東京で一戸建てコミュのThe Value of ￥1000

先日髪を切りました
確か４４００円だったと思います
高い安いはそれぞれの価値観ですし
女性にしてみれば「ふ〜ん」という値段だと思います


私はここ何年も気に入る美容室が見つからなくて
毎回違うというくらい、色々なところに行っていました
年中無休で２０００円しないでカットできるところも
最近は増えました
今回は前回の人がまあまあだったので同じ所へ行きました



髪を切っている時に美容師の人が話していたのですが
駅の傍らなどに見かける１０００円カット
（１０分カットとも言う？）の話になって
そこに転職した先輩がいて、一日に３０人以上も切っているとか…

一般の美容室より練習などの拘束時間が短く
給料も良いそうです
お金をためるためにそこに転職したらしいんのですが
洗わないで切るので、整髪料など嫌な事もあったり
頭の形とかのんびり考えたりもしていられないそうで
その人曰く「半分以上同じ髪型だよ…！？」

そんな中に、子供が多くて小遣いも少なく
本当に久しぶりに髪を切る（切ってもらう）というサラリーマンもいて、
「すっきりした〜」と爽やかな笑顔を見せる人がいるそうです
たった１０分、１０００円の笑顔です
髪を切りながらその美容師は
「その先輩は１０００円でそんなにも人を喜ばせているんです。
そういう人には１０００円以上の技術を提供するんだって言っていました。
うちの店は４０００円以上しますよね。その差は何だ？と…
シャンプーか？ブローか？スタイリングか？…ってねぇ〜
私は自分が恥ずかしくなっちゃいましたよ…」
と話していました


その時私は「ははは〜」という反応しかしませんでした
というより、正直グサッときて取り繕っただけです



「１０００円以上の技術とは？」
美容師は形に残らない仕事の部類だと思います
多分、料理人も近いでしょう
髪はいつかまた伸びてしまうし、お腹も次の日にはまた空いています

そんな中、価格以上の価値を提供するということ
１０００円なら１０００円以上
１００万円なら１００万円以上
１億円なら１億円以上…


形が残る建築の場合
モノの値段に偏っていないのかと感じる瞬間があります

ココの土地の相場は坪100万円だから、坪90万の土地は安い土地…
断熱性能の高い壁やガラスを使っているから高断熱のいい家…
これって本当は間違いだと思います
相場はあくまで相場であって
２つと同じものがないと言われる不動産では
「その土地にどういったValueがあるのか？」
「どうしてその性能がこの家には必要なのか？」
という観点で見る必要があると思います
相場が坪１００万のエリアで、坪８０万の土地が売れない事はよくあります
逆に値引き交渉に備えて、
強めに出していた割高値段のまま売れてしまうこともあります


東京のように土地が高い地域では
土地の相場観などが邪魔をして、適正な値付けが行われにくくなります
東京に限らず
「このあたりは坪〜万円だな〜」「この辺は絶対額の上限がね〜」
こんなこと言っている人が周りにいたら
笑顔で「ふ〜ん。お詳しいですね〜」と軽くあしらっていいでしょう


格言「売れない不動産はない」
これはどんな不動産も値段を下げていくと必ず売れるという
現実から生まれています
逆に言うと、価値と価格のバランスが崩れなければ
絶対売れるということです
まずいと、安くても売れない関西の外食産業とは違うのです


本物のプロなら、そんな不動産業界の値付けを逆手にとって
値段以下の価値には手をださず
値段以上の価値を読み取ることが出来るはずです
建築家は何度も現地に足を運び、その土地のValueを見つけ出し
建物によって新たなValueを生み出すことが出来るはずです
そして数千万という住宅に対して
それ以上の価値を提供することが出来ると思います




え！？　私？　そうなりたい…（笑）