治世二年、４０７年のことである。味橿丘は奈良県高市郡
明日香村にある。そして古事記では雄朝津間稚子宿祢皇子の
都を遠飛鳥宮(とほつあすかのみや)としているのである。しかし允恭紀には天皇が
>p498
即位後に都を建てたと言う記録が全くないのであり、都の名
も所在地も全く書かれていないのである。また天皇が死去し
た時も死去した場所即ち宮の名が書かれているのが普通であ
るにもかゝわらず、雄朝津間稚子宿祢皇子の場合は死去した
宮の名も書かれていないのである。
允恭紀に天皇が建てた都の名や所在地が全く書かれていな
いと言うことは雄朝津間稚子宿祢皇子の建てた都は存在しな
かったと言うことである。では一体どこで政治をしていたの
かと言うと反正天皇の宮であった丹比(たぢひ)の柴籬宮(しばかきのみや)であると私は
断定するのである。つまり反正天皇は丹比の柴籬宮を建てて
から一年位で都を追われたのである。だから宮殿はまだ新し
かったのである。それで反正天皇の宮を清寧天皇が引き続き
使用したのである。だから天皇が即位しても宮の名を書くこ
とが出来なかったのである。
反正天皇元年に恐らく大軍を百済の救援に派遣して高句麗(こうくり)
>p499
と戦って大敗し、更に反正天皇は丹比(たぢひ)柴籬宮(しばかきのみや)を去った後近江
に市辺宮(いちべのみや)を立てて天皇と称したために雄朝津間稚子宿祢皇子
は天皇として即位はしたけれども自分の都を建てる余裕はな
かったのではあるまいか。それと柴籬宮(しばかきのみや)がまだ新しかったか
ら充分そこで政治が出来たものであろう。それでは古事記に
書かれている遠飛鳥宮(とほつあすかのみや)は何だったのかと言うと雄朝津間稚子
宿祢皇子が即位する前住んでいた屋敷であろうと思うのである。
雄朝津間稚子宿祢皇子の陵墓である河内の長野原陵(ながのはらのみさざき)の所在地
と丹比の柴籬宮のあった所とはあまり離れていないと思われ
ることからも私は雄朝津間稚子宿祢皇子の都は反正天皇の丹
比の柴籬宮(しばかきのみや)であったものと思うのである。
さて允恭紀では五年の秋七月に地震があったと言う。それ
より前に葛城襲津彦の孫 玉田宿祢(たまだのすくね)に命じて瑞歯別天皇の殯(もがり)の
責任者にしたと言う。そして地震のあった夜 尾張連(をはりのむらじ)吾襲(あそ)を派
遣して殯宮(もがりのみや)の様子を見させたところ皆が集っているのに責任
>p500
者の玉田宿祢の姿が見えないのでそれを天皇に報告したとこ
ろ今度は玉田宿祢の様子を探らせたと言う。その時玉田宿祢
は男女を集めて酒宴をしていたと言う。これは玉田宿祢が勝
手に天皇の命令に叛いて酒宴を開いていたのであるから非常
に不謹慎なことをしたことになる訳であるから罰せられても
仕方はない訳である。
しかしこの話はどれ丈信用出来るかは判らないのである。
允恭紀の五年は本当の三年であり４０８年である。そして瑞
歯別天皇の殯をしたのではなく、近江の国の蚊屋野(かやの)で小泊瀬
稚鷦鷯皇子に殺された反正天皇磐坂市辺押羽皇子の殯(もがり)をした
のである。しかし反正天皇の遺体は蚊屋野に埋められたので
あるから遺体はない訳であるが、反正天皇の霊をなぐさめる
ための教養をしたのである。しかし殯の責任者である玉田宿
祢が殯の席に居らず、男女を集めて酒宴を開いていたと言う
ことが問題なのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-3 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��497-11行〜p��500-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）八月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈23〉-4
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��501／p��491〜p��510）
>p501-1行〜
玉田宿祢は反正天皇の殯(もがり)の責任者でありながらなぜ自分の
任務をすっぽかして、こともあろうに男女を集めて酒宴を開
いていたのであろうか。それは玉田宿祢は反正天皇が死去し
たことを喜んでいたからである。玉田宿祢を葛城襲津彦の孫
だと思ったら騙されるのである。玉田宿祢は羽田葦田宿祢(はたあしだのすくね)の
子であり、反正天皇 皇后 夷媛(はえひめ)の兄弟だったのである。だから
玉田宿祢は羽田玉田宿祢(はたたまだのすくね)と言うのが本当なのである。そして
羽田玉田宿祢は反正天皇が退位させられた後も羽田氏の本拠
である近江の国の市辺に宮を立てて天皇と称していることを
苦々しく思い、世間に対して肩身の狭い思いをしていたので
ある。しかし反正天皇が近江の国の蚊屋野で殺されたのでざ
まを見ろと言う様な気分になって喜んでいたのである。
しかし清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子にして見れば羽田玉
田宿祢は反正天皇 皇后 夷媛の兄弟であるから反正天皇の霊を
なぐさめるために反正天皇とは義理の兄弟に当たる羽田玉田
>p502
宿祢を殯の責任者にしたと言う次第である。しかし今迄反正
天皇のためにずい分肩身の狭い嫌な思いをして来た羽田玉田
宿祢にして見れば反正天皇の殯の責任者に任命されたことは
大迷惑だったのである。それで殯をすっぽかして酒宴を開き
反正天皇の死を喜んでいたのである。天皇はそれを知って玉
田宿祢を呼びつけて殺そうとしたところ玉田宿祢は武内宿祢
の墓地を逃げ込んだと言うがどうも疑わしいのである。これ
は結局羽田矢代宿祢の孫の羽田玉田宿祢を武内宿祢の子孫と
思わせるために武内宿祢の墓地へ逃げ込んだと言うことにし
てごまかしたものであろう。
武内宿祢は仁徳天皇十九年、３９０年にはまだ生きていた
のである。だから３９０年に死んだとしても４０８年では死
後二十年も経っていなかったことになるのである。武内宿祢
が何年に死んだか明らかではないし、武内宿祢の墓と言うの
が本当に武内宿祢のものかどうかも判らないのである。羽田
>p503
玉田宿祢は天皇の命令で殺されたことになっているが本当か
どうかは判らないと思うのである。そしてその年の冬十一月
に瑞歯別天皇を耳原陵に葬ったと言うけれども大嘘である。
次に七年の冬十二月に新室(にいむろ)に讌(うたげ)をしたと言う。つまり新築
祝いである。しかしその場所がどこであるかと言うことも全
く書いて居らず、新しい宮を建てたとも書いてないから一棟
建て増(ま)しをしたと言うことかも知れないであろう。この七年
十二月と言うのもやはり三年の十二月のことである。そして
その時天皇が琴(こと)を弾き、皇后が舞を舞ったのである。更にこ
の時皇后の妹 衣通郎媛(そとほりのいらつめ)を天皇の妃にすゝめたことになってい
る。衣通郎女(そとほりのいらつめ)は絶世の美女で衣(ころも)を通して身体から光が出てい
たから衣通郎女と言ったのだと言うことになって居り、さな
がら神か仏の様な尊い女性だと思っている人も多い様である
が決してそうではないのである。
衣通郎女の身から出たのは光ではないのである。美女の若
>p504
い肉体から発散されるむんむんする様な色気が衣を通して体
外へあふれ出て男を悩殺したと言うことである。衣通郎女を
妃にして以来雄朝津間稚子宿祢皇子は全く衣通郎女の色香に
迷ってしまったのである。しかし皇后の機嫌が悪いために衣
通郎女を宮中に置かず、大和の国高市郡の藤原に衣通郎女の
ための屋敷を建ててそこへ通うことにしたのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-4 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��501-1行〜p��504-6行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）八月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��501／p��491〜p��510）
>p501-1行〜
玉田宿祢は反正天皇の殯(もがり)の責任者でありながらなぜ自分の
任務をすっぽかして、こともあろうに男女を集めて酒宴を開
いていたのであろうか。それは玉田宿祢は反正天皇が死去し
たことを喜んでいたからである。玉田宿祢を葛城襲津彦の孫
だと思ったら騙されるのである。玉田宿祢は羽田葦田宿祢(はたあしだのすくね)の
子であり、反正天皇 皇后 夷媛(はえひめ)の兄弟だったのである。だから
玉田宿祢は羽田玉田宿祢(はたたまだのすくね)と言うのが本当なのである。そして
羽田玉田宿祢は反正天皇が退位させられた後も羽田氏の本拠
である近江の国の市辺に宮を立てて天皇と称していることを
苦々しく思い、世間に対して肩身の狭い思いをしていたので
ある。しかし反正天皇が近江の国の蚊屋野で殺されたのでざ
まを見ろと言う様な気分になって喜んでいたのである。
しかし清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子にして見れば羽田玉
田宿祢は反正天皇 皇后 夷媛の兄弟であるから反正天皇の霊を
なぐさめるために反正天皇とは義理の兄弟に当たる羽田玉田
>p502
宿祢を殯の責任者にしたと言う次第である。しかし今迄反正
天皇のためにずい分肩身の狭い嫌な思いをして来た羽田玉田
宿祢にして見れば反正天皇の殯の責任者に任命されたことは
大迷惑だったのである。それで殯をすっぽかして酒宴を開き
反正天皇の死を喜んでいたのである。天皇はそれを知って玉
田宿祢を呼びつけて殺そうとしたところ玉田宿祢は武内宿祢
の墓地を逃げ込んだと言うがどうも疑わしいのである。これ
は結局羽田矢代宿祢の孫の羽田玉田宿祢を武内宿祢の子孫と
思わせるために武内宿祢の墓地へ逃げ込んだと言うことにし
てごまかしたものであろう。
武内宿祢は仁徳天皇十九年、３９０年にはまだ生きていた
のである。だから３９０年に死んだとしても４０８年では死
後二十年も経っていなかったことになるのである。武内宿祢
が何年に死んだか明らかではないし、武内宿祢の墓と言うの
が本当に武内宿祢のものかどうかも判らないのである。羽田
>p503
玉田宿祢は天皇の命令で殺されたことになっているが本当か
どうかは判らないと思うのである。そしてその年の冬十一月
に瑞歯別天皇を耳原陵に葬ったと言うけれども大嘘である。
次に七年の冬十二月に新室(にいむろ)に讌(うたげ)をしたと言う。つまり新築
祝いである。しかしその場所がどこであるかと言うことも全
く書いて居らず、新しい宮を建てたとも書いてないから一棟
建て増(ま)しをしたと言うことかも知れないであろう。この七年
十二月と言うのもやはり三年の十二月のことである。そして
その時天皇が琴(こと)を弾き、皇后が舞を舞ったのである。更にこ
の時皇后の妹 衣通郎媛(そとほりのいらつめ)を天皇の妃にすゝめたことになってい
る。衣通郎女(そとほりのいらつめ)は絶世の美女で衣(ころも)を通して身体から光が出てい
たから衣通郎女と言ったのだと言うことになって居り、さな
がら神か仏の様な尊い女性だと思っている人も多い様である
が決してそうではないのである。
衣通郎女の身から出たのは光ではないのである。美女の若
>p504
い肉体から発散されるむんむんする様な色気が衣を通して体
外へあふれ出て男を悩殺したと言うことである。衣通郎女を
妃にして以来雄朝津間稚子宿祢皇子は全く衣通郎女の色香に
迷ってしまったのである。しかし皇后の機嫌が悪いために衣
通郎女を宮中に置かず、大和の国高市郡の藤原に衣通郎女の
ための屋敷を建ててそこへ通うことにしたのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-4 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��501-1行〜p��504-6行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）八月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈23〉-5
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��504／p��491〜p��510）
>p504-7行〜
しかし天皇が衣通郎女の若さと美貌(びぼう)に迷ってしまったため
に皇后に怨まれたのである。そして四年、４０９年の二月に
天皇が藤原の衣通郎女の屋敷へ行った時に衣通郎女の提案で
もっと遠くの別の土地に衣通郎女の宮を建てることにし、天
皇は早速河内の国の茅渟(ちぬ)に新しい宮を建てたのである。允恭
紀では天皇は八年の二月に藤原へ行幸し、九年の二月に茅渟(ちぬ)
宮(のみや)へ行幸したことになっているが、これは大嘘である。八年
二月と言うのが四年の二月であり、その時に早速河内の茅渟
に宮を建てることにして工事にかゝったのである。
>p505
だからそれから一年後に天皇が茅渟宮(ちぬのみや)へ行幸したなどと言
うのは嘘に決まっているのである。九年の二月と言うのは八
年の二月と同じて四年即ち４０９年である。しかし四年の二
月に早速茅渟宮が完成したと考える必要はないのである。天
皇は衣通郎女の希望を容(い)れて四年の二月に早速衣通郎女を連
れて茅渟へ行き、新しい宮を建てるについて何かと指図をし
たものと考えればよいのである。そしてその年の秋八月に茅
渟に行幸し、十月にも茅渟へ行幸したのであり、天皇の妾宅
通いが始まったのである。
更に十年の春正月に茅渟へ行幸したと言うのが五年の春正
月、４１０年のことである。その頃皇后に意見をせられて茅
渟へ行く回数を減らしたことになってはいるがそれは信用出
来ないのである。そして十一年春三月に茅渟宮へ行幸した
と言うのがやはり五年の春三月、４１０年なのである。しか
しその後天皇は次第に健康を害したのだと考えられるのであ
>p506
る。何故ならば雄朝津間稚子宿祢皇子は生来病弱な皇子であ
ってとても天皇になれるとは思っていなかったにもかゝわら
ず、反正天皇の失政から群臣に推されて無理に天皇にならさ
れたのである。そして天皇になってから新羅国の良医を招い
て治療をして長年の病気が治ったことを過信して、若くて美
人の衣通郎女の色香に溺れて健康を害し、若い頃の病気が再
発したのだと思うのである。
それで天皇は自分があまり先が長くないと感じて衣通郎女
のために藤原部(ふじわらべ)を定め、一生の生活の保証をしたのだと思う
のである。更に十四年秋九月に天皇は淡路へ行幸して狩をし
たと言う。これも本当の治世五年の九月のことである。そし
て允恭紀は二十三年に飛んで春三月に木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)を立てて皇
太子にしたと言う。この二十三年が本当の治世六年の三月で
あり４１１年のことである。雄朝津間稚子宿祢皇子は仁徳天
皇の皇子として３６５年に生まれたのであり、治世六年、４
>p507
１１年に四十七才だったのである。そして天皇が二十五才の
頃に忍坂大中媛と結婚して間もなく長子の木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)が生ま
れたとしても木梨軽皇子の生年は３９０年以後位になると思
うのである。だから木梨軽皇子の生年を３９０年としても皇
太子に立てられた４１１年に木梨軽皇子は二十二才だったこ
とになるのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-5 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��504-7行〜p��507-6行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）八月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��504／p��491〜p��510）
>p504-7行〜
しかし天皇が衣通郎女の若さと美貌(びぼう)に迷ってしまったため
に皇后に怨まれたのである。そして四年、４０９年の二月に
天皇が藤原の衣通郎女の屋敷へ行った時に衣通郎女の提案で
もっと遠くの別の土地に衣通郎女の宮を建てることにし、天
皇は早速河内の国の茅渟(ちぬ)に新しい宮を建てたのである。允恭
紀では天皇は八年の二月に藤原へ行幸し、九年の二月に茅渟(ちぬ)
宮(のみや)へ行幸したことになっているが、これは大嘘である。八年
二月と言うのが四年の二月であり、その時に早速河内の茅渟
に宮を建てることにして工事にかゝったのである。
>p505
だからそれから一年後に天皇が茅渟宮(ちぬのみや)へ行幸したなどと言
うのは嘘に決まっているのである。九年の二月と言うのは八
年の二月と同じて四年即ち４０９年である。しかし四年の二
月に早速茅渟宮が完成したと考える必要はないのである。天
皇は衣通郎女の希望を容(い)れて四年の二月に早速衣通郎女を連
れて茅渟へ行き、新しい宮を建てるについて何かと指図をし
たものと考えればよいのである。そしてその年の秋八月に茅
渟に行幸し、十月にも茅渟へ行幸したのであり、天皇の妾宅
通いが始まったのである。
更に十年の春正月に茅渟へ行幸したと言うのが五年の春正
月、４１０年のことである。その頃皇后に意見をせられて茅
渟へ行く回数を減らしたことになってはいるがそれは信用出
来ないのである。そして十一年春三月に茅渟宮へ行幸した
と言うのがやはり五年の春三月、４１０年なのである。しか
しその後天皇は次第に健康を害したのだと考えられるのであ
>p506
る。何故ならば雄朝津間稚子宿祢皇子は生来病弱な皇子であ
ってとても天皇になれるとは思っていなかったにもかゝわら
ず、反正天皇の失政から群臣に推されて無理に天皇にならさ
れたのである。そして天皇になってから新羅国の良医を招い
て治療をして長年の病気が治ったことを過信して、若くて美
人の衣通郎女の色香に溺れて健康を害し、若い頃の病気が再
発したのだと思うのである。
それで天皇は自分があまり先が長くないと感じて衣通郎女
のために藤原部(ふじわらべ)を定め、一生の生活の保証をしたのだと思う
のである。更に十四年秋九月に天皇は淡路へ行幸して狩をし
たと言う。これも本当の治世五年の九月のことである。そし
て允恭紀は二十三年に飛んで春三月に木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)を立てて皇
太子にしたと言う。この二十三年が本当の治世六年の三月で
あり４１１年のことである。雄朝津間稚子宿祢皇子は仁徳天
皇の皇子として３６５年に生まれたのであり、治世六年、４
>p507
１１年に四十七才だったのである。そして天皇が二十五才の
頃に忍坂大中媛と結婚して間もなく長子の木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)が生ま
れたとしても木梨軽皇子の生年は３９０年以後位になると思
うのである。だから木梨軽皇子の生年を３９０年としても皇
太子に立てられた４１１年に木梨軽皇子は二十二才だったこ
とになるのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-5 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��504-7行〜p��507-6行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）八月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈23〉-6(章終)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��507／p��491〜p��510）
>p507-7行〜
４１１年に木梨軽皇子が二十二才だったとすれば二男の堺(さかひ)
黒彦皇子(のくろひこのみこ)が十九才か二十才位、長女の軽大郎皇女(かるのおほいらつのひめみこ)が十六才か
十七才位、三男の八釣白彦皇子(やつりのしろひこのみこ)が十三才か十四才位だったと
考えれば先ず大差はないであろう。また軽大郎皇女を衣通郎
女と言う説もあるが、衣通郎女と言うのは個人の名ではなく
若くて美しい女性が肢体の魅力を衣服を通して発散させてい
る様を言うのであるからそう言う女性は大勢いるのである。
木梨軽皇子は皇太子に立てられた年に同母妹の軽大郎皇女
と愛し合ったと言うがそれは事実と考えてよい。当時でも異
>p508
母兄弟の結婚は認められていたのであり、仁徳天皇が異母妹
の八田皇女を皇后に立てた様に異母兄弟の結婚は許されてい
たのであり、同母の兄妹の結婚は禁止されていたのである。
木梨軽皇子と軽大郎皇女はその禁を犯したために身の破滅を
招いたのである。二十四年の夏六月に軽大郎皇女はその罪に
よって伊予へ流されたと言うがそれが事実かどうかは不明で
ある。そしてそれは木梨軽皇子が皇太子に立てられた六年、
４１１年のことである。
次に允恭紀では紀年が二十四年から四十二年に飛んでその
年の春正月に天皇が死去したことになっている。四十二年と
言うのは本当の七年であり、４１２年である。清寧天皇 雄朝
津間稚子宿祢皇子は治世七年、享年四十八才で４１２年に死
去したのである。允恭紀は天皇の享年について年若干(みとしそこばく)ととぼ
けた様なことを書いてごまかしているのである。
ところで允恭紀は新羅国王が天皇の死を聞いて驚き愁(うれ)えて
>p509
調(みつき)の船八十艘と種々の樂人八十人を貢(たてま)つったと言う。そして
新羅の人々は対馬(つしま)に上陸して大いに哭(みね)を奉り、筑紫に上陸し
てまた大いに哭(みね)を奉り、更に上陸して皆素服(あさきぬ)を着、
御調を捧げ、種々の樂器を奏(かな)で、難波から都に到る迄或は泣
き、或は歌ったり舞ったりしながら殯宮へ集ったと言う。し
かし新羅国王が天皇の死去に際してこれ程の心遣いをしたこ
とは前にも後にもないのである。それは新羅国王と天皇が二(ふた)
従兄弟(いとこ)の間柄であり、お互いに親族と言う気持ちで国交を結
んでいたからである。だから新羅国王は天皇の死去を心から
悲しみ、最大限度の弔使を派遣し、最大限度に喪の礼を尽く
したのである。
すでに述べた様にこの天皇は皇后の妹 衣通郎女の色香に溺
れて健康を害し、早く死去したのであり、政治をそっちのけ
にして御殿を留守にして千妾宅へ通っていたから「仕様(しょう)ねえ天
皇、おはさずの間(ま)、稚女(わくご)と直寢(すぐね)の命子(みこ)と言う意味をもじって
>p510
清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)と言う不名誉な諡を奉られた
のである。清寧天皇は当時の上流階級の中で軟派(なんば)の代表の様
な人だったのである。
それで長男の木梨軽皇子と軽大郎皇女が近親相愛に走って
身を滅ぼすことになったのも親の影響と言えるであろう。木
梨軽皇子は庶民の言葉で言えば「色男、金と力はなかりけり」
と言うのと似た性格であり、美男子で一寸した才能はあるが
勇気がなく、実力がなく、軽薄才子と言うタイプの皇子だっ
たのである。軽大郎皇女も美人ではあるが尻軽の皇女と言う
様な女性だったのである。そのことが清寧天皇の死後一家全
滅の悲劇に会った原因でもあると言えるのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-6(章終) 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��507-7行〜p��510-11行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）八月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子
（p��507／p��491〜p��510）
>p507-7行〜
４１１年に木梨軽皇子が二十二才だったとすれば二男の堺(さかひ)
黒彦皇子(のくろひこのみこ)が十九才か二十才位、長女の軽大郎皇女(かるのおほいらつのひめみこ)が十六才か
十七才位、三男の八釣白彦皇子(やつりのしろひこのみこ)が十三才か十四才位だったと
考えれば先ず大差はないであろう。また軽大郎皇女を衣通郎
女と言う説もあるが、衣通郎女と言うのは個人の名ではなく
若くて美しい女性が肢体の魅力を衣服を通して発散させてい
る様を言うのであるからそう言う女性は大勢いるのである。
木梨軽皇子は皇太子に立てられた年に同母妹の軽大郎皇女
と愛し合ったと言うがそれは事実と考えてよい。当時でも異
>p508
母兄弟の結婚は認められていたのであり、仁徳天皇が異母妹
の八田皇女を皇后に立てた様に異母兄弟の結婚は許されてい
たのであり、同母の兄妹の結婚は禁止されていたのである。
木梨軽皇子と軽大郎皇女はその禁を犯したために身の破滅を
招いたのである。二十四年の夏六月に軽大郎皇女はその罪に
よって伊予へ流されたと言うがそれが事実かどうかは不明で
ある。そしてそれは木梨軽皇子が皇太子に立てられた六年、
４１１年のことである。
次に允恭紀では紀年が二十四年から四十二年に飛んでその
年の春正月に天皇が死去したことになっている。四十二年と
言うのは本当の七年であり、４１２年である。清寧天皇 雄朝
津間稚子宿祢皇子は治世七年、享年四十八才で４１２年に死
去したのである。允恭紀は天皇の享年について年若干(みとしそこばく)ととぼ
けた様なことを書いてごまかしているのである。
ところで允恭紀は新羅国王が天皇の死を聞いて驚き愁(うれ)えて
>p509
調(みつき)の船八十艘と種々の樂人八十人を貢(たてま)つったと言う。そして
新羅の人々は対馬(つしま)に上陸して大いに哭(みね)を奉り、筑紫に上陸し
てまた大いに哭(みね)を奉り、更に上陸して皆素服(あさきぬ)を着、
御調を捧げ、種々の樂器を奏(かな)で、難波から都に到る迄或は泣
き、或は歌ったり舞ったりしながら殯宮へ集ったと言う。し
かし新羅国王が天皇の死去に際してこれ程の心遣いをしたこ
とは前にも後にもないのである。それは新羅国王と天皇が二(ふた)
従兄弟(いとこ)の間柄であり、お互いに親族と言う気持ちで国交を結
んでいたからである。だから新羅国王は天皇の死去を心から
悲しみ、最大限度の弔使を派遣し、最大限度に喪の礼を尽く
したのである。
すでに述べた様にこの天皇は皇后の妹 衣通郎女の色香に溺
