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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのMetallica「Master Of Puppets」1986年US

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Metallica「Master Of Puppets」1986年US
メタリカ「メタル・マスター」
 
1.Battery
2.Master Of Puppets
3.The Thing That Should Not Be
4.Welcome Home (Sanitarium)
5.Disposable Heroes
6.Leper Messiah
7.Orion
8.Damage, Inc.
 
Cliff Burton(b)
Kirk Hammett(G)
Lars Ulrich(D)
James Hetfield(Vo)

 
メタリカの最新作がでたので、おさらいで彼らの3rdを。
 
なかなか彼らのことを客観的に伝えることは難しい。
リアルタイムで彼らと共に精神形成をしてきた者にとって、彼らの存在は、単なる音楽ではない。
 
スラッシュメタル、いや”メタリカ”でいる、ということ自体がひとつのアティチュード、生き方、だ。
 
  
全身全霊をかけて、怒り、叫び、戦い、疾走する。
 
腹の据わった、鈍色の、音の塊。
  
うまくいかない事、矛盾、自分へのいらだち、を抱え込んで、強大になったどす黒い負のエネルギーを、どれだけの夜に、彼らと共に夜の闇に葬ってきたか。
 
何もかも叫び吹き飛ばしてしまいたいどれだけの夜に、彼らの音と共にいたことだろう。想いをはき出しただろう。
 
絶望と怒りの暗黒の中で、いつも両足を踏みしめ、向かい風にたちむかっているかのようなジェイムス・ハットフィールドと、渾身の力でドラムをたたきのめすラーズ・ウルリッヒ。
怒りと叫びとパワーに充ち満ちている。
そして叫ぶだけ叫んだ後に、じわじわと問いかけてくる。お前は本気で怒っているのか、戦っているのか。
 
粗野で野蛮で単純で、と切り捨てられるほど簡単な話だろうか。
 
男としての、いや人間としての、全てをそぎ落とした後の、一つの究極の姿を、そこに見る気がしている。
すくなくともそう思っている私のような人間が数知れずいることが、彼らをメタルの皇帝、にふさわしい頂点の座に押し上げている。
そして、その熱すぎる想い、メンバーとファンとを繋ぐ想いの力、が本作の音を、怪物のような塊にしている正体、である気がする。
 
”メタリカ”が頂点を極めた理由は、かれらが、そんな完璧な理想の形を、”音”に変えてしまえる実力をもっている、ということに他ならない。 
 
これ以上ないほどの全力の咆哮Vocalでいながら歌っているジェームス・ハットフィールド、ラーズのタメをいかした歌心のあるDram、クリフ・バートンのブンブン唸るフリーキーなBass、カーク・ハメットの流麗で叙情を煽るギターソロ。それぞれが、ロック界最高級の圧倒的な実力を持っているが故に、完璧な精神性の音としての表現を達しきっている、のである。
 
そこまでの表現力を手にしたRockがどれほどあっただろうか。
 
 
そして、4人のとても堅い結束、それがそのまま音になったのが、この時期のこの傑作である。本3rdまでを総括する、彼らの個性を確立させた傑作であり、ヘヴィ・メタル史、いやロック史に残る名盤であり、名ベーシストのクリフ・バートンが在籍した最後のアルバムなのだ。
   
 
少し時代背景も振り返っておこう。
 
80年代も後半に入り始めると、LAメタルに代表される80'sメタルも、ハードでアグレッシヴに傾斜を始めてきてはいた。モトリークルーもDr.feelgoodを出し、メタル世代のアイドルともいうべきSKID ROWがハードな音と共に登場した。
派手で享楽的でポップなメタルに対する揺り戻しとしての原点回帰的なサウンド、ボン・ジョヴィやホワイトスネイクが浮上したり、カウンターカルチャーとしてのRAP/HIPHOPやそれらとのミクスチャーもの、レッチリやフィッシュボーンなどが現れ、エアロとRUN DMCのWalk this wayがヒットしたりした。
 
そんな多様化の受け皿として、まだまだ”アンダーグラウンドの帝王”という呼ばれ方が主流だったスラッシュメタル界の筆頭として、俄然浮上してきたのがメタリカだった。
  
スラッシュメタル、というとマニア的とみられる向きもあったが、メタリカのレベルはそんな見方を遙かに超えていたのだ。
 
本作には彼らの代表曲が詰まっている。
 
いきなり代表曲であり、彼らの代名詞とも言うべき”バッテリー”。
合唱必死。ファンとバンドの結束が示される。
これもメタルを代表する名曲の2。極端な転調がドラマティックで荘厳なサウンドを形成している。
すでに5thブラックアルバムの名曲群の予兆を感じさせる3。
叙情と疾走の4、5。ヘヴィなリフに打ちのめされる6、8。ベースが強烈なインスト7。
 
一曲が5分から8分。スラッシュ4天王と言われたスレイヤー、メガデス、アンスラックスと比べても長い曲が多い。この4者の中では、メタリカはヘヴィネスを特徴としたと言えるかもしれない。そして有り余る才能と、音楽的好奇心、探求心が彼らを速く短いだけのスラッシュメタルに、彼らを押しとどめなかった。次の4th、ブラックアルバムの5thと彼らはヘヴィネスを突き詰めてゆく。
 
ますます個々の力量は進化してゆくことになる。
しかしこの3rdには、音が塊となって坂を転がり落ちてゆくような、鉛の塊のような勢いがある。プロデューサーがレインボーのDifficult to cureのフレミング・ラスムッセンの功績か、ミックスのマイケル・ワグナーか。5thからのボブ・ロックとも最新作のリック・ルービンとも違うメタリカが我々の前に始めて圧倒的な姿をみせた、その時の"メタリカ”がここにいる。
 
2006年のサマーソニックで、20周年を記念して、故クリフ・バートンの遺影をバックに、本作を全曲演奏し、改めて本作の大きさを感じさせた。
 
鉄壁の鉄則を持った4人をクリフ・バートンのツアーバス事故死が分かつ前の、グループとファンとのBattery(絆)を刻み込んだ、ヘヴィメタル、スラッシュメタルを代表する名盤、圧倒的です。
 

"Master of Puppets" 

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