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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのマイ・ブラッディ・バレンタイン「愛なき世界」

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MY BLOODY VALENTINE 『LOVELESS』1991年UK
マイ・ブラッディ・バレンタイン「愛なき世界」
 
1.Only Shallow
2.Loomer
3.Touched
4.To Here Knows When
5.When You Sleep
6.I Only Said
7.Come In Alone
8.Sometimes
9.Blown A Wish
10.What You Want
11.Soon
 
 
Kevin Shields(ケヴィン・シールズ Vo&G)
Colm O'Ciosoig(コルム・オコーサク Dr)
Bilinda Butcher(ビリンダ・ブッチャー G&Vo)
Debbie Googe(デビー・グッギ B)
 
 
マイブラのこの音楽世界は、他ではなかなか見つからない。 
マイブラに続くシューゲイザーと呼ばれるフォロワーは数あれど、マイブラのような世界には、なかなか出会えない。
 
間違いなく負の音楽だろう。
怒り、叫び、憤り、混乱、否定、そして悲しみ、はかなさ、弱さ。
それら相反する言葉にならない感情の塊を、そのままで、限りなく極限まで音像として表現しきろうとすること。それら全ての美しさ、希望。
 
やりきれない帰り道、大声で力一杯さけんで何もかもぶちこわしてやりたい日、地の底まで沈み込むような夜、誰とも話したくもない週末、何度となく、このアルバムは自分とともにあった。このアルバムほど、共にいられるアルバムは、なかなか見つからない。
おそらくは、そうやって世界中の負の気持ちに、応え続けてきたのだろう。
 
ケヴィン・シールズという人の頭の中、超個人的な内面の行き所を音に変えることに成功したこのアルバムが、91年という年に、これから始まる90年代という時代の気分を早々に探り当ててしまった。
 
ニルヴァーナ、オアシス、スマパン、レディオヘッド、コールドプレイ、彼らが彩った90年代の音の本質は、ここから始まったと言って構わないだろう。
 
多分に80年代後半からの流れを残している。
同じアラン・マッギーのクリエイションのジーザス&ザ・メリーチェインの轟音と甘美的で内面的なヴォーカルスタイル、ストーン・ローゼスの”音”そのものによるグルーブ至上主義。
 
プライマル・スクリームのボビー・ギレスビーの朋友だったクリエイションのオーナーアラン・マッギーによって、ジザ・メリ、ハウス・オブ・ラヴ、ライドなどに続けて出されたのが、本作だった。制作に4600万円をつぎ込み、破産寸前になったレーベルがSONYの資本参加でかろうじて救われ、94年以降のオアシスの快進撃で持ち直し、英国一のインディレーベルと言われるようになった話はあまりにも有名だ。
  
時代感覚に鋭敏で、独特の嗅覚でなだたる名バンドを送り出してきたアラン・マッギーが思う存分ケヴィン・シールズの音作りに金をつぎ込むことに賭けた。音楽人としての最高のわがままだったのかもしれない。金銭的に取り戻せるという算段があった訳ではないかもしれない。しかし、アラン・マッギーをそれだけの気持ちにさせる音世界が、このアルバムにはあったのだろし、それはかれの独りよがりではなかったどころか、90年代の精神性を見通していた彼の眼力を、あらためて証明したことになった。
 
 
音響的な側面と、精神的な側面が、美しいメロディーの上で高い次元で融合しあっている希有な作品だ。暴力性と憤懣に答えうる轟音とは何かをよく分かっている轟音と、ゆがんでうねって捻くれてゆくディストーション、そして奥に潜む希望としての無垢できれいで、壊れそうに繊細なメロディー、人間くささを感じさせない中性的な声が、まるで誰にとっても心の声に聞こえてくる感情移入させやすい呟くようなヴァーカル。
  
それらが津波のように90年代のWall of soundとも言うべき分厚い音の層になって押し寄せてくる。4人の音とは思えないほどのオーケストラのような音圧、それでいながら胎内から響いてくるうめき声のような精神的な声が、圧倒的な世界観として迫ってくる。
 
音の分厚さ、中性的なヴォーカル、普遍的なサイケデリア、それらが00年代も終わりになろうかという今でも、ソフィア・コッポラやスカーレット・ヨハンソンら著名な女流アーティストなどを初め評価は絶えることがないばかりか、ついに今夏は再結成まで果たすことに。
いつまでも彼らの新譜が待ちわびられていること自体、彼らのこのアルバムがいかに唯一無二であったかを証明している。90年代の最高傑作の一つであることは疑う余地もない。
 

 


コメント(3)

誰か行く方は報告して欲しいですね。
新しい曲などやるんでしょうかね。
プライマルのメンバーとか参加してそうです。
夜中にフジロックの映像流れてましたが、
正直微妙でした。音源聞いてるのと同じジャン。
と少し悲しくなりました。

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