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ぼくの映画採点表(2006〜2011)コミュの2008年10月度篇

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「ぼくの大切なともだち」「アイアンマン」「その土曜日、7時58分」


ぼくの採点表<10月度篇>

☆・・・20点
★・・・ 5点


『ぼくの大切なともだち』 ☆☆☆★★★

 フランス映画界の名匠、パトリス・ルコント監督が見事な手腕を発揮した愛すべき名作。涙と笑いと感動に包まれる1時間36分の友情物語。
 骨董品を集めるのが趣味の美術商フランソワ・コスト(ダニエル・オートゥイユ)は、自分自身を祝う誕生会の席で、招待した仲間らに「フランソワの葬式には誰も来ない。友達がいないから」と嘲笑されてしまう。プライドの高いフランソワは自分にも親友ぐらいいると言い張り、共同経営者であるカトリーヌ(ジュリー・ガイエ)と賭けをすることとなる。それは十日以内に親友を連れて来られなければ、フランソワが大切にする壷をカトリーヌに譲り渡さなければならないという内容のものだった。しかし、ある日突然自分が孤独だと知ったフランソワに親友を連れてくる手立てはなく、堅物で高慢ちきなフランソワはあの手この手と試みるも不発に終わるばかりでとうとう路頭に迷ったところ、たまたま知り合ったタクシー運転手ブリュノ・ブーレー(ダニー・ブーン)の人柄の良さが周囲の人間を惹きつける、という姿に心打たれ、フランソワはブリュノに“友達づくり”のレッスンを申し出る。
 不器用な大人たちの、不器用な関わり方を、時に笑わせ時に泣かせ、一抹のペーソスをそっと滲ませ、憎めない主人公の友達づくりの奮闘をおかし味たっぷりに描く。“星の王子さま”や“クイズ・ミリオネア”などのアイテムも巧く盛り込み、“友情”とは何か、といった純朴でメンタルなテーマを甘く優しく綴る。


『アイアンマン』 ☆☆☆★★★

 全米で大ヒットの話題作がいよいよ登場。全身メタルで身を覆った不死身のヒーローが、悪党相手に立ち向かう姿を描くマーベル社のアメコミ原作のサスペンス・アクション。
 デモ実験のため、兵器発明の天才トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は紛争中の中東地域を訪れるが、テロ組織の襲撃に遭い部隊は全滅、トニーのみ捕虜の身となる。組織はトニーに、命を保障する代わりに最強兵器の発明を要求する。しかしトニーは新兵器の発明と見せかけ敵の目を盗み、同じ捕虜の身である医師インセン(ショーン・トーブ)の命がけの協力を得て全身装着型のパワードスーツを完成させ、組織を瞬時に撃沈、奇跡の脱出に成功する。帰国したトニーは、自社で開発された兵器がテロ組織によって使用されている事実にショックを受け、兵器開発事業から撤退する決心をし、九死に一生を得た命をテロ撲滅に捧げることを誓う。しかし、そんなトニーの意思とは裏腹に兵器の開発を続け、会社そのものを乗っ取り、トニーの暗殺をも目論むオバディア(ジェフ・ブリッジス)がテロ組織に接触を試み、自身もまた最強のパワードスーツを完成させようとしていた。
 単純に面白い映画だ。ストーリーの細部の矛盾など全く気にさせず、次から次へと方向を変えては畳み込むような怒涛の演出で一気に見せてくれる。ジョン・ファブロー監督の才気あふれる演出に拍手。あらゆる事を盛り込み、社会批判のテーマもさり気なく活きており甚だ感心させられる。アイアンマンを体当たりで演じきったロバート・ダウニーJr.もよくやった。今回控えめヒロイン役となったグウィネス・パルトロー、テレンス・ハワードも脇役ながらしっかりと生かされていて、物語に箔をつける。
 映画の最終では続編を匂わすようなオマケシーンがあるのだが、既に続編の企画が決まっているとのこと。愉しみだ。