れて健康を害し、早く死去したのであり、政治をそっちのけ
にして御殿を留守にして千妾宅へ通っていたから「仕様(しょう)ねえ天
皇、おはさずの間(ま)、稚女(わくご)と直寢(すぐね)の命子(みこ)と言う意味をもじって
>p510
清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)と言う不名誉な諡を奉られた
のである。清寧天皇は当時の上流階級の中で軟派(なんば)の代表の様
な人だったのである。
それで長男の木梨軽皇子と軽大郎皇女が近親相愛に走って
身を滅ぼすことになったのも親の影響と言えるであろう。木
梨軽皇子は庶民の言葉で言えば「色男、金と力はなかりけり」
と言うのと似た性格であり、美男子で一寸した才能はあるが
勇気がなく、実力がなく、軽薄才子と言うタイプの皇子だっ
たのである。軽大郎皇女も美人ではあるが尻軽の皇女と言う
様な女性だったのである。そのことが清寧天皇の死後一家全
滅の悲劇に会った原因でもあると言えるのである。
《日本の歴史と最後の審判〈23〉-6(章終) 第二十三章 清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子 p��507-7行〜p��510-11行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）八月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈24〉-1
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) *p511
（p��511／p��511〜p��528）
>p511-1行〜
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
安康天皇と雄略天皇が兄弟で共に允恭天皇の皇子であると
言うのは全くの大嘘である。安寧天皇は仁徳天皇皇子住吉仲(すみのえのなかつ)
皇子(みこ)の子として３８９年に生まれたのである。しかし仁徳天
皇の死去した３９８年に住吉仲皇子は大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)と争
って殺されたために安寧天皇 穴穂皇子は叔父の武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊(をはつ)
瀬稚鷦鷯皇子(せのわかさざきのみこ)に引き取られて成人したのである。日本書紀の
雄略天皇は本当は仁徳天皇の皇子 小泊瀬稚鷦鷯皇子であり、
住吉仲皇子と小泊瀬稚鷦鷯皇子は仁徳天皇と吉備の海部の娘
黒媛との間に生まれた同母の兄弟だったのである。それで住
吉仲皇子が殺された後、遺児の穴穂皇子(あなほのみこ)を叔父の小泊瀬稚鷦
鷯皇子が引き取って世話をしていたのである。
清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)が死去した４１２年に穴穂
皇子は二十四才になっていたのである。また清寧天皇皇子 木(き)
梨軽皇子(なしかるのみこ)は二十三才位だったと考えられるのであり、穴穂皇
>p512
子とほゝ同じ位の年令だったのである。それに対して武烈天
皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子は３６４年の生まれであったから４１２
年には五十四才になっていたのである。だから雄略天皇は木
梨軽皇子や安寧天皇の弟と言う様な年令ではなかったのであ
る。
さて清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子が死去した後は当然皇
太子の木梨軽皇子が次の天皇として即位するはずだったので
ある。しかし木梨軽皇子が同母妹の軽大郎皇女と近親相愛の
間柄になったことから群臣達が誰も木梨軽皇子を支持しなく
なったと言うことは事実と考えてよい。しかし皇太子の木梨
軽皇子の即位を認めないとすれば次は誰を天皇に立てるかと
言うことになる訳である。その頃仁徳天皇皇子で生き残って
いたのは小泊瀬稚鷦鷯皇子と瑞歯別皇子の二人であるが、二
人共子はなかったのである。
次に仁徳天皇の皇子の子としては允恭天皇 大兄去来穂別皇
>p513
子の子は中磯皇女(なかしのひめみこ)が一人丈であり、住吉仲皇子の子は安康天
皇 穴穂皇子が一人丈であり、反正天皇(はんぜいてんのう)磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)の子
は財皇女(たからのひめみこ)と財皇子(たからのみこ)の二人あったがいずれも行方不明だったの
であり、次に清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子の子は木梨軽皇
子、境黒彦皇子(さかひのくろひこのみこ)、軽大郎皇女、八釣白彦皇子(やつりのしろひこのみこ)の四人だったの
である。そして木梨軽皇子と軽大郎皇女の近親相愛が発覚し
て群臣の支持を失った後は、仁徳天皇皇子の子で次の天皇に
なれそうな人と言えば住吉仲皇子の遺児 穴穂皇子しかいなか
ったのである。それで群臣の支持は穴穂皇子に集まったと言
えるのである。
しかし群臣の支持を失った後も木梨軽皇子があっさりと皇
位をあきらめた訳ではなかったのである。それで群臣の支持
を受けた穴穂皇子が木梨軽皇子を殺して自分が天皇になろう
としたものであろう。古事記では木梨軽皇子は大前小前宿祢(おほまえをまえすくね)
の家へ逃げ込んで軽箭(かるや)と言う矢を作って戦に備えたと言う。
>p514
また穴穂皇子は穴穂箭(あなほや)を作って戦の用意をしたと言う。しかし
この話は全くの大嘘であり、お笑いである。戦争の間際にな
って皇子が矢の製造をするなどと言うのは泥棒をつかまえて
縄をなうよりもよほど間(ま)が抜けているのである。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-1 第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) p��511-1行〜p��514-4行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）九月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) *p511
（p��511／p��511〜p��528）
>p511-1行〜
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
安康天皇と雄略天皇が兄弟で共に允恭天皇の皇子であると
言うのは全くの大嘘である。安寧天皇は仁徳天皇皇子住吉仲(すみのえのなかつ)
皇子(みこ)の子として３８９年に生まれたのである。しかし仁徳天
皇の死去した３９８年に住吉仲皇子は大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)と争
って殺されたために安寧天皇 穴穂皇子は叔父の武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊(をはつ)
瀬稚鷦鷯皇子(せのわかさざきのみこ)に引き取られて成人したのである。日本書紀の
雄略天皇は本当は仁徳天皇の皇子 小泊瀬稚鷦鷯皇子であり、
住吉仲皇子と小泊瀬稚鷦鷯皇子は仁徳天皇と吉備の海部の娘
黒媛との間に生まれた同母の兄弟だったのである。それで住
吉仲皇子が殺された後、遺児の穴穂皇子(あなほのみこ)を叔父の小泊瀬稚鷦
鷯皇子が引き取って世話をしていたのである。
清寧天皇(しょうねいてんのう)雄朝津間稚子宿祢皇子(をあさづまわくごのすくねのみこ)が死去した４１２年に穴穂
皇子は二十四才になっていたのである。また清寧天皇皇子 木(き)
梨軽皇子(なしかるのみこ)は二十三才位だったと考えられるのであり、穴穂皇
>p512
子とほゝ同じ位の年令だったのである。それに対して武烈天
皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子は３６４年の生まれであったから４１２
年には五十四才になっていたのである。だから雄略天皇は木
梨軽皇子や安寧天皇の弟と言う様な年令ではなかったのであ
る。
さて清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子が死去した後は当然皇
太子の木梨軽皇子が次の天皇として即位するはずだったので
ある。しかし木梨軽皇子が同母妹の軽大郎皇女と近親相愛の
間柄になったことから群臣達が誰も木梨軽皇子を支持しなく
なったと言うことは事実と考えてよい。しかし皇太子の木梨
軽皇子の即位を認めないとすれば次は誰を天皇に立てるかと
言うことになる訳である。その頃仁徳天皇皇子で生き残って
いたのは小泊瀬稚鷦鷯皇子と瑞歯別皇子の二人であるが、二
人共子はなかったのである。
次に仁徳天皇の皇子の子としては允恭天皇 大兄去来穂別皇
>p513
子の子は中磯皇女(なかしのひめみこ)が一人丈であり、住吉仲皇子の子は安康天
皇 穴穂皇子が一人丈であり、反正天皇(はんぜいてんのう)磐坂市辺押羽皇子(いはさかのいちべのおしばのみこ)の子
は財皇女(たからのひめみこ)と財皇子(たからのみこ)の二人あったがいずれも行方不明だったの
であり、次に清寧天皇 雄朝津間稚子宿祢皇子の子は木梨軽皇
子、境黒彦皇子(さかひのくろひこのみこ)、軽大郎皇女、八釣白彦皇子(やつりのしろひこのみこ)の四人だったの
である。そして木梨軽皇子と軽大郎皇女の近親相愛が発覚し
て群臣の支持を失った後は、仁徳天皇皇子の子で次の天皇に
なれそうな人と言えば住吉仲皇子の遺児 穴穂皇子しかいなか
ったのである。それで群臣の支持は穴穂皇子に集まったと言
えるのである。
しかし群臣の支持を失った後も木梨軽皇子があっさりと皇
位をあきらめた訳ではなかったのである。それで群臣の支持
を受けた穴穂皇子が木梨軽皇子を殺して自分が天皇になろう
としたものであろう。古事記では木梨軽皇子は大前小前宿祢(おほまえをまえすくね)
の家へ逃げ込んで軽箭(かるや)と言う矢を作って戦に備えたと言う。
>p514
また穴穂皇子は穴穂箭(あなほや)を作って戦の用意をしたと言う。しかし
この話は全くの大嘘であり、お笑いである。戦争の間際にな
って皇子が矢の製造をするなどと言うのは泥棒をつかまえて
縄をなうよりもよほど間(ま)が抜けているのである。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-1 第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) p��511-1行〜p��514-4行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）九月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈24〉-2
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
（p��514／p��511〜p��528）
>p514-5行〜
木梨軽皇子が作った矢は軽箭(かるや)で穴穂皇子の作った矢は穴穂(あなほ)
箭(や)と言うのは関西弁のお笑いであり、実際に二人がそんな矢
を作ったのではないのである。木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)と言うのは皇太子
の死後に奉られた諡(おくりな)であって本名ではないのであり、本名は
消されているから不明である。木梨(きなし)とは「気無(きな)し」と言う意
味であり、気(き)とは気力とか意気地と言う意味である。だから
気無(きな)しは気力がない、意気地(いくぢ)がないと言う意味である。軽皇(かるのみ)
子(こ)とは軽(かる)と言う地名に引っかけている様であるが本当は「軽(かる)
はずみ」「軽々しい」と言う様な意味であり、軽皇子と言え
ば軽はずみな皇子、薄っぺらな軽薄皇子と言う様な意味であ
る。だから木梨軽皇子と言うのは「意気地なしの軽薄皇子」と
>p515
言う大いにけいべつしたあだ名なのである。
また安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)と言うのも死後に奉られた諡(おくりな)であっ
て本当は消されているから不明である。安康(あんこう)とは安(やす)く康(やすし)と言
う様な意味になるが、安康天皇は決して安(やす)く康(やす)しと言える様
な安らかな人生を送った天皇ではないのである。後で詳しく
述べるけれども安康天皇は即位すると大草香王(おほくさかのみこ)を殺して大草
香王の妃であった中磯皇女(なかしのひめみこ)を奪って皇后にしたと言うとんで
もない愚かなことをした人物である。その上大草香王の子で
中磯皇女の連れ子であった僅か七才の眉輪王(まゆわのみこ)に殺された馬鹿
な男である。だからどんなに間違っても安く康しと言える様
な人生を送った天皇ではないのである。
従って安康天皇と言う諡は字とは全く別の意味を秘めた名
であることを知らねばならないのである。昔から馬鹿のこと
を庶民の言葉で「あんごう」と言うのである。「あんごう」
とは漢語の暗愚(あんぐ)が「あんご」「あんごう」と発音が変化した
>p516
ものであろうと思うのである。つまり安康天皇と言う諡は何
の気なしに読んだら判らないけれども「暗愚(あんごう)天皇(てんのう)」と言う意
味なのである。そして穴穂皇子(あなほのみこ)と言う名は巧く穴穂(あなほ)と言う地
名にひっかけてごまかしているけれど「大阿呆(あなあほ)」と言う意味
なのである。だから安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)とは「暗愚天皇(あんごうてんのう)大阿呆(あなあほう)
皇子(のみこ)」と言う意味の諡なのである。
木梨軽皇子は美男子であること丈が取(と)り柄(え)の意気地無(いくぢな)しの
軽薄皇子であり、安康天皇 穴穂皇子は力自慢で教養のない馬
鹿皇子だったのである。だから木梨軽皇子と安康天皇 穴穂皇
子とは丁度対照的で正反対の性格の皇子だったのである。そ
れで古事記と日本書紀を書く時にこの二人の皇子の争いを落(らく)
語(ご)か漫才(まんざい)の様に巧く茶化して面白くおかしく書き立ててごま
かしてお笑いにしたのである。
木梨軽皇子が軽箭(かるや)を作ったと言うのは木梨軽皇子は薄っぺ
らで軽はずみな皇子であるから関西弁で「あいつは軽(かる)や」と
>p517
言ってけいべつしているのである。穴穂皇子(あなほのみこ)が穴穂箭(あなほや)を作っ
たと言うのは穴穂皇子は大馬鹿であるから「あいつは大阿呆(あなあほ)
や」と関西弁でけいべつしているのである。あなと言うのは
意味を強める言葉であって「あな嬉(うれ)し」と言えば非常に嬉し
いと言う意味になり、「あな畏(かしこ)し」と言えば非常に畏(かしこ)い、尊
いと言う意味になるのであり、その言葉の用法をうまくもじ
って穴穂(あなほ)を「大阿呆(あなあほう)」にひっかけて知らぬ顔をしているので
ある。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-2 第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) p��514-5行〜p��517-8行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）九月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
（p��514／p��511〜p��528）
>p514-5行〜
木梨軽皇子が作った矢は軽箭(かるや)で穴穂皇子の作った矢は穴穂(あなほ)
箭(や)と言うのは関西弁のお笑いであり、実際に二人がそんな矢
を作ったのではないのである。木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)と言うのは皇太子
の死後に奉られた諡(おくりな)であって本名ではないのであり、本名は
消されているから不明である。木梨(きなし)とは「気無(きな)し」と言う意
味であり、気(き)とは気力とか意気地と言う意味である。だから
気無(きな)しは気力がない、意気地(いくぢ)がないと言う意味である。軽皇(かるのみ)
子(こ)とは軽(かる)と言う地名に引っかけている様であるが本当は「軽(かる)
はずみ」「軽々しい」と言う様な意味であり、軽皇子と言え
ば軽はずみな皇子、薄っぺらな軽薄皇子と言う様な意味であ
る。だから木梨軽皇子と言うのは「意気地なしの軽薄皇子」と
>p515
言う大いにけいべつしたあだ名なのである。
また安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)と言うのも死後に奉られた諡(おくりな)であっ
て本当は消されているから不明である。安康(あんこう)とは安(やす)く康(やすし)と言
う様な意味になるが、安康天皇は決して安(やす)く康(やす)しと言える様
な安らかな人生を送った天皇ではないのである。後で詳しく
述べるけれども安康天皇は即位すると大草香王(おほくさかのみこ)を殺して大草
香王の妃であった中磯皇女(なかしのひめみこ)を奪って皇后にしたと言うとんで
もない愚かなことをした人物である。その上大草香王の子で
中磯皇女の連れ子であった僅か七才の眉輪王(まゆわのみこ)に殺された馬鹿
な男である。だからどんなに間違っても安く康しと言える様
な人生を送った天皇ではないのである。
従って安康天皇と言う諡は字とは全く別の意味を秘めた名
であることを知らねばならないのである。昔から馬鹿のこと
を庶民の言葉で「あんごう」と言うのである。「あんごう」
とは漢語の暗愚(あんぐ)が「あんご」「あんごう」と発音が変化した
>p516
ものであろうと思うのである。つまり安康天皇と言う諡は何
の気なしに読んだら判らないけれども「暗愚(あんごう)天皇(てんのう)」と言う意
味なのである。そして穴穂皇子(あなほのみこ)と言う名は巧く穴穂(あなほ)と言う地
名にひっかけてごまかしているけれど「大阿呆(あなあほ)」と言う意味
なのである。だから安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)とは「暗愚天皇(あんごうてんのう)大阿呆(あなあほう)
皇子(のみこ)」と言う意味の諡なのである。
木梨軽皇子は美男子であること丈が取(と)り柄(え)の意気地無(いくぢな)しの
軽薄皇子であり、安康天皇 穴穂皇子は力自慢で教養のない馬
鹿皇子だったのである。だから木梨軽皇子と安康天皇 穴穂皇
子とは丁度対照的で正反対の性格の皇子だったのである。そ
れで古事記と日本書紀を書く時にこの二人の皇子の争いを落(らく)
語(ご)か漫才(まんざい)の様に巧く茶化して面白くおかしく書き立ててごま
かしてお笑いにしたのである。
木梨軽皇子が軽箭(かるや)を作ったと言うのは木梨軽皇子は薄っぺ
らで軽はずみな皇子であるから関西弁で「あいつは軽(かる)や」と
>p517
言ってけいべつしているのである。穴穂皇子(あなほのみこ)が穴穂箭(あなほや)を作っ
たと言うのは穴穂皇子は大馬鹿であるから「あいつは大阿呆(あなあほ)
や」と関西弁でけいべつしているのである。あなと言うのは
意味を強める言葉であって「あな嬉(うれ)し」と言えば非常に嬉し
いと言う意味になり、「あな畏(かしこ)し」と言えば非常に畏(かしこ)い、尊
いと言う意味になるのであり、その言葉の用法をうまくもじ
って穴穂(あなほ)を「大阿呆(あなあほう)」にひっかけて知らぬ顔をしているので
ある。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-2 第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) p��514-5行〜p��517-8行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）九月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈24〉-3
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
（p��517／p��511〜p��528）
>p517-9行〜
結局 木梨軽皇子と安康天皇 穴穂皇子の争いは木梨軽皇子を
支持する群臣が誰もいなくなったために穴穂皇子の不戦勝に
終わった訳である。それで古事記と日本書紀は二人の争いを
「意気地無しと馬鹿がけんかをしたら馬鹿の方が勝った」と
言うお笑いにしているのである。木梨軽皇子がその後自殺し
たのか伊予へ流されたのか断定は出来ないが、伊予へ流され
た可能性が大きいであろう。
>p518
さて安康紀(あんこうき)によれば雄朝津間稚子宿祢皇子が死去した年の
十二月に穴穂皇子が即位したことになっている。それは４１
２年のことである。そして皇后(きさき)を尊んで皇太后(おほきさき)としたと書い
てあるがこれは大嘘である。穴穂皇子は雄朝津間稚子宿祢皇
子の子ではないのであるから忍坂大中媛を皇太后にする訳が
ないのである。そして都を石上(いそのかみ)に遷(うつ)し穴穂宮(あなほのみや)と呼んだと言う
のである。このことからも穴穂皇子(あなほのみこ)と言うのは諡であり本名
ではないことが判るのである。
そして安康天皇が即位した頃 。大泊瀬皇子(おほはつせのみこ)が瑞歯別天皇の皇
女達を妃に迎えようとしたけれども、皇女達は。大泊瀬皇子が
あまりにも残忍狂暴な性格ですぐに平気で人を殺すことを恐
れて拒否したと書いてある。しかし。大泊瀬皇子と言うのは嘘
であり、本当は小泊瀬皇子(をはつせのみこ)である。そしてここに奇怪なこと
が書いてある。それは「女(ひめみこ)の名(みな)、諸々(もろもろ)の記(ふみ)に見えず」と註が加え
られていることである。日本書紀は何故この様なことを書い
>p519
たのであろうか。その理由は次の通りである。
今迄日本書紀は反正天皇の名を瑞歯別皇子としてごまかし
て来たのである。そして反正天皇には皇女があることになっ
ているのである。しかし瑞歯別皇子は一生独身で過ごした人
であるから皇子も皇女もいなかったのである。それでここで
は大泊瀬皇子が瑞歯別天皇の皇女達を妃に迎えようとしたと
書いて置きながら、瑞歯別天皇の皇女の名は諸々の書物に見
えない、即ち瑞歯別天皇には皇女はいないからどの本にも皇
女の名は書かれていないのだと本当のことをさりげなく書い
ているのである。だからここでは反正天皇の本当の名は磐坂
市辺押羽皇子であって瑞歯別皇子ではないのだと言うことを
さりげなく教えているのである。それと共に小泊瀬稚鷦鷯皇
子はあまりにも残忍で狂暴な皇子であるから妃を迎えようと
しても上流階級の女性で応じる人は誰もいなかったと言うこ
とを教えているのである。
>p520
安康天皇が即位したのは４１２年１２月であるが、元年は
４１３年となるのである。安康紀は元年の二月に天皇は大泊
瀬皇子のために大草香皇子(おほくさかのみこ)の妹 幡梭皇女(はたびのひめみこ)を迎えようとして坂(さか)
本臣(もとのおみ)の祖 根使主(ねのおみ)を遣して大草香皇子に幡梭皇女を大泊瀬皇子
の妃に迎えたいと伝えさせたと言う。大草香皇子は安康天皇
の求めに応じて幡梭皇女を大泊瀬皇子の妃として結婚させる
ことを承知したしるしとして押木珠縵(おしきのかづら)と言う宝物を献上しよ
うとして根使主(ねのおみ)に渡したにもかゝわらず、根使主は押木珠縵(おしきのかづら)
があまりにも美しく立派なのを見てそれを自分のものにしよ
うとして天皇に嘘をついて、大草香皇子は幡梭皇女を大泊瀬
皇子の妻にはしないと拒否した様に天皇に報告したために、
天皇は兵を差し向けて大草香皇子を殺したと言う。そして大
草香皇子の妃となっていた中磯皇女(なかしのひめみこ)を奪って自分の妃とし、
幡梭皇女(はたびのひめみこ)を呼びつけて大泊瀬皇子の妃にしたと言うものであ
る。しかしこの話は嘘が多過ぎて本当のことが理解出来る人
>p521
は一人もいないのである。故に本当のことを判り易く説明し
たいと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-3 第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) p��517-9行〜p��521-2行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）九月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
（p��517／p��511〜p��528）
>p517-9行〜
結局 木梨軽皇子と安康天皇 穴穂皇子の争いは木梨軽皇子を
支持する群臣が誰もいなくなったために穴穂皇子の不戦勝に
終わった訳である。それで古事記と日本書紀は二人の争いを
「意気地無しと馬鹿がけんかをしたら馬鹿の方が勝った」と
言うお笑いにしているのである。木梨軽皇子がその後自殺し
たのか伊予へ流されたのか断定は出来ないが、伊予へ流され
た可能性が大きいであろう。
>p518
さて安康紀(あんこうき)によれば雄朝津間稚子宿祢皇子が死去した年の
十二月に穴穂皇子が即位したことになっている。それは４１
２年のことである。そして皇后(きさき)を尊んで皇太后(おほきさき)としたと書い
てあるがこれは大嘘である。穴穂皇子は雄朝津間稚子宿祢皇
子の子ではないのであるから忍坂大中媛を皇太后にする訳が
ないのである。そして都を石上(いそのかみ)に遷(うつ)し穴穂宮(あなほのみや)と呼んだと言う
のである。このことからも穴穂皇子(あなほのみこ)と言うのは諡であり本名
ではないことが判るのである。
そして安康天皇が即位した頃 。大泊瀬皇子(おほはつせのみこ)が瑞歯別天皇の皇
女達を妃に迎えようとしたけれども、皇女達は。大泊瀬皇子が
あまりにも残忍狂暴な性格ですぐに平気で人を殺すことを恐
れて拒否したと書いてある。しかし。大泊瀬皇子と言うのは嘘
であり、本当は小泊瀬皇子(をはつせのみこ)である。そしてここに奇怪なこと
が書いてある。それは「女(ひめみこ)の名(みな)、諸々(もろもろ)の記(ふみ)に見えず」と註が加え
られていることである。日本書紀は何故この様なことを書い
>p519
たのであろうか。その理由は次の通りである。
今迄日本書紀は反正天皇の名を瑞歯別皇子としてごまかし
