例えば、NASAのWebサイト「Ask an Astrobiologist(宇宙生物学者に質問しよう)」では、2012年終末説に関する質問が何千通も届いているという。「憂慮すべき相談も含まれている。本当に恐怖を感じている人がたくさんいるのだ」と、NASA宇宙生物学研究所(NAI)の上級研究員デイビッド・モリソン氏は話す。
1970年代にはハル・リンゼイが『今は亡き大いなる地球(The Late, Great Planet Earth)』を著し、アメリカでベストセラーとなった。この本には1980年代に世界の終わりが来ると予言されていたが、私たちもリンゼイ氏もいまだに生きている。同氏はそれ以来、自説の改訂を続けているようだ。
アベニ氏の『The End of Time: The Maya Mystery of 2012(歴史の終焉:2012年マヤ予言の謎)』をはじめとして、専門家たちはそれぞれの著作の中で、古代マヤ予言に大災害が示されていたという神話のウソを暴き、古代文化の事実に焦点を当てるよう試みている。「ある意味で、いまは良い機会だとも考えられる。人々が2012年終末説に脅えたままでは、古代マヤの驚くべき文化を学ぶ大きなチャンスを逃してしまう。古代マヤに注目が集まっているいまこそ、正確な事実を伝えるのが専門家の務めだ」。 <