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洋楽名盤・新譜 レビューコミュの 「VALGAR DISPLAY OF POWER」(邦題:俗悪 1992年US)

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MOUTH FOR WAR
A NEW LEVEL
WALK
FUCKING HOSTILE
THIS LOVE
RISE
NO GOOD (ATTACK THE RADICAL)
LIVE IN A HOLE
REGULLAR PEOPLE (CONCEIT)
BY DEAMONS BE DRIVEN
HOLLOW

メンバーはフィル・アンセルモ(Vo)、ダイム・バックダレル(G)、ヴィニー・ポール(Dr)、レックスブラウン(B)。

今と過去のへヴィーメタルとへヴィーロックを語る上で、彼らのこのアルバムははずせない。このアルバムは自らが「パワーグルーヴ」と呼んだボーカル、ギター、ベース、バスドラム全ての圧倒的な重さとギターリフを中心とした楽曲性が融合したまさに神がかり的な奇跡的傑作アルバムである。

と同時に、92年本アルバム発表当時、へヴィーメタルそれまで細々と生きながらえていたが、芽生えつつあったグランジ的な暗く見通しのきかない社会的気分を反映し、本作は90年代における新たなヘビーメタル・ハードロックとしての方向性を決定づけてしまうことになった。つまり結果的にグランジに対する新しい時代のへヴィーメタルサイドからの回答となってしまったわけだ。メタリカのブラックアルバムとこのアルバム以降、ヴァンへイレンやデフレパードからエクストリームまでHM/HRの大物達が皆、本作で提示されたへヴィーなサウンドの方向性・影響を反映したアルバムを次々と発表することになり、本来の良さを失ってゆく迷走ぶりを見せてへヴィーメタル勢は自らの時代の幕を完全に引くことになってしまう。当時、HM評論家の伊藤正則が「○○よ、おもえもか!!」とラジオ番組で嘆くコメントはお決まりになるほどの右へ倣えっぷりだったのである。

それほどこの”俗悪”アルバムは圧倒的な力と魅力を持っていたわけだが、まずもって曲とギターリフの重さとキャッチーさの兼合いに酔わされる。ハードコアほどマニアックにならず、スラッシュとへヴィーメタルすれすれのボーカルの鬼の雄叫びとギターリフ、バスドラ音が相まった時の押し寄せるようなエネルギーは腹の底から何かが沸騰して走り出さずにいられなくなるような凶暴性で聴く者をアジテートする。それでいて曲は変則的な変調を繰り返すのだが、各パーツの圧倒的なパワーとテクニックで強引な魅力に変わってしまうのだ。こんな凶暴な音楽なのに癖になり頭の中でリフレインされ、ついに知らないうちにリフを鼻歌でくちずさんでしまうのだ。

音楽的にはGのダイムバックダレルの鋼鉄のように重たいギターリフが特徴的だが、早くトリッキーな曲も遅くブルージーな曲も変幻自在のテクニカルな面も持ち合わせており、この重さは変速チューニング(A音を440Hzから400Hzへ)によりもたらされているということ。

その後のへヴィーロックに相当の影響をもたらしたこのアルバムだが、今主流のヒップホップと融合したへヴィーロックの子供っぽさをみても、本作はテクニックとフィルアンセルモのボーカルと当時の過渡期的な音楽的要素の配分具合がもたらした奇跡的な緊張感と男っぽさ、熱さをもった希有な、記念碑的な作品だったのだろう。その後2003年にVoフィルの個人活動によりメンバー間の溝が深まり解散、2004年にはギターのダイムバックダレルがステージ上で暴徒に殺害され、パンテラは永遠にこの世から姿を消してしまうことになったのである。合掌。

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