て来たのである。そして反正天皇には皇女があることになっ
ているのである。しかし瑞歯別皇子は一生独身で過ごした人
であるから皇子も皇女もいなかったのである。それでここで
は大泊瀬皇子が瑞歯別天皇の皇女達を妃に迎えようとしたと
書いて置きながら、瑞歯別天皇の皇女の名は諸々の書物に見
えない、即ち瑞歯別天皇には皇女はいないからどの本にも皇
女の名は書かれていないのだと本当のことをさりげなく書い
ているのである。だからここでは反正天皇の本当の名は磐坂
市辺押羽皇子であって瑞歯別皇子ではないのだと言うことを
さりげなく教えているのである。それと共に小泊瀬稚鷦鷯皇
子はあまりにも残忍で狂暴な皇子であるから妃を迎えようと
しても上流階級の女性で応じる人は誰もいなかったと言うこ
とを教えているのである。
>p520
安康天皇が即位したのは４１２年１２月であるが、元年は
４１３年となるのである。安康紀は元年の二月に天皇は大泊
瀬皇子のために大草香皇子(おほくさかのみこ)の妹 幡梭皇女(はたびのひめみこ)を迎えようとして坂(さか)
本臣(もとのおみ)の祖 根使主(ねのおみ)を遣して大草香皇子に幡梭皇女を大泊瀬皇子
の妃に迎えたいと伝えさせたと言う。大草香皇子は安康天皇
の求めに応じて幡梭皇女を大泊瀬皇子の妃として結婚させる
ことを承知したしるしとして押木珠縵(おしきのかづら)と言う宝物を献上しよ
うとして根使主(ねのおみ)に渡したにもかゝわらず、根使主は押木珠縵(おしきのかづら)
があまりにも美しく立派なのを見てそれを自分のものにしよ
うとして天皇に嘘をついて、大草香皇子は幡梭皇女を大泊瀬
皇子の妻にはしないと拒否した様に天皇に報告したために、
天皇は兵を差し向けて大草香皇子を殺したと言う。そして大
草香皇子の妃となっていた中磯皇女(なかしのひめみこ)を奪って自分の妃とし、
幡梭皇女(はたびのひめみこ)を呼びつけて大泊瀬皇子の妃にしたと言うものであ
る。しかしこの話は嘘が多過ぎて本当のことが理解出来る人
>p521
は一人もいないのである。故に本当のことを判り易く説明し
たいと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-3 第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ) p��517-9行〜p��521-2行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）九月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈24〉-4
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
（p��521／p��511〜p��528）
>p521-3行〜
古事記と日本書紀では大草香皇子(おほくさかのみこ)と幡梭皇女(はたびのひめみこ)は仁徳天皇と
日向髪長媛(ひむかのかみながひめ)との間に生まれた皇子と皇女で兄妹と言うことに
なっている。そして幡梭皇女は履中天皇皇后となって中磯皇(なかしのひめ)
女(みこ)を生んだけれども、履中天皇が早く死去したために中磯皇
女を連れて生家へ帰ったことになり、中磯皇女(なかしのひめみこ)は大草香皇子
の妃となって眉輪王(まゆわのみこ)を生んだことになっているのである。大草香皇子と幡梭皇女は兄妹となっているのであるから大草香
皇子は中磯皇女の伯父と言うことになり、中磯皇女は大草香
皇子の姪と言うことになるのである。
一方 安康天皇(あんこうてんのう)と雄略天皇(本当は武烈(ぶれつ)天皇)は允恭天皇（本当は清寧天皇(しょうねいてんのう)）の皇子となっているから、安康天皇と雄略天
皇は大草香皇子と幡梭皇女の甥と言うことになっているので
ある。そして安康天皇は大草香皇子を殺して妃の中磯皇女を
>p522
奪って皇后にしたことになっているのである。だから安康天
皇のやったことは古代の野蛮人がやっていた略奪結婚と同じ
なのである。そしてもう一つおかしいのは安康天皇は雄略天
皇の兄と言うことになっているのであり、安康天皇は中磯皇
女を奪って自分の皇后にし、中磯皇女の母の幡梭皇女を自分
の弟の雄略天皇の妃にしたことになっているのである。だか
ら系図の上では幡梭皇女は雄略天皇の叔母であるからずっと
年上だったことになるのであり、それを疑問に思っている人
もいる訳である。
さて仁徳天皇 皇女 幡梭皇女と言うのは大嘘であり、本名は
橘媛(たちばなひめ)であるが、後年皇后になったから但馬橘大郎女(たぢまたちばなのおほいらつめ)と言うの
であり、皇后に対する諡(おくりな)或は俗称を幡梭皇后(はたびのこうごう)と言うのであり、
幡梭皇女(はたびのひめみこ)と言うのは後世のでっちあげである。但馬橘大郎女
は但馬国造 迦多遅王(かたぢのみこ)の娘であり、生年は大体３７０年頃であ
る。そして但馬橘大郎女は仁徳天皇 皇子 大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)の
>p523
妃となって中磯皇女(なかしのひめみこ)を生んだのである。中磯皇女が生まれた
のは大体３９０年過ぎ位である。そして大兄去来穂別皇子が
死去したのが４０３年であり、その年に中磯皇女は大体十三
才位になっていたものと考えられるのであり、それから数年
のうちに中磯皇女は大草香王(おほくさかのみこ)と結婚したのである。大草香王
と中磯皇女との間に長男の眉輪王(まゆわのみこ)が生まれたのは４０８年の
ことであり、反正天皇が近江の蚊屋野(かやの)で殺された年である。
故に大草香王と中磯皇女が結婚した年は４０６年か４０７
年と考えられるのである。そして但馬橘大郎女は大草香王と
中磯皇女夫妻の家に同居していた訳である。また大草香王が
仁徳天皇皇子と言うのも大嘘であり、大草香王は大吉備津日
子命の末子武国凝別命の三男 紐結命(ひもゆひのみこと)の子孫であり、神功天皇
の時に河内の国の草香地方を領土に与えられて子孫は草香を
本拠としてその地方を支配していたのである。だから大草香
王は吉備氏の一族であるけれども特に波多氏や息長氏と血縁
>p524
が近かったのである。
だから大草香王と但馬橘大郎女は同族ではあるけれども兄
妹ではなかったのであり、大草香王は中磯皇女の伯父ではな
く、年令も中磯皇女の夫としてふさわしい年令だったのであ
る。そして日本書紀の大泊瀬皇子(おほはつせのみこ)は本当は仁徳天皇 皇子 小泊(をはつ)
瀬稚鷦鷯皇子(せのわかさざきのみこ)であり、小泊瀬稚鷦鷯皇子は３６４年の生まれ
であるから４１３年には丁度五十才だったのであり、但馬橘
大郎女は３７０年頃の生まれであるから四十四歳位だったも
のと思うのである。従って年令的には小泊瀬稚鷦鷯皇子と但
馬橘大郎女とが結婚してもおかしくはない年だったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-4 第二十四章 安康天皇 穴穂皇子 p��521-3行〜p��524-10行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）九月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
（p��521／p��511〜p��528）
>p521-3行〜
古事記と日本書紀では大草香皇子(おほくさかのみこ)と幡梭皇女(はたびのひめみこ)は仁徳天皇と
日向髪長媛(ひむかのかみながひめ)との間に生まれた皇子と皇女で兄妹と言うことに
なっている。そして幡梭皇女は履中天皇皇后となって中磯皇(なかしのひめ)
女(みこ)を生んだけれども、履中天皇が早く死去したために中磯皇
女を連れて生家へ帰ったことになり、中磯皇女(なかしのひめみこ)は大草香皇子
の妃となって眉輪王(まゆわのみこ)を生んだことになっているのである。大草香皇子と幡梭皇女は兄妹となっているのであるから大草香
皇子は中磯皇女の伯父と言うことになり、中磯皇女は大草香
皇子の姪と言うことになるのである。
一方 安康天皇(あんこうてんのう)と雄略天皇(本当は武烈(ぶれつ)天皇)は允恭天皇（本当は清寧天皇(しょうねいてんのう)）の皇子となっているから、安康天皇と雄略天
皇は大草香皇子と幡梭皇女の甥と言うことになっているので
ある。そして安康天皇は大草香皇子を殺して妃の中磯皇女を
>p522
奪って皇后にしたことになっているのである。だから安康天
皇のやったことは古代の野蛮人がやっていた略奪結婚と同じ
なのである。そしてもう一つおかしいのは安康天皇は雄略天
皇の兄と言うことになっているのであり、安康天皇は中磯皇
女を奪って自分の皇后にし、中磯皇女の母の幡梭皇女を自分
の弟の雄略天皇の妃にしたことになっているのである。だか
ら系図の上では幡梭皇女は雄略天皇の叔母であるからずっと
年上だったことになるのであり、それを疑問に思っている人
もいる訳である。
さて仁徳天皇 皇女 幡梭皇女と言うのは大嘘であり、本名は
橘媛(たちばなひめ)であるが、後年皇后になったから但馬橘大郎女(たぢまたちばなのおほいらつめ)と言うの
であり、皇后に対する諡(おくりな)或は俗称を幡梭皇后(はたびのこうごう)と言うのであり、
幡梭皇女(はたびのひめみこ)と言うのは後世のでっちあげである。但馬橘大郎女
は但馬国造 迦多遅王(かたぢのみこ)の娘であり、生年は大体３７０年頃であ
る。そして但馬橘大郎女は仁徳天皇 皇子 大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)の
>p523
妃となって中磯皇女(なかしのひめみこ)を生んだのである。中磯皇女が生まれた
のは大体３９０年過ぎ位である。そして大兄去来穂別皇子が
死去したのが４０３年であり、その年に中磯皇女は大体十三
才位になっていたものと考えられるのであり、それから数年
のうちに中磯皇女は大草香王(おほくさかのみこ)と結婚したのである。大草香王
と中磯皇女との間に長男の眉輪王(まゆわのみこ)が生まれたのは４０８年の
ことであり、反正天皇が近江の蚊屋野(かやの)で殺された年である。
故に大草香王と中磯皇女が結婚した年は４０６年か４０７
年と考えられるのである。そして但馬橘大郎女は大草香王と
中磯皇女夫妻の家に同居していた訳である。また大草香王が
仁徳天皇皇子と言うのも大嘘であり、大草香王は大吉備津日
子命の末子武国凝別命の三男 紐結命(ひもゆひのみこと)の子孫であり、神功天皇
の時に河内の国の草香地方を領土に与えられて子孫は草香を
本拠としてその地方を支配していたのである。だから大草香
王は吉備氏の一族であるけれども特に波多氏や息長氏と血縁
>p524
が近かったのである。
だから大草香王と但馬橘大郎女は同族ではあるけれども兄
妹ではなかったのであり、大草香王は中磯皇女の伯父ではな
く、年令も中磯皇女の夫としてふさわしい年令だったのであ
る。そして日本書紀の大泊瀬皇子(おほはつせのみこ)は本当は仁徳天皇 皇子 小泊(をはつ)
瀬稚鷦鷯皇子(せのわかさざきのみこ)であり、小泊瀬稚鷦鷯皇子は３６４年の生まれ
であるから４１３年には丁度五十才だったのであり、但馬橘
大郎女は３７０年頃の生まれであるから四十四歳位だったも
のと思うのである。従って年令的には小泊瀬稚鷦鷯皇子と但
馬橘大郎女とが結婚してもおかしくはない年だったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-4 第二十四章 安康天皇 穴穂皇子 p��521-3行〜p��524-10行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）九月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈24〉-5(章終)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
（p��524／p��511〜p��528）
>p524-11行〜
しかし小泊瀬稚鷦鷯皇子は性格があまりにも残忍狂暴な皇
子であったから上流階級の女性は皆小泊瀬稚鷦鷯皇子を恐れ
嫌って誰も妃になろう言う人が居らず、そのために小泊瀬稚
鷦鷯皇子は五十才になる迄独身で子女もなかったのである。
ところが安康天皇が即位するに当たっては叔父の小泊瀬稚鷦
>p525
鷯皇子もずい分骨を折ったことであろうし、安康天皇の父住
吉仲皇子が死んで以来、安康天皇を引き取って世話をして来
たのが小泊瀬稚鷦鷯皇子であったから、安康天皇はまだ独身
の叔父のために妃の世話をしようと考えたものであろう。し
かし安康天皇自身もその年に二十五才になったばかりであり
まだ独身だったのである。
小泊瀬稚鷦鷯皇子はあまりにも残忍狂暴な性格であるから
上流階級の女性で喜んで妃になる人はいないことが判ってい
たから、安康天皇は自分が天皇になったのを良いことに権力
を以って小泊瀬稚鷦鷯皇子のために妃を召し上げようとした
ものである。その辺が「暗愚天皇(あんごうてんのう)」と呼ばれる所以(ゆえん)であろう。
そして安康天皇はかつて允恭天皇 大兄去来穂別皇子の皇后で
あり、今は大草香王夫妻の家に同居している但馬橘大郎女に
目をつけたのである。もっともそれは小泊瀬稚鷦鷯皇子の希
望であったかも知れないであろう。またそれは未婚の若い女
>p526
性を妃に求めることは無理であるが、中年の再婚の女性なら
何とかなるだろうと言うつもりもあったであろう。
そして安康天皇が大草香王の家へ小泊瀬稚鷦鷯皇子のため
に但馬橘大郎女を妃に迎えたいと言うことを伝えるために坂
本臣の祖 根使主(ねのおみ)と言う悪党を使者として派遣したことから大
きな悲劇が起こった訳である。即ち根使主のざん言を信じた
安康天皇は早速兵を以って大草香王の家を囲み、大草香王を
殺して大草香王の妃であった中磯皇女を奪って自分の妃にし、
更に但馬橘大郎女を連れ帰って無理矢理に小泊瀬稚鷦鷯皇子
の妃にしてしまったのである。これは日本の歴史上例を見な
い邪悪で愚劣で野蛮な行為である。
さて中国の晋書には東晋の安帝の義熙九年、４１３年に倭
国が朝貢したと記録せられているのである。しかし晋書には
４１３年に朝貢した倭王の名が讃であるとはっきり書かれて
いる訳ではないのである。そして後世の史書に晉の安帝の時
>p527
に倭王讃が朝貢したと記録せられているのである。その点か
ら考えて私は倭王の名を書いてない晋書が正しく、後世の史
書は晉の安帝の時に朝貢した倭王は讃であろうと想像して書
いたものであって事実ではなく誤りであると断定するのであ
る。従って４１３年に朝貢した倭王は讃ではなく、讃の前の
倭王であると断定するのである。
４１３年は安康天皇の元年である。そして私は安康天皇が
その年に晉へ遣使したものと断定するのである。安康天皇は
極めて愚劣な人物であったから都では人気はよくなかったの
である。それで晉へ遣使して自分を認めて貰い、箔をつけよ
うとしたものであろうと思うのである。安康紀によれば二年
に天皇は中磯皇女を立てて皇后にしたと言う。それは４１４
年のことである。
古事記によればその年の或る日、天皇は皇居内の神殿で昼
寝をし、その時そばにいた皇后に連れ子の眉輪王(まゆわのみこ)が成人した
>p528
時に、自分が眉輪王の父の大草香王を殺したことを知ったら
自分を殺そうとするのではないかと思うと心配だと言うこと
を話したことになっている。安康天皇が皇后にその話をして
いた時に、神殿の床の下で遊んでいた眉輪王がその話を聞い
て、後日安康天皇が寝ているすきを伺って天皇がそばに置い
ていた刀を取って天皇の首を切り、圓大臣(つぶらおほおみ)の家に逃げ込んだ
と言うものである。この話は大体本当だと考えてよいのであ
る。だから安康天皇は二十四才の年、４１２年の十二月に即
位し、治世二年、享年二十六才で４１４年に僅か七才の子
供に殺されたのである。
安康紀では三年の秋八月に天皇は眉輪王に殺されたことに
なっているが、三年は嘘であり、安康天皇の治世は二年しか
なかったのである。古事記では安康天皇の享年は五十六才と
なっているが大嘘である。安康天皇は結婚してまだ自分の子
も生まれていない若さで死んだのである。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-5(章終) 第二十四章 安康天皇 穴穂皇子 p��524-11行〜p��528-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十四章 安康天皇(あんこうてんのう)穴穂皇子(あなほのみこ)
（p��524／p��511〜p��528）
>p524-11行〜
しかし小泊瀬稚鷦鷯皇子は性格があまりにも残忍狂暴な皇
子であったから上流階級の女性は皆小泊瀬稚鷦鷯皇子を恐れ
嫌って誰も妃になろう言う人が居らず、そのために小泊瀬稚
鷦鷯皇子は五十才になる迄独身で子女もなかったのである。
ところが安康天皇が即位するに当たっては叔父の小泊瀬稚鷦
>p525
鷯皇子もずい分骨を折ったことであろうし、安康天皇の父住
吉仲皇子が死んで以来、安康天皇を引き取って世話をして来
たのが小泊瀬稚鷦鷯皇子であったから、安康天皇はまだ独身
の叔父のために妃の世話をしようと考えたものであろう。し
かし安康天皇自身もその年に二十五才になったばかりであり
まだ独身だったのである。
小泊瀬稚鷦鷯皇子はあまりにも残忍狂暴な性格であるから
上流階級の女性で喜んで妃になる人はいないことが判ってい
たから、安康天皇は自分が天皇になったのを良いことに権力
を以って小泊瀬稚鷦鷯皇子のために妃を召し上げようとした
ものである。その辺が「暗愚天皇(あんごうてんのう)」と呼ばれる所以(ゆえん)であろう。
そして安康天皇はかつて允恭天皇 大兄去来穂別皇子の皇后で
あり、今は大草香王夫妻の家に同居している但馬橘大郎女に
目をつけたのである。もっともそれは小泊瀬稚鷦鷯皇子の希
望であったかも知れないであろう。またそれは未婚の若い女
>p526
性を妃に求めることは無理であるが、中年の再婚の女性なら
何とかなるだろうと言うつもりもあったであろう。
そして安康天皇が大草香王の家へ小泊瀬稚鷦鷯皇子のため
に但馬橘大郎女を妃に迎えたいと言うことを伝えるために坂
本臣の祖 根使主(ねのおみ)と言う悪党を使者として派遣したことから大
きな悲劇が起こった訳である。即ち根使主のざん言を信じた
安康天皇は早速兵を以って大草香王の家を囲み、大草香王を
殺して大草香王の妃であった中磯皇女を奪って自分の妃にし、
更に但馬橘大郎女を連れ帰って無理矢理に小泊瀬稚鷦鷯皇子
の妃にしてしまったのである。これは日本の歴史上例を見な
い邪悪で愚劣で野蛮な行為である。
さて中国の晋書には東晋の安帝の義熙九年、４１３年に倭
国が朝貢したと記録せられているのである。しかし晋書には
４１３年に朝貢した倭王の名が讃であるとはっきり書かれて
いる訳ではないのである。そして後世の史書に晉の安帝の時
>p527
に倭王讃が朝貢したと記録せられているのである。その点か
ら考えて私は倭王の名を書いてない晋書が正しく、後世の史
書は晉の安帝の時に朝貢した倭王は讃であろうと想像して書
いたものであって事実ではなく誤りであると断定するのであ
る。従って４１３年に朝貢した倭王は讃ではなく、讃の前の
倭王であると断定するのである。
４１３年は安康天皇の元年である。そして私は安康天皇が
その年に晉へ遣使したものと断定するのである。安康天皇は
極めて愚劣な人物であったから都では人気はよくなかったの
である。それで晉へ遣使して自分を認めて貰い、箔をつけよ
うとしたものであろうと思うのである。安康紀によれば二年
に天皇は中磯皇女を立てて皇后にしたと言う。それは４１４
年のことである。
古事記によればその年の或る日、天皇は皇居内の神殿で昼
寝をし、その時そばにいた皇后に連れ子の眉輪王(まゆわのみこ)が成人した
>p528
時に、自分が眉輪王の父の大草香王を殺したことを知ったら
自分を殺そうとするのではないかと思うと心配だと言うこと
を話したことになっている。安康天皇が皇后にその話をして
いた時に、神殿の床の下で遊んでいた眉輪王がその話を聞い
て、後日安康天皇が寝ているすきを伺って天皇がそばに置い
ていた刀を取って天皇の首を切り、圓大臣(つぶらおほおみ)の家に逃げ込んだ
と言うものである。この話は大体本当だと考えてよいのであ
る。だから安康天皇は二十四才の年、４１２年の十二月に即
位し、治世二年、享年二十六才で４１４年に僅か七才の子
供に殺されたのである。
安康紀では三年の秋八月に天皇は眉輪王に殺されたことに
なっているが、三年は嘘であり、安康天皇の治世は二年しか
なかったのである。古事記では安康天皇の享年は五十六才と
なっているが大嘘である。安康天皇は結婚してまだ自分の子
も生まれていない若さで死んだのである。
《日本の歴史と最後の審判〈24〉-5(章終) 第二十四章 安康天皇 穴穂皇子 p��524-11行〜p��528-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-1
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��529／p��529〜p��582）
>p529-1行〜
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
すでに何度も述べて来た様に允恭天皇皇子となっている雄
略天皇と仁賢天皇皇子となっている武烈天皇とは名を取り替
えられているのであり、仁賢天皇皇子となっている武烈天皇
小泊瀬稚鷦鷯皇子が仁賢天皇皇子であり、允恭天皇皇子とな
っている雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)大泊瀬幼武皇子(おほはつせのわかたけるのみこ)が仁賢天皇皇子なのである。
故にここで述べる武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子の歴史は仁賢天
皇皇子としての武烈天皇の歴史ではなく、日本書紀で允恭天
皇皇子となっている雄略天皇の歴史であることを断って置く。
さて古事記では安康天皇(あんこうてんのう)が眉輪王(まゆわのみこ)に殺されたことを聞いた
大長谷王子(おほはつせのみこ)は怒ってすぐ様兄の境黒日子王(さかひのくろひこのみこ)の所へ行き、「人
が天皇を殺したがどうしょうか」相談したところ境黒日子王
は驚きもせず平気な顔をしていたので大長谷王子は怒って兄
の境黒日子王を殺し、更に八瓜之白日子王(やつりのしろひこのみこ)の所へ行って同じ
ことを言ったけれども、八瓜之白日子王も同じ気持ちであっ
>p530
たので大長谷王子は八瓜之白日子王をも殺したことになって
いる。しかしこれは全くの大嘘である。
小泊瀬稚鷦鷯皇子は仁徳天皇皇子であるから境黒彦皇子と
八釣白彦皇子らの伯父であって弟ではないのである。また安
康天皇は住吉仲皇子の子であるから境黒彦皇子の弟ではない
のである。そして境黒彦皇子らの兄である木梨軽皇子は争っ
て敗れ、伊予へ流されたか自殺するかしたのであるから境黒
彦皇子らは安康天皇の死を聞いても別に驚く必要もなく悲し
む必要もなかったのである。しかし小泊瀬稚鷦鷯皇子にとっ
ては安康天皇は自分の同母兄住吉仲皇子の子であると共に、
住吉仲皇子が殺された後は幼い安康天皇を自分の所へ引き取
って世話をしていたのであるから我が子同様だったのである。
だから安康天皇が殺されたことで小泊瀬稚鷦鷯皇子がひどく
怒ったのは当然であるとしても、境黒彦皇子と八釣白彦皇子
には何もかゝわりはなかったのである。
>p531
また日本書紀では小泊瀬稚鷦鷯皇子は安康天皇が殺された
と言う知らせを受けるとすぐに甲(よろい)を着、刀を帯(は)いて兵を率い
八釣白彦皇子(やつりのしろひこのみこ)の処へ行って責め問うたが、八釣白彦皇子が返
事もしなかったので殺したことになっている。勿論八釣白彦
皇子は安康天皇の暗殺には何のかゝわりもなく知らなかった
のであるから返事のしようもなかったのである。また境黒彦(さかひのくろ)
彦皇子(ひこのみこ)は眉輪王(まゆわのみこ)と共に圓大臣(つぶらおほおみ)の家へ逃げ込んでそこで焼き殺
されたことになっているのである。
要するに安康天皇を殺したの眉輪王個人であり、坂合黒彦
皇子と八釣白彦皇子は何も知らないことであり、何の関係も
ないことは小泊瀬稚鷦鷯皇子にもよく判っていたはずであり
坂合黒彦皇子と八釣白彦皇子を殺さねばならない理由はなか
ったのである。殺さねばならない理由も必要もなかった坂合
黒彦皇子と八釣白彦皇子の二人を小泊瀬稚鷦鷯皇子が無理に殺
したのはもっと別の理由があったからである。
>p532
安康天皇は僅か二十六才で一人の子もないまゝに死んだの
である。故に安康天皇が死んだ後は天皇になれそうな皇子は
坂合黒彦皇子と八釣白彦皇子の二人と、もう一人反正天皇皇
子で行方不明となっていた財皇子(たからのみこ)の三人しかいなかったので
ある。そしてその頃坂合黒彦皇子は二十二才位になっていた
のであるから当然次の天皇に立てられる可能性があったので
ある。しかし小泊瀬稚鷦鷯皇子は安康天皇が殺されたと言う
知らせを受けた時、自分が天皇になる良い機会だと思ったの
である。それで群臣達が安康天皇の殺された後は坂合黒彦皇
子を次の天皇に立てることを予想して、急いで坂合黒彦皇子
と八釣白彦皇子を殺して次の天皇になれそうな人を抹殺した
のである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-1 第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��529-1行〜p��532-12行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��529／p��529〜p��582）
>p529-1行〜
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
すでに何度も述べて来た様に允恭天皇皇子となっている雄
略天皇と仁賢天皇皇子となっている武烈天皇とは名を取り替
えられているのであり、仁賢天皇皇子となっている武烈天皇
小泊瀬稚鷦鷯皇子が仁賢天皇皇子であり、允恭天皇皇子とな
っている雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)大泊瀬幼武皇子(おほはつせのわかたけるのみこ)が仁賢天皇皇子なのである。
故にここで述べる武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子の歴史は仁賢天
皇皇子としての武烈天皇の歴史ではなく、日本書紀で允恭天
