The Flaming Lips『The Soft Bulletin /ザ・ソフト・ブレティン』(1999年US)
1.Race For The Prize - (remix) 2.A Spoonful Weighs A Ton 3.The Spark That Bled 4.The Spiderbite Song 5.Buggin' - (remix) 6.What Is The Light? 7.The Observer 8.Waitin' For A Superman 9.Suddenly Everything Has Changed 10.The Gash 11.Feeling Yourself Disintegrate 12.Sleeping On The Roof 13.Race For The Prize 14.Waitin' For A Superman - (remix)
まず1曲目にキラーチューン「Race for the prize」。幽霊でも出てきそうなシンセのリフとバタバタしたドラムに続けてヘロヘロで危ういボーカルがつづく。切なくチープなシンセのリフとコラージュのかかったへなへなボーカルとキラキラした完璧なポップメロディ。まるで、切なくはかなく刹那的で、すぐに終わってしまう夢だと分かっていて見ている夢のような。
この後のアルバム「Yoshimi Battles The Pink Robots」では、よりポップでエレクトリックなビート色が強くなり、本作で聴かれるようなサイケで幽玄な世界から、少し明るく強い音になってゆく。もちろん切ないメロディは健在だが、もっと確信的な音になっている、というか。ちなみにこの「Yoshimi・・」のアルバムに入っているボアダムスのヨシミに対するコメントからしても、ウェインがかなりバランスのとれた人物だと推察できる。その意味ではソニックユースと並び、他のオルタナバンドとは少し一線を画するバンドの確信的な作品なのだと思う。20年以上のキャリアは伊達ではない。