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洋楽名盤・新譜 レビューコミュのアークティックモンキーズ「Whatever People Say I Am, That's What I'm Not」

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正直1stをきいただけの状態では、そこまでの良さは感じられずにいた。しかし先日2ndを試聴して、さらにグルーブを増してソリッドになった音を聴き、ツェッペリンの後期のサウンドを連想し、すこしまじめに取り合わなくてはならない気がしてきたので、1stを振り返ってみる。

全世界で200万枚。日本でも10万枚。オリコン入りはボンジョヴィ以来。まず彼らがなぜそんなにうけるのか。まずイギリスでブレイク前にバンドの友人が音源をインターネット上で流したモノが大受けしたという事態。その事実をもってレコード会社と契約しシングルが2曲初登場1位となり、本アルバムも大成功。

インディーズ音源のダウンロードは山のように出回っているので、そのこと自体が理由ではない。音の特徴として言えるのは、パンク並みに早くコンパクトな楽曲、ほとんど全ての曲がつんのめるようなギターカッティングのリズムで性急なテンポをつくっていること、それでいて昔のパンクの単調で一辺倒な感じとは違いメロディーのバリエーションが多彩なこと、たまに入るコーラスも含めてポップさの完成度はファーストとは思えないほどで、その辺があまり老成しすぎて小さくまとまったブリティッシュロックが陥りがちなスケール感のなさに片足つっこんでいる印象があった。

又、出身のシェフィールドという町のやさぐれた日常をあくまで若く青臭い感情、少しの正義感とやけくそ感を自分の言葉で物語的に言葉を費やしてうまれてるストーリー性、曲の途中で転調が効果的に入りストーリーに抑揚を生み出していること、あと若いのにハスキーな声がトレインスポッティングの主人公達のような個性を感じさせストーリーテラー役として効果的に働いていること、以上のいくつかの要素が同時に鳴らされたときに、独特のグルーブが生み出されているようだ。それは今までのブリティッシュロックと一線を画するオリジナリティをもち、パンクとも、はたまたツェッペリンのリズムとも違うものだ。

アークティックが世に出る前夜の2000年代のイギリスの状況はまず米国産のストロークス、ホワイトストライプスによるガレージリバイバルがNME誌の扇動でひとつの動きとして英国産のリバティーンズを生み、それを要素として取り込んだ上でのポストパンクとしてポップロック、ダンスロック的要素をもったフランツフェルディナンド、カイザーチーフス、カサビアン、キーンといったバンドが100万枚レベルのセールスを生み出し始めた。そこにでてきたのがアークティックであり、チャート的にも第二次ブロットポップといわれるまでの動きを見せている状況である。

妙に完成度の高い曲構成やメロディーには、破綻のなさや小さくまとまっているという印象もぬぐいきれない。さらに、あくまで相対的にシーンを見たときに、これほどの完成度と価値の可能性を感じさせる片鱗をもっていて、かつ若さと勢いをもち、ブリットロックの流れの真ん中を行くバンドが見あたらない、そのためにメディアに時代の盟主だ、と持ち上げられすぎている面も否定できないだろう。そうでなければ日本でこの音が10万枚というのは説明がつかない。日本のファンの耳がそんなに良いとは思えない。しかしメディアの期待の強さがほかのバンドとは違う、それだけのポテンシャルと根っこをもっていることは確かだろう。2ndを試聴してそれは感じた。サマーソニックのヘッドライナーも完璧にこなすだろう。

メディア主導とマイスペース配信のDIY精神の絡み合いで進んでゆくこれからのシーンの中心にアークティックが居続けるのか、どんな成長を見せ、影響をもたらすのだろうか。

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