皇皇子となっている雄略天皇の歴史であることを断って置く。
さて古事記では安康天皇(あんこうてんのう)が眉輪王(まゆわのみこ)に殺されたことを聞いた
大長谷王子(おほはつせのみこ)は怒ってすぐ様兄の境黒日子王(さかひのくろひこのみこ)の所へ行き、「人
が天皇を殺したがどうしょうか」相談したところ境黒日子王
は驚きもせず平気な顔をしていたので大長谷王子は怒って兄
の境黒日子王を殺し、更に八瓜之白日子王(やつりのしろひこのみこ)の所へ行って同じ
ことを言ったけれども、八瓜之白日子王も同じ気持ちであっ
>p530
たので大長谷王子は八瓜之白日子王をも殺したことになって
いる。しかしこれは全くの大嘘である。
小泊瀬稚鷦鷯皇子は仁徳天皇皇子であるから境黒彦皇子と
八釣白彦皇子らの伯父であって弟ではないのである。また安
康天皇は住吉仲皇子の子であるから境黒彦皇子の弟ではない
のである。そして境黒彦皇子らの兄である木梨軽皇子は争っ
て敗れ、伊予へ流されたか自殺するかしたのであるから境黒
彦皇子らは安康天皇の死を聞いても別に驚く必要もなく悲し
む必要もなかったのである。しかし小泊瀬稚鷦鷯皇子にとっ
ては安康天皇は自分の同母兄住吉仲皇子の子であると共に、
住吉仲皇子が殺された後は幼い安康天皇を自分の所へ引き取
って世話をしていたのであるから我が子同様だったのである。
だから安康天皇が殺されたことで小泊瀬稚鷦鷯皇子がひどく
怒ったのは当然であるとしても、境黒彦皇子と八釣白彦皇子
には何もかゝわりはなかったのである。
>p531
また日本書紀では小泊瀬稚鷦鷯皇子は安康天皇が殺された
と言う知らせを受けるとすぐに甲(よろい)を着、刀を帯(は)いて兵を率い
八釣白彦皇子(やつりのしろひこのみこ)の処へ行って責め問うたが、八釣白彦皇子が返
事もしなかったので殺したことになっている。勿論八釣白彦
皇子は安康天皇の暗殺には何のかゝわりもなく知らなかった
のであるから返事のしようもなかったのである。また境黒彦(さかひのくろ)
彦皇子(ひこのみこ)は眉輪王(まゆわのみこ)と共に圓大臣(つぶらおほおみ)の家へ逃げ込んでそこで焼き殺
されたことになっているのである。
要するに安康天皇を殺したの眉輪王個人であり、坂合黒彦
皇子と八釣白彦皇子は何も知らないことであり、何の関係も
ないことは小泊瀬稚鷦鷯皇子にもよく判っていたはずであり
坂合黒彦皇子と八釣白彦皇子を殺さねばならない理由はなか
ったのである。殺さねばならない理由も必要もなかった坂合
黒彦皇子と八釣白彦皇子の二人を小泊瀬稚鷦鷯皇子が無理に殺
したのはもっと別の理由があったからである。
>p532
安康天皇は僅か二十六才で一人の子もないまゝに死んだの
である。故に安康天皇が死んだ後は天皇になれそうな皇子は
坂合黒彦皇子と八釣白彦皇子の二人と、もう一人反正天皇皇
子で行方不明となっていた財皇子(たからのみこ)の三人しかいなかったので
ある。そしてその頃坂合黒彦皇子は二十二才位になっていた
のであるから当然次の天皇に立てられる可能性があったので
ある。しかし小泊瀬稚鷦鷯皇子は安康天皇が殺されたと言う
知らせを受けた時、自分が天皇になる良い機会だと思ったの
である。それで群臣達が安康天皇の殺された後は坂合黒彦皇
子を次の天皇に立てることを予想して、急いで坂合黒彦皇子
と八釣白彦皇子を殺して次の天皇になれそうな人を抹殺した
のである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-1 第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��529-1行〜p��532-12行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-2
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��532／p��529〜p��582）
>p532-13行〜
小泊瀬稚鷦鷯皇子はあまりにも残忍狂暴な人物であるから
群臣の中で誰一人天皇として立てようとする人はいなかった
のである。しかし他に誰も天皇に立てる人がいなければ仕方
>p533
なく天皇に立てねばならなくなる訳である。そこが小泊瀬稚
鷦鷯皇子のつけ目だったのである。だから小泊瀬稚鷦鷯皇子
は自分が天皇になるためにライバルとなる坂合黒彦皇子と八
釣白彦皇子を急いで、有無を言わせず殺してしまったのであ
る。その残忍さは他にたとえ様がないであろう。
雄略紀では坂合黒彦皇子と眉輪王は圓大臣の家へ逃げ込ん
だことになっている。圓大臣の領土は葛城であるが、大臣(おほおみ)と
して都で政務についていたから都に屋敷を建てて住んでいた
のであり、坂合黒彦皇子と眉輪王は葛城迄逃げたのではなく
都にあった圓大臣の屋敷へ逃げ込んだのである。小泊瀬稚鷦
鷯皇子は圓大臣に坂合黒彦皇子と眉輪王の引き渡しを要求し
たのである。圓大臣は自分の娘 韓媛(からひめ)と葛城の領地七ヶ所を差
し出す代わりに坂合黒彦皇子と眉輪王の生命を助けて貰う様に
願ったけれども、小泊瀬稚鷦鷯皇子は許さず、圓大臣の家に
火をつけて圓大臣の一家や坂合黒彦皇子、眉輪王らを焼き殺
>p534
してしまったと言うのである。
坂合黒彦皇子が圓大臣の家にいたかどうかは確証はないが、
若しいたとすれば小泊瀬稚鷦鷯皇子は絶対に許さなかったこ
とは確かである。それは罪があるから許さないと言うことで
はなく、自分が天皇になるにはライバルであるから絶対に生
かしては置けなかったからである。
一方圓大臣は何故一族の滅亡を覚悟して迄坂合黒彦皇子と眉輪
王をかばはねばならなかったのであろうか。それは圓大臣は
葛城襲津彦王の孫であり、仁徳天皇 皇后 磐之媛の甥であり、
仁徳天皇 皇子 大兄去来穂別皇子、雄朝津間稚子宿祢皇子らと
は従兄弟であり、特に親しく交際していたからである。だか
ら圓大臣にとっては坂合黒彦皇子は従兄弟の子であり、眉輪
王は従兄弟の娘の生んだ子であり、他人ではなかったからで
ある。しかし圓大臣の一族がこの時滅亡してしまったのでは
なく、子孫の葛城氏は長く繁栄したのである。
>p535
また小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)が非常に残忍狂暴な性格の持ち主で
あったことは事実であるが、そのすべてが彼の責任であると
は言えない点もあろう。それは住吉仲皇子と小泊瀬稚鷦鷯皇
子の二人は仁徳天皇と吉備の海部の娘黒媛との間に生まれた
皇子であるが、黒媛には仁徳天皇が即位し磐之媛が皇后に立て
られて以来、磐之媛の厳しい嫉妬によって皇居を去り吉備の
国へ帰ったのであり、それは磐之媛に皇居を追い出されたと
言えないこともないであろう。そのために住吉仲皇子と小泊
瀬稚鷦鷯皇子は母を失い、庶民の言葉で言えば「冷飯喰(ひやめしく)い」
と言う様な境遇に置かれた可能性はあろう。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-2 第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��532-13行〜p��535-10行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）十月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��532／p��529〜p��582）
>p532-13行〜
小泊瀬稚鷦鷯皇子はあまりにも残忍狂暴な人物であるから
群臣の中で誰一人天皇として立てようとする人はいなかった
のである。しかし他に誰も天皇に立てる人がいなければ仕方
>p533
なく天皇に立てねばならなくなる訳である。そこが小泊瀬稚
鷦鷯皇子のつけ目だったのである。だから小泊瀬稚鷦鷯皇子
は自分が天皇になるためにライバルとなる坂合黒彦皇子と八
釣白彦皇子を急いで、有無を言わせず殺してしまったのであ
る。その残忍さは他にたとえ様がないであろう。
雄略紀では坂合黒彦皇子と眉輪王は圓大臣の家へ逃げ込ん
だことになっている。圓大臣の領土は葛城であるが、大臣(おほおみ)と
して都で政務についていたから都に屋敷を建てて住んでいた
のであり、坂合黒彦皇子と眉輪王は葛城迄逃げたのではなく
都にあった圓大臣の屋敷へ逃げ込んだのである。小泊瀬稚鷦
鷯皇子は圓大臣に坂合黒彦皇子と眉輪王の引き渡しを要求し
たのである。圓大臣は自分の娘 韓媛(からひめ)と葛城の領地七ヶ所を差
し出す代わりに坂合黒彦皇子と眉輪王の生命を助けて貰う様に
願ったけれども、小泊瀬稚鷦鷯皇子は許さず、圓大臣の家に
火をつけて圓大臣の一家や坂合黒彦皇子、眉輪王らを焼き殺
>p534
してしまったと言うのである。
坂合黒彦皇子が圓大臣の家にいたかどうかは確証はないが、
若しいたとすれば小泊瀬稚鷦鷯皇子は絶対に許さなかったこ
とは確かである。それは罪があるから許さないと言うことで
はなく、自分が天皇になるにはライバルであるから絶対に生
かしては置けなかったからである。
一方圓大臣は何故一族の滅亡を覚悟して迄坂合黒彦皇子と眉輪
王をかばはねばならなかったのであろうか。それは圓大臣は
葛城襲津彦王の孫であり、仁徳天皇 皇后 磐之媛の甥であり、
仁徳天皇 皇子 大兄去来穂別皇子、雄朝津間稚子宿祢皇子らと
は従兄弟であり、特に親しく交際していたからである。だか
ら圓大臣にとっては坂合黒彦皇子は従兄弟の子であり、眉輪
王は従兄弟の娘の生んだ子であり、他人ではなかったからで
ある。しかし圓大臣の一族がこの時滅亡してしまったのでは
なく、子孫の葛城氏は長く繁栄したのである。
>p535
また小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)が非常に残忍狂暴な性格の持ち主で
あったことは事実であるが、そのすべてが彼の責任であると
は言えない点もあろう。それは住吉仲皇子と小泊瀬稚鷦鷯皇
子の二人は仁徳天皇と吉備の海部の娘黒媛との間に生まれた
皇子であるが、黒媛には仁徳天皇が即位し磐之媛が皇后に立て
られて以来、磐之媛の厳しい嫉妬によって皇居を去り吉備の
国へ帰ったのであり、それは磐之媛に皇居を追い出されたと
言えないこともないであろう。そのために住吉仲皇子と小泊
瀬稚鷦鷯皇子は母を失い、庶民の言葉で言えば「冷飯喰(ひやめしく)い」
と言う様な境遇に置かれた可能性はあろう。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-2 第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��532-13行〜p��535-10行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-3
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��535／p��529〜p��582）
>p535-11行〜
それが原因で小泊瀬稚鷦鷯皇子はぐれてしまい、上流階級
の女性からは嫌われて五十才になる迄結婚も出来なかったと
言う可能性もあろう。そして住吉仲皇子が大兄去来穂別皇子
との争いに敗れて殺されてからは、住吉仲皇子の妃であり安
康天皇の母であった女性がどうなったか判らないが、殺され
>p536
たか早く死去したかして、安康天皇は孤児になり、叔父の小
泊瀬稚鷦鷯皇子の許で育てられたから、一緒にぐれてしまっ
たと言う可能性もある訳である。それで小泊瀬稚鷦鷯皇子は
磐之媛を憎み、磐之媛の子である大兄去来穂別皇子と雄朝津間稚子宿祢皇子を憎んでいたかも知れないのである。だから
加害者が被害者でもあり、被害者が加害者でもあったと言う
ことになるかも知れないのである。
さて仁徳天皇 皇子 小泊瀬稚鷦鷯皇子は安康天皇が殺された後
４１４年十一月に大和の国の泊瀬の朝倉で天皇の位に即いた
のである。時に天皇の年令は五十一才だったのであり、僅か
七才の眉輪王や二十才過(すぎ)の坂合黒彦皇子、十五六才位の八釣
白彦皇子らを殺した後での即位だったのである。故に４１４
年は安康天皇の二年であり、武烈天皇の元年は４１５年とな
るのである。そして武烈天皇は元年の三月に但馬橘大郎女(たぢまたちばなのおほいらつめ)を
皇后に立てたのである。
>p537
武烈天皇 元年、４１５年にはもう一つ別の出来事があった
のである。それは百済(くだら)の直支王(ときわう)が武烈天皇の即位を祝して妹
の新斉都媛(しせつひめ)を派遣して天皇に仕えさせようとしたことである。
応神紀三十九年に百済の直支王が妹 新斉都媛を遣して仕へさ
せたと言うのは応神天皇の治世のことではなく、武烈天皇元
年、４１５年のことだったのである。新斉都媛(しせつひめ)は七人の侍女
を連れて武烈天皇の都へ来たのである。
雄略紀では二年の秋七月に百済の池津媛(いけつひめ)が、天皇が妃にし
ようと思っていた矢先に石川楯(いしかわのたて)と通じたために、天皇は怒っ
て池津媛と石川楯の二人を焼き殺したことになっている。し
かし百済の池津媛がいつ来たのか、どんな素性の女性である
かと言うことは何も書いてないのである。池津媛(いけつひめ)と言うのは
「いけず媛(ひめ)」と読むのである。「いけず」と言うのは「いけ
ない」「よくない」と言う意味であり、新斉都媛は天皇が妃
にしようとする前に石川楯(いしかわのたて)と通じた「いけない媛(ひめ)」と言う意
>p538
味を「池津媛(いけつひめ)」と言うもっともらしい名前にしてごまかして
いるのである。それは百済の直支王の妹 新斉都媛は応神天皇
の時に来たことにしてごまかしているから雄略紀では本当の
名が書けなかったのである。それで新斉都媛(しせつひめ)の名を池津媛(いけづひめ)と
変えてごまかしたのである。百済の直支王が死去した年は４
２０年、武烈天皇の六年なのである。
雄略紀には元年三月に皇后を立てると共に三人の妃を立て
たと書いてある。三人の妃とは葛城(かづらき)の圓大臣(つぶらおほおみ)の娘 韓媛(からひめ)、吉備
上道臣(かみつみちのおみ)の娘 稚媛、春日和珥臣深目(かすがのわにのおみふかめ)の娘 童女君(をみなぎみ)となっている。
しかし元年三月に同時に三人の妃を立てたと言うのは嘘であ
る。元年三月に立てた妃は圓大臣の娘 韓媛が一人丈であり、
春日和珥臣深目の娘 童女君と吉備の稚媛を妃にしたのはそれ
から数年後のことである。
武烈天皇と韓媛との間に生まれた皇子と皇女は白髪武広国
押稚大和根子天皇 即ち 清寧天皇と稚足媛皇女の二人となって
>p539
いる。しかし白髪武広国押稚大和根子天皇は武烈天皇の皇子
ではないのである。白髪武広国押稚大和根子天皇と言う名は
後世の継体天皇に対して贈られた諡(おくりな)だったのである。また清
寧天皇の諡はすでに述べた様に仁徳天皇 皇子 雄朝津間稚子宿
祢皇子(ねのみこ)に対する諡号(しごう)なのである。故に武烈天皇と韓媛との間
に生まれた子は稚足媛皇女が一人丈だったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-3 第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��535-11行〜p��539-6行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修
✡ 記：令 和 五 年（2023）十月
證 明
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��535／p��529〜p��582）
>p535-11行〜
それが原因で小泊瀬稚鷦鷯皇子はぐれてしまい、上流階級
の女性からは嫌われて五十才になる迄結婚も出来なかったと
言う可能性もあろう。そして住吉仲皇子が大兄去来穂別皇子
との争いに敗れて殺されてからは、住吉仲皇子の妃であり安
康天皇の母であった女性がどうなったか判らないが、殺され
>p536
たか早く死去したかして、安康天皇は孤児になり、叔父の小
泊瀬稚鷦鷯皇子の許で育てられたから、一緒にぐれてしまっ
たと言う可能性もある訳である。それで小泊瀬稚鷦鷯皇子は
磐之媛を憎み、磐之媛の子である大兄去来穂別皇子と雄朝津間稚子宿祢皇子を憎んでいたかも知れないのである。だから
加害者が被害者でもあり、被害者が加害者でもあったと言う
ことになるかも知れないのである。
さて仁徳天皇 皇子 小泊瀬稚鷦鷯皇子は安康天皇が殺された後
４１４年十一月に大和の国の泊瀬の朝倉で天皇の位に即いた
のである。時に天皇の年令は五十一才だったのであり、僅か
七才の眉輪王や二十才過(すぎ)の坂合黒彦皇子、十五六才位の八釣
白彦皇子らを殺した後での即位だったのである。故に４１４
年は安康天皇の二年であり、武烈天皇の元年は４１５年とな
るのである。そして武烈天皇は元年の三月に但馬橘大郎女(たぢまたちばなのおほいらつめ)を
皇后に立てたのである。
>p537
武烈天皇 元年、４１５年にはもう一つ別の出来事があった
のである。それは百済(くだら)の直支王(ときわう)が武烈天皇の即位を祝して妹
の新斉都媛(しせつひめ)を派遣して天皇に仕えさせようとしたことである。
応神紀三十九年に百済の直支王が妹 新斉都媛を遣して仕へさ
せたと言うのは応神天皇の治世のことではなく、武烈天皇元
年、４１５年のことだったのである。新斉都媛(しせつひめ)は七人の侍女
を連れて武烈天皇の都へ来たのである。
雄略紀では二年の秋七月に百済の池津媛(いけつひめ)が、天皇が妃にし
ようと思っていた矢先に石川楯(いしかわのたて)と通じたために、天皇は怒っ
て池津媛と石川楯の二人を焼き殺したことになっている。し
かし百済の池津媛がいつ来たのか、どんな素性の女性である
かと言うことは何も書いてないのである。池津媛(いけつひめ)と言うのは
「いけず媛(ひめ)」と読むのである。「いけず」と言うのは「いけ
ない」「よくない」と言う意味であり、新斉都媛は天皇が妃
にしようとする前に石川楯(いしかわのたて)と通じた「いけない媛(ひめ)」と言う意
>p538
味を「池津媛(いけつひめ)」と言うもっともらしい名前にしてごまかして
いるのである。それは百済の直支王の妹 新斉都媛は応神天皇
の時に来たことにしてごまかしているから雄略紀では本当の
名が書けなかったのである。それで新斉都媛(しせつひめ)の名を池津媛(いけづひめ)と
変えてごまかしたのである。百済の直支王が死去した年は４
２０年、武烈天皇の六年なのである。
雄略紀には元年三月に皇后を立てると共に三人の妃を立て
たと書いてある。三人の妃とは葛城(かづらき)の圓大臣(つぶらおほおみ)の娘 韓媛(からひめ)、吉備
上道臣(かみつみちのおみ)の娘 稚媛、春日和珥臣深目(かすがのわにのおみふかめ)の娘 童女君(をみなぎみ)となっている。
しかし元年三月に同時に三人の妃を立てたと言うのは嘘であ
る。元年三月に立てた妃は圓大臣の娘 韓媛が一人丈であり、
春日和珥臣深目の娘 童女君と吉備の稚媛を妃にしたのはそれ
から数年後のことである。
武烈天皇と韓媛との間に生まれた皇子と皇女は白髪武広国
押稚大和根子天皇 即ち 清寧天皇と稚足媛皇女の二人となって
>p539
いる。しかし白髪武広国押稚大和根子天皇は武烈天皇の皇子
ではないのである。白髪武広国押稚大和根子天皇と言う名は
後世の継体天皇に対して贈られた諡(おくりな)だったのである。また清
寧天皇の諡はすでに述べた様に仁徳天皇 皇子 雄朝津間稚子宿
祢皇子(ねのみこ)に対する諡号(しごう)なのである。故に武烈天皇と韓媛との間
に生まれた子は稚足媛皇女が一人丈だったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-3 第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��535-11行〜p��539-6行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十月證 明
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-4
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��539／p��529〜p��582）
>p539-7行〜
稚足媛皇女はまたの名を栲幡皇女(たくはたのひめみこ)と言い、皇太神宮の斉主
になったと言う。それについては雄略紀は三年の夏四月に阿(あ)
閉臣国見(へのおみくにみ)が栲幡皇女(たくはたのひめみこ)と湯人(ゆえ)の盧城部連武彦(いほきべのむらじたけひこ)のことをざん言(げん)し
て、武彦が皇女を犯して妊娠させたと言いふらしたことにな
っている。皇女は父の天皇から疑われたことを悲観して自殺
したけれども噂は嘘だったことになっている。しかし天皇が
皇女のことをざん言した阿閉臣国見(あへのおみくにみ)を罰したと言う記録はな
いのである。従ってこの話がどこ迄本当か疑わしいのである。
また天皇が韓媛を妃として宮中へ入れたのは元年の三月で
>p540
ある。しかるに三年に栲幡皇女が皇太神宮の斉主をして居り
妊娠したと噂を立てられる様な年令であったとすれば、栲幡
皇女は元年よりもずっと以前に生まれていたと考えねばなら
ないのである。そうすると韓媛はずっと以前から小泊瀬稚鷦
鷯皇子の恋人であり、栲幡皇女も生まれていたけれども、多
分圓大臣が小泊瀬稚鷦鷯皇子を嫌って結婚を許さなかったの
ではないかと言うことも考えられるのである。それで圓大臣
は小泊瀬稚鷦鷯皇子に攻められて死ぬる前に韓媛と栲幡皇女
を引き渡したと言うことかも知れないであろう。
次に四年に天皇は葛城山に狩をしたと言う。その時 一言主(ひとことぬし)
と言う神と出会い、一緒に狩を楽しんで別れたことになって
いる。しかしこれは神ではなく武烈天皇にかゝわりのある人
であろうと思うのである。四年は本当の四年であり４１８年
のことである。そして武烈天皇が葛城山で出会った人は波多
八代宿祢ではなかったかとも思えるのである。波多八代宿祢
>p541
は小泊瀬稚鷦鷯皇子の若い頃に仁徳天皇から皇子の教育や指導を託されていたと言う様な親密な間柄にあった人ではない
かと思うのである。その後葛城山で隠遁生活を送っていた波
多八代宿祢と狩に来た小泊瀬稚鷦鷯皇子が久し振りに葛城の
山の中で出会ったのではないかと思うのである。それは武烈
天皇が礼儀正しく相手に接したらしい点から考えて、昔は尊
敬もし信頼もしていた人であろうと思われるからである。
一言主神とは言っても神ではなく、一言居士(いちげんこじ)と言われる人
で何か一言意見を言う立場の人だったのだと思うのである。
波多八代宿祢がその頃迄生きていたとすれば九十才を大分越
えた高令であったことになるけれども、あり得ないことでは
ないと思うのである。およそ神が人間の姿になって現われる
と言うことはないのであり本当のことを書いたら具合が悪い
からこの様なことを書いてごまかしているのである。
葛城山で一言主神に会ったと言う四年の秋八月に天皇は吉
>p542
野宮に行幸したと言う。古事記では天皇が吉野宮に行幸した
時に吉野川のほとりで美しい童女を見かけて童女と結婚して
朝倉宮に帰ったことになっているのである。この美し
い童女が即ち春日和珥臣深目(かすがのわにのおみふかめ)の娘 童女君(をみなぎみ)であると断定出来る
のである。
更に古事記では天皇が葛城山で一言主神と会った後、丸邇(わに)の
佐都紀臣(さつきのおみ)の娘 袁杼媛(をどひめ)と結婚するために春日へ行幸したことにな
っている。この丸邇の佐都紀臣が日本書紀の春日和珥臣深目
と同一人物であり、深目の娘 童女君が吉野川のほとりで出会
った美しい童女であると考えてよいのである。童女君と言う
のはその女性の名前ではないのである。まだ結婚するには早
い幼い少女であるから童女と言うのであり、上流階級の生ま
れで天皇の宮殿へ仕へていたから童女君と敬称をつけている
のである。では春日和珥臣の娘 童女君が何故吉野川のほとり
にいたのかと言うことになるが、それは天皇の行幸の時に多
>p543
くの随員(ずいいん)がついて行くのであり、その中には女性も含まれて
いる訳であり、春日和珥臣の娘 童女君もその中にいたのだと
思うのである。だから吉野川のほとりで見かけた美しい童女
がその地方の人であると考えるのは正しくないのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-4 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��539-7行〜p��543-4行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修
✡ 記：證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��539／p��529〜p��582）
>p539-7行〜
稚足媛皇女はまたの名を栲幡皇女(たくはたのひめみこ)と言い、皇太神宮の斉主
になったと言う。それについては雄略紀は三年の夏四月に阿(あ)
閉臣国見(へのおみくにみ)が栲幡皇女(たくはたのひめみこ)と湯人(ゆえ)の盧城部連武彦(いほきべのむらじたけひこ)のことをざん言(げん)し
て、武彦が皇女を犯して妊娠させたと言いふらしたことにな
っている。皇女は父の天皇から疑われたことを悲観して自殺
したけれども噂は嘘だったことになっている。しかし天皇が
皇女のことをざん言した阿閉臣国見(あへのおみくにみ)を罰したと言う記録はな
いのである。従ってこの話がどこ迄本当か疑わしいのである。
また天皇が韓媛を妃として宮中へ入れたのは元年の三月で
>p540
ある。しかるに三年に栲幡皇女が皇太神宮の斉主をして居り
妊娠したと噂を立てられる様な年令であったとすれば、栲幡
皇女は元年よりもずっと以前に生まれていたと考えねばなら
ないのである。そうすると韓媛はずっと以前から小泊瀬稚鷦
鷯皇子の恋人であり、栲幡皇女も生まれていたけれども、多
分圓大臣が小泊瀬稚鷦鷯皇子を嫌って結婚を許さなかったの
ではないかと言うことも考えられるのである。それで圓大臣
は小泊瀬稚鷦鷯皇子に攻められて死ぬる前に韓媛と栲幡皇女
を引き渡したと言うことかも知れないであろう。
次に四年に天皇は葛城山に狩をしたと言う。その時 一言主(ひとことぬし)
と言う神と出会い、一緒に狩を楽しんで別れたことになって
いる。しかしこれは神ではなく武烈天皇にかゝわりのある人
であろうと思うのである。四年は本当の四年であり４１８年
のことである。そして武烈天皇が葛城山で出会った人は波多
八代宿祢ではなかったかとも思えるのである。波多八代宿祢
>p541
