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♪チワワの会♪コミュのセルが帰って来た日

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       ∵∴∴☆ 1/27(金)pm22:00頃セル行方不明になる
      ※∵☆☆★☆∵※
      *∵☆★☆*☆*☆★☆∴*   2/6(月)pm21:50
    ※∴★☆*。。|。。*☆★∴※   言問橋西詰付近にある
   *.∴☆☆。。。。|。。。。☆☆∴ *   某コンビニエンスストア
  *∴☆★。\。☆☆★☆☆。/。★☆∴  アルバイト店員男性より
.. ※☆*。。★。。|。。★。。*☆※  *  セルを受け取った
∴★☆。。☆☆。。 ★☆∴
∴☆*。☆ ☆∴ *     1/30(月) 隅田公園内
※☆★★★★☆※    セルは野良犬と行動を共にしていた模様
∵☆*。。☆☆。。*☆∵  アルバイト出勤前の男性店員
∵★☆。。☆☆。。★☆∵    の足元に飛びつき 一時保護された
※☆☆*。。★★。。*☆☆※ *   「憔悴しきっていたため
 ∵★☆。/。☆☆★☆☆。\。★☆∵  自分の住んでいる荒川区の  
    ∵☆☆。。。。|。。。。☆☆∵   病院へ連れて行った」と
    ※∵★☆*。。|。*☆★∵※   その男性店員は言っていた
    *...☆∵★☆☆*☆*☆☆★∵☆  
         ※∴∵☆★☆∵∴※     


そのアルバイト男性はpm22:00から翌朝まで深夜アルバイト勤務をしている学生。
住まいは荒川区。
彼の住んでいる地域には、ビラや情報が届いていなかった様子だった。
セルを保護してから一週間、彼はセルに安全な寝床と、愛犬元気という名称の缶ドックフードを与え続けてくれていた。
セルはお腹が空き過ぎていた反動で、きっと食べ放題食べて続けていたのだろう。MIKIYOのもとに帰って来た時には、800gだったセルはちょうど1kgになっていた。






2/6(月) 
前日まで、鳥越神社でセルに似た犬を見たとの情報に翻弄され、セル捜索隊は、鳥越神社周辺でビラ配りをしていた。しかし、それ以降情報すら入って来なくなってしまったので、この日は墨田区側と隅田公園付近をビラ配りしてみようと思い、言問橋近辺の掲示板に迷子広告のビラを貼っていた。


pm15:12
携帯電話が鳴った。
「まだ犬を探していますか?実は、私の知り合いの方が言問橋付近で犬を保護したのですが・・・。」
その内容を聞いて、詳しい事情を訪ねようとすると、
「私の知り合いの女性の友達が保護したので、その女性に連絡を取ってみます。」
と返答され、すぐに電話が切れてしまった。
信憑性のない情報なので、少しがっかりしたが、その約2時間後、もう一度同じ女性からの電話があった。


pm17:03
「言問橋付近でお店をしている方が保護したのですが、お店では飼えないので、そこの従業員の方が自宅で保護している。」
今度はそんなような内容の話だった。
「足は白いんだけど、迷子ポスターの犬と体の色が違うのよね。」
「吠えないし、ぺろぺろなめてくるのよね。」
(!!!!!)

その女性は犬の特徴について簡単に述べた。
この時点でほぼ間違いないと思って確信はしたのだが、念のため、確認できるか聞いてみた。
受話器の向こうで少し渋っている感じがしたのが気になった。
「いいですよ。でも住まいが遠いので、これから連絡を取って携帯に写真を送ってもらいます。」
女性はそう言葉を続けると、またすぐ、電話を切ってしまった。

しばらく経ってから再度電話が鳴った。
「携帯電話を見たら、私も写真ありました。」
と、先ほどの女性が、新たな発言をして来た。
その話し方は少ししらじらしい感じにも思えたが、あまり気にしないようした。
とにかくすぐに住所を教えてもらって、その場所へ向かおうと思った。

その場所は、言問橋付近にあるコンビニエンスストアだった。コンビニエンスストアにたどり着くと、電話の主と思われる女性が出て来た。おそらく、年齢50歳は過ぎているであろう。結構年配の女性だなと思った。
互いに軽くあいさつを済ました後、写真の話となった。
年配女性は携帯電話を取り出して、写真画像データを呼び出した。
「これです。」
急いで画像を確認をすると、そこには小さく丸まって眠っているセルの姿が写っていた。

セルだ!!! セルだ!!! 
間違いなくセルだ!!!!!

