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洋楽名盤・新譜 レビューコミュの「ミッシング・リンク」 レイジ

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「The Missing Link」Rage 1993 ドイツ

1. Firestorm
2. Nevermore
3. Refuge
4. Pit and the Pendulum
5. From the Underworld
6. Certain Days
7. Who Dares?
8. Wake Me When I'm Dead
9. Lost in the Ice
10. Her Diary's Black Pages
11. Missing Link
12. Raw Caress

ピーヴィ・ワグナー Peter "Peavy" Wagner - ボーカル、ベース
マンニ・シュミット Manni Schmidt - ギター
クリス・エフティミアディス Christos(Chris) "Efti" Efthimiadis - ドラムス


ジャーマンメタルは日本で人気のあるメタルのジャンルで、代表選手は、と聞かれればハロウィンと答える人が多いだろうが、それはメタル全盛の80年代後半の大ヒットのイメージが強いせいで、やはりジャーマンメタルの最大の特徴である叙情性のことを考えると、昔の70年代のスコーピオンズやUFOのもろな叙情性とクラシカルなメロディー、誰もが合唱できそうなわかりやすいフレージング、といった特徴をベースに、様々な味付けや個性が加わってきた、ということになるだろうか。

83年に結成されたレイジは”ピーヴィー”・ワーグナー(vo、b)を中心に、イギリスのアイアンメイデンやデフレパードらを中心としたメタルの復興のムーブメントNew Wave of British Heavy Metal 略してNOBHMに影響を受けて活動を開始した。

現在までに彼らは15枚のRage名義のアルバムを出しているが、本作は7枚目にしておそらくは最高傑作、と思っている1993年の名盤だ。

彼らの音楽性の魅力は、一言で言うと「高揚感」だろうか。「グルーブ」と言っても良いかもしれない。Jazzでもクラシックでも音と音とが曲の中で自然に自律的にうねりのようなものを生み出してゆき、生き物のように熱を帯びてのたくりまわり、竜巻のように上ってゆくような、聞き手もそのまま持って行かれてしまうようなトリップ感に誘われてしまうことがあるし、ある種音楽として最高の瞬間であるともいえるだろう、そんな瞬間が何曲にも渡って詰まっているのが、このアルバムなのだ。

はっきり言って神が降りたか、としかいいようがない。
「ジャーマンメタル」とかそれ以前に「ヘビメタ」とかいう先入観をもって聞いてしまうとそれなりにしか聞こえないかもしれないが、それではあまりにもったいない。時代性を超えた至福の恍惚感に気付いたときには、音楽というものからもたらされる最良の部類の何か他では得られないパワーが確かに存在しているのだから。

この7枚目ではマンニ・シュミットが、独特の奇妙だが機関銃のような高速ギター・リフで次第に高揚感を形成し始めると、ボーカル兼ベースのピーヴィーがうなるようなベースで答え、たたきつけるようなパワーのドラムが、変拍子を多用しながらバカ・テクを駆使しつつ驚異のコンビネーションをみせ、徐々に盛り上がるハイトーンだが腹の底から唸るようなヴォイスが脳を直撃。絶妙に織り込まれるギターソロ、パンテラばりに激烈でいながらメロディアス、メロディアスでいながら紛れもなくゴリゴリのパワーメタル、それでいながらグルーブを生み出すコンビネーション、そしてふっとした瞬間のすきまに流れる哀愁感、それがまたパワフルなメロディにスパイスとなってエンジンが加速する、全ての圧力のある音の塊が歌心となってグルーブとなってゆく。

ほめすぎだろうか。いや私が今まで何度と無くこのアルバムから与えられてきた力のことを思えばほめすぎということはないだろう。

ひとつの頂点をみた本作でマンニ・シュミットが脱退し、その3ピースとしては最後のアルバムとなり、NOBHMとジャーマンとパワーの間にいるような独特の世界から次のステップへ移行していった。しかしその孤高の精神は普遍、新旧あまたのヘヴィメタル、ヘヴィロックが目指して得難いグルーブをつかんだ傑作だ。音楽の神に感謝。

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