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リサ・フィッティパルディコミュのtrue story

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盲目の画家 リサ・フィッティパルディ


 アメリカ・テキサス州オースティンのギャラリー「ソーコ」では、ある女性画家の絵が大変人気で高値で売買されている。画廊の社長ジェイソン・シーゲル氏は、彼女の絵は見た誰もが感動し、彼女について知りたがるという。
 そんな絵を描く女性の名はリサ・フィッティパルディ。彼女はなんと盲目なのだ。
 1993年3月。公認会計士として働くリサ(当時44歳)の毎日は充実していた。夫のアル(海軍勤務・46歳)は優しく、結婚20年目の家庭は円満だった。だが、異変はある日突然おこった。リサは車の運転中に突然目の前が真っ暗になり、危うく事故を起こすところだった。
 始めは疲労かと思っていたのだが、次第に正常に物を見分けられなくなり、数週間後に脈管炎と診断される。血液の循環が悪くなり組織に栄養が行かなくなり、障害が生じるという難病だった。
 そして半年後にはついに失明し、リサは明暗をわずかに感じるのみで夫の力を借りなければ何もできなくなっていた。
 彼女はどうして自分がこんな目に遭わなくてはならないのか、悲しくて腹立たしく打ちひしがれた。手助けしてくれる夫に感謝を表すこともできなかった。ひどく落ち込み殻に閉じこもってしまったリサ。仲の良かった二人に亀裂が生じ始めていた。
 やがて海軍に勤めるアルにカリフォルニアへの転勤命令が出たが、リサは夫に付き添わず、州の派遣するヘルパーの介護を受けるために別居生活が始まった。
 それから半年後、アルがジョギング中に倒れ心臓疾患のために緊急手術を受けるという連絡をリサは受けた。リサはショックにようやく目が覚めた。
 すぐにアルのもとに駆けつけると今まで意地を張っていたことを謝り、死なないでと涙を流した。
 アルは、これからも君の目になるからとリサに答えた。幸い手術は無事に成功し一命を取り留めたが、二人を新たな試練が待っていた。アルに後遺症が残ってしまい、頻繁に発作が起こり記憶や言語障害、情緒不安定に苦しむようになった。疲れ果てたリサはふさぎ込むようになり、二人の絆は再び揺らいだ。
 二人とも職を失い生活も苦しく、リサはついにベッドから出られなくなってしまった。その後、アルは回復したがリサはうつ状態のままだった。アルはある日リサに絵でも描いてみるように勧めてみた。目の見えないリサは「できるわけがない」と怒ったが、これはアルの賭けだった。負けず嫌いのリサが、うつから抜け出すきっかけになればと思ったからだ。
 リサが絵を描き始めると、驚く事にアルは彼女の絵に才能を感じた。そしてアルの勧めで2週間の講習会に参加することにしたリサ。本音はしばらく家を離れたかったのだ。
 だが、目が見えず絵を習ったことのないリサは講習会で途方に暮れていた。
 目の見えない彼女を秘かに中傷する生徒の声に、リサはついに悔しさから絵を書く決意をした。盲目の絶望を克服できるのなら、どんなことだってできると思った。
 絵を描く決意をしたものの、美術に関しての知識が全くなかったリサは、何百冊もの美術書をアルに朗読してもらった。さらに血のにじむ努力で絵を描く練習をした。何百回も丸や直線を繰り返し描いて感覚で覚えようとした。
 来る日も来る日も絵筆を握り、絵が上達してくると二人には再び絆が戻って来た。アルは、彼女の絵をもっと多くの人に見てもらおうと思い始めていた。
 1996年のある日、アルは品評会も兼ねて売買も行われるテキサス州の大きな野外芸術祭にリサの絵を出品した。するとそこでリサの絵を高値で買ってくれた人がいたのだ。初めて作品が売れたアルは確信し、プロに彼女の絵を売ってもらうことにした。
 やがてリサの絵がギャラリー「ソーコ」のシーゲル社長の目に止まり、彼女は奇跡の画家として全米に紹介されることになる。
 リサの絵は鮮やかで明るい色使いで、人の表情や動きが生き生きとしており、見る者は希望を見いだす。全ての絵はリサの記憶をもとに描かれている。
 リサはどのように絵を描いているのだろうか。鮮やかな色が彼女の絵の真骨頂だが、リサは絵の具に手で直に触れ、赤は糊のようで、黄色はクリームのよう、という感じで色の区別をしている。
 キャンバスのサイズは感覚の中にしみついており、まずは目安の座標を鉛筆で入れ、全体の構図の目印にする。完成イメージを強く思い描きながら描くのが大切だという。輪郭を書き入れ、線の感触を頼りに位置を確認しながらリサは絵を描いた。ポイントには直接指を使って絵の具を入れる。
 10年で培った経験で、いきなり描き込むこともあるという。目が見えなくては絵が描けないという世間の偏見や同情が、彼女のチャレンジ精神に火をつけたのだ。だが、度重なる絶望を乗り越えて、今希望に満ちた奇跡の作品を生み出す原動力になっているのは、支え合う夫婦の愛なのかもしれない。
 リサは、幸い上手いか下手か見えないので悩まずに描けると話す。描き上がった達成感こそが生きている証だ。
 二人は絵を描く傍らでペンション経営を始めた。接客や料理と二人で忙しく働いている。リサは、目が見えなくても今が一番幸せだという。アルの心の中も笑顔も、今が一番はっきり見えるからだという。互いを信じる心が、毎日を希望の色に染めているのだろう。

コメント(2)

初めまして!
凄く感動しました!!
彼女の絵にも気持ちにも。
僕も絵を描いていますが彼女には負けました。
上手い下手って言うのではなく、絵を描く理由というか使命、彼女の精神に負けました。僕もまだまだ努力が足りないと大変勉強になりました。夫婦愛は強いですね!
すばらしい画家を紹介していただきありがとうございます。
また顔だします☆
こんにちは。
先日テレビで彼女のことを知り、ここでも検索してみました。
絵を見た瞬間ものすごい衝撃と興奮が走りました。
できたらいつか部屋に彼女の絵を飾ってパワーを
もらいたいです。
ポストカードとかあったらいいなあと思います。

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