クリスタルガラスを全身にまとったキラキラ系ベンツを見かけたときには、しばらく頭がクラクラした。カスタムカーの競演「東京オートサロン2024」でもひときわ目立っていたこのクルマ、だれが何を思って制作したのだろうか。作り手であるD.A.Dの広報に話を聞いてみた。

  • D.A.Dのクリスタル・ベンツ

    キラキラのベンツを発見!

ベンツをスワロフスキーでデコるとこうなる

ド派手なクルマが集う東京オートサロン2024の会場でも特に目を引いたのが、D.A.Dのブースにあった2台のベンツだった。金色と銀色に輝く2台の「SL600」を無視して通り過ぎるのはかなり難しく、多くの来場者がD.A.Dブースの前で足を止め、賛否両論いろいろな感想を漏らしていた。キラキラのベンツを背景にセルフィーを撮る海外からのお客さんもかなりたくさん見かけた。

  • D.A.Dのクリスタル・ベンツ
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  • 自動車業界では例年、「東京オートサロン」が新年一発目の大きなイベントとなっている。「CRYSTAL BENZ GOLD」(左)と「CRYSTAL BENZ SILVER」(右)は、いかにも新年にふさわしくて縁起のよさそうなクルマだ。今年はいいことがあるに違いない

このクルマ、車体の全面にオーストラリア製の最高級クリスタルガラスを貼り付けて作ったとのこと。わかりやすくいえば「スワロフスキー」でデコったベンツだ。こういう作業を代わりにやってくれる工作機械があるとも思えないが、クリスタルガラスの貼り付けは当然ながら全て手作業。1台を仕上げるのに3カ月(夜間の作業も含む)はかかったという。

聞けばクリスタル・ベンツは売り物ではなく、D.A.Dブランドを知ってもらいたいとの思いから作った車両であるとのこと。D.A.Dはカー用品、カーアクセサリーのブランドであり、クリスタルガラスを販売しているわけでもなければクリスタルガラスを使ったクルマのカスタムを手掛けているわけでもない。純粋にPR用として作ったにしては、ものすごいこだわりと作業量が伝わってくる車両である。

  • D.A.Dのクリスタル・ベンツ
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  • よく見ると、クリスタルガラスのラインが綺麗にそろっている。美しく輝くように計算して貼り付けているそうだ

  • D.A.Dのクリスタル・ベンツ
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  • ボディサイドにはグラデーションになっている部分が。光の具合で偶然そう見えるのではなく、あえて色を徐々に変えているそうだ。ダクトから空気が抜ける雰囲気を表現しているらしい

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  • 今は「公道走行不可」となっている2台だが、過去にはナンバーを取得していたこともあった。新宿・歌舞伎町に繰り出したこともあるとのことだ

クリスタル・ベンツで「クルマを知らない人にもD.A.Dを知っていただきたいですし、クルマが好きになるきっかけになってくれれば嬉しいです」とD.A.D広報。クルマ業界の盛り上げに貢献したいという思いもあるという。

2024年の一押しはアラベスク模様のカー用品?

最後にD.A.Dの2024年のイチオシ商品を聞いてみると、「今年はアラベスクデザインのアイテムに力を入れています」とのこと。どんなアイテムなのかは写真をご覧いただきたい。

  • D.A.Dのクリスタル・ベンツ
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  • アラベスク模様のクッションやハンドルカバーなどを装着すればクルマはこんな雰囲気になる

「高級ホテルの家具などにもワンポイントで使われていたりするアラベスクデザイン」をカー用品に取り入れたとD.A.D。最近の新車の発表会では、インテリアについて「まるでリビングのような」といった説明を聞くことが多いのだが、アラベスク模様のアイテムを導入すれば非日常の車内が楽しめるのは間違いない。好き嫌いの分かれそうなアイテムではあるものの、すべての自動車ユーザーがシンプルな内装や落ち着いた外観を好むわけではないわけだし、選択肢があるというのは大事なことだと思った次第だ。

  • D.A.Dのクリスタル・ベンツ
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  • このクルマに触発された人は、手芸店などでクリスタルガラスを購入して手作業で真似してみるのも楽しいかもしれない

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  • 「東京オートサロン2024」のD.A.Dブース