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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのカサンドラ・ウィルソン「ニュー・ムーン・ドーター」1996年US

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カサンドラ・ウィルソン「ニュー・ムーン・ドーター」1996年US
「New Moon Daughter」 Cassandra Wilson
  
1. Strange Fruit
2. Love Is Blindness
3. Solomon Sang
4. Death Letter
5. Skylark
6. Find Him
7. I'm So Lonesame I Could Cry
8. Last Train To Clarksville
9. Until
10. A Little Warm Death
11. Memphis
12. Harvest Moon
13. Moon River

  
Cassandra Wilson(Vo), Brandon Ross(G), Kevin Breit(G), Lonnie Plaxico(B), Dougie Bowne(Per), Gary Breit(Org), Tony Cedras(Accordian), Graham Haynes(Cor), Lawrence "Butch" Morris(Cor), Gib Wharton((Pedal Steel), Chris Whistley(G), etc
  

少し間が開きました。師走は忙しくて。
クリスマスイヴということでジャズを一枚。
  
カサンドラ・ウィルソン、ブルーノートに移籍しての2作目。
  
1955年生まれで今年でもう52歳です。
93年、38歳の時にブルーノートに移籍してからの印象が強いのでそんなに年だとは思わなかった。移籍1枚目もジャズ界の賞を総なめにしましたが、2枚目がやはりグラミー賞最優秀ヴォーカル賞、スイングジャーナル誌ディスク大賞ヴォーカル賞受賞、同誌90年代の最優秀アルバムに選ばれるなど本作で頂点を極めた感があります。
  
ダイアン・リーヴス、ダイアン・シューアと共に女性ジャズ・ヴォーカリストの“新御三家"と言われてた頃もありましたが、今の女性ジャズボーカルではダイアナクラールと人気を二分する感じでしょうか。何かの映画にも出てましたね。ジャケットより結構太めでした!?
  
それだけ評価と人気を集めた本作ですが、内容は全然ポップでもキャッチーでもない。
どころかとてつもなく重くて暗い、けど深い深い慈愛に満ちた母性的なもので包まれています。
  
もともとジャンルを超えてジョニ・ミッチェルやロバータ・フラックなんかをレパートリーにしていただけあって、本作もボーダレスな内容で、ジャズにとらわれず、ロックファンにもアピールする内容になってます。というかそういうレベルを超えてます。はっきりいってここまで黒くて暗くて魂のこもった、それでいて危なく鋭く現代的な音楽にはそうそう巡り会えないです。レディオヘッドとかのファンにも是非聞いてもらいたい。
  
まあ1曲目から「奇妙な果実」。
そして2曲目がアルバム中のベストトラックといっていいU2の「POP」に収録の「Love is blindness」。これで完全にノックアウトされます。完全に彼女の歌になっているし、こんなに深い歌だったかと思い知らされます。またU2のバージョンを聞き直してしまいます。
  
深くブルージーでどっしりしていて、その辺のジャズシンガーもどきが懸命に低い声で凄んでみても何か作り物っぽい感じでどうも、っていうところで彼女の歌を聴けば本物はこれだ、って唸らされます。本物の低音が聞きたいなら、それはここにはあります。
  
彼女のブレイクでボーダレスなジャズボーカルの新時代が始まった感もあるし、どこか都会的な冷たさを含んだ彼女のテイストが、いかにも古典的なジャズボーカルと一線を画し90年代以降の現代人の憂鬱をパーソナルなテイストで映し出している感じがします。その意味ではロック界の流れ、グランジやレディオヘッドなんかの動きとシンクロしているところがあるように思います。どちらかというとR&Bの方に近い感じもしますが、ノラ・ジョーンズのようなパーソナルな感じのボーカリストが出てくる土壌は彼女が作ったといっても言い過ぎじゃないでしょう。もともとジョニ・ミッチェルとかボブ・ディランとかフォークの影響が強いところからも起因しているものがあるのかもしれません。
  
12曲目はニール・ヤングです。13曲目はスタンダードのムーン・リヴァーです。とにかく黒い。ロックファンでまだ聞いてない方、是非おすすめです。

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