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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのシンプリーレッド「ピクチャーブック」

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Simply Red「PICTURE BOOK 」1985年UK

01. カム・トゥ・マイ・エイド
02. サッド・オールド・レッド
03. ルック・アット・ユー・ナウ
04. ヘヴン
05. ジェリコ
06. マネーズ・トゥ・タイト
07. ホールディング・バック・イヤーズ
08. オープン・アップ・ザ・レッド・ボックス
09. ノー・ダイレクション
10. ピクチャー・ブック

イギリスのスーパー・ブルーアイドソウル・ユニット、シンプリーレッドのデビューアルバム。初期の彼らを代表するアルバムである。彼らといえば、この1stか4thの「Stars」という感じだが、ここはあえて1stをメインに紹介したい。

シンプリーレッドは世界で2800万枚うった91年のスーパーヒット「Stars」以前とそれ以降で大きく趣を異にする。ノスタルジックなブルーアイドソウルからスタートし、それをポップに昇華しようとした3rdまでの初期、と屋敷豪太を迎えてリズム隊を大きく充実させクラブサウンドなども取り入れた4th以降と。
というよりも、ボーカルで曲も書くミック・ハックネルのワンマンユニットであり、彼の性分として「同じ所には留まらない、前進あるのみ」というタイプのアーティストであるために、シンプリーレッドは常に成長と変身を続けている。

今の彼らは、「Stars」が世界で2800万枚売れたことにより彼らは90年代のコンテンポラリーな、かつ国民的存在としての立場を確固たるものとし、今に至っている。「Stars」で確立した音をベースとしつつ、流行にも気をくばり、バランスよくコンテンポラリーな音楽を生み出し続けているのだ。


85年に本作でデビューした彼らは、彼らも含めてイギリスのポップシーンでもりあがった80’sブルーアイドソウルという潮流の中でシーンを衝撃デビューをはたした。たしか洋楽番組なんかでポールヤングとかユーリズミックスとかが流れまくっていた頃で、色々なタイプのブルーアイドソウルシンガーがいたわけだが、その中でも格別彼らは激渋で、オールドタイムなモータウン的ソウルやスモーキーロビンソン、マービンゲイなどの影響を感じさせる歌の力が圧倒的だった。なにしろ僕が始めて彼らを聴いたのはあの「If you don't know me by now」の大ヒットだったのだから。

そしてハンチング帽で赤毛で巻き毛のミックの肖像画のアルバムアートワークや、出身のマンチェスターの労働者階級の若者が直面する日常を描き出す歌世界が、ただ単に「白人がうたうソウル」、という域を超えて60年代の映画の登場人物のような物語性をかんじさせるものだったことも初期の彼らの魅力であるのではないかと思う。
さらに彼には単なるうまいシンガーというに留まらないオリジナリティがあった。このファーストでもすでに見られるメロディセンスが他とは一線を画していた。ここからさらにモータウン、フィラデルフィアソウル、レゲエ、ジャズ、テクノを取り込み、多民族の元祖ミクスチャー国家たるイギリス独特の洗練されたコンテンポラリーサウンドを高めてゆくことになる。

正直2nd、3rdには良い曲もあるが退屈な曲もある、という感じになっていたが、4thの「Stars」において、イギリスにおけるR&Bシーンを一変させてしまったネリー・フーパーのソウル?ソウルで仕事をした屋敷豪太をドラム、プロデュースに迎えたことが、シンプリーレッドというユニットを生まれ変わらせることになった。「Stars」では、もともと歌いすぎない抑えた作りが魅力を引き出していた曲に、クラブサウンド的なゆったりしたグラウンドビートがスムーズなグルーブを生みだし、ミックの歌と伍す以上にシンプリーレッドの音としての特徴といえるまでになった。その後の5th、6thは、ややレゲエに偏り気味であまり正直聞き込めなかったが、7thは、Stars以降のひとつの到達点として、プロデューサーチームAGM(ミック&GOTA&アンディ・ライト)とバンドとしてのひとつの結実をみたStars以来の好きなアルバムだ。

ミックの、理想の音を追求して、そのためならメンバーはどんどん入れ替え、コンテンポラリーなサウンドを果敢に取り込み、前進してゆくシンプリーレッド・サウンド、その中心をなすのはミックのボーカルの力量であることには間違いのだが、それはあくまでサウンドのための出過ぎない洗練されたポジションに収まっている。それが憎いまでの心地よさに繋がっているわけだが、やはり、どうしても、昔リズム隊が弱かったために圧倒的に目立っていたボーカルが全面的にフィーチャーされた「Holding Back Years」「If you don't know me by now」などのカバー曲の奥行きの深さ、赤毛でハンチングのイメージが、あのインパクトが忘れられないのは僕だけだろうか。

いずれにしてもほぼリアルタイムで聴いてきた者としては、新譜が出れば必ず気になる存在であり続けることには違いない。

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