座・一座（旧山﨑千惠子一座）コミュの代表のつぶやき　第16回(2017/10/ 3)　

山﨑千惠子一座代表宇野　肇
　
　
前回のつぶやきの続き…

今回のUNO-RESORTS 2017「靴が鳴る…」の脚本執筆中につらつら考えた事…
日本人は集まるのが好きな、または人が集まるイベントの多い民族だな、とつくづく思いました。

アメリカ人のように仲間や隣人を誘ってのホームパーティなどは苦手の部類なのか、あまり一般化しませんが、お正月、お盆には必ずと言ってよいほど家族親族が集まり、結婚式には披露宴があり、二次会、三次会があり、お葬式には精進落としでまたまた家族親族が集まり、子供は実家で産むことが常習化し、お宮参り、七五三の祝いなど人が集まるイベントが豊富に用意されています。

小学校の入学では必ずと言ってよいほどランドセル買いや学習机買いで祖父母が顔を出し、まったく違う視点で覗いても行列のできるお店に話題は事欠かず、行楽シーズンには誰でもが同じ所へお出かけする…とにかく人が集まる所へ集まるのが好きな、また機会が非常に多い民族だと思います。
カルチャーセンターや外国語をはじめとする様々な塾、学校のPTAなども集まり好きならでは組織だと思います。

本来寂しがり屋の民族性なのか、やはり島国根性が染みついていて、徒党を組まないと不安なのか…

日本人はよく無宗教だとか、無神論者などと言われますが、クリスマスやハロウィン、餅つき、初詣、お雛様や子供の日、それに夏祭り、秋祭りをはじめ、地蔵盆や他の各種お祭り…
そう考えるだけでも宗教に無節操という意味ではなく、宗教など鼻っから頭になく、とにかく人が集まるイベント、機会を大事にしようという意気込みさえ感じられるのです。
　
　
そう言えば人の発達過程におけるギャング・エイジ、幼子たちが秘密基地を作ったり、チャンバラや戦争ごっこで公共物を壊したり、犯罪につながるいたずらをしたり、お医者さんごっこをした記憶が私と同年代の方々にはお有りと思いますが、そのギャング・エイジたちの徒党が成長せず、そのまま暴走族やチンピラとなり、暴力団予備軍となるケースが欧米に比べ、非常に身近にあるような気がするのです。

要するに「群れたい」という欲望。
地域には青年会や自治会、消防団のような一見、社会に不可欠な、必要な組織だと思われるものも集まり好きの為せる業、と思ってしまいます。

「三丁目の夕日」の時代、東京でも大阪でも、また各地の下町では香港や上海などで見られるギャンブルとしての大道勝負ではなく、近くのお年寄りたちが将棋や碁に興じる姿が見られたのも日本ならでは、ではないでしょうか？
　
　
とにかく日本人は集まるのが好き、と言って政治的なデモや集会にはほとんど集まらない。要するに地域や隣近所、親族家族といった極く身近な人たちの集まりに異常に関心があるのではないか？　それが家族という一つの神話、癒しの場、憩いの場、安らぎの場と言ったものを育んできたのではないでしょうか？

「家族」は「幸せ」と同じく実態のない空虚な幻想にすぎない…多くの人がそう思っていながら、家族に多くの物を求める、家族の崩壊はすでに始まっているのです。