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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのDiary of a mad band / JODECI

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JODECI「Diary of a mad band」
1994年US

01. My Heart Belongs To U
02. Cry For You
03. Feenin'
04. What About Us
05. Ride and Slide
06. Alone
07. Lately
08. You Got It
09. Won't Waste You
10. In The Meanwhile
11. Gimme All You Got
12. Sweaty
13. Let's go through the motions
14. Jodecidal Hotline
15. Success

ブラックものの中で一番好きで思い入れがあるのはこのJODECIだ。デビューの91年の1stが愛聴盤になってからあれよあれよという間に大物になってしまった。
91年当時はまだ80年代後半のニュージャックスウィングの影響は大きく、創始者であるガイのテディ・ライリーはこの91年についにマイケルジャクソンと「Dangerous」アルバムでガッツリと成功を収め世界制覇状態であった。
しかし90年代初めという時期は過渡期であり、折からのHIPHOPブーム、UK発のグラウンドビートの影響でNJSのタイトな感覚からすこしずつゆったりと重いルーズなビートに移行しはじめていた。
当時ダントツの存在になりつつあった女性4人組アン・ヴォーグの92年の「Funky Divas」などは時代を反映した象徴的な作品だった。ここからTLCやSWVらへの流れが始まる。またR&BとHIPHOPが互いに近づいてゆく流れの中で、新しい90年代のプロデューサー達が頭角を現し始める。「ヒップホップソウル」という造語でメアリー・J・ブライジを売り出すショーン・パフィ・コムズやR・ケリー、ダラス・オースティン、ジャーメイン・デュプリらがそれだ。ブラックミュージックはなんと言ってもプロデューサーの影響力が絶大だ。

そんな状況の中で、NJSの申し子アル・B・シュアとの共同プロデュースで出された1stはアーロンホール的なゴスペル感覚をNJSのビートで新鮮に聴かせるハーモニーが先駆者ガイを模倣する部分もありつつ、圧倒的な歌の力と、同じ時期に出たボーイズ?メンとは全く正反対のダーティーでダスティなグルーブが、凡百のレベルを超えていた。ボーイズ?メンが優等生ならJODECIは不良、またはビートルズとストーンズ、という感じだったが、僕的には圧倒的にJODECIの実力にはまってしまった。ボーイズ?メンのトラディショナルハーモニー路線よりもJODECIのHIPHOPとの融合、ストリート路線の方がまったくもって時代の要請だったし。

そして出された94年の2ndで彼らは飛躍的な成長を遂げて一気にカリスマのレベルに突き抜けてくれた。
JODECIはジョジョこと:Joel 'JoJo' Hailey、ケイシー:Gedric 'K-Ci' Haileyのヘイリー兄弟とミスターダルビン:Mr Dalvin、ディバンテ・スイング:Donald 'DeVante Swing' DeGrate Jnrの兄弟の2組の兄弟より編成される4人組だ。ヘイリー兄弟がボーカルを担当し,ミスターダルビンとディバンテ・スイングがサウンド・プロデュース面とラップを担当する。
JODECI時代の彼らの良さは、ヘイリー兄弟の圧倒的なボーカル力にダルビン・デヴァンテのサウンドが融合したトータルな時代感覚、バランス感覚のあるサウンドにあった。
1stもそうだが、前半にバラード系をまとめ、後半にアップテンポなダンスビートをまとめた構成も締まりがあるし、この2ndの特にスティービーワンダーのカバーで、大ヒットしたLately以降の流れは最高だ。濃厚すぎるほど濃厚なのに聞き飽きることがない。

彼らはこの2ndの成功で大物になり、特にディバンテはサウンドメイカーとしてミッシーエリオットやティンバランドを見いだしたり、メアリー・j・ブライジの曲のプロデュースなどを手がけている。彼らはこの次の95年の3rdで、これ以上無いほどの濃厚なサウンドを生み出し、もはやプリンス並みかそれ以上という領域の高みに達した。この時点ではボーイズ?メンの姿の気配も感じられないほどどっぷりとダーティでストリートなグルーブに突っ込んでおり、1ジャンルを超えた領域に達してしまった。
行き着くところまで行ってしまった彼らは、これを最後にK-Ci&JoJoとソロ活動に道を分かってゆく。

彼らの功績は、NJS系のグループを卒業したソロ系アーティストが生み出せなかった躍動感やみずみずしさといったものをグループという形態で表現することに成功したこと、HIPHOPをR&Bの中に自然な形で取り込むことに成功してみせたこと、そして自らの手でサウンドをクリエイトしてゆくグループとして後続に多大な影響をもたらしたこと、などがあげられるだろう。プロデューサーの力が絶大なこの世界になっては実力と個性が
無ければなかなか難しいことである。

K-Ci&JoJoになってからの彼らのAlbumも当然全てフォローしている。2人のボーカルはJODECI時代からさらに次の領域に達し、生ける伝説状態だ。超名曲Tell Me It's Real、All My Lifeのようなヒット性のあるスムーズでコンテンポラリーな大人曲が増えた一方で、これ以上ないほどのファンクでブルージーでソウルフルな魂のこもった絶唱の連発は50年代や60年代のクラシックソウルの先人の域に達していると思われる瞬間がいくつも炸裂させてくれるわけだが、彼らが大きく成長すればするほど、グループ時代に見せてくれていたグループとしてのまとまったサウンドとボーカルが融合するのを改めて聴いてみたいと思っているファンがたくさんいることも、このグループのサウンドがいまだに衰えない普遍的な魅力を湛えていたという証拠だろう。
再結成が最も待たれるグループだし、2005年にベストアルバムが出されたことが再結成の兆しでは、と勘ぐるファンもおおいのだ。

すっかりシーンが変わってしまった今のBlack Music界に、もし彼らが再登場したなら、どんな音でどんなインパクトをあたえてくれるのか、そんな妄想をしつつロックで尖った彼らの規格外のアルバムを繰り返し聞いている。

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