1 Rockin Stroll (01:47) 2 Confetti (02:44) 3 It's a Shame About Ray (03:06) 4 Rudderless (03:19) 5 My Drug Buddy (02:51) 6 Turnpike Down (02:33) 7 Bit Part (01:51) 8 Alison's Starting to Happen (01:59) 9 Hannah & Gabi (02:40) 10 Kitchen (02:55) 11 Ceiling Fan in My Spoon (01:48) 12 Frank Mills (01:44) 13 Mrs. Robinson (03:43)
ほとんど同じような時期に、インディ的な動きとしてのパワーポップの盛り上がりがあった。ティーンエイジファンクラブにマシュースウィート、このレモンヘッズもそのひとつととらえることも出来るかもしれない。CMJ的な、グランジ的な、インディ的な、つまりDo It Yourselfの感覚。しかし彼らの切なさの本質は、その痛みを伴ったような優しさだ。優しさの精神病理、とでもいうような、繊細で、しかし弱さと隣り合わせの、どうしようもない自分。あやうくて、繊細で、優しいのに甘くなりすぎず、メジャーすぎず身近な感じのするレモンヘッズ、かれらに身近なものを感じて自分を重ねて、彼らはグランジ世代のアイコンになった。僕もそんなファンの一人だった。イヴァン・ダンドゥの中にあったそんな感覚が、ポップセンスとボーカルの上で絶妙のバランスを保っていたのが、このアルバムだったのだと、今になれば思う。 93年のピープル誌でイヴァン・ダンドゥは「最も美しい人々」の一人に選ばれている。
このアルバムの随所で聴かれる当時の彼女のジュリアナ・ハットフィールドのコーラスが良い味を出しているが、93年の3rd「Come on feel The Lemonheads」あたりからイヴァンはドラッグにはまってゆき、ジュリアナも去り、バランスは崩れてゆく。3rdも悪くはないが、2ndのような凝縮感がない。