は小泊瀬稚鷦鷯皇子の若い頃に仁徳天皇から皇子の教育や指導を託されていたと言う様な親密な間柄にあった人ではない
かと思うのである。その後葛城山で隠遁生活を送っていた波
多八代宿祢と狩に来た小泊瀬稚鷦鷯皇子が久し振りに葛城の
山の中で出会ったのではないかと思うのである。それは武烈
天皇が礼儀正しく相手に接したらしい点から考えて、昔は尊
敬もし信頼もしていた人であろうと思われるからである。
一言主神とは言っても神ではなく、一言居士(いちげんこじ)と言われる人
で何か一言意見を言う立場の人だったのだと思うのである。
波多八代宿祢がその頃迄生きていたとすれば九十才を大分越
えた高令であったことになるけれども、あり得ないことでは
ないと思うのである。およそ神が人間の姿になって現われる
と言うことはないのであり本当のことを書いたら具合が悪い
からこの様なことを書いてごまかしているのである。
葛城山で一言主神に会ったと言う四年の秋八月に天皇は吉
>p542
野宮に行幸したと言う。古事記では天皇が吉野宮に行幸した
時に吉野川のほとりで美しい童女を見かけて童女と結婚して
朝倉宮に帰ったことになっているのである。この美し
い童女が即ち春日和珥臣深目(かすがのわにのおみふかめ)の娘 童女君(をみなぎみ)であると断定出来る
のである。
更に古事記では天皇が葛城山で一言主神と会った後、丸邇(わに)の
佐都紀臣(さつきのおみ)の娘 袁杼媛(をどひめ)と結婚するために春日へ行幸したことにな
っている。この丸邇の佐都紀臣が日本書紀の春日和珥臣深目
と同一人物であり、深目の娘 童女君が吉野川のほとりで出会
った美しい童女であると考えてよいのである。童女君と言う
のはその女性の名前ではないのである。まだ結婚するには早
い幼い少女であるから童女と言うのであり、上流階級の生ま
れで天皇の宮殿へ仕へていたから童女君と敬称をつけている
のである。では春日和珥臣の娘 童女君が何故吉野川のほとり
にいたのかと言うことになるが、それは天皇の行幸の時に多
>p543
くの随員(ずいいん)がついて行くのであり、その中には女性も含まれて
いる訳であり、春日和珥臣の娘 童女君もその中にいたのだと
思うのである。だから吉野川のほとりで見かけた美しい童女
がその地方の人であると考えるのは正しくないのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-4 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��539-7行〜p��543-4行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修
✡ 記：
證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-5
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��543／p��529〜p��582）
>p543-5行〜
その頃童女君はまだ幼い少女であったから吉野行幸の時に
結婚したのでもないのである。武烈天皇は吉野行幸の時に見
かけた美しい少女が春日和珥臣深目の娘であることを知って
將来妃にするつもりで春日和珥臣深目の家へ行って少女を宮
中へ差し出させて采女(うねめ)とし、結婚してもよい年令になってか
ら妃にしたのである。だから天皇が元年に三人の妃を立てた
と言うのは嘘であり、春日和珥臣深目の娘 童女君が正式に武
烈天皇の妃となったのは五年以後であると断定出来るのであ
る。当時の女性の結婚適令期は十七才から十八才位が普通で
あり下限が十五才位だったものと思うのである。だから十五
才になったら結婚する女性もあったのである。そして十四才
>p544
以下の少女はまだ結婚するには早い童女と言われていたもの
と思うのである。春日和珥臣深目の娘 童女君は武烈天皇の四
年に多分十二三才位の童女で宮中へ采女(うねめ)として召し入れられ、
七年頃に妃と春日大郎皇女(かすがのおほいらつのひめみこ)を生んだのだと思うのであ
る。だから春日大郎皇女の生年は武烈天皇の八年、４２２年
以後と考えられるのである。
次に雄略紀では五年に天皇はまた葛城山で狩をしたことに
なって居り、その時猪を殺したことになっている。そしてそ
の年の四月に百済(くだら)の加須利君(かすりのきみ)即ち蓋鹵王(かふろわう)が弟の軍君(こにきし)を遣して
天皇に仕えさせたことになっている。しかしこれは大嘘であ
ることを知らねばならないのである。武烈天皇（日本書紀の
雄略天皇）の五年は４１９年であり、その翌年の４２０年に
百済の直支王(ときわう)が死去したのである。そして百済の蓋鹵王(かふろわう)の治
世は４５５年から４７５年の間であり、それは大和朝廷では
仁賢天皇(にんけんてんのう)の治世から顕宗天皇(けんそうてんのう)の治世に亘っていたのである。
>p545
日本書紀が何故こんな大嘘を書いたのかと言うと仁徳天皇
皇子 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子が宋書(そうしょ)の倭王讃(さん)であったから
である。宋書に記録せられている宗武帝(そうのぶてい)の永初(えいしょ)二年は朝貢し
た倭王讃(さん)は武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子だったのであり、永初
二年は武烈天皇の七年、４２１年だったのである。そして六
年の夏四月に呉国が使者を遣して貢物を献上したと書いてあ
る。これは百済の蓋鹵王(かふろわう)の時代の出来事と思わせる様に書い
ているのであるから４６０年に宗へ朝貢した倭王済、４６２
年に朝貢した倭王興の時代に相当することになるのである。
大和朝廷の天皇の遣使に対して中国側が答礼の使者を派遣
したと言う可能性はあるが、武烈天皇六年は４２０年である
からこの年に中国から使者が来る理由はなく、貢物を献上す
ると言うことはあり得ない。故に六年に呉国が使者を派遣し
たと言うのは嘘であるが、４２０年三月に百済の直支王(ときわう)が死
去したので四月に直支王の子 久爾辛王(くにしんわう)が父王の死を告げると
>p546
共に自分の即位のあいさつと言う意味で使者を派遣し貢物を
献上したことを、呉国が使者を派遣し貢物を献上したと言う
ことにしてごまかしているものであろうと思う。
次に七年に官者吉備弓削部虚空(とねりきびのゆげべおほぞら)が急に家に帰った時、吉備
下道臣(しもつみちのおみ)前津屋(さきつや)が虚空(おほぞら)を私用で自分の家に留めて使ったと書い
てある。しかし吉備弓削部虚空のことについては何も判って
いないのである。それは吉備氏の人々が歴史や系図から消さ
れたから判らなくなったのである。吉備の弓削部(ゆげべ)は大吉備津
日子命の三男 彦狭島命(ひこさじまのみこと)の長男 山田日芸麿(やまだひげまろ)の子孫であり、吉備
海部(あまべ)の支流であると思うのである。そして吉備の海部の人々
は大体吉井川流域を領土としていたのであるが、支流の吉備
の弓削部の人々は吉井川の上流地方、現在の津山市、英田郡
久米郡地方を領土としていたものと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-5 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��543-5行〜p��546-13行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修
✡ 記：令 和 五 年（2023）十月
證 明
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��543／p��529〜p��582）
>p543-5行〜
その頃童女君はまだ幼い少女であったから吉野行幸の時に
結婚したのでもないのである。武烈天皇は吉野行幸の時に見
かけた美しい少女が春日和珥臣深目の娘であることを知って
將来妃にするつもりで春日和珥臣深目の家へ行って少女を宮
中へ差し出させて采女(うねめ)とし、結婚してもよい年令になってか
ら妃にしたのである。だから天皇が元年に三人の妃を立てた
と言うのは嘘であり、春日和珥臣深目の娘 童女君が正式に武
烈天皇の妃となったのは五年以後であると断定出来るのであ
る。当時の女性の結婚適令期は十七才から十八才位が普通で
あり下限が十五才位だったものと思うのである。だから十五
才になったら結婚する女性もあったのである。そして十四才
>p544
以下の少女はまだ結婚するには早い童女と言われていたもの
と思うのである。春日和珥臣深目の娘 童女君は武烈天皇の四
年に多分十二三才位の童女で宮中へ采女(うねめ)として召し入れられ、
七年頃に妃と春日大郎皇女(かすがのおほいらつのひめみこ)を生んだのだと思うのであ
る。だから春日大郎皇女の生年は武烈天皇の八年、４２２年
以後と考えられるのである。
次に雄略紀では五年に天皇はまた葛城山で狩をしたことに
なって居り、その時猪を殺したことになっている。そしてそ
の年の四月に百済(くだら)の加須利君(かすりのきみ)即ち蓋鹵王(かふろわう)が弟の軍君(こにきし)を遣して
天皇に仕えさせたことになっている。しかしこれは大嘘であ
ることを知らねばならないのである。武烈天皇（日本書紀の
雄略天皇）の五年は４１９年であり、その翌年の４２０年に
百済の直支王(ときわう)が死去したのである。そして百済の蓋鹵王(かふろわう)の治
世は４５５年から４７５年の間であり、それは大和朝廷では
仁賢天皇(にんけんてんのう)の治世から顕宗天皇(けんそうてんのう)の治世に亘っていたのである。
>p545
日本書紀が何故こんな大嘘を書いたのかと言うと仁徳天皇
皇子 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子が宋書(そうしょ)の倭王讃(さん)であったから
である。宋書に記録せられている宗武帝(そうのぶてい)の永初(えいしょ)二年は朝貢し
た倭王讃(さん)は武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子だったのであり、永初
二年は武烈天皇の七年、４２１年だったのである。そして六
年の夏四月に呉国が使者を遣して貢物を献上したと書いてあ
る。これは百済の蓋鹵王(かふろわう)の時代の出来事と思わせる様に書い
ているのであるから４６０年に宗へ朝貢した倭王済、４６２
年に朝貢した倭王興の時代に相当することになるのである。
大和朝廷の天皇の遣使に対して中国側が答礼の使者を派遣
したと言う可能性はあるが、武烈天皇六年は４２０年である
からこの年に中国から使者が来る理由はなく、貢物を献上す
ると言うことはあり得ない。故に六年に呉国が使者を派遣し
たと言うのは嘘であるが、４２０年三月に百済の直支王(ときわう)が死
去したので四月に直支王の子 久爾辛王(くにしんわう)が父王の死を告げると
>p546
共に自分の即位のあいさつと言う意味で使者を派遣し貢物を
献上したことを、呉国が使者を派遣し貢物を献上したと言う
ことにしてごまかしているものであろうと思う。
次に七年に官者吉備弓削部虚空(とねりきびのゆげべおほぞら)が急に家に帰った時、吉備
下道臣(しもつみちのおみ)前津屋(さきつや)が虚空(おほぞら)を私用で自分の家に留めて使ったと書い
てある。しかし吉備弓削部虚空のことについては何も判って
いないのである。それは吉備氏の人々が歴史や系図から消さ
れたから判らなくなったのである。吉備の弓削部(ゆげべ)は大吉備津
日子命の三男 彦狭島命(ひこさじまのみこと)の長男 山田日芸麿(やまだひげまろ)の子孫であり、吉備
海部(あまべ)の支流であると思うのである。そして吉備の海部の人々
は大体吉井川流域を領土としていたのであるが、支流の吉備
の弓削部の人々は吉井川の上流地方、現在の津山市、英田郡
久米郡地方を領土としていたものと思うのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-5 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��543-5行〜p��546-13行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十月證 明
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-6
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��546／p��529〜p��582）
>p546-14行〜
武烈天皇の母は吉備の海部の娘 黒媛であるから、武烈天皇
は吉備の海部の人々と親しい関係にあり、それで吉備の海部
>p547
の人々を頼りにし、また重く用いていたのである。その様な縁
故で吉備の海部の支流吉備の弓削部の人々も武烈天皇に重く
用いられていたものと思うのである。しかし吉備の弓削部が
歴史から全く消されてしまったのは何故であろうか。その最
大の理由は後世の弓削道鏡(ゆげのどうきょう)が吉備の弓削部の出身であったか
らではないかと思うのである。
弓削道鏡は皇位を奪おうとした大悪人の様に言われている
けれどもそうではないのである。日本の正しい歴史を消して
日本書紀と言う大嘘の歴史をでっちあげるもとを作ったのは
天武天皇(てんむてんのう)、持統天皇(ぢとうてんのう)、舎人親王(とねりしんのう)らであるが、藤原鎌足(ふじはらかまたり)の子 藤(ふじ)
原不比等(はらふびと)が大きな役割を果たしていたのであり、藤原不比等
の子である藤原四兄弟らも大きな悪事を働いたのである。そ
れで藤原氏が権力を握るために多くの罪のない人々が滅ぼさ
れたのであり、弓削道鏡もまた藤原氏の悪事を消すために悪
人にされてしまったのだと考えられるのである。だから弓削
>p548
道鏡の本当の系図や事蹟は消されて悪人にでっちあげられて
いるのである。
ＪＲ津山線の沿線に弓削(ゆげ)と言う駅があり、その近くに上弓(かみゆ)
削(げ)、下弓削(しもゆげ)と言う地名がある。そのあたりが吉備の弓削部の
本拠の地だったものと思う。そこから東へ行って吉井川を越
えて更に東へ行くと和気郡吉永町 八塔寺(はっとうじ)と言う所がある。八(はっ)
塔寺(とうじ)と言う寺院は弓削道鏡(ゆげのどうきょう)の創建と伝えられているのである。
しかし何故弓削道鏡が八塔寺を建てたのであろうか。それは
弓削道鏡が吉備の弓削部の子孫であり、吉永町八塔寺のあた
りは吉備の弓削部の領土だったのではないかと思われるから
である。八塔寺の北は英田郡英田町である。そして英田郡、
久米郡のあたりは吉備の弓削部の領土だったのであるから八
塔寺のあたりも吉備の弓削部の領土であったと考えても一向
おかしくはないのである。また八塔寺の南は弓削道鏡と対立
した和気清麿(わけのきよまろ)の領土だったのである。
>p549
古事記と日本書紀の完成によって罪人 天児屋根(あめのこやね)の子孫藤原
氏の一族は祖先のいまわしい歴史を消し去り、天孫系の名門
の子孫と称して世間の人々を騙して上流階級にのし上がり、
威張って暮らせる様になったのである。しかし罪人の藤原氏
の一族にとって昔の本当の歴史を知っている人々や、本当の
天孫系の子孫である吉備氏の人々が最も邪魔な存在だったの
である。それで藤原四兄弟が権力を握って以来、彼らはあら
ゆる邪悪な手段を用いて吉備氏の人々を大和朝廷の要職から
締め出そうとしたのである。その様な狀勢の中にあっていち
早く時世(じせい)の波に乗って生き残りを図ったのが和気清麿らであ
り、藤原氏と対決しようとしたのが彦狭島命の子孫である橘(たちばな)
氏の一族や弓削道鏡だったのである。そして今は最後の審判
の時であるから歴史をごまかして忠臣や義人と称して来た人
々が賊として処分せられることもあり、過去に逆賊の汚名を
着せられて来た人が忠臣や義人として名誉を回復せられる例
>p550
も多くなるのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-6 第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��546-14行〜p��550-1行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）十月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��546／p��529〜p��582）
>p546-14行〜
武烈天皇の母は吉備の海部の娘 黒媛であるから、武烈天皇
は吉備の海部の人々と親しい関係にあり、それで吉備の海部
>p547
の人々を頼りにし、また重く用いていたのである。その様な縁
故で吉備の海部の支流吉備の弓削部の人々も武烈天皇に重く
用いられていたものと思うのである。しかし吉備の弓削部が
歴史から全く消されてしまったのは何故であろうか。その最
大の理由は後世の弓削道鏡(ゆげのどうきょう)が吉備の弓削部の出身であったか
らではないかと思うのである。
弓削道鏡は皇位を奪おうとした大悪人の様に言われている
けれどもそうではないのである。日本の正しい歴史を消して
日本書紀と言う大嘘の歴史をでっちあげるもとを作ったのは
天武天皇(てんむてんのう)、持統天皇(ぢとうてんのう)、舎人親王(とねりしんのう)らであるが、藤原鎌足(ふじはらかまたり)の子 藤(ふじ)
原不比等(はらふびと)が大きな役割を果たしていたのであり、藤原不比等
の子である藤原四兄弟らも大きな悪事を働いたのである。そ
れで藤原氏が権力を握るために多くの罪のない人々が滅ぼさ
れたのであり、弓削道鏡もまた藤原氏の悪事を消すために悪
人にされてしまったのだと考えられるのである。だから弓削
>p548
道鏡の本当の系図や事蹟は消されて悪人にでっちあげられて
いるのである。
ＪＲ津山線の沿線に弓削(ゆげ)と言う駅があり、その近くに上弓(かみゆ)
削(げ)、下弓削(しもゆげ)と言う地名がある。そのあたりが吉備の弓削部の
本拠の地だったものと思う。そこから東へ行って吉井川を越
えて更に東へ行くと和気郡吉永町 八塔寺(はっとうじ)と言う所がある。八(はっ)
塔寺(とうじ)と言う寺院は弓削道鏡(ゆげのどうきょう)の創建と伝えられているのである。
しかし何故弓削道鏡が八塔寺を建てたのであろうか。それは
弓削道鏡が吉備の弓削部の子孫であり、吉永町八塔寺のあた
りは吉備の弓削部の領土だったのではないかと思われるから
である。八塔寺の北は英田郡英田町である。そして英田郡、
久米郡のあたりは吉備の弓削部の領土だったのであるから八
塔寺のあたりも吉備の弓削部の領土であったと考えても一向
おかしくはないのである。また八塔寺の南は弓削道鏡と対立
した和気清麿(わけのきよまろ)の領土だったのである。
>p549
古事記と日本書紀の完成によって罪人 天児屋根(あめのこやね)の子孫藤原
氏の一族は祖先のいまわしい歴史を消し去り、天孫系の名門
の子孫と称して世間の人々を騙して上流階級にのし上がり、
威張って暮らせる様になったのである。しかし罪人の藤原氏
の一族にとって昔の本当の歴史を知っている人々や、本当の
天孫系の子孫である吉備氏の人々が最も邪魔な存在だったの
である。それで藤原四兄弟が権力を握って以来、彼らはあら
ゆる邪悪な手段を用いて吉備氏の人々を大和朝廷の要職から
締め出そうとしたのである。その様な狀勢の中にあっていち
早く時世(じせい)の波に乗って生き残りを図ったのが和気清麿らであ
り、藤原氏と対決しようとしたのが彦狭島命の子孫である橘(たちばな)
氏の一族や弓削道鏡だったのである。そして今は最後の審判
の時であるから歴史をごまかして忠臣や義人と称して来た人
々が賊として処分せられることもあり、過去に逆賊の汚名を
着せられて来た人が忠臣や義人として名誉を回復せられる例
>p550
も多くなるのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-6 第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��546-14行〜p��550-1行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-7
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��550／p��529〜p��582）
>p550-2行〜
さて応神天皇 皇后は第六代 吉備津彦 功狭別命(いざさわけのみこと)の二女仲媛命
であるから、仲媛命の兄 御友別命(みともわけのみこと)の子である下道臣(しもつみちのおみ)祖 稻速別(いなはやわけの)
命(みこと)、上道臣(かみつみちのおみ)祖 仲彦命(なかつひこのみこと)、御野臣(みののおみ)祖 弟彦命(おとひこのみこと)の三人は仁徳天皇の従(い)
兄弟(とこ)だったのである。そして仁徳天皇の皇子である武烈天皇
小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)と吉備 下道臣 祖 稻速別命の子 下道臣(しもつみちのおみ)前津屋(さきつや)
らとは二従兄弟(ふたいとこ)だったのである。しかし下道臣前津屋らは武
烈天皇があまりにも残酷な行為をして天皇になったことから
武烈天皇に好意を持っていなかったことは想像出来るのであ
る。しかし雄略紀に書いてある様に、前津屋が少女を天皇側
の人にたとえ、大女を自分の側の人にたとえ、二人に戦(たたか)わせ
て少女が勝てば刀で切り殺したとか、小さい鶏(にわとり)を天皇の鶏(にわとり)と
し、大きい鶏を自分の鶏として戦わせ、小さい鶏が勝ったら
刀で殺していたと言う様な話は、あまりにも幼稚で馬鹿馬鹿
しい話であるからとても本当とは考えなれないのである。
>p551
更に武烈天皇が吉備の弓削部(ゆげべ)虚空(おほぞら)からその話を聞いて物部
の兵士三十人を派遣して前津屋と一族の人々七十人を殺した
と言うのも納得出来ない話である。前津屋は稻速別命の子で
ある。そして前津屋の一族七十人が殺されたとすれば稻速別
命の子孫は一人残らず殺されて、下道臣の家は絶えてもおか
しくはないはずである。しかし実際には下道臣はその地に長
く栄えたのである。しかし下道臣祖稻速別命の子孫の系図が
極めてあいまいであることは確かである。稻速別命の子で名
の判っているのは前津屋一人丈であり、前津屋の兄弟達の名
は全く知られていないのである。
その点から考えて武烈天皇が物部の兵士三十人を派遣して
前津屋の一族を殺したと言うのが事実であるとすれば、殺さ
れたのは前津屋の妻子や部下丈であって、前津屋の兄弟達は
殺されてないと考えねば全くつじつまが合わないのである。
それは下道臣が滅亡したのではないからである。
>p552
更にその同じ年の七年に吉備上道臣(きびのかみつみちのおみ)田狭(たさ)が宮殿で自分の妻
稚姫(わかひめ)が美女であることを大いに自慢していたのを天皇が聞い
て、稚姫を自分の妃にしようと考え、田狭を任那国司(みまなのくにのみこともち)に任命
して任那へ行かせ、その留守に田狭の妻稚姫を都へ呼び寄せ
妃にしたと言うことになっている。しかしこの話もまた大嘘
である。田狭(たさ)は上道臣(かみつみちのおみ)ではないのであり、稚姫(わかひめ)は田狭(たさ)の妃で
はなかったのである。田狭は上道臣(かみつみちのおみ)祖 仲彦命(なかつひこのみこと)の子ではなく、
賀陽臣(かようのおみ)祖 奈留美命(なるみのみこと)の子だったのである。田狭(たさ)と言う名は地名
に由来しているのである。大吉備津日子命妃 百田弓矢媛命の
郷里吉備の国大井郷、現在の岡山市大井に田狭と言う地名が
ある。そこが賀陽臣(かようのおみ)田狭にゆかりの地である。田狭は奈留美
命の子であったが、吉備津の宮ではなく大井郷の田狭の
地を本拠としていたものであろう。
河派仲彦王は応神天皇より年上だったのであり、河派仲彦
王の子 奈留美命(なるみのみこと)や額田大中日子命らは仁徳天皇より年上だっ
>p553
たのである。だから奈留美命の子である田狭臣も当然武烈天
皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子と同年位だったのである。そして雄略紀
の七年は武烈天皇七年、４２１年であり、その年に天皇は五
十八才だったのである。だから田狭臣も六十才前後にはなっ
ていたのであるから当然田狭臣の妻も五十才前後であったと
考えてよいのであり、武烈天皇が人妻を奪って自分の妃にし
ようと言う様な年ではなかったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-7 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��550-2行〜p��553-7行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）十月
證 明
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��550／p��529〜p��582）
>p550-2行〜
さて応神天皇 皇后は第六代 吉備津彦 功狭別命(いざさわけのみこと)の二女仲媛命
であるから、仲媛命の兄 御友別命(みともわけのみこと)の子である下道臣(しもつみちのおみ)祖 稻速別(いなはやわけの)
命(みこと)、上道臣(かみつみちのおみ)祖 仲彦命(なかつひこのみこと)、御野臣(みののおみ)祖 弟彦命(おとひこのみこと)の三人は仁徳天皇の従(い)
兄弟(とこ)だったのである。そして仁徳天皇の皇子である武烈天皇
小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)と吉備 下道臣 祖 稻速別命の子 下道臣(しもつみちのおみ)前津屋(さきつや)
らとは二従兄弟(ふたいとこ)だったのである。しかし下道臣前津屋らは武
烈天皇があまりにも残酷な行為をして天皇になったことから
武烈天皇に好意を持っていなかったことは想像出来るのであ
る。しかし雄略紀に書いてある様に、前津屋が少女を天皇側
の人にたとえ、大女を自分の側の人にたとえ、二人に戦(たたか)わせ
て少女が勝てば刀で切り殺したとか、小さい鶏(にわとり)を天皇の鶏(にわとり)と
し、大きい鶏を自分の鶏として戦わせ、小さい鶏が勝ったら
刀で殺していたと言う様な話は、あまりにも幼稚で馬鹿馬鹿
しい話であるからとても本当とは考えなれないのである。
>p551
更に武烈天皇が吉備の弓削部(ゆげべ)虚空(おほぞら)からその話を聞いて物部
