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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのピクシーズ「ドリトル」 1989年US

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Pixies「Doolittle」1989年US
ピクシーズ「ドリトル」
 
1. Debaser
2. Tame
3. Wave of Mutilation
4. I Bleed
5. Here Comes Your Man
6. Dead
7. Monkey Gone to Heaven
8. Mr. Grieves
9. Crackity Jones
10. La La Love You
11. No. 13 Baby
12. There Goes My Gun
13. Hey
14. Silver
15. Gouge Away
 
Black Francis(Vo.G)
Kim Deal(B,Vo)
Joey Santiago(G)
David Lovering(Dr)
 
 
ヴェルヴェッツやストゥージズらNYのリアルパンクのながれを組みつつ、ハスカー・ドゥからニルヴァーナら90年代のグランジへのながれの真ん中にいて、アメリカン・オルタナティブロックのシーンの成立に大きな影響をあたえたピクシーズの名盤を紹介。
 
 
出世作となった1stは後にニルヴァーナのイン・ユーテロで名をあげるスティーブ・アルビニのプロデュースで尖ったサウンドを聞かせた傑作だったが、こちらはどちらかというとポップサイドで、ローファイ感がただよっています。
 
 
よく言われる乾いたギター音、かわいい声のキム・ディールとのコーラスはまるでレモンヘッズ、ニルヴァーナがパクったと公言した轟音ギターの静と動のパターン、など後のオルタナロックの音の手本となったいわゆる典型の名曲群がずらりと並んでいます。ハゲデブのボーカル、というものはしり?ですかね。それでもいいんだ、と。
 
 
また所属のインディーレーベル、4ADはイギリスのレーベルであり、アメリカよりも英国でまず評価されたこと、同レーベルのスローイング・ミュージズと共に、ボストンの学生バンドだった彼らは、大学のラジオ局を結んだ米CMJチャートで一位を獲るなど評価を高めたこと、などもその後のオルタナバンドの典型となりました。
 
 
彼らのサウンドは、それまでのパンクとも違う、ハードコアでメタルな音とも違う、独特のギターサウンドでした。それでいて屈折した内面をぶつけた歌詞、ローファイでダルな雰囲気の中でポップなメロディーセンスが聴いていてあきさせない楽曲群。
 
激しいギター曲とポップで穏やかでユーモア漂う曲、ドリーミングな変則ポップは、どこかスミスら英国のパンク以降のニューウェーブ勢、80'sロックを想起させる瞬間もあります。 
 
いっぱいいっぱいのボーカルも、切迫感、生々しさ、ナイーブさ、を伝えてきます。 
 
ギル・ノートンに変わったプロデュースも、エキセントリックながらもエネルギッシュで人懐っこいポップサイドの魅力を引き出すことに成功しています。
 
 
アルバムの前半は1曲目の代表曲Debaserをはじめとしたエネルギッシュな曲が続きます。
 
5曲目のHere comes your men、7曲目This monkey goes to heavenは彼らのポップな魅力が満載の名曲です。
 
アルバム後半はローファイながらも多彩な魅力をもつ楽曲群が並びます。
 
レゲエチックなポップスの8、ハードコアパンクといってもいい9、10はギターの甘美な響きがどこかREM的、ボーカルがヴェルヴェッツっぽい名曲La La Love song、ふたたびエキセントリックなキムのボーカルが効いているNYパンク的な11、コーラスが印象的な12、フランシスのナイーブなボーカルを効かせた13、ドリーミングなんだか呪文なんだかわからない不思議な14、もしかすると一番ニルヴァーナっぽいかもしれないおまけの15。
 
ほとんどの曲が3分以内です。
 
彼らのつむぎだした乾いたパンクでポップで荒々しいギターロックサウンドは、NYパンクの流れを汲みつつも、突然変異のように姿を現しました。時代とタイミングが生み出した天然のミクスチャーと呼べるのかもしれません。
 
その新しい魅力と影響は大きく、90年代アメリカのオルタナ、グランジロックはもちろん、ブラーをはじめとするブリットポップへの影響も大きなものがありました。
 
 
カート・コバーンが手本にしたことが大きくクローズアップされることが多くなりましたが、ニルヴァーナのような激しさをこのアルバムに求めることはできないでしょう。
 
しかし、激しさだけでもない、アメリカン・オルタナティブロックの多様な魅力を、本作は盛りだくさんで伝えてくれます。
 
そして、それはフランク・ブラックも、ブリーダーズで名をあげたキム・ゴードンも、まだ若かりしナイーブな時代にだけ、産み落とすことの出来た、ある意味青春の一枚でしょうか。
 
オルタナティブロックを語る上で、欠かすことの出来ない一枚、なぜか色あせない不思議な魅力をもった名盤です。
 
 
”Debaser”

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