そのまま続けて、この年配女性に詳しい事情を聞いてみようとすると、彼女はなぜだかまわりくどい言い方で、核心を避けるような話し方になった。電話をかけて来た張本人でもある彼女は、もしかしたら、ここのコンビニエンスストアのオーナーを務めているのかも知れなかった。
結局、セルを保護したのは自分の店のアルバイト従業員の男の子だったのだ。

すかさず、最初に電話で話していた内容をもう一度思い出し、回想してみた。
「私の知り合いの女性の友達が保護したので、その女性に連絡を取ってみます。」
彼女は確かにそう言っていた。それなのにちょっと話が違う。
(間に入っている女性はどこ???その女性は誰???)
思わず突っ込んで聞いてみたい衝動にも狩られたが、言った事を取り直してもらったところでこちらに何のメリットもない。
(まぁ、いいか。)
話はどうあれ、細かいことなんてこの際どうでもいい。
敢て聞かないでおこう・・・。
今はセルの安否の方が重要だった。

「イチゴちゃんって名前を付けたんです。今うちのアルバイトの男の子が保護しています。その男の子は夜間のバイトの子なので、今日の夜10時に来ます。その時に連れて来てもらいます。」

セルを迎える準備をして、再度、出直して来ますと先方に告げた。
おそらくそのアルバイトの男性はpm22:00から仕事開始になってしまうだろう。10分前にもう一度この場所に到着するようにして家を出ようと思った。
今はまだセルに会うべきではない。取り合えず気持ちを落ち着かせるためにも、この場は一旦、家に帰る必要があるのだと自分に言い聞かせた。
セルがいなくなってからの10日間を振り返る時間を、神様が与えてくれたに違いない。そう思った。


pm17:58
自転車を飛ばして帰り道を急いだ。
会社帰りのサラリーマンやOLたちが、続々と浅草駅周辺にあふれ出ていた。駅前の一角に立つ全て居酒屋が入った8階立てビルに、男女数名が団体で消えて行った。それを横目に見ながら交差点の横断歩道を渡った。

自転車のペダルを踏む動作をするたびに、スノーボードウエアが、しゃかしゃかと音を立て鳴った。まさか一週間もこの服装で浅草界隈をウロウロするとは思わなかった。滑稽な姿ではあったが、恥ずかしさなどは微塵もなかった。
今夜はかなり冷え込み、夜半から霙まじりの雪になるらしかった。
このスノーボードウエアには大変お世話になった。
感謝の気持ちを込めて、セルを迎えに行くときにもう一度着よう。それを最後にして、当分の間、またクローゼットの中にしまおうと思った。


pm18:09
自宅に帰ると狂ったように掃除がしたくなった。
セルがいなくなった日から、家全体の時が止まったままだった。
クイックルワイパーを片手に、全ての部屋を回った。トイレも風呂場も玄関も、片っ端から磨きたくなった。セルの居場所だったゲージの扉を開けて、床の部分を隅々まで、掃除用のウェットシートで丹念に拭いた。
次に、クレート用に設置していたドーム型の籐カゴを、ゲージの中から取り出した。
籐カゴの中にはクッションが2つ入っている。青×白、黄×白のギンガムチェック柄が表裏、縫い合わさっているクッションで、1つは底辺に埋まっていて、もう一つは犬が寄り掛かかれるように考慮して作ってあるものだった。
これは、セルが家に来る3日前に、待ちきれなくなってお台場のビーナスフォートというところに行って、そこに入っている「ペットシティー」という店で見つけて購入したものだった。夏の暑い日、セルがまだ両手の中に収まってしまいそうなくらい小さかったときのことを思い出した。
2つのクッションをつかんで取り出した後、ゲージの隣りにある窓を勢いよく開け放った。そして、クッション同士を重ね合わせるようにして、パンパンと外に向かって叩いた。

