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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのフリー「ハイウェイ」1970年UK

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Free 「Highway」1970年UK
フリー「ハイウェイ」
 
1. Highway Song
2. Stealer
3. On My Way
4. Be My Friend
5. Sunny Day
6. Ride on a Pony
7. Love You So
8. Bodie
9. Soon I Will Be Gone
10. My Brother Jake [Single][*]
11. Only My Soul [Single 'B' Side][*]
12. Ride on a Pony [BBC Session][*]
13. Be My Friend [BBC Session][*]
14. Rain [Alternative Version][Alternate Take][#][*]
15. Stealer [Single Version][*]

2002年UK Remaster

Andy Fraser ( Bass )
Paul Kossoff ( Guitar )
Paul Rodgers ( Vocals )
Simon Kirke ( Drums )
 

ロックにはまっていく初期の過程で、ロックっていいなあ、と思わせてくれたいくつかのアルバムにはとても思い入れがあるものだと思いますが、フリーの、特にこのアルバムは、僕にとってそういうアルバムの一つです。
 
一般的に彼らの代表作は3枚目の「Fire and Water」でしょうが、個人的にはこの4枚目の「Highway」の方が断然好みです。
 
同じ時期にアメリカで発表されたThe Bandの「Music from the big pink」、Bob Dylanの「Basement Tapes」によるR&B、ブルースの南部的解釈は、行き詰まっていた英国のブルースロック勢、ブルースから離れてゆこうともがく彼らにとって大きなインパクトを与えました。彼らにとっての4枚目の本作では、今までの彼らの独特の白人ブルース、R&Bフィーリングに加え、The Band的な米南部的なアーシーな曲の魅力が加わり、フリーの一つの絶頂期を現出していると思います。
 
英国ブルースロックの草分けアレクシスコーナーに見いだされたフリーは、ブラインドフェイスの前座、3枚目の「All Right Now」の大ヒットでブレイクした思いっきりブリティッシュ・ブルース・ロックのど真ん中からスタートしたグループだったが、進化の過程で、いかに白人としてのオリジナルなブルース、R&Bのフィーリングを手に入れられるか、ということと格闘したグループといえるでしょう。
 
グループの代名詞の一つは、なんといってもロック界史上に名を残す名ボーカリスト、ポール・ロジャースの存在だ。個人的に言わせてもらえば、3大フェイバリット・ボーカリストはピーター・ガブリエル、スティーヴ・ウィンウッド、とこのポール・ロジャース、おもいっきり黒い系に偏ってますが(笑)。。
 
かれの魅力はR&B的黒さであることはもちろんですが、それほど張り上げないスタイルの中での音域の広さと、おちついた丁寧な歌い回し、一言一言をまるで将棋の駒のように配置してゆくかのような、絶妙な音の配置バランス、緩急自在、そんな感じ。それゆえに、とってもスローに、ゆったりして聞こえるんだと思う。
 
あるいは唐突ですがイチローのバッティング、を連想することもあります。
絶妙なバットコントロールで、外角の球でも低めのボールでも、まるで球がとまったようにはじき返し、バットの軌道も球の行方もふくめて、独自の時間が流れているような一つの芸術。ポール・ロジャースの丁寧なボーカルを聴いていると、そんなことをイメージします。
 
あとフリーの独特の魅力の要素として大きいのは、リズム隊。
アンディ・フレイザーのベースとサーモン・カークのドラムによるなんともいえない非・黒人的なリズム。ベッタンバッタンというか、どこか平面的でいながら、強烈な存在感で迫るような重さ、黒人のバネのある弾むようなリズムとは違う独特のリズム、それはブルースから離れていく過程で彼らが自然にたどり着いた一つの形であり、まさにそこが他の英国ブルースロック勢とは異なる次元での彼らの人気の秘密だろうと思う。
 
特に日本人には、その平面的な上に乗っかるリズム感が受け入れやすかったんだと思う。なんだか手もみの手拍子が合いそうな気がしてくると言ったらいい過ぎでしょうね。
 
ともかく彼らが生み出したタイトな白人R&B、ブルースロックはこの時代にして”ヘヴィ・ロック”と形容され、その後のロックに大きなそして渋い影響を与える一枚になったんだと思います。
 
ハード・ボイルドみたいなロジャースのボーカル、タイトで独特のリズム、そこにポール・コゾフの太くて荒々しいギターが縦横にからんで、渋さの極みみたいなことになるんだが、それぞれがそのスタイルの中で淡々と演っているために、どこか仕事師が仕事を終えた後の歯切れの良さ、清々しさのような印象がのこる。男性のファンが多いのは、その辺に鍵があるんでしょうね。
 
 
曲で見ると、もう全てが名曲で、捨て曲がありません。
しかし、名曲中の名曲といえば、4曲目Be my friendでしょう。
しかしそれを引き立て、又引立てられる前後の曲などもまたすばらしい訳で。
8曲目Bodieなどもそうですが、やはりロジャースのボーカルの魅力がフル全開になるのはバラード系の曲です。このアルバム時にロジャースは21歳前、信じられない若さと渋さ。
 
後のバッド・カンパニーは完全にアメリカ市場向けの音に方向性が変わり、それはそれでいいし、近年のソロもいいのだけど、やはりポール・ロジャースは、フリーのこのアルバムが、私にとっては最高の名盤です。
 
あと何故かフレディの後釜に座ったクイーンでアルバムが出るようですね。ロジャース色のR&B路線で、かつてのクイーンとは違うものになるようですが、どうなるんでしょう。
 
"Be my friend" 


"Stealer"

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