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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのレモンヘッズ「イッツ・ア・シェイム・アバウト・レイ」

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「It's a shame about Ray」The Lemonheads 1992 US

1 Rockin Stroll (01:47)
2 Confetti (02:44)
3 It's a Shame About Ray (03:06)
4 Rudderless (03:19)
5 My Drug Buddy (02:51)
6 Turnpike Down (02:33)
7 Bit Part (01:51)
8 Alison's Starting to Happen (01:59)
9 Hannah & Gabi (02:40)
10 Kitchen (02:55)
11 Ceiling Fan in My Spoon (01:48)
12 Frank Mills (01:44)
13 Mrs. Robinson (03:43)

音楽はそれを聴いていた頃のことを一瞬でFlash Backさせてくれるやっかいなものだが、このレモンヘッズのメジャー2作めは、自分にとってなんともいえない若気の至り的な、青い思い出が詰まった一枚だ。

REMやソニックユースやニルヴァーナの活躍でインディ系のアーティストに脚光があたった90年代初め、ボストンのレモンヘッズがこのメジャー2作目で頭角をあらわす。そしてイヴァン・ダンドゥはグランジ初の、というかXジェネレーション世代のアイドルになる。ソングライティングの才能、ルックス、声の良さ、セックスシンボルとしては十分すぎるほどの資格を備えていた。しかしラストのサイモンとガーファンクルのMrs.Robinsonのカバーがヒットするまでは、彼らの良さはなかなか日の目を見なかったが。

彼らの良さはまずメロディのよさだ。ほどよくパンキッシュで、どこかローファイで、フォーキーで、カントリーで、アコースティックでインディな香りのするプロダクション、なのにずば抜けてポップでメロディアス。さらにぶっきらぼうで中低音の淡々としたボーカルでありながら、優しさ暖かさとやるせなさを感じさせる声。このアルバムでの彼は完璧だった。

ほとんど同じような時期に、インディ的な動きとしてのパワーポップの盛り上がりがあった。ティーンエイジファンクラブにマシュースウィート、このレモンヘッズもそのひとつととらえることも出来るかもしれない。CMJ的な、グランジ的な、インディ的な、つまりDo It Yourselfの感覚。しかし彼らの切なさの本質は、その痛みを伴ったような優しさだ。優しさの精神病理、とでもいうような、繊細で、しかし弱さと隣り合わせの、どうしようもない自分。あやうくて、繊細で、優しいのに甘くなりすぎず、メジャーすぎず身近な感じのするレモンヘッズ、かれらに身近なものを感じて自分を重ねて、彼らはグランジ世代のアイコンになった。僕もそんなファンの一人だった。イヴァン・ダンドゥの中にあったそんな感覚が、ポップセンスとボーカルの上で絶妙のバランスを保っていたのが、このアルバムだったのだと、今になれば思う。
93年のピープル誌でイヴァン・ダンドゥは「最も美しい人々」の一人に選ばれている。

このアルバムの随所で聴かれる当時の彼女のジュリアナ・ハットフィールドのコーラスが良い味を出しているが、93年の3rd「Come on feel The Lemonheads」あたりからイヴァンはドラッグにはまってゆき、ジュリアナも去り、バランスは崩れてゆく。3rdも悪くはないが、2ndのような凝縮感がない。

いまでは結構知らない人も増えてしまっているほど、影響力がどうこういうタイプのバンドではなかったかもしれないが、彼ほどのメロディをかける人がどれほどいるか、イヴァンが90年代を代表するソングライターといわれるゆえんだ。彼のようなタイプのメロディーは時代の風化はあまり関係ないだろうし、実際あれから15年が経つというのに未だ僕の身近にあって聞き続けている。昨年の8月に復活のアルバムを出して同郷のダイナソーJrのJマスシスも参加、メロディーは不滅なのだ。

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