セルが使っていたおもちゃなどは、掃除のために一旦ゲージから取り出したが、いなくなった時のままの配置で、もう一度ゲージの中に収めた。匂いなどから早くここにいた時の記憶を思い出してもらいたいと思ったからだった。

セルが帰って来る!セルが帰って来る!
心が逸ると同時に、止まっていた時間が動き出そうとしているのを感じた。


pm21:35
身支度を整え、家を出て、一部のセル捜索隊の仲間と合流した。
言問橋西詰の袂にあるこのコンビニエンスストアには
歩いて15分もあれば余裕で着いてしまう。
早足で歩いていたせいか、肩越しに少し風を感じた。
右肩にはいつもセルを入れて持ち歩いていたお散歩用キャリーバックをかけている。中型犬用としても十分使えるキャリーを購入して使っていたので、サイズは結構大きい。
中身は、犬用携帯トイレ、水を入れた犬用ペットボトル、セル1人分がちょうど入る程度の小さい布のバック、タオル、リード、首輪、洋服、色々な種類の犬用のおやつやドックフードを小分けにしたものを入れた小さなタッパーが3つ。そして犬をトレーニングするときに使うクリッカー。これは音を出して犬に合図を送るもの。

全ていつも常備していたおなじみの所持品。
それなのに、何だか一つ一つがとても懐かしく感じた。
つい10日前までの出来事が、一瞬遠い昔のことのようにも思えた。ぼんやりと、今まで長い夢を見ていたような不思議な感覚になった。


pm21:50
コンビニエンスストアに到着すると、セル捜索隊一行はバックルームと呼ばれている従業員専用の休憩室の方に案内された。
一斉に心の準備を整えた。
「犬はこっちの奥の方にいますよ。」
バックルームの入り口手前にある扉を、年配女性が開けてくれた。
半開きになっている内扉が中にもう一枚あったが、そこから先へは入らず、手前で足を止めた。
「飼い主さん来たわよ。」
年配女性の声とぼぼ同時に、内扉が大きく開いた。

顔をのぞかせると、くるくると元気に跳びはねて回るセルがチラと見えた!
セルを保護してくれていたアルバイト店員の男性が、間髪入れずに扉のこちら側にセルを誘導させた。

「セル!セル!!!!!!セルセルセル〜!!!!!」
甲高いMIKIYOの呼びかけの声に、一瞬、セルはびっくりしたみたいだった。
セルはすぐにこちらに気付いた。MIKIYOとセルの目が合った。

「!!セルセル〜〜〜〜〜!!!」
MIKIYOはセルの名前を何度も連呼していた。連呼せずにはいられなかった。セルはMIKIYOに見つめられたまま、一時、体の動きを止めた。その後すぐに腰を低く落とし、反省の眼差しを送るかのようにしてこちらを見上げた。

(セル・・・。怒ってなんかいないよ・・・。)
逃げたことを叱られると思っているのか、困惑させた表情をつくり、セルは次に小さく背中を丸めた。

(もう叱らないから大丈夫だってば・・・。)
MIKIYOは心の中でそう呟き、そっとセルを床から掬い取って胸に抱きかかえた。

「ごめんね。ごめんね。ごめんね・・・。」
MIKIYOは優しくセルを抱きしめた。
セルはMIKIYO腕の中で、耳を後ろに倒してご主人様に甘える仕草を見せた。お互いに少し気持ちが通じた気がした。
「愛してるよ。セル・・・。」

http://o.pic.to/4wm4j
●~* ●〜〜* ●〜* )) ●〜

アルバイト店員の男性から、保護したのは1/30(月)だと聞いた。サバイバルだった3日間、セルは何も食べていなかったらしく、動物病院に連れて行ったときには、栄養失調になっていたため、獣医から栄養剤の点滴を受けたらしかった。当日はご飯もあまり食べなかったらしいが、その後はそれ以上に食べ続けたみたいだった。
抱き上げたセルは今までと較べてずっしりと重く感じた。見た目もどことなく大きく育ったように見た。
(これはあとから分かったことだが、800gだった体重が200g増えて、ちょうど1kgになっていたのだ。)

