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台湾産鰻(うなぎ)コミュの里帰りウナギ・・・誤解を解きたい

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        (イラスト:小林商事・・・ただし中国産鰻をイメージしていますね)

 「里帰りウナギ」をネガティブにとらえるのではなく、日本国内の養饅業に限界がある分を台湾(中国ではない)でクロコ段階から活きウナギにまで育てて頂いて、「台湾産ウナギ」として正規に輸入・販売する方向で認めるようになって欲しいものです。


■里帰りウナギ■      (時代を読む新語辞典)
 http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/abc/newword/080729_60th/

2008年7月29日
(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

 土用の丑に当たる7月24日、全国各地のスーパーは、蒲焼きの販売で国産重視の戦略をとった。これは相次ぐ産地偽装問題で、海外産ウナギに対する不信感が高まったことが背景にある。このような不信感を象徴する言葉が「里帰りウナギ」だ。国産の幼魚を海外で育成して逆輸入するこの手法。実は合法的な国産表示が可能であることから、業界の中で横行していた手法だという。日本人の国産志向が、ウナギのいびつな販売方法を生み出したとも言える。

 話の前提として、養鰻(ようまん:ウナギの養殖)の概略を記しておきたい。

 養鰻は、まず稚魚であるシラスウナギを捕まえるところから始める。現状、卵からの養殖技術は商業化されていない。外洋で孵化したウナギは、シラスウナギ(重さ0.2グラム程度)に成長したところで東アジアの沿岸に到達。養鰻業者はそれを捕獲して成魚の段階(重さ200〜300グラム程度)まで育てる。

 現在国内で流通するウナギの8割弱は外国産の養殖物だ。去年(2007年)の例で見よう。国内流通量は約10万3000トン。99%以上は養殖物だ。そしてこのうち62%を中国が、22%を日本が、そして15%を台湾が生産している(参考:財務省貿易統計など)。他の食品の例に漏れず、ウナギの自給率は低い。

 輸入の歴史は案外古い。特に台湾からの輸入は20年以上も続いている。また1980年代後半からは、経済成長の著しい中国も存在感を増した。2000年ごろには両方からの輸入量が13万トンを超えたこともある。台湾や中国では、土地代・人件費・燃料費・餌代などが安いため、市場優位性が高い。結果として安価なウナギが市場に出回ることになり、日本ではウナギが高級食から一般食へと変化した。

 だが日本人の間には、ウナギに対する国産志向が根強く残っている。一説には、実際の国産供給量が約2万トンであるのに対し、潜在的な国産需要量は約4万トンとの分析もある。ここに需給のギャップが存在している。このギャップの背景には、地域ブランドへの信頼感や、外国産ウナギの品質に対する不信感などがある。

 特に外国産ウナギから農薬や合成抗菌剤が発見された問題は、日本の消費者に大きな不信感を抱かせた。例えば2005年には中国産養殖ウナギの加工品から、微量のマラカイトグリーン(合成抗菌剤)が検出された。これは殺菌薬の一種。発ガン性が「指摘」されているため、日中を含む各国で養殖魚への使用を禁じている(注:ただし発ガン性は未証明。微量ならば健康被害はないと考えられている)。日本は中国産ウナギに対する検査態勢を強化したが、これ以降も、同様の不祥事が起きた。

 日本人の外国産忌避の傾向は、中国・台湾産ウナギの輸入量を減少させている。実際、2000年に13万トン超あった輸入量は徐々に減少して、2007年には8万トンにまで落ちこんでいる。

 そこで広がった手法が「里帰りウナギ」だ。まず国内業者は稚魚であるシラスウナギを、幼魚であるクロコの段階まで育てる。そしてそのクロコを海外に輸出する。海外業者から見ると、貴重で育てにくいシラスウナギを捕獲(購入)するよりも、クロコを輸入する方が安価かつ簡便に済む利点がある。そして海外業者はクロコを成魚まで育て上げ、活鰻(活きたウナギ)や加工品(蒲焼きなど)として日本に輸出する。そしてそれらを市場に流通させる際、国内産表記を用いるのだ。

 実は、里帰りウナギの国内産表記は違法ではない。JAS法が定める原産地とは「育成期間が最も長かった場所」となるからだ。従って外国滞在期間が国内よりも1日でも短いウナギは、「国産」を名乗れることになる。これは消費者感覚として違和感を覚えるが、現状では合法だ。

 むしろ里帰りウナギの手法で問題となるのは「混入」だ。海外の養殖場で海外産のウナギが混入する可能性があるためだ。業者間ではトラブルを防ぐ目的で産地証明書をやり取りしているのだが、その証明書自体が偽造である可能性もある。もし里帰りウナギに海外産ウナギが混入している場合、国内産表記は「偽装」だということになる。もちろんこれはJAS法に違反する行為だ。

 問題が明らかになったきっかけは、一色うなぎ漁業組合による不祥事だった。同組合は台湾から里帰りウナギ72トンを逆輸入。その際、外国産ウナギの混入に「気付かないまま」一色産として販売してしまった。報道によれば、育成先へ渡った18万匹のクロコが、逆輸入時には26万匹のウナギに化けていたという(参考:毎日新聞2007年7月19日)。

 これを受け農林水産省は6月18日に、関連団体と都道府県に対して「原産地表記を適正化するよう」求める文書を出している。また自民党からはJAS法の改正などを検討する動きも出てきた。そして日本鰻輸入協会では、里帰りウナギを「輸入」扱いとすることを決定。さらに一色うなぎ漁業組合では、里帰りウナギを取り扱わないことを決めている。

 一方、台湾の養鰻業界はこれを好機と捉えている。国内産として流通していたウナギの一部が、実は台湾産であることが明らかになったためだ。国内の養鰻関係者の間には、各地域におけるウナギの味に大きな差がないと見ている人もいる。今月18日には、台湾の養鰻業者が東京で記者会見を実施。台湾産ウナギの安全性を訴えた。

 実は今回紹介した里帰り問題以外にも、養鰻業界が直面する課題は多い。例えば今年は水産物輸入販売会社「魚秀」などによる、ウナギ産地の偽装事件も明らかになった。またEU(欧州連合)と台湾は、資源保護を目的として、幼魚であるシラスウナギの輸出規制も始めた。これは日本の養鰻業界に間接的・直接的な影響を与える。このような状況が続くと、輸入ウナギの激減、国産ウナギの高騰、消費者のウナギ離れという結果も招きかねない。

 そもそもこのような問題の根源にあるのは、日本人がウナギに対して抱いている国産志向だろう。「国内産だから品質が良い」「海外産だから品質が悪い」などと単純に考えるのではなく、ウナギやブランドの品質を是々非々で判断するのが本来的な姿だろう。養鰻業界に求められているのは、その判断を消費者に委ねるための環境作りではないだろうか?

もり・ひろし
 新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中

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