の兵士三十人を派遣して前津屋と一族の人々七十人を殺した
と言うのも納得出来ない話である。前津屋は稻速別命の子で
ある。そして前津屋の一族七十人が殺されたとすれば稻速別
命の子孫は一人残らず殺されて、下道臣の家は絶えてもおか
しくはないはずである。しかし実際には下道臣はその地に長
く栄えたのである。しかし下道臣祖稻速別命の子孫の系図が
極めてあいまいであることは確かである。稻速別命の子で名
の判っているのは前津屋一人丈であり、前津屋の兄弟達の名
は全く知られていないのである。
その点から考えて武烈天皇が物部の兵士三十人を派遣して
前津屋の一族を殺したと言うのが事実であるとすれば、殺さ
れたのは前津屋の妻子や部下丈であって、前津屋の兄弟達は
殺されてないと考えねば全くつじつまが合わないのである。
それは下道臣が滅亡したのではないからである。
>p552
更にその同じ年の七年に吉備上道臣(きびのかみつみちのおみ)田狭(たさ)が宮殿で自分の妻
稚姫(わかひめ)が美女であることを大いに自慢していたのを天皇が聞い
て、稚姫を自分の妃にしようと考え、田狭を任那国司(みまなのくにのみこともち)に任命
して任那へ行かせ、その留守に田狭の妻稚姫を都へ呼び寄せ
妃にしたと言うことになっている。しかしこの話もまた大嘘
である。田狭(たさ)は上道臣(かみつみちのおみ)ではないのであり、稚姫(わかひめ)は田狭(たさ)の妃で
はなかったのである。田狭は上道臣(かみつみちのおみ)祖 仲彦命(なかつひこのみこと)の子ではなく、
賀陽臣(かようのおみ)祖 奈留美命(なるみのみこと)の子だったのである。田狭(たさ)と言う名は地名
に由来しているのである。大吉備津日子命妃 百田弓矢媛命の
郷里吉備の国大井郷、現在の岡山市大井に田狭と言う地名が
ある。そこが賀陽臣(かようのおみ)田狭にゆかりの地である。田狭は奈留美
命の子であったが、吉備津の宮ではなく大井郷の田狭の
地を本拠としていたものであろう。
河派仲彦王は応神天皇より年上だったのであり、河派仲彦
王の子 奈留美命(なるみのみこと)や額田大中日子命らは仁徳天皇より年上だっ
>p553
たのである。だから奈留美命の子である田狭臣も当然武烈天
皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子と同年位だったのである。そして雄略紀
の七年は武烈天皇七年、４２１年であり、その年に天皇は五
十八才だったのである。だから田狭臣も六十才前後にはなっ
ていたのであるから当然田狭臣の妻も五十才前後であったと
考えてよいのであり、武烈天皇が人妻を奪って自分の妃にし
ようと言う様な年ではなかったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-7 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��550-2行〜p��553-7行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十月證 明
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-8
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��553／p��529〜p��582）
>p553-8行〜
また田狭臣が仮に上道臣祖仲彦命の子であったとしてもや
はり武烈天皇とあまり変わらない年令であるから田狭臣の妻
を天皇が横取りしようと言う様な年令ではないのである。で
は武烈天皇が奪って妃にした稚媛は一体誰の妃だったのであ
ろうか。稚媛(わかひめ)は田狭臣(たさのおみ)の長男 兄彦命(えひこのみこと)の妃だったのである。武
烈天皇は兄彦命を殺して妃の稚媛を奪って自分の妃にしたの
である。だから田狭臣の妃は稚媛ではなかったのである。
雄略紀には別本(ことふみ)に伝(い)はくとして田狭臣の婦(つま)の名は毛媛(けひめ)と言
>p554
い、葛城襲津彦(かづらきそつひこ)の子 玉田宿祢(たまだのすくね)の娘であり、美人であることを
聞いて天皇は夫を殺して妻を奪ったと書いているのである。
しかしこの註も全部が本当と言う訳ではないのである。田狭
臣の妃の名は稚媛ではなく毛媛(けひめ)である。しかし毛媛と言う名
はないと思うから名をごまかして毛媛(けひめ)としているものと考え
られるのである。故にここでは一応 毛媛(けひめ)として置く。
そして田狭臣(たさのおみ)と毛媛(けひめ)との間に生まれた子が兄彦命(えひこのみこと)と弟彦命(おとひこのみこと)
の二人であるが本名は消されているのである。また田狭臣の
子の兄君(えきみ)、弟君(おときみ)と言うのは嘘である。臣下の者が自分の
子に兄君、弟君と言う様な名をつける訳がないのであり、そ
れは大嘘である。兄彦、弟彦が本当である。また毛媛は葛城
襲津彦の子、玉田宿祢の娘と言うのは嘘である。玉田宿祢は
羽田葦田宿祢(はたあしだのすくね)の子であり、羽田葦田宿祢(はたあしだのすくね)は羽田矢代宿祢(はたやしろのすくね)の子
であるから毛媛は葛城襲津彦王の孫ではないことになるので
ある。しかし毛媛が玉田宿祢の娘では田狭臣の妃として年令
>p555
が合わないのである。
田狭臣は葛城襲津彦王の弟河派仲彦王の孫である。だから
葛城襲津彦王の孫であれば妃に迎えるにふさわしい年令と言
えるのである。葛城襲津彦王の子は大葉枝王(おほはえのみこ)であり、大葉枝
王の子が武烈天皇に殺された圓大臣(つぶらおほおみ)である。だから田狭臣の
妃毛媛は大葉枝王(おほはえのみこ)の娘、圓大臣(つぶらおほおみ)の妹と考えられるのである。
しかし大葉枝王は葛城襲津彦王の系図から消されているため
に玉田宿祢を葛城襲津彦王の子としてごまかし、毛媛を葛城
襲津彦王の孫としてつじつまを合わせたのである。
次に田狭臣(たさのおみ)の長男 兄彦命(えひこのみこと)の妃となったのが稚媛(わかひめ)である。稚
媛は吉備上道臣の娘と言うのは嘘であり、吉備窪屋臣(きびのくぼやのおみ)の娘と
言うのが本当である。吉備窪屋臣(きびのくぼやのおみ)と言うのは備中の国に昔あ
った窪屋郡(くぼやのこほり)を領地としていたから窪屋臣(くぼやのおみ)と言うのである。窪(くぼ)
屋郡(やのこほり)は現在の都窪郡(つくぼぐん)であるが都窪郡の大部分は今では岡山市
と倉敷市に合併せられているのである。そして吉備窪屋臣(きびくぼやのおみ)と
>p556
言う名は吉備氏の一族の窪屋臣(くぼやのおみ)と言う意味であり、賀陽臣(かようのおみ)祖
奈留美命(なるみのみこと)の子の一人が賀陽臣の領土内の窪屋郡を領土として
与えられたものと考えられるのである。故に吉備窪屋臣は賀
陽臣の分家と言うことになる訳であり、田狭臣も大井郷のあ
たりを領土に与えられて分家をし、大井郷の田狭を本拠とし
ていたから吉備田狭臣(きびのたさのおみ)と言っていたものと思うのである。だ
から田狭と言うのは本当は名前ではないのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-8 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��553-8行〜p��556-7行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）十一月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��553／p��529〜p��582）
>p553-8行〜
また田狭臣が仮に上道臣祖仲彦命の子であったとしてもや
はり武烈天皇とあまり変わらない年令であるから田狭臣の妻
を天皇が横取りしようと言う様な年令ではないのである。で
は武烈天皇が奪って妃にした稚媛は一体誰の妃だったのであ
ろうか。稚媛(わかひめ)は田狭臣(たさのおみ)の長男 兄彦命(えひこのみこと)の妃だったのである。武
烈天皇は兄彦命を殺して妃の稚媛を奪って自分の妃にしたの
である。だから田狭臣の妃は稚媛ではなかったのである。
雄略紀には別本(ことふみ)に伝(い)はくとして田狭臣の婦(つま)の名は毛媛(けひめ)と言
>p554
い、葛城襲津彦(かづらきそつひこ)の子 玉田宿祢(たまだのすくね)の娘であり、美人であることを
聞いて天皇は夫を殺して妻を奪ったと書いているのである。
しかしこの註も全部が本当と言う訳ではないのである。田狭
臣の妃の名は稚媛ではなく毛媛(けひめ)である。しかし毛媛と言う名
はないと思うから名をごまかして毛媛(けひめ)としているものと考え
られるのである。故にここでは一応 毛媛(けひめ)として置く。
そして田狭臣(たさのおみ)と毛媛(けひめ)との間に生まれた子が兄彦命(えひこのみこと)と弟彦命(おとひこのみこと)
の二人であるが本名は消されているのである。また田狭臣の
子の兄君(えきみ)、弟君(おときみ)と言うのは嘘である。臣下の者が自分の
子に兄君、弟君と言う様な名をつける訳がないのであり、そ
れは大嘘である。兄彦、弟彦が本当である。また毛媛は葛城
襲津彦の子、玉田宿祢の娘と言うのは嘘である。玉田宿祢は
羽田葦田宿祢(はたあしだのすくね)の子であり、羽田葦田宿祢(はたあしだのすくね)は羽田矢代宿祢(はたやしろのすくね)の子
であるから毛媛は葛城襲津彦王の孫ではないことになるので
ある。しかし毛媛が玉田宿祢の娘では田狭臣の妃として年令
>p555
が合わないのである。
田狭臣は葛城襲津彦王の弟河派仲彦王の孫である。だから
葛城襲津彦王の孫であれば妃に迎えるにふさわしい年令と言
えるのである。葛城襲津彦王の子は大葉枝王(おほはえのみこ)であり、大葉枝
王の子が武烈天皇に殺された圓大臣(つぶらおほおみ)である。だから田狭臣の
妃毛媛は大葉枝王(おほはえのみこ)の娘、圓大臣(つぶらおほおみ)の妹と考えられるのである。
しかし大葉枝王は葛城襲津彦王の系図から消されているため
に玉田宿祢を葛城襲津彦王の子としてごまかし、毛媛を葛城
襲津彦王の孫としてつじつまを合わせたのである。
次に田狭臣(たさのおみ)の長男 兄彦命(えひこのみこと)の妃となったのが稚媛(わかひめ)である。稚
媛は吉備上道臣の娘と言うのは嘘であり、吉備窪屋臣(きびのくぼやのおみ)の娘と
言うのが本当である。吉備窪屋臣(きびのくぼやのおみ)と言うのは備中の国に昔あ
った窪屋郡(くぼやのこほり)を領地としていたから窪屋臣(くぼやのおみ)と言うのである。窪(くぼ)
屋郡(やのこほり)は現在の都窪郡(つくぼぐん)であるが都窪郡の大部分は今では岡山市
と倉敷市に合併せられているのである。そして吉備窪屋臣(きびくぼやのおみ)と
>p556
言う名は吉備氏の一族の窪屋臣(くぼやのおみ)と言う意味であり、賀陽臣(かようのおみ)祖
奈留美命(なるみのみこと)の子の一人が賀陽臣の領土内の窪屋郡を領土として
与えられたものと考えられるのである。故に吉備窪屋臣は賀
陽臣の分家と言うことになる訳であり、田狭臣も大井郷のあ
たりを領土に与えられて分家をし、大井郷の田狭を本拠とし
ていたから吉備田狭臣(きびのたさのおみ)と言っていたものと思うのである。だ
から田狭と言うのは本当は名前ではないのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-8 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��553-8行〜p��556-7行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十一月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-9
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��556／p��529〜p��582）
>p556-8行〜
田狭臣は自分の兄弟の吉備窪屋臣の娘 稚媛(わかひめ)を長男兄彦命の
妃に迎えたのである。だから兄彦命と稚媛は従兄妹(いとこ)だったの
である。そして兄彦命と稚媛との間に一人の男兒が生まれた
のであるが、それから数年のうちに兄彦命は武烈天皇のため
に殺され、稚媛は無理矢理に武烈天皇の妃にせられてしまっ
たのである。それは４２１年のことである。そして武烈天皇
と稚媛との間に生まれた皇子が星川稚宮皇子(ほしかはのわかみやのみこ)なのである。ま
た田狭臣の長男兄彦命と稚媛との間に生まれた男の子はまだ
>p557
幼(おさな)かったので兄彦命が殺された後も生命を助けられ、母の稚
媛と共に武烈天皇の宮殿へ引き取られて養育せられたのであ
る。武烈天皇と稚媛との間に星川稚宮皇子(ほしかはわかみやのみこ)が生まれたのは多
分武烈天皇の八年、４２２年であろう。
稚媛が星川稚宮皇子を生んだ後、稚媛の前夫兄彦命との間
に生まれた男の子は星川稚宮皇子と兄弟として育てられたの
である。それで兄彦命の遺兒が兄であるから兄君(えきみ)と呼ばれ、
星川稚宮皇子が弟であるから弟君(おときみ)と呼ばれていたのである。
しかるにそれをごまかすために田狭臣の子である兄彦命と弟
彦命を兄君、弟君としたのである。武烈天皇が稚媛を奪って
妃にしたと言う七年に、兄彦命と稚媛との間には一人の男子
が生まれていたのであり、弟彦命にも樟媛(くすひめ)と言う妃があった
のである。その点から考えても兄彦命の年令は若くても二十
五才以上三十才位にはなっていたはずであり、弟彦命も二十
五才位にはなっていたと考えられるのである。
>p558
故に稚媛が田狭臣の妃で、兄彦命、弟彦命の母であるとす
ればどんなに若く見ても四十才をかなり越えていると考えら
れるのである。だから武烈天皇が四十才を越えた人妻を奪っ
て妃にするはずはないのである。もっとも武烈天皇が�嫁狼�
大郎女を奪って皇后にしたのは事実であるが、それは自分の
年令相応の女性を妻にしたと言う丈のことであり、四十才を
過ぎていた�嫁狼迷舅砂�との間に皇子が生まれることを望ん
ではいなかったのである。
しかし天皇になって何年も経つうちに武烈天皇は世嗣ぎの
皇子が欲しいと思う様になったのである。そして皇后 �嫁狼�(たぢまたちばな)
大郎女(のおほいらつめ)はその頃すでに五十才位になっていたから皇子が生ま
れる可能性はなく、圓大臣(つぶらおほみ)の娘 韓媛(からひめ)も恐らく四十才位になっ
ていたであろうから皇子が生まれる可能性は殆どなかったの
である。それで武烈天皇はまだ童女であった和珥臣深目(わにのおみふかめ)の娘
を妃にするつもりで宮中へ召し入れていたのであるが和珥臣
>p559
深目の娘 童女君(をみなぎみ)は皇子を生むにはまだ若過ぎたのである。そ
れに武烈天皇自身がすでに五十八才であったから早く皇子を
生みたいと思ってあせっていたのである。その様な色々の理
由から武烈天皇は美人として評判の田狭臣の子兄彦命の妃稚
媛を奪って妃にしようと考えたのである。
それで天皇は田狭臣を任那国司に任じて任那へ行かせ、そ
の留守に稚媛を奪って妃にしたことになっているが、それは
大嘘であると私は断定するのである。田狭臣が行った所は任
那ではなく中国であり宋の国へ行かされたのである。雄略紀
の七年は４２１年であり、倭王讃が宋へ遣使した年である。
武烈天皇は田狭臣の長男兄彦命の妃である稚媛を奪うために
田狭臣を正使として宋へ派遣し、その留守に兄彦命を殺して
稚媛を奪ったのである。田狭臣らの遣宋使を乗せた船団の司
令官となった人が武烈天皇の母吉備の海部の娘黒媛の一族吉
備の海部の人々だったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-9 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��556-8行〜p��559-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）十一月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子(をはつせのわかさざきのみこ)
（p��556／p��529〜p��582）
>p556-8行〜
田狭臣は自分の兄弟の吉備窪屋臣の娘 稚媛(わかひめ)を長男兄彦命の
妃に迎えたのである。だから兄彦命と稚媛は従兄妹(いとこ)だったの
である。そして兄彦命と稚媛との間に一人の男兒が生まれた
のであるが、それから数年のうちに兄彦命は武烈天皇のため
に殺され、稚媛は無理矢理に武烈天皇の妃にせられてしまっ
たのである。それは４２１年のことである。そして武烈天皇
と稚媛との間に生まれた皇子が星川稚宮皇子(ほしかはのわかみやのみこ)なのである。ま
た田狭臣の長男兄彦命と稚媛との間に生まれた男の子はまだ
>p557
幼(おさな)かったので兄彦命が殺された後も生命を助けられ、母の稚
媛と共に武烈天皇の宮殿へ引き取られて養育せられたのであ
る。武烈天皇と稚媛との間に星川稚宮皇子(ほしかはわかみやのみこ)が生まれたのは多
分武烈天皇の八年、４２２年であろう。
稚媛が星川稚宮皇子を生んだ後、稚媛の前夫兄彦命との間
に生まれた男の子は星川稚宮皇子と兄弟として育てられたの
である。それで兄彦命の遺兒が兄であるから兄君(えきみ)と呼ばれ、
星川稚宮皇子が弟であるから弟君(おときみ)と呼ばれていたのである。
しかるにそれをごまかすために田狭臣の子である兄彦命と弟
彦命を兄君、弟君としたのである。武烈天皇が稚媛を奪って
妃にしたと言う七年に、兄彦命と稚媛との間には一人の男子
が生まれていたのであり、弟彦命にも樟媛(くすひめ)と言う妃があった
のである。その点から考えても兄彦命の年令は若くても二十
五才以上三十才位にはなっていたはずであり、弟彦命も二十
五才位にはなっていたと考えられるのである。
>p558
故に稚媛が田狭臣の妃で、兄彦命、弟彦命の母であるとす
ればどんなに若く見ても四十才をかなり越えていると考えら
れるのである。だから武烈天皇が四十才を越えた人妻を奪っ
て妃にするはずはないのである。もっとも武烈天皇が�嫁狼�
大郎女を奪って皇后にしたのは事実であるが、それは自分の
年令相応の女性を妻にしたと言う丈のことであり、四十才を
過ぎていた�嫁狼迷舅砂�との間に皇子が生まれることを望ん
ではいなかったのである。
しかし天皇になって何年も経つうちに武烈天皇は世嗣ぎの
皇子が欲しいと思う様になったのである。そして皇后 �嫁狼�(たぢまたちばな)
大郎女(のおほいらつめ)はその頃すでに五十才位になっていたから皇子が生ま
れる可能性はなく、圓大臣(つぶらおほみ)の娘 韓媛(からひめ)も恐らく四十才位になっ
ていたであろうから皇子が生まれる可能性は殆どなかったの
である。それで武烈天皇はまだ童女であった和珥臣深目(わにのおみふかめ)の娘
を妃にするつもりで宮中へ召し入れていたのであるが和珥臣
>p559
深目の娘 童女君(をみなぎみ)は皇子を生むにはまだ若過ぎたのである。そ
れに武烈天皇自身がすでに五十八才であったから早く皇子を
生みたいと思ってあせっていたのである。その様な色々の理
由から武烈天皇は美人として評判の田狭臣の子兄彦命の妃稚
媛を奪って妃にしようと考えたのである。
それで天皇は田狭臣を任那国司に任じて任那へ行かせ、そ
の留守に稚媛を奪って妃にしたことになっているが、それは
大嘘であると私は断定するのである。田狭臣が行った所は任
那ではなく中国であり宋の国へ行かされたのである。雄略紀
の七年は４２１年であり、倭王讃が宋へ遣使した年である。
武烈天皇は田狭臣の長男兄彦命の妃である稚媛を奪うために
田狭臣を正使として宋へ派遣し、その留守に兄彦命を殺して
稚媛を奪ったのである。田狭臣らの遣宋使を乗せた船団の司
令官となった人が武烈天皇の母吉備の海部の娘黒媛の一族吉
備の海部の人々だったのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-9 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��556-8行〜p��559-15行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十一月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-10
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��560／p��529〜p��582）
>p560-1行〜
更に天皇は田狭臣の子 弟君(おときみ)と吉備海部直(きびのあまべのあたひ)赤尾(あかを)を新羅討伐の
ために派遣したけれども、弟君らは新羅を討たずに帰ったこ
とになっているのである。しかし残忍狂暴な武烈天皇が使命
を果たさずに帰って来た者を許すはずはないのである。田狭
臣の子弟君と言うのは嘘で本当は弟彦命であり、吉備海部直
赤尾と弟彦命は新羅討伐に行ったのではなく、宋へ行ったの
である。田狭臣を正使とし、吉備海部直赤尾を遣宋使を派遣
する船団の司令官とし、弟彦命を随員の一人として宋へ行か
せたのである。その留守に天皇は兄彦命を殺して稚媛を奪っ
て妃にしたのである。
しかし遣宋正使(けんそうせいし)の使命を果たしてやっと任那(みまな)迄帰って来た
田狭臣を待っていたものは長男兄彦命が殺されて、妃の稚媛
が奪われて武烈天皇の妃にせられたと言う郷里からの悲報だっ
たのである。それを聞いた田狭臣は武烈天皇のあまりにも邪
悪な行為に怒って帰国せずに任那へ留(とどま)ったのである。しかし
>p561
宋の皇帝からの詔書や贈物などを取り込む訳にもゆかないの
でそれらのものを田狭臣(たさのおみ)は二男の弟彦命と船団の司令官 吉備(きびの)
海部直赤尾(あまべのあたひあかを)らに託して武烈天皇のもとに届けさせたのである。
雄略紀では田狭臣と弟君が天皇に叛こうとしたので弟君の
妻 樟媛(くすひめ)が弟君を殺したことになっているのである。しかし弟
君が殺されたと言うのは嘘である。では何故日本書紀は弟君
が殺されたと言う嘘を書いたのであろうか。それは武烈天皇
が死んだ後、星川稚宮皇子(ほしかはわかみやのみこ)が皇位を奪おうとしたために焼き
殺されたことになっているのであるが、その時星川稚宮皇子
の異父兄である兄君も一緒に殺されたことになっているから
である。つまり星川稚宮皇子(ほしかはわかみやのみこ)と一緒に殺された兄君(えきみ)は田狭臣
の子ではなく田狭臣の長男 兄彦命(えひこのみこと)と稚媛(わかひめ)との間に生まれた子
であり武烈天皇の宮殿へ引き取られて星川稚宮皇子と一緒に
兄弟として育てられたから、兄彦命の遺児を兄君と呼び、星
川稚宮皇子を弟君と呼んでいたのである。
>p562
しかるに稚媛を田狭臣の妃だったことにし、田狭臣と稚媛
との間に生まれた兄君と弟君の二人のうち、兄君は星川稚宮
皇子と一緒に殺されたことにしてごまかしたから、弟君が生
きていては具合が悪くなったのである。それで弟君は妻の樟(くす)
媛に殺されたことにして消し去ったのである。しかし稚媛は
田狭臣の妃ではなく、田狭臣の長男兄彦命の妃だったのであ
り、兄彦命と稚媛との間に生まれた男子が兄君と呼ばれて武
烈天皇の宮殿で弟君の星川稚宮皇子と一緒に育てられ、武烈
天皇が死んだ後、兄君と弟君つまり星川稚宮皇子とが一緒に
殺されたのである。
次に吉備海部直赤尾については親兄弟子孫のことなどのす
べてが消されているのである。仁徳天皇妃吉備の海部の娘黒
媛が武烈天皇の母であるが、黒媛の父母兄弟の名はすべて消
されているのである。そして４２１年に宋へ遣使した時の武
烈天皇は五十八才だったのであり、その頃黒媛が生きていた
>p563
とすれば武烈天皇より二十才年上だったとしても七十八才の
高令だったことになるのである。だから吉備海部直(きびのあまべのあたひ)赤尾(あかを)が黒
媛の兄弟であるとすれば七十五才位から八十才以上の高令だ
ったと考えねばならないから、宋へ派遣する使者を送るため
の船団の司令官を務められる年令ではないことになるのであ
る。だから吉備海部直赤尾は黒媛の甥であり、武烈天皇と従
兄弟の間柄であり、年令も武烈天皇と大差ない年令であった
ものと考えられるのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-10 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��560-1行〜p��563-8行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）十一月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��560／p��529〜p��582）
>p560-1行〜
更に天皇は田狭臣の子 弟君(おときみ)と吉備海部直(きびのあまべのあたひ)赤尾(あかを)を新羅討伐の
ために派遣したけれども、弟君らは新羅を討たずに帰ったこ
とになっているのである。しかし残忍狂暴な武烈天皇が使命
を果たさずに帰って来た者を許すはずはないのである。田狭
臣の子弟君と言うのは嘘で本当は弟彦命であり、吉備海部直
赤尾と弟彦命は新羅討伐に行ったのではなく、宋へ行ったの
である。田狭臣を正使とし、吉備海部直赤尾を遣宋使を派遣
する船団の司令官とし、弟彦命を随員の一人として宋へ行か
せたのである。その留守に天皇は兄彦命を殺して稚媛を奪っ
て妃にしたのである。
しかし遣宋正使(けんそうせいし)の使命を果たしてやっと任那(みまな)迄帰って来た
田狭臣を待っていたものは長男兄彦命が殺されて、妃の稚媛
が奪われて武烈天皇の妃にせられたと言う郷里からの悲報だっ
たのである。それを聞いた田狭臣は武烈天皇のあまりにも邪
悪な行為に怒って帰国せずに任那へ留(とどま)ったのである。しかし
>p561
宋の皇帝からの詔書や贈物などを取り込む訳にもゆかないの
でそれらのものを田狭臣(たさのおみ)は二男の弟彦命と船団の司令官 吉備(きびの)
海部直赤尾(あまべのあたひあかを)らに託して武烈天皇のもとに届けさせたのである。
雄略紀では田狭臣と弟君が天皇に叛こうとしたので弟君の
妻 樟媛(くすひめ)が弟君を殺したことになっているのである。しかし弟
君が殺されたと言うのは嘘である。では何故日本書紀は弟君
が殺されたと言う嘘を書いたのであろうか。それは武烈天皇
が死んだ後、星川稚宮皇子(ほしかはわかみやのみこ)が皇位を奪おうとしたために焼き
殺されたことになっているのであるが、その時星川稚宮皇子
の異父兄である兄君も一緒に殺されたことになっているから
である。つまり星川稚宮皇子(ほしかはわかみやのみこ)と一緒に殺された兄君(えきみ)は田狭臣
