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洋楽名盤・新譜 レビューコミュの「ウー・ラ・ラ」フェイセズ 1973UK

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「Ooh La La」Faces 1973年UK
「ウー・ラ・ラ」フェイセズ

[A] 
1. Silicone Grown
2. Cindy Incidentally
3. Flags and Banners
4. My Fault
5. Borstal Boys
[B]
6. Fly in the Ointment
7. If I'm on the Late Side
8. Glad and Sorry
9. Just Another Honky
10. Ooh la La
 
Rod Stewart(Vocal)
Ronnie Wood(G,Vo)
Ronald Lane(B,Vo)
Ian Mclagan(Key,Piano)
Kenneth Jones(Dr)


ザ・フーと並んでモッズの代表としてシーンを席巻したスモール・フェイセズ。

人種差別にあっていた米国における黒人音楽、ブルースやR&Bは、HIPで謎めいた音楽として、既成の枠組みにはまらない抵抗の音楽として、英国のワーキングクラスの若者には最先端の音楽として取り入れられてゆきました。
 
若い頃からショービジネスの世界で生きてきたロニー・レインはピート・タウンゼントのザ・フーのように言葉や企画性でメッセージを伝えるというよりも、感覚的音楽的にHIPな音で頂点を極めました。
 
ボーカルのスティーブマリオットがピーター・フランプトンとハンブルパイを結成するべく去った後で、残されたロニー・レイン、ケニー・ジョーンズ、イアン・マクレガンが、ジェフベック・グループのロン・ウッドとロッド・スチュワートと合流してスモール・フェイセズ改め、新生フェイセズの歴史はスタートしました。
 
  
1970年のファースト・アルバム「ファースト・ステップ」は全英45位、71年に発売された「ロング・プレイヤー」は全英31位を獲得。 
同じ年、ロッドのソロ曲「マギー・メイ」が全英、全米で一位を獲得しブレイク、同年12月、勢いをかってフェイセズは最大のヒット曲「ステイ・ウィズ・ミー」を収録した「馬の耳に念仏」(全英2位)、ロッドも翌年に「ネバー・ア・ダル・モーメント」(全英1位)を出し、フェイセズの勢いは頂点を極めました。
 
 
この頃のロッドのソロ作品は、バンドとはアイリッシュ・トラッド色を感じさせ、ロッドの渋い歌をフィーチャーしたものになっていましたが、一方でフェイセズでは「酔いどれバンド」と異名をとるほどのライブバンドとして頂点を極めました。
 
そのライブバンドとしての楽しさ、ロックの醍醐味、という点では同じ時期のストーンズを上回っていた、といって過言ではないほどでした。
 
まさしく本領を発揮したライブを封印した前作「馬の耳に念仏」は、彼らの代表作となりました。
 
 
「ウー・ラ・ラ」は「馬の耳に念仏」の後に出された彼らのラストスタジオアルバムです。
 
 
イアン・マクレガンのピアノが走りまくる最高のナンバーで幕を開けます。
ヒット曲となった2曲目もピアノで始まります。
ロン・ウッドの乾いたスライド・ギターとロッドのカラッカラのハスキーボイスが、まるで土煙をあげるように駆け抜けてゆきます。
 
3曲目は少しセンチなミディアムナンバー。
こんなナンバーも歌いこなす懐の深さが魅力です。
 
米南部カントリーブルースタッチのスワンプ色、弾けるR&B、ブギー、トラッドフォークがモッズ、ビートバンドとは異なるスタイルを形成しています。
 
「ボースタル・ボーイズ」では、ロン・ウッドのギターカッティングと続くへヴィーなギター・サウンドがさえる疾走ナンバー。
 
  
B面冒頭はヘビーなギターとキーボードが絡む男っぽいインスト。
  
7曲目はインストの後だからか、人間臭いロッドのボーカルがしみるナンバー。
 
8曲目はロニー・レインが歌う「グラッド・アンド・ソーリー」。
ゆっくり優しくうたうロニー・レイン。
 
”ありがとう ごめんね 幸せ? それとも 不幸せ?” 
シンプルな歌詞にシンプルなピアノが淡々と歌います。 
  
 
9曲目もしっとりとしたロッドのボーカルとピアノが染み入るミディアムバラード。
  
   
ラストはロン・ウッドがはじめてボーカルを取った「ウーララ」。
 
今になって解ったことも もっと前に知りたかった もっと若かった時に
もっと前に知っておきたかった もっと血気盛んだった時に
 
 
ウラーラー、ってフレーズが彼らにぴったり。
切なさに胸が締め付けられるような名曲です。
 
 
彼らのロックンロールってお祭りのような人間臭さが感じられて他のバンドではなかなか感じられない味わいがあります。
  
A面の疾走間、B面のしっとり感、いい加減でにぎやかそうな人が時折見せるさびしそうな顔がぐっと来る、みたいなギャップにやられます。 
  
しわがれたロッドの歌とにぎやかなバンドサウンドには、ワーキングクラスの生活感、やさぐれ感、それらと表裏一体の馬鹿騒ぎ感、がある気がします。
 
彼ら自身の内面から自然に湧き出した感覚であり、よっぱらった彼らの演奏からは、心底から楽しそうなひと時のお祭り騒ぎと、その間に垣間見える寂しさや切なさがあります。
 
そんなもの全てが、彼らの身からでているところが肝だと思います。
 
R&Bやブルースは米国黒人からの借り物の音楽です。
 
しかし彼らは、それらを限りなく自分たちの音にすることができた、最高のバンドだったのでしょう。
 
 
そして、ロックバンドが最もロックンローラーらしくいられた時代、に彼らがめぐりあった。
 
   
彼らは世界的なスターダムを駆け上がり始めたロッドのバックバンド化した活動にロニーが反発し脱退、ロンもストーンズに参加することになり、75年12月解散します。
 
しかし彼らがバンドとして輝いた短い期間の作品はロックという音楽の金字塔として、永遠の命を得て、これから先もずっと、新しいロックのファンを増やし続ける役割を果たし続けるでしょう。

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