米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの大祭司の祈り。

.大祭司の祈り。
ヨハネ17:1-19。

ペテロとヤコブとヨハネ、イエス、キリストの12使徒の中でも内弟子と目される人々です。そのヨハネが書いているのがこの福音書です。福音書の記者は、＜これらの奇蹟が書かれたのは、あなたがたがイエスは神の御子のキリスト（救い主）であることを信じるためであり、そう信じて、救われるためである＞と（20:31）はっきり述べています。イエスの歴史的生涯を伝えることよりも、「イエスが神の子キリストであること」宣言する神学的、宣教的な面に向けられています。

大祭司は旧約の時代、神の民の代表して神の前に立ち、民のためにとりなしをしました。イエスは真の大祭司として神と弟子たちとの間に立って、ご自分が宣教の使命を託した弟子たちのためにとりなしの祈りをささげておられます。まずご自分のために祈り、この世に遣わす弟子たちのために祈り、最後にイエスを信じるすべてのキリスト者、教会のために祈っておられます。

イエスは目を天に向けて、祈りの姿勢をとられました。これは当時では普通の祈りの姿勢であり、神がいかに偉大なお方であるかということを認める敬虔の表現でした。イエスは御父に対する深い信頼の思いを込めて天を仰ぎ、「父よ」と呼びかけています。これは子供が親愛の情を込めて父親を呼ぶときの言葉です。イエスは祈りの中で再度、十字架の時がきたことを告白しています。

イエスの時は、彼を遣わした御父の御心が実現する、定められた決定的な時のことです。＜過越の祭の始まる日の夕方、イエスはこの世を去って、天のお父様のみもとに帰って行く最後の晩が来たことを知られ、この世にいる弟子たちを本当に愛され、愛しておられることを一つのことで示された＞。晩餐が始まる時にもイエスはこの時の到来を告げておられました（13:1）。

十字架は最も残酷なな処刑法で、極悪の犯罪人に対してだけ執行されました。最も身近にいた弟子たちでさえもイエスの十字架の死につまずきました。神はイエスにすべてのものを支配する権能をお与えになりました。それも彼のもとに来るすべての者に永遠の命を与える権能をゆだねられたのです。＜それは、お父様が私に下さった人々を救うため、すべての人を支配する権威を私にお与えになったからです。＞（現代訳、17:2）