の子ではなく田狭臣の長男 兄彦命(えひこのみこと)と稚媛(わかひめ)との間に生まれた子
であり武烈天皇の宮殿へ引き取られて星川稚宮皇子と一緒に
兄弟として育てられたから、兄彦命の遺児を兄君と呼び、星
川稚宮皇子を弟君と呼んでいたのである。
>p562
しかるに稚媛を田狭臣の妃だったことにし、田狭臣と稚媛
との間に生まれた兄君と弟君の二人のうち、兄君は星川稚宮
皇子と一緒に殺されたことにしてごまかしたから、弟君が生
きていては具合が悪くなったのである。それで弟君は妻の樟(くす)
媛に殺されたことにして消し去ったのである。しかし稚媛は
田狭臣の妃ではなく、田狭臣の長男兄彦命の妃だったのであ
り、兄彦命と稚媛との間に生まれた男子が兄君と呼ばれて武
烈天皇の宮殿で弟君の星川稚宮皇子と一緒に育てられ、武烈
天皇が死んだ後、兄君と弟君つまり星川稚宮皇子とが一緒に
殺されたのである。
次に吉備海部直赤尾については親兄弟子孫のことなどのす
べてが消されているのである。仁徳天皇妃吉備の海部の娘黒
媛が武烈天皇の母であるが、黒媛の父母兄弟の名はすべて消
されているのである。そして４２１年に宋へ遣使した時の武
烈天皇は五十八才だったのであり、その頃黒媛が生きていた
>p563
とすれば武烈天皇より二十才年上だったとしても七十八才の
高令だったことになるのである。だから吉備海部直(きびのあまべのあたひ)赤尾(あかを)が黒
媛の兄弟であるとすれば七十五才位から八十才以上の高令だ
ったと考えねばならないから、宋へ派遣する使者を送るため
の船団の司令官を務められる年令ではないことになるのであ
る。だから吉備海部直赤尾は黒媛の甥であり、武烈天皇と従
兄弟の間柄であり、年令も武烈天皇と大差ない年令であった
ものと考えられるのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-10 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��560-1行〜p��563-8行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十一月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-11
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��563／p��529〜p��582）
>p563-9行〜
雄略紀では田狭臣(たさのおみ)の子 弟君(おときみ)を妻の樟媛(くすひめ)が殺したと書いてあ
るが、天皇は弟君がいないことを知って日鷹吉士堅磐固安銭(ひたかのきしかたはこあんぜん)
を派遣して弟君を連れ帰り一緒に復命させたと書いてある。
弟君が本当に殺されたのであれば迎えに行く必要もなく復命
させることも出来ないのである。更に或本(あるふみ)に云はくとして吉
備臣弟君が百済から帰って漢手人部(あやのてひとべ)、衣縫部(きぬぬひべ)、穴人部(ししひとべ)などの
技術者を献(たてまつ)ったことになっている。この点からも弟君、本当
>p564
は弟彦命は殺されたのではないと断定出来るのである。また
弟君が献ったことになっている技術者の人々は百済から来た
人々ではなく、宋の国から招いた人々であろう。
更に八年の春二月に身狭村主��(むさのすぐりあを)、桧隈民使博徳(ひのくまのたみのつかひはかとこ)を呉国(くれのくに)に派
遣したと書いてある。この八年はごまかしであり、身狭村主
�悗班扱�民使博徳は帰化人であるから大陸の地理も詳しく、
中国の言葉も知っていたから、水先案内と通訳をさせる目的
で田狭臣、吉備海部直赤尾らと一緒に派遣したものと思う。
しかし同じく八年に高句麗(こうくり)が新羅(しんら)を圧迫したために新羅は
任那の日本府に援助を求め、任那からは膳臣斑鳩(かしはでのおみいかるが)、吉備臣(きびのおみ)小(を)
梨(なし)、難波吉士赤目子(なにはのきしあかめこ)らが新羅へ行って高句麗軍(こうくりぐん)を破り、新羅
を救ったことになっている。これは武烈天皇の時代ではなく、
日本書紀の武烈天皇、本当は仁賢天皇皇子 雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)大泊瀬幼(おほはつせのわか)
武皇子(たけるのみこ)の時代のことを書いてごまかしているものと思うので
ある。それは次の九年の出来事と矛盾するからである。
>p565
九年の春二月に天皇は凡河内直香賜(おほしこうちのあたひかたぶ)と采女(うねめ)を筑紫へ遣わし
て宗像神社(むなかたじんじゃ)の神を祀らせたが、香賜(かたぶ)が采女(うねめ)を犯したことから
天皇は香賜を殺したと言う。４２３年のことである。そして
三月に天皇は自分から新羅を遠征しようとしたが神が戒(いまし)めら
れたので中止したと言う。それで紀小弓宿祢(きのをゆみのすくね)、蘇我韓子宿(そがのからこのすく)
祢(ね)、大伴談連(おほとものかたりのみらじ)、小鹿火宿祢(をかひのすくね)らを派遣して新羅を伐(う)たせたと言
う。しかしそれならば前年に高句麗が新羅を圧迫した時に任
那の日本府から援軍を送って高句麗を伐って新羅を救ったと
言う話と矛盾すると思うのである。だから私は八年に任那か
ら援軍を送って新羅を救ったと言うのは後世の話であり、九
年に紀小弓宿祢らを派遣して新羅を伐ったと言うのが本当だ
と思うのである。しかしこの遠征は結局失敗に終わったから
うやむやにしてごまかしているのだと思うのである。
次に十年の秋九月に身狭村主�悗蕕�呉の国が献上したニ羽
の鵝鳥(がちょう)を持って筑紫に帰って来たことになっているがどうも
>p566
納得し難いのである。更に十一年の七月に百済国から貴信(くゐしん)と名乗る人が逃げて来たことになっている。そして貴信(くゐしん)は呉国(くれのくに)
の人であると書いているのである。十一年と言うのは４２５
年である。宋書によれば宋の文帝の元嘉二年、４２５年に倭
王讃が司馬曹達(しばそうたつ)を遣して上表貢献したことになっているので
ある。倭王讃が司馬曹達を派遣した年は正(まさ)しく武烈天皇十一
年、４２５年のことである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-11 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��563-9行〜p��566-7行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令 和 五 年（2023）十一月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��563／p��529〜p��582）
>p563-9行〜
雄略紀では田狭臣(たさのおみ)の子 弟君(おときみ)を妻の樟媛(くすひめ)が殺したと書いてあ
るが、天皇は弟君がいないことを知って日鷹吉士堅磐固安銭(ひたかのきしかたはこあんぜん)
を派遣して弟君を連れ帰り一緒に復命させたと書いてある。
弟君が本当に殺されたのであれば迎えに行く必要もなく復命
させることも出来ないのである。更に或本(あるふみ)に云はくとして吉
備臣弟君が百済から帰って漢手人部(あやのてひとべ)、衣縫部(きぬぬひべ)、穴人部(ししひとべ)などの
技術者を献(たてまつ)ったことになっている。この点からも弟君、本当
>p564
は弟彦命は殺されたのではないと断定出来るのである。また
弟君が献ったことになっている技術者の人々は百済から来た
人々ではなく、宋の国から招いた人々であろう。
更に八年の春二月に身狭村主��(むさのすぐりあを)、桧隈民使博徳(ひのくまのたみのつかひはかとこ)を呉国(くれのくに)に派
遣したと書いてある。この八年はごまかしであり、身狭村主
�悗班扱�民使博徳は帰化人であるから大陸の地理も詳しく、
中国の言葉も知っていたから、水先案内と通訳をさせる目的
で田狭臣、吉備海部直赤尾らと一緒に派遣したものと思う。
しかし同じく八年に高句麗(こうくり)が新羅(しんら)を圧迫したために新羅は
任那の日本府に援助を求め、任那からは膳臣斑鳩(かしはでのおみいかるが)、吉備臣(きびのおみ)小(を)
梨(なし)、難波吉士赤目子(なにはのきしあかめこ)らが新羅へ行って高句麗軍(こうくりぐん)を破り、新羅
を救ったことになっている。これは武烈天皇の時代ではなく、
日本書紀の武烈天皇、本当は仁賢天皇皇子 雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)大泊瀬幼(おほはつせのわか)
武皇子(たけるのみこ)の時代のことを書いてごまかしているものと思うので
ある。それは次の九年の出来事と矛盾するからである。
>p565
九年の春二月に天皇は凡河内直香賜(おほしこうちのあたひかたぶ)と采女(うねめ)を筑紫へ遣わし
て宗像神社(むなかたじんじゃ)の神を祀らせたが、香賜(かたぶ)が采女(うねめ)を犯したことから
天皇は香賜を殺したと言う。４２３年のことである。そして
三月に天皇は自分から新羅を遠征しようとしたが神が戒(いまし)めら
れたので中止したと言う。それで紀小弓宿祢(きのをゆみのすくね)、蘇我韓子宿(そがのからこのすく)
祢(ね)、大伴談連(おほとものかたりのみらじ)、小鹿火宿祢(をかひのすくね)らを派遣して新羅を伐(う)たせたと言
う。しかしそれならば前年に高句麗が新羅を圧迫した時に任
那の日本府から援軍を送って高句麗を伐って新羅を救ったと
言う話と矛盾すると思うのである。だから私は八年に任那か
ら援軍を送って新羅を救ったと言うのは後世の話であり、九
年に紀小弓宿祢らを派遣して新羅を伐ったと言うのが本当だ
と思うのである。しかしこの遠征は結局失敗に終わったから
うやむやにしてごまかしているのだと思うのである。
次に十年の秋九月に身狭村主�悗蕕�呉の国が献上したニ羽
の鵝鳥(がちょう)を持って筑紫に帰って来たことになっているがどうも
>p566
納得し難いのである。更に十一年の七月に百済国から貴信(くゐしん)と名乗る人が逃げて来たことになっている。そして貴信(くゐしん)は呉国(くれのくに)
の人であると書いているのである。十一年と言うのは４２５
年である。宋書によれば宋の文帝の元嘉二年、４２５年に倭
王讃が司馬曹達(しばそうたつ)を遣して上表貢献したことになっているので
ある。倭王讃が司馬曹達を派遣した年は正(まさ)しく武烈天皇十一
年、４２５年のことである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-11 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��563-9行〜p��566-7行》
✡ 執筆：平 成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令 和 五 年（2023）十一月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-12
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��566／p��529〜p��582）
>p566-8行〜
しかし倭王讃(さん)が司馬曹達(しばそうたつ)を遣(つかは)したとはどの様な意味であろ
うか。司馬曹達は明らかに中国の人である。そして宋の国で
も名を知られていた人ではなかったのであろうか。そうする
と十一年に百済の国から逃げて来た自称 貴信(くゐしん)と言う人が呉国
の人であると言うのと倭王讃(さん)が宋へ派遣したと言う司馬曹達
とがつながって来るのではなかろうか。中国の人 司馬曹達(しばそうたつ)が
何らかの理由で日本へ帰化し、武烈天皇に仕えて貴信(くゐしん)と名乗
っていたのではなかろうか。それで武烈天皇は貴信(くゐしん)を正使と
>p567
して宋へ遣使したのではなかろうか。そして宋の国へ行って
自分は司馬曹達(しばそうたつ)だと名乗ったのか、宋の人々が使者を司馬曹
達と知って書いたのか判らないけれども、倭王讃即ち武烈天
皇が中国から帰化した司馬曹達と言う人を正使として宋へ派
遣したことは間違いない事実であると断定出来るのである。
私は十一年の秋七月に百済の国から貴信(くゐしん)と言う人が逃げて
来たと言うのは嘘であると思うのである。司馬曹達即ち呉国
の人 貴信(くゐしん)であり、貴信はそれより何年も前に大和の国へ来て
武烈天皇に仕えていたのだと思うのである。それで武烈天皇
は貴信の人柄などをよく知っていたから安心して宋へ派遣し
たのだと思うのである。百済から逃げて来た氏.素性も判らな
い人を武烈天皇が重く用いるはずはなく、宋への使者にする
はずもないと思うのである。貴信即ち司馬曹達が十一年に宋
から帰って来たことを、貴信が七月に百済から逃げて来たこ
とにして宋への遣使の歴史を消したのであろう。
>p568
またその年の冬十月に鳥官(とりのつかさ)の禽(とり)が菟田(うだ)の人の飼犬に喰われ
て死んだために、天皇は怒って菟田の人の顔に入墨(いれずみ)をして鳥(とり)
養部(かひべ)にしたと言う。更に宮中に仕える人がそれを批判したこ
とを怒ってまたその人を鳥飼部(とりかひべ)にしたと言う。この様な事実
は武烈天皇がいかに暴虐の君主であったかと言うことをはっ
きりと物語っているのである。
次に十二年の夏四月に身狭村主�悗班斡�民使博徳の二人を
呉へ派遣したことになっている。そして十四年の春正月に身
狭村主�悗蕕聾盥颪了伴圓蕕閥Δ妨盥颪慮ゾ紊靴深衙�(たなすえ)の才枝(てひと)
漢織(あやはとり)、呉織(くれはとり)、衣縫(きぬぬひ)の兄媛(えひめ)、弟媛(おとひめ)らを連れ住吉津(すみよしのつ)に泊(とま)ったこと
になっているのである。十二年は４２６年である。十四年は
４２８年である。しかし宋書には文帝の元嘉七年に倭国王が
貢献したと記録せられているのである。私は４３０年の遣使
の正使が身狭村主�悗派�使が桧隅民使博徳であろうと思うの
である。彼らは帰化人であるが武烈天皇には気に入られて重
>p569
く用いられていたのである。だから彼らが正使や副使に任命
されてもおかしくはないのである。そして宋への遣使は二年
もかゝるものではないのである。だから身狭村主�悗蕕�十二
年に出発して十四年に帰って来たと言うのは嘘であり、実際
には十六年、４３０年に派遣されたのだと思うのである。し
かし本当にことを書くと都合が悪いから十二年に出発して十
四年に帰って来たことにしてごまかしているのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-12 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��566-8行〜p��569-7行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和 五 年（2023）十一月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��566／p��529〜p��582）
>p566-8行〜
しかし倭王讃(さん)が司馬曹達(しばそうたつ)を遣(つかは)したとはどの様な意味であろ
うか。司馬曹達は明らかに中国の人である。そして宋の国で
も名を知られていた人ではなかったのであろうか。そうする
と十一年に百済の国から逃げて来た自称 貴信(くゐしん)と言う人が呉国
の人であると言うのと倭王讃(さん)が宋へ派遣したと言う司馬曹達
とがつながって来るのではなかろうか。中国の人 司馬曹達(しばそうたつ)が
何らかの理由で日本へ帰化し、武烈天皇に仕えて貴信(くゐしん)と名乗
っていたのではなかろうか。それで武烈天皇は貴信(くゐしん)を正使と
>p567
して宋へ遣使したのではなかろうか。そして宋の国へ行って
自分は司馬曹達(しばそうたつ)だと名乗ったのか、宋の人々が使者を司馬曹
達と知って書いたのか判らないけれども、倭王讃即ち武烈天
皇が中国から帰化した司馬曹達と言う人を正使として宋へ派
遣したことは間違いない事実であると断定出来るのである。
私は十一年の秋七月に百済の国から貴信(くゐしん)と言う人が逃げて
来たと言うのは嘘であると思うのである。司馬曹達即ち呉国
の人 貴信(くゐしん)であり、貴信はそれより何年も前に大和の国へ来て
武烈天皇に仕えていたのだと思うのである。それで武烈天皇
は貴信の人柄などをよく知っていたから安心して宋へ派遣し
たのだと思うのである。百済から逃げて来た氏.素性も判らな
い人を武烈天皇が重く用いるはずはなく、宋への使者にする
はずもないと思うのである。貴信即ち司馬曹達が十一年に宋
から帰って来たことを、貴信が七月に百済から逃げて来たこ
とにして宋への遣使の歴史を消したのであろう。
>p568
またその年の冬十月に鳥官(とりのつかさ)の禽(とり)が菟田(うだ)の人の飼犬に喰われ
て死んだために、天皇は怒って菟田の人の顔に入墨(いれずみ)をして鳥(とり)
養部(かひべ)にしたと言う。更に宮中に仕える人がそれを批判したこ
とを怒ってまたその人を鳥飼部(とりかひべ)にしたと言う。この様な事実
は武烈天皇がいかに暴虐の君主であったかと言うことをはっ
きりと物語っているのである。
次に十二年の夏四月に身狭村主�悗班斡�民使博徳の二人を
呉へ派遣したことになっている。そして十四年の春正月に身
狭村主�悗蕕聾盥颪了伴圓蕕閥Δ妨盥颪慮ゾ紊靴深衙�(たなすえ)の才枝(てひと)
漢織(あやはとり)、呉織(くれはとり)、衣縫(きぬぬひ)の兄媛(えひめ)、弟媛(おとひめ)らを連れ住吉津(すみよしのつ)に泊(とま)ったこと
になっているのである。十二年は４２６年である。十四年は
４２８年である。しかし宋書には文帝の元嘉七年に倭国王が
貢献したと記録せられているのである。私は４３０年の遣使
の正使が身狭村主�悗派�使が桧隅民使博徳であろうと思うの
である。彼らは帰化人であるが武烈天皇には気に入られて重
>p569
く用いられていたのである。だから彼らが正使や副使に任命
されてもおかしくはないのである。そして宋への遣使は二年
もかゝるものではないのである。だから身狭村主�悗蕕�十二
年に出発して十四年に帰って来たと言うのは嘘であり、実際
には十六年、４３０年に派遣されたのだと思うのである。し
かし本当にことを書くと都合が悪いから十二年に出発して十
四年に帰って来たことにしてごまかしているのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-12 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��566-8行〜p��569-7行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和 五 年（2023）十一月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-13
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��569／p��529〜p��582）
>p569-8行〜
ところで十四年に身狭村主�悗蕕閥Δ妨發旅颪了伴圓�来た
ことになっている。それが事実であるとすれば十七年、４３
１年のことであろうと思う。４３０年の遣使は倭王讃の三度
目の遣使であり、文帝の治世になってから二度目の遣使であ
る。故に文帝が倭国に対して関心を持ち、倭国の実狀を視察
させると言う様な目的も兼ねて答礼の使者を派遣したと言う
可能性はあると思うのである。宋書に文帝が倭国へ使者を派
遣したと言う記録があるとないとにかゝわらず、宋の使者が
>p570
来たと考えてもおかしくはないのである。
そして宋の使者をもてなすために根使主(ねのおみ)が共食者(あひたげひと)に任命さ
れたけれども、根使主がかつて大草香王(おほくさかのみこ)が天皇に献上しよう
とした押木玉縵(おしきのたまかづら)を奪って大草香王をざん言(げん)した泊悪が露見し
て殺されたことになっているのである。その様なことから宋の使者に対するもてなしがいいかげんなものになり、宋の使
者らは不快な感情を持って帰国したのではなかろうか。また
そのために宋の文帝が倭国へ使者を派遣したことも記録され
なかったのではなかろうか。
次に二十年の冬 高麗(こま)の王が大軍を以って百済を滅亡させた
と言う。二十年は４３４年であるが、この話は大嘘である。
更に二十一年の春三月に天皇は百済が高句麗のために滅ぼさ
れたと聞いて久麻那利(こむなり)の土地を汶洲王(もんすわう)に与えて百済の国を再
建させたことになっているのである。二十年に高句麗に滅ぼ
された百済王は蓋鹵王(かふろわう)であり、蓋鹵王が死去した年は４７５
>p571
年である。また二十一年春三月に汶洲王(もんすわう)を立てて百済王家を
再興したと言うのは４７６年のことである。そして武烈天皇
の二十一年は４３５年であるから汶洲王(もんすわう)を立てたのは武烈天
皇ではないのである。４７６年は顕宗(けんそう)天皇の治世であり、顕
宗天皇が汶洲王を立てて百済王家を再興したのである。
次に二十二年の春正月に白髪皇子(しらかのみこ)を皇太子に立てたことに
なっている。白髪皇子は武烈天皇と葛城韓媛(かづらきのからひめ)との間に生まれ
た皇子で、生まれた時から頭髪が白髪であったから白髪皇子(しらかのみこ)
と呼ばれたことになっているけれども大嘘である。白髪皇子(しらかのみこ)
は仁徳天皇の末子であり、武烈天皇の異母弟である水歯別皇(みづはわけのみ)
子(こ)のことである。武烈天皇は治世二十三年、享年七十四才で
４３７年に死去したのであり、その翌年に異母弟の水歯別皇(みづはわけのみ)
子(こ)が即位したのである。水歯別皇子は仁徳天皇の元年、３７
２年に生まれたのであるから４３８年に即位した時に六十七
才であり白髪の老人だったのである。それで白髪皇子(しらかのみこ)とか白(しら)
>p572
髪天皇(かのすめらみこと)と呼ばれたのである。しかし武烈天皇が宋書の倭王讃(わわうさん)
であり、水歯別皇子(みづはわけのみこ)が倭王讃の弟 倭王珍(わわうちん)であることを判らな
くするために瑞歯別皇子の名を変え、更に武烈天皇の皇子と
言うことにしてごまかしたのである。だから二十二年に白髪
皇子を皇太子に立てたと言うのは全くの大嘘なのである。
次に百済の文斤王(もんこんわう)が死去したと言うのも大嘘であり、昆支(こんき)
王の子の末多(また)王を百済へ帰らせて王としたと言うのも大嘘で
ある。またこの年に筑紫の阿致臣(あちのおみ)、馬飼臣(うまかひのおみ)らが船師(ふないくさ)を率いて
高麗を襲ったと言うのも大嘘である。更に天皇が七月に病気
になって床(とこ)についたと言うのは本当であるが、詔(みことのり)をして皇太子
に多くのことを託したと言うのは大嘘である。すでに述べた
様に白髪皇子は武烈天皇の皇子でもなく皇太子でもなかった
のである。武烈天皇の皇子は稚媛との間に生まれた星川稚宮(ほしかはわかみや)
皇子(のみこ)が一人丈だったのである。だから武烈天皇は当然 星川稚
宮皇子を皇太子に立て次の天皇にしようと考えていたのであ
>p573
る。しかし武烈天皇が死去した時 星川稚宮皇子はあまりにも
年が若過ぎたのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-13 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��569-8行〜p��573-2行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
安原 修(やすはら おさむ)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��569／p��529〜p��582）
>p569-8行〜
ところで十四年に身狭村主�悗蕕閥Δ妨發旅颪了伴圓�来た
ことになっている。それが事実であるとすれば十七年、４３
１年のことであろうと思う。４３０年の遣使は倭王讃の三度
目の遣使であり、文帝の治世になってから二度目の遣使であ
る。故に文帝が倭国に対して関心を持ち、倭国の実狀を視察
させると言う様な目的も兼ねて答礼の使者を派遣したと言う
可能性はあると思うのである。宋書に文帝が倭国へ使者を派
遣したと言う記録があるとないとにかゝわらず、宋の使者が
>p570
来たと考えてもおかしくはないのである。
そして宋の使者をもてなすために根使主(ねのおみ)が共食者(あひたげひと)に任命さ
れたけれども、根使主がかつて大草香王(おほくさかのみこ)が天皇に献上しよう
とした押木玉縵(おしきのたまかづら)を奪って大草香王をざん言(げん)した泊悪が露見し
て殺されたことになっているのである。その様なことから宋の使者に対するもてなしがいいかげんなものになり、宋の使
者らは不快な感情を持って帰国したのではなかろうか。また
そのために宋の文帝が倭国へ使者を派遣したことも記録され
なかったのではなかろうか。
次に二十年の冬 高麗(こま)の王が大軍を以って百済を滅亡させた
と言う。二十年は４３４年であるが、この話は大嘘である。
更に二十一年の春三月に天皇は百済が高句麗のために滅ぼさ
れたと聞いて久麻那利(こむなり)の土地を汶洲王(もんすわう)に与えて百済の国を再
建させたことになっているのである。二十年に高句麗に滅ぼ
された百済王は蓋鹵王(かふろわう)であり、蓋鹵王が死去した年は４７５
>p571
年である。また二十一年春三月に汶洲王(もんすわう)を立てて百済王家を
再興したと言うのは４７６年のことである。そして武烈天皇
の二十一年は４３５年であるから汶洲王(もんすわう)を立てたのは武烈天
皇ではないのである。４７６年は顕宗(けんそう)天皇の治世であり、顕
宗天皇が汶洲王を立てて百済王家を再興したのである。
次に二十二年の春正月に白髪皇子(しらかのみこ)を皇太子に立てたことに
なっている。白髪皇子は武烈天皇と葛城韓媛(かづらきのからひめ)との間に生まれ
た皇子で、生まれた時から頭髪が白髪であったから白髪皇子(しらかのみこ)
と呼ばれたことになっているけれども大嘘である。白髪皇子(しらかのみこ)
は仁徳天皇の末子であり、武烈天皇の異母弟である水歯別皇(みづはわけのみ)
子(こ)のことである。武烈天皇は治世二十三年、享年七十四才で
４３７年に死去したのであり、その翌年に異母弟の水歯別皇(みづはわけのみ)
子(こ)が即位したのである。水歯別皇子は仁徳天皇の元年、３７
２年に生まれたのであるから４３８年に即位した時に六十七
才であり白髪の老人だったのである。それで白髪皇子(しらかのみこ)とか白(しら)