『その土曜日、7時58分』 ☆☆☆★★

 半世紀以上第一線で活躍し続ける社会派サスペンスの名匠シドニー・ルメット監督の、84歳にして最新作。
 物語は、フィリップ・シーモア・ホフマンとマリサ・トメイの異様なセックスシーンに始まり、その後、スリル満点の宝石店強盗シーンへと展開させる冒頭のツカミは完全OKで、この宝石店で女性店員と強盗が撃ち合い、強盗はその場で即死するが、女性店員は病院へと搬送されたものの快復の見込みもなくやがては死んでしまう。強盗の現場では、見張り役として車で待っていた男ハンク(イーサン・ホーク)が、予想外の事態に慌てふためき走り去る。この事件、じつは三日前にハンクの兄アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)が持ちかけてきた完全犯罪計画だった。ハンクは離婚した妻に支払う養育費の滞納に切羽詰っていた。アンディは、ニューヨークで会計士の職に就き、美しい妻ジーナ(マリサ・トメイ)と贅沢な暮らしを送っているように見えたが、麻薬に溺れ、会社の金を横領していた。妻ジーナとは倦怠期を迎えていた。そんなアンディが立てた強盗計画は、両親が経営する宝石店に押し入るというものだった。お店は保険に掛かっているし、脅しに使うのもおもちゃの拳銃。誰も無傷のまま、計画は滞りなく終わるはずだった。しかしハンクは、兄が現場へは来ないことに不安を感じ、兄に黙って顔見知りのボビー(ブライアン・F・オバーン)に協力を願う。そして計画は失敗に終わる。ボビーは女性店員に射殺されてしまう。そして女性店員もまたボビーが所持していた拳銃の弾を浴びる。病院へと搬送されたこの女性店員は、ハンクとアンディの母ナネット(ローズマリー・ハリス)だった。ハンクもアンディもショックであったが、事件はすべてボビー一人に罪を着せ、二人は平常心を装い母の葬儀に参列していた。しかしこの強盗事件に不審を感じる父チャールズ(アルバート・フィニー)は単独で捜査に乗り出す。
 大まかな流れはこの通りだが、時間軸を自由自在に構成させ、登場人物それぞれ別々の視点から同じ話の筋が何度も描かれるという手法の脚本は秀逸で、事件の真相が明らかになってゆくと同時に、登場人物らの人間性や相関図が徐々に浮き彫りにされてゆき、それぞれ抱える悩みや問題といった内面性が露わになってくる。
 シドニー・ルメット、さすがの才気に天晴れ。フィリップもイーサンも見事な演技。ストーリーにもう一ひねり欲しいのと、もう少し軽妙なノリがあれば恐らく傑作になったかもしれないのだが。気楽に見られる犯罪映画ということで。


『イーグル・アイ』 ☆☆☆★★

 スティーブン・スピルバーグ製作総指揮のもと、『ディスタービア』(2007)でタッグを組んだD・J・カルーソー監督とシャイア・ラブーフが再び仕掛ける第一級娯楽サスペンス。ある日突然掛かってきた見知らぬ女性からの脅迫電話により引き合わされたジェリーとレイチェルが、いつの間にやら最重要指名手配の国際テロリストにされてしまい警察やFBIに追われる身となり、テクノロジーをフルに活用し全ての行動を熟知する電話の謎の女性による的確な指令により二人は追跡の手をうまく逃れ、とんでもない難関を乗り越えた二人が、やがて遭遇する驚愕の真相と息を呑むクライマックスまでを、スリル感いっぱいに描く逃走劇。
 演出にいささかパンチが足りない。カーチェイス場面が繰り返されるのも芸がないと云わざるを得なく、ラストの演奏会とアリアとの格闘シーンも今一つ盛り上がらない。意外性があって面白い題材なので非常に残念だ。
 シャイア・ラブーフの他に、ミシェル・モナハン、ビリー・ボブ・ソーントンら出演。