「警察に届けると保健所に連れて行かれて処分されてしまうと思ったんです。その方が犬が可愛そうだと思ったんです。だから自分が飼おうと思ったんです。」
こちらからは何も聞かなかったのに、アルバイト男性の彼は自らそんな話しを始めた。

一通り話を聞いた後、彼にたくさんお礼を言った。
広告に掲載した通り、保護してくれていた謝礼にと10万円を差し出した。
彼は一瞬、うろたえたそぶりを見せたが、その後ちらっとオーナーらしき年配女性の方を見た。すぐに、年配女性が、
「じゃ、コンビニ全体で戴いておきましょう。あの日みんなで世話をしたんだから。」
と言った。
みんなで?世話???
年配女性の発言がまた気にかかったが、そんなことはもうどうでも良かった。
セルが帰って来たからそれで良かった。


「もういらないんで。これ、持って行って下さい。おトイレが完璧だったので助かりました。」
と、言いながら、彼が100枚入りお徳用サイズのペットシーツを袋ごと、こちらに手渡して来た。続けて愛犬元気と書いてある缶フードも手渡された。
ペットシーツは数枚だけ使ってあったが、ほとんど残っていた。缶フードの方も少し減っているだけで、まだぎっしりと中身が詰まっていた。
セルを左腕にかかえ直し、ペットシーツと缶フードを右手で受け取った。

「あ、あとこれも・・・。うちにあってもしょうがないし、結構気に入ってくれてたみたいなんで・・・。」
そう言って、彼は赤と緑のワンポイント模様が入った小さなメッシュのカゴもこちらに差し出して来た。
中にはディズニーキャラクターの顔がプリントされている、紺色の小サイズの毛布が入っていた。
そのとき、彼の手がほとんど気付かない程度ではあったが、小刻みに震えていることに気付いた。本当はセルを返したくないのだという感情が微妙に読み取れた。

一週間は短いようだが、相手に対して愛情や親しみを覚えるようになるには十分すぎる時間とも言えた。動物であれ、人間であれその気持ちは同じ。情が移ってしまったのだなと思った。
でもセルはもう元の飼い主のもとに帰らなければならなかった。
セルもそう願っていたから、ここにMIKIYOが迎えに来ているのだ。
もはやセルは迷子犬ではなかった。
MIKIYOの胸の中に抱かれ、しっかりと愛情を受け取っていた。

「ごめんね。ごめんね。ごめんね・・・セル・・・ごめんね・・・。」
何度も何度も心からセルに語りかけているMIKIYOの姿を、その場にいたコンビニエンスストアの従業員や、セル捜索隊のメンバーたちが見守ってくれていた。

年配女性の目が一瞬、潤んだ。

やがて安心しきった様子でセルが目を閉じた。
セル捜索隊は共に忘れられない夜を過ごした。セルを抱きかかえたMIKIYOに続いて、一行はコンビニエンスストアを後にした。
自動ドアの外に出ると、霙まじりの雪が顔にかかった。
両手がふさがっているため、傘が持てない。それに気付いたセル捜索隊の一人が、スノーボードウエアに付いていたフードをそっとMIKIYOの頭に被せてくれた。
ありがとう・・・。
セルのおかげで、人の優しさに触れることができた。愛というものによって、こんなにも人の心は温まるのだと知った。
霙が雪に変わろうとしていた。冷たく白い塊が、頭に被せてもらったフードにぶつかり、次々に溶けて行った。

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