>p572
髪天皇(かのすめらみこと)と呼ばれたのである。しかし武烈天皇が宋書の倭王讃(わわうさん)
であり、水歯別皇子(みづはわけのみこ)が倭王讃の弟 倭王珍(わわうちん)であることを判らな
くするために瑞歯別皇子の名を変え、更に武烈天皇の皇子と
言うことにしてごまかしたのである。だから二十二年に白髪
皇子を皇太子に立てたと言うのは全くの大嘘なのである。
次に百済の文斤王(もんこんわう)が死去したと言うのも大嘘であり、昆支(こんき)
王の子の末多(また)王を百済へ帰らせて王としたと言うのも大嘘で
ある。またこの年に筑紫の阿致臣(あちのおみ)、馬飼臣(うまかひのおみ)らが船師(ふないくさ)を率いて
高麗を襲ったと言うのも大嘘である。更に天皇が七月に病気
になって床(とこ)についたと言うのは本当であるが、詔(みことのり)をして皇太子
に多くのことを託したと言うのは大嘘である。すでに述べた
様に白髪皇子は武烈天皇の皇子でもなく皇太子でもなかった
のである。武烈天皇の皇子は稚媛との間に生まれた星川稚宮(ほしかはわかみや)
皇子(のみこ)が一人丈だったのである。だから武烈天皇は当然 星川稚
宮皇子を皇太子に立て次の天皇にしようと考えていたのであ
>p573
る。しかし武烈天皇が死去した時 星川稚宮皇子はあまりにも
年が若過ぎたのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-13 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��569-8行〜p��573-2行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
安原 修(やすはら おさむ)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-14
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��573／p��529〜p��582）
>p573-3行〜
武烈天皇が吉備田狭臣(きびのたさのおみ)の長男 兄彦命(えひこのみこと)を殺して妃の稚媛(わかひめ)を奪
って自分の妃にしたのは治世七年、４２１年だったのであり
それから間もなく星川稚宮皇子が生まれていたとしても星川
稚宮皇子の誕生は八年、４２２年より早いことはないのであ
る。そして八年に生まれたとして武烈天皇が死去した４３７
年に星川稚宮皇子は十六才だったのである。天皇が死去した
時皇太子が十六才であっても、皇太子を支持し盛り立てて行
こうとして呉れる身内や忠臣、良臣が大勢いればよいのであ
る。しかし武烈天皇は同族である天皇家の人々の大部分を殺
して即位したのであり、天皇と血緣の濃い同族がいなかった
のである。その上武烈天皇はあまりにも残忍狂暴な性格であ
り罪のない大勢の人々を殺したのである。だから群臣達も武
烈天皇を恐れてはいても尊敬するとか親しむと言う気持ちを
>p574
持っていなかったのである。だから武烈天皇には忠臣、良臣
と言える人がいなかったのである。
更に武烈天皇 皇后 �嫁狼迷舅砂�(たぢまたちばなのおほいらつめ)にしてもまともな結婚を
したのではなく、皇后の娘婿を殺して無理矢理に奪って皇后
にした間柄であるから、皇后の生家の人々も心から武烈天皇
に親しむとか武烈天皇のために尽くそうと言う気になれるは
ずはなかったのである。また武烈天皇の最初の恋人であり妃
でもあったと思われる葛城(かづらき)の韓媛(からひめ)にしても武烈天皇のために
父母を殺され、親族であった板合黒彦皇子や八釣白彦皇子や
眉輪王を殺されていたのである。また韓媛の子であった栲幡(たくはた)
皇女(ひめみこ)が自殺したのも、皇太神宮の斎主でありながら男と通じ
て妊娠したと言う噂を立てられ、それを父の天皇から厳しく
追求せられたことを恐れて死を選んだものであろう。
更に稚媛にしても夫を殺されて無理に天皇の妃にせられた
のである。だから稚媛の生家、吉備窪屋臣(きびのくぼやのおみ)の人々にしても心
>p575
から武烈天皇や稚媛や星川稚宮皇子を支持する気にはなれな
いのが当然だったのである。更に吉備氏の人々にしても罪も
ない下道臣前津屋の一家を皆殺しにせられていたのであるか
ら吉備氏の人々で武烈天皇を心から支持しようと言う人もい
なかったはずである。武烈天皇の治世は正に独裁政治の恐怖
政治であり、天皇自身の力が強大である間は権力を振りかざ
して思うまゝ、したい方題のことが出来たけれども、天皇自
身の力が弱くなればもろくもくづれ去るものだったのである。
更に星川稚宮皇子は天皇が人妻を奪って妃にして生ませた
皇子と言う暗い運命を持って生まれて来ていたのであり、多
くの人々から祝福されて生まれて来た皇子ではなかったので
ある。だからいくら天皇の皇子、皇太子だと言って見ても、
世間の人々は罪人の子と言う様な気持ちでしか見ないことが
多かったと思われるのである。だから星川稚宮皇子が世間の
人々に祝福され、尊敬されて天皇になれる様な可能性は全く
>p576
なかったのである。
雄略紀には天皇の遺詔(いせう)と言うものがもっともらしく載せら
れている。しかし残忍狂暴で人の道に外れたことを平気でや
って来た武烈天皇がその様な遺詔をするはずがないのである。
雄略の遺詔と言うのは日本書紀を書く時にでっちあげたもの
であり全くの大嘘である。その中で皇太子白髪皇子を盛り立
てて呉れる様にと群臣に頼んでいることと、星川稚宮皇子は
非常に腹黒く邪悪な皇子であるから警戒せよと言う様なこと
を天皇が臣下の者に言ったことになっているけれども、武烈
天皇がそんなことを言う訳がないのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-14 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��573-3行〜p��576-10行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和 五 年（2023）十ニ月
證 明 (✡しょう めい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��573／p��529〜p��582）
>p573-3行〜
武烈天皇が吉備田狭臣(きびのたさのおみ)の長男 兄彦命(えひこのみこと)を殺して妃の稚媛(わかひめ)を奪
って自分の妃にしたのは治世七年、４２１年だったのであり
それから間もなく星川稚宮皇子が生まれていたとしても星川
稚宮皇子の誕生は八年、４２２年より早いことはないのであ
る。そして八年に生まれたとして武烈天皇が死去した４３７
年に星川稚宮皇子は十六才だったのである。天皇が死去した
時皇太子が十六才であっても、皇太子を支持し盛り立てて行
こうとして呉れる身内や忠臣、良臣が大勢いればよいのであ
る。しかし武烈天皇は同族である天皇家の人々の大部分を殺
して即位したのであり、天皇と血緣の濃い同族がいなかった
のである。その上武烈天皇はあまりにも残忍狂暴な性格であ
り罪のない大勢の人々を殺したのである。だから群臣達も武
烈天皇を恐れてはいても尊敬するとか親しむと言う気持ちを
>p574
持っていなかったのである。だから武烈天皇には忠臣、良臣
と言える人がいなかったのである。
更に武烈天皇 皇后 �嫁狼迷舅砂�(たぢまたちばなのおほいらつめ)にしてもまともな結婚を
したのではなく、皇后の娘婿を殺して無理矢理に奪って皇后
にした間柄であるから、皇后の生家の人々も心から武烈天皇
に親しむとか武烈天皇のために尽くそうと言う気になれるは
ずはなかったのである。また武烈天皇の最初の恋人であり妃
でもあったと思われる葛城(かづらき)の韓媛(からひめ)にしても武烈天皇のために
父母を殺され、親族であった板合黒彦皇子や八釣白彦皇子や
眉輪王を殺されていたのである。また韓媛の子であった栲幡(たくはた)
皇女(ひめみこ)が自殺したのも、皇太神宮の斎主でありながら男と通じ
て妊娠したと言う噂を立てられ、それを父の天皇から厳しく
追求せられたことを恐れて死を選んだものであろう。
更に稚媛にしても夫を殺されて無理に天皇の妃にせられた
のである。だから稚媛の生家、吉備窪屋臣(きびのくぼやのおみ)の人々にしても心
>p575
から武烈天皇や稚媛や星川稚宮皇子を支持する気にはなれな
いのが当然だったのである。更に吉備氏の人々にしても罪も
ない下道臣前津屋の一家を皆殺しにせられていたのであるか
ら吉備氏の人々で武烈天皇を心から支持しようと言う人もい
なかったはずである。武烈天皇の治世は正に独裁政治の恐怖
政治であり、天皇自身の力が強大である間は権力を振りかざ
して思うまゝ、したい方題のことが出来たけれども、天皇自
身の力が弱くなればもろくもくづれ去るものだったのである。
更に星川稚宮皇子は天皇が人妻を奪って妃にして生ませた
皇子と言う暗い運命を持って生まれて来ていたのであり、多
くの人々から祝福されて生まれて来た皇子ではなかったので
ある。だからいくら天皇の皇子、皇太子だと言って見ても、
世間の人々は罪人の子と言う様な気持ちでしか見ないことが
多かったと思われるのである。だから星川稚宮皇子が世間の
人々に祝福され、尊敬されて天皇になれる様な可能性は全く
>p576
なかったのである。
雄略紀には天皇の遺詔(いせう)と言うものがもっともらしく載せら
れている。しかし残忍狂暴で人の道に外れたことを平気でや
って来た武烈天皇がその様な遺詔をするはずがないのである。
雄略の遺詔と言うのは日本書紀を書く時にでっちあげたもの
であり全くの大嘘である。その中で皇太子白髪皇子を盛り立
てて呉れる様にと群臣に頼んでいることと、星川稚宮皇子は
非常に腹黒く邪悪な皇子であるから警戒せよと言う様なこと
を天皇が臣下の者に言ったことになっているけれども、武烈
天皇がそんなことを言う訳がないのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-14 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��573-3行〜p��576-10行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和 五 年（2023）十ニ月證 明 (✡しょう めい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-15
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��576／p��529〜p��582）
>p576-11行〜
武烈天皇の遺詔と言うものが本当にあったとすれば、まだ
幼い皇太子の星川稚宮皇子を群臣達が守って盛り立ててやっ
て呉れる様にと何度も繰り返して頼んでいると言う内容に違
いないのである。人の子を平気で残酷に殺した武烈天皇も、
自分の子丈は幸福な人生を送って呉れることを願っていたの
>p577
だと思うのである。しかしその様な我侭勝手なことは神が許
されないのである。｢親の因果が子に報い｣と言う言葉があ
る。武烈天皇の一代の暴虐は結局皇子の星川稚宮皇子の上に
報いとなって現れたのである。
星川稚宮皇子が腹黒く邪悪な人物であるから必ず皇太子を
害するであろうと言う様な遺詔は後世にでっちあげた大嘘で
あり、武烈天皇の皇太子は星川稚宮皇子しかいなかったので
ある。だから武烈天皇は死ぬる前に皇太子のことをくれぐれ
もよろしく頼むと群臣達に遺言したのである。しかし群臣達
の中に心から皇太子のために尽くそうと言う人は殆どいなか
ったはずである。それが武烈天皇の悪行に対する罪の報いだ
ったと言えるのである。星川稚宮皇子はまだ十六才だったの
であり、雄略紀に書いてある様な邪悪な皇子ではなかったの
である。しかし星川稚宮皇子自身は邪悪な人物ではなくても、
武烈天皇の一代の暴虐が星川稚宮皇子の即位を許さないこと
>p578
になったのである。
次に武烈天皇 皇后 �嫁狼迷舅砂�(たぢまたちばなのおほいらつめ)について述べて置きたいと
思う。�嫁狼迷舅砂�は神功天皇(じんぐうてんのう)の弟 大多牟坂王(おほたむさかのみこ)の孫で�嫁蝋�(たぢまくに)
造(のみやつこ)祖となった迦多遅王(かたぢのみこ)の娘として生まれたことはすでに述べ
た通りである。そして�嫁狼迷舅砂�は仁徳天皇 皇子 允恭天皇(いんぎょうてんのう)
大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)の妃となって中磯皇女(なかしのひめみこ)を生んだけれども夫
に早く死別したのであり、その後娘婿の大草香王(おほくさかのみこ)の家で娘夫
婦と同居生活を送っていたのである。しかるに安康天皇のた
めに娘婿の大草香王は殺され、娘の中磯皇女は無理矢理に安
康天皇の皇后にせられ、更に中磯皇女の連れ子の眉輪王が安
康天皇を殺したために眉輪王も殺され、中磯皇女もその後ど
うなったか全く判らないけれども殺された可能性もあり得る
のである。
そして但馬橘大郎女自身も武烈天皇のために無理矢理に皇
后にならされたのである。だから�嫁狼迷舅砂�は非常に悲し
>p579
く淋しい人生を送った女性であることは確かである。そして
�嫁狼迷舅砂�のことを幡梭皇后(はたびのきさき)と言うのは事実であるけれど
その本当の意味を知る人はいないのである。幡梭(はたび)と言うのは
幡日(はたび)と書くのが本当なのであり、幡日はもっと判り易く書け
ば旗日(はたび)であり、旗(はた)を立(た)てる日と言う意味である。現代では国
家の祝日、祭日を旗日(はたび)と言い、国旗を立てて祝うことになっ
ている訳である。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-15 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��576-11行〜p��579-7行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和 五 年（2023）十ニ月
證明 (✡しょうめい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（p��576／p��529〜p��582）
>p576-11行〜
武烈天皇の遺詔と言うものが本当にあったとすれば、まだ
幼い皇太子の星川稚宮皇子を群臣達が守って盛り立ててやっ
て呉れる様にと何度も繰り返して頼んでいると言う内容に違
いないのである。人の子を平気で残酷に殺した武烈天皇も、
自分の子丈は幸福な人生を送って呉れることを願っていたの
>p577
だと思うのである。しかしその様な我侭勝手なことは神が許
されないのである。｢親の因果が子に報い｣と言う言葉があ
る。武烈天皇の一代の暴虐は結局皇子の星川稚宮皇子の上に
報いとなって現れたのである。
星川稚宮皇子が腹黒く邪悪な人物であるから必ず皇太子を
害するであろうと言う様な遺詔は後世にでっちあげた大嘘で
あり、武烈天皇の皇太子は星川稚宮皇子しかいなかったので
ある。だから武烈天皇は死ぬる前に皇太子のことをくれぐれ
もよろしく頼むと群臣達に遺言したのである。しかし群臣達
の中に心から皇太子のために尽くそうと言う人は殆どいなか
ったはずである。それが武烈天皇の悪行に対する罪の報いだ
ったと言えるのである。星川稚宮皇子はまだ十六才だったの
であり、雄略紀に書いてある様な邪悪な皇子ではなかったの
である。しかし星川稚宮皇子自身は邪悪な人物ではなくても、
武烈天皇の一代の暴虐が星川稚宮皇子の即位を許さないこと
>p578
になったのである。
次に武烈天皇 皇后 �嫁狼迷舅砂�(たぢまたちばなのおほいらつめ)について述べて置きたいと
思う。�嫁狼迷舅砂�は神功天皇(じんぐうてんのう)の弟 大多牟坂王(おほたむさかのみこ)の孫で�嫁蝋�(たぢまくに)
造(のみやつこ)祖となった迦多遅王(かたぢのみこ)の娘として生まれたことはすでに述べ
た通りである。そして�嫁狼迷舅砂�は仁徳天皇 皇子 允恭天皇(いんぎょうてんのう)
大兄去来穂別皇子(おほえのいざほわけのみこ)の妃となって中磯皇女(なかしのひめみこ)を生んだけれども夫
に早く死別したのであり、その後娘婿の大草香王(おほくさかのみこ)の家で娘夫
婦と同居生活を送っていたのである。しかるに安康天皇のた
めに娘婿の大草香王は殺され、娘の中磯皇女は無理矢理に安
康天皇の皇后にせられ、更に中磯皇女の連れ子の眉輪王が安
康天皇を殺したために眉輪王も殺され、中磯皇女もその後ど
うなったか全く判らないけれども殺された可能性もあり得る
のである。
そして但馬橘大郎女自身も武烈天皇のために無理矢理に皇
后にならされたのである。だから�嫁狼迷舅砂�は非常に悲し
>p579
く淋しい人生を送った女性であることは確かである。そして
�嫁狼迷舅砂�のことを幡梭皇后(はたびのきさき)と言うのは事実であるけれど
その本当の意味を知る人はいないのである。幡梭(はたび)と言うのは
幡日(はたび)と書くのが本当なのであり、幡日はもっと判り易く書け
ば旗日(はたび)であり、旗(はた)を立(た)てる日と言う意味である。現代では国
家の祝日、祭日を旗日(はたび)と言い、国旗を立てて祝うことになっ
ている訳である。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-15 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 p��576-11行〜p��579-7行》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和 五 年（2023）十ニ月證明 (✡しょうめい)
『日本の歴史と最後の審判』〈25〉-16(章終)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（��p579／��p529〜��p582）
>p579-8行〜
昔も旗やのぼりを立てる日のことを幡日(はたび)と言っていたので
ある。しかし昔の幡日は今の幡日とは意味が違っていたので
ある。昔は葬式の時に多くの旗やのぼりを立てていたのであ
る。そして毎年故人の命日(めいにち)が訪れると沢山の旗やのぼりを
立てていたのである。それは家の周りに旗やのぼりを立てた
り、墓参りする時に皆で旗やのぼりを持って参ったり、墓
の周りにその旗を立てたりしていたものであろう。だから旗
日と言えば故人の命日で旗やのぼりを立てる日だから旗日(はたび)と
>p580
言っていたのである。しかし旗日と言うものはどの家庭でも
一年の間にしばしば訪づれて来る訳ではなかったのである。
ところが武烈天皇 皇后 �嫁狼迷舅砂�にとっては一年中が誰
かの命日で、年中沢山の旗やのぼりを立てて霊祭をしたり墓
参りをしたりしていたのである。つまり一年の大部分が誰か
の命日で旗やのぼりを立てる日だから幡日(はたび)の皇后と呼ばれて
いたのであり、幡日の皇后とは判り易く言えば命日(めいにち)の皇后(きさき)と
言う有難くない、淋しい呼名だったのである。それは�嫁狼�
大郎女の夫 武烈天皇は多くの同族を殺し、多くの罪のない人
々を殺した殺し屋の天皇であり、故人の怨みも受け、遺族の
人々からも怨まれていたのである。また�嫁狼迷舅砂�自身も
夫の武烈天皇のために身内の人を殺された被害者でもあった
のである。
それで�嫁狼迷舅砂�は夫に殺された多くの人々の霊に詫(わ)び
たり、霊をなぐさめたりするために、殺された人の命日が来
>p581
ると旗やのぼりを立てて霊祭をしていたのである。しかし武
烈天皇は人を殺すのが仕事か生甲斐かと思われる位平気で多
くの人を殺した天皇であるから一年中殺された人の命日がめ
ぐって来る訳であり、そのために一年中旗やのぼりを立てて
霊祭をしていたのである。だから皇后 �嫁狼迷舅砂�にとって
は一年中が誰かの命日で旗日であったから、世間の人々が幡(はた)
日(び)の皇后(きさき)と呼んでいたのである。それを字を変えて幡梭皇后(はたびのきさき)
として本当の意味が判らない様にして諡(おくりな)としたのである。だ
から若い頃に幡梭皇女(はたびのひめみこ)と呼ばれていたのではないのであり、
幡梭皇后(はたびのきさき)と言うのは本当であるが、幡梭皇女(はたびのひめみこ)と言うのは後世
にでっちあげられた大嘘の名前であり本名は橘媛(たちばなひめ)なのである。
幡梭皇后はその様な悲しい人生を送った不幸な女性だったの
である。
さて仁徳天皇 皇子 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子の治世は４１
５年から４３７年迄の二十三年だったのであるが、日本書紀
>p582
では二十三年に百済(くだら)の文斤王(もんこんおう)
が死去したことにしているので
ある。文斤王の死去した年は４７９年である。それで武烈天
皇の治世は４５７年から４７９年迄の二十三年と思う人も出
来る訳である。しかし二十年に百済の蓋鹵王(かふろわう)が死去したと考
えると二十年は４７５年となるから二十三年は４７８年とな
るのであり、一年のくるいが生じて来るのである。それが判
らないことはないはずであるにもかゝわらず、敢えてそんな
矛盾したことを書いたのは理由がある。
それは４７８年は宋の順帝の昇明二年で倭王興が死去して
弟の倭王武が立って遣使した年となっているから
である。それで倭王讃である仁徳天皇 皇子 武烈天皇 小泊瀬稚鷦
鷯皇子を倭王武と思い違いさせる目的で仁賢(にんけん)天皇 皇子 雄略天(ゆうりゃくてん)
皇(のう) 大泊瀬幼武皇子(おほはつせのわかたけるのみこ)と名を取り変え、治世年代をずらして大嘘
の歴史や系図をでっちあげてごまかしたのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-16(章終) 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 ��p579-8行〜��p582-15行(章終)》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：令和 五 年（2023）十ニ月
證明 (✡しょうめい)
✡ 執筆：平成 七 年（1995）安原 修
第二十五章 武烈天皇(ぶれつてんのう)小泊瀬稚鷦鷯皇子
（��p579／��p529〜��p582）
>p579-8行〜
昔も旗やのぼりを立てる日のことを幡日(はたび)と言っていたので
ある。しかし昔の幡日は今の幡日とは意味が違っていたので
ある。昔は葬式の時に多くの旗やのぼりを立てていたのであ
る。そして毎年故人の命日(めいにち)が訪れると沢山の旗やのぼりを
立てていたのである。それは家の周りに旗やのぼりを立てた
り、墓参りする時に皆で旗やのぼりを持って参ったり、墓
の周りにその旗を立てたりしていたものであろう。だから旗
日と言えば故人の命日で旗やのぼりを立てる日だから旗日(はたび)と
>p580
言っていたのである。しかし旗日と言うものはどの家庭でも
一年の間にしばしば訪づれて来る訳ではなかったのである。
ところが武烈天皇 皇后 �嫁狼迷舅砂�にとっては一年中が誰
かの命日で、年中沢山の旗やのぼりを立てて霊祭をしたり墓
参りをしたりしていたのである。つまり一年の大部分が誰か
の命日で旗やのぼりを立てる日だから幡日(はたび)の皇后と呼ばれて
いたのであり、幡日の皇后とは判り易く言えば命日(めいにち)の皇后(きさき)と
言う有難くない、淋しい呼名だったのである。それは�嫁狼�
大郎女の夫 武烈天皇は多くの同族を殺し、多くの罪のない人
々を殺した殺し屋の天皇であり、故人の怨みも受け、遺族の
人々からも怨まれていたのである。また�嫁狼迷舅砂�自身も
夫の武烈天皇のために身内の人を殺された被害者でもあった
のである。
それで�嫁狼迷舅砂�は夫に殺された多くの人々の霊に詫(わ)び
たり、霊をなぐさめたりするために、殺された人の命日が来
>p581
ると旗やのぼりを立てて霊祭をしていたのである。しかし武
烈天皇は人を殺すのが仕事か生甲斐かと思われる位平気で多
くの人を殺した天皇であるから一年中殺された人の命日がめ
ぐって来る訳であり、そのために一年中旗やのぼりを立てて
霊祭をしていたのである。だから皇后 �嫁狼迷舅砂�にとって
は一年中が誰かの命日で旗日であったから、世間の人々が幡(はた)
日(び)の皇后(きさき)と呼んでいたのである。それを字を変えて幡梭皇后(はたびのきさき)
として本当の意味が判らない様にして諡(おくりな)としたのである。だ
から若い頃に幡梭皇女(はたびのひめみこ)と呼ばれていたのではないのであり、
幡梭皇后(はたびのきさき)と言うのは本当であるが、幡梭皇女(はたびのひめみこ)と言うのは後世
にでっちあげられた大嘘の名前であり本名は橘媛(たちばなひめ)なのである。
幡梭皇后はその様な悲しい人生を送った不幸な女性だったの
である。
さて仁徳天皇 皇子 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子の治世は４１
５年から４３７年迄の二十三年だったのであるが、日本書紀
>p582
では二十三年に百済(くだら)の文斤王(もんこんおう)
が死去したことにしているので
ある。文斤王の死去した年は４７９年である。それで武烈天
皇の治世は４５７年から４７９年迄の二十三年と思う人も出
来る訳である。しかし二十年に百済の蓋鹵王(かふろわう)が死去したと考
えると二十年は４７５年となるから二十三年は４７８年とな
るのであり、一年のくるいが生じて来るのである。それが判
らないことはないはずであるにもかゝわらず、敢えてそんな
矛盾したことを書いたのは理由がある。
それは４７８年は宋の順帝の昇明二年で倭王興が死去して
弟の倭王武が立って遣使した年となっているから
である。それで倭王讃である仁徳天皇 皇子 武烈天皇 小泊瀬稚鷦
鷯皇子を倭王武と思い違いさせる目的で仁賢(にんけん)天皇 皇子 雄略天(ゆうりゃくてん)
皇(のう) 大泊瀬幼武皇子(おほはつせのわかたけるのみこ)と名を取り変え、治世年代をずらして大嘘
の歴史や系図をでっちあげてごまかしたのである。
《日本の歴史と最後の審判〈25〉-16(章終) 第二十五章 武烈天皇 小泊瀬稚鷦鷯皇子 ��p579-8行〜��p582-15行(章終)》
✡ 執筆：平成 七 年（1995）
五 瀬 命 正 統
国常立尊分霊.. 安原 修(やすはら おさむ)
✡ 記：
令和 五 年（2023）十ニ月證明 (✡しょうめい)- mixiユーザー
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