『地球でいちばん幸せな場所』 ☆☆☆★

 両親を失い叔父の家で世話になるが、“竹すだれ”製造工場で働かされこき使われる10歳の少女トゥイ(ファム・ティ・ハン)は、ある朝家を抜け出しホーチミンの町へとやってくる。トゥイはそこで花売りをして働くが、動物園で飼育係をして働く青年ハイ(レー・テー・ルー)や、美人なフライトアテンダントのラン(カット・リー)らと出会う。ハイもランも心に悩みを持つ孤独な大人だったが、まだ10歳の少女トゥイが逞しく生きて行く姿に惹かれてゆく。
 監督・脚本・撮影・製作を手がけるのが、ベトナム系アメリカ人のステファン・ゴーガー。決して挫けない少女の強い姿に、生きることへの勇気を与えさせてくれるという狙いはなかなか宜しい。しかし、この少女の強い生き方にまったく共感をもてない僕はいったいどうしたらよいのだろう。


『ゲット スマート』 ☆☆☆★

 1960年代にアメリカで放映されたTVドラマをピーター・シーガル監督によって映画化したリメイク(当時の邦題は『それ行けスマート』)。スパイ・アクション・コメディ。
 CIAでもなくFBIでもない米国の秘密諜報機関“コントロール”で分析官として長年勤めたマックスウェル・スマート(スティーブ・カレル)は、70キロの強烈ダイエットに完全成功、憧れの外勤スパイ捜査に向け昇格試験を受けるがチーフ(アラン・アーキン)には全く認めてもらえなかった。そんな折“コントロール”の本部が、ロシアを拠点とする国際犯罪組織カオスの襲撃に遭い壊滅的打撃を受ける。花形スパイでやり手のエージェント23(ドウェイン・ジョンソン)は敵に顔が知れているので、代わりにエージェント86となったスマートが、有能な美人スパイ・エージェント99(アン・ハサウェイ)とチームを組むこととなる。
 オバカなネタが満載で終始ニヤニヤさせられ、気分よく観終えることができた。コントなやり取りも決して悪ノリはせず、真剣にやるところは真剣にやってくれているので安心。スティーブ・カレルが板につきすぎていて異様なおかしさ。相手役のアン・ハサウェイのスパイぷりもスティーブとうまく対称的なった面白い。ストーリーはあまり凝っていないので少々物足りない。


『ハロウィン』 ☆☆★★★

 1978年に公開され“殺人鬼ホラー”というジャンルを定着させたジョン・カーペンター監督のシリーズ作(すでに完結)を、デス・メタル出身だが映画界に進出しての第一作『マーダー・ライド・ショー』(2003)で大成功を収めたロブ・ゾンビが監督・脚本を手がけて完全リメイク。今回のロブ版では、殺人鬼マイケル・マイヤーズの少年期をじっくりと描いての前半部分と、殺人鬼と化して暴れまくる17年後の後半部分の二部構成風になっている。
 得体の知れない殺人鬼の生い立ちや家族関係を説明しすぎたのが逆に問題で、得体の知れない恐怖が得られなくなってしまい、後半の恐怖もあまり盛り上がらない印象。それにそもそもマイケルが殺人鬼と化す過程を説明したわりには、結局のところ生まれもって欠陥のある少年だ、と片付けられているのはお粗末なシナリオ。映画後半は「Hシーン」「残虐シーン」「無駄話シーン」の延々繰り返しなので面白味がない。
 出演は、マルコム・マクダウェル、タイラー・メイン、スカウト・テイラー・コンプトン、シェリ・ムーン・ゾンビ、デーグ・フェア。マイケルの少年期を演じたデーグの凄まじい怪演に大注目。



☆☆☆☆以上 ・・・ダンゼン優秀
☆☆☆★★★ ・・・上出来の部類
☆☆☆★★  ・・・佳作
☆☆☆★   ・・・見ても損はしない程度
☆☆☆    ・・・標準
☆☆★★★  ・・・標準以下だが見ておいてもよい
☆☆★★以下 ・・・篤志家だけどうぞ



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