NTTは6月12日、都内で「第10回 NTTグループ サステナビリティカンファレンス表彰式」を開催。国内外のNTTグループ各社 全113施策の中から最優秀賞を選定し、表彰した。

  • 第10回 NTTグループ サステナビリティカンファレンス表彰式が開催

■サステナビリティな社会に向けて

NTTグループでは、各社が取り組むな社会に貢献する施策を披露・共有する場として2013年より「NTTグループ サステナビ持続可能リティカンファレンス」を実施している。今回は、世界各国に広がるグループ各社より、医療用品サプライチェーンの構築、漁業・林業のDX化、スマートリサイクル、スマート農業、地産地消によるカーボンニュートラル化など、サステナビリティに貢献する113施策がノミネート。

最終的にNTTグループの12社(国内6社、海外6社)のうち6社が”最優秀賞”に選ばれ、NTT 代表取締役社長の島田明氏が表彰した。

  • NTT 代表取締役社長の島田明氏

NTTデータ(沖縄)の施策は「エネルギー自給自足の新たな形~オンサイトPPA6を活用した”官民一体×地産地消”のGreen BPOセンター」。

NTTデータは“沖縄IT 津梁パーク”において、官民連携で地産地消のカーボンニュートラルなBPOセンターを構築。沖縄らしい、島しょ型エネルギーの形を実現する。本施策では沖縄県内の資源を用いて、地産地消でカーボンニュートラルを実現。今後も、建築・電気・環境などの国家資格を保有する総勢160名超のユニークなファシリティ専門部隊により、建物の計画・設計・構築・運用まで一気通貫で携わる大胆なエネルギー調達などを進め、環境負荷低減をめざす。

  • 最優秀賞に選ばれた(左から)NTTデータ(沖縄)、NTT Ltd(ベルギー)、NTT東日本(南関東)の担当者

NTT Ltd(ベルギー)の施策は「AIによるリサイクルパーク 利便性(UX)の向上~コンテナ充填率リアルタイム検出を通じたスマートサイクル ソリューションの実現~」。

NTT Ltd(ベルギー)では、Cisco Meraki製カメラに、NTTによる人工知能モデルを実装し、コンテナ中のリサイクル容器回収の最適化を実現。AI技術がリアルタイムでごみの量を読み取り、過去データと照らし合わせることで、コンテナを交換する最適なタイミングを予測する。回収コンテナが満杯である事象を解消し、街の人々のストレス軽減に寄与するとともに、不法投棄の減少にも貢献。さらに、回収トラックの燃料費とCO2排出量を最小限に抑える。今後、他のエリアや産業にも適用し、資源配分の改善、運用効率の向上、環境負荷の削減などに貢献することを目指す。

NTT東日本(南関東)の施策は「漁業DXと鮮度可視化によるサステナブルな漁業支援の実現~地域密着型漁業DXによるISUMIモデルの展開~」。

NTT東日本‐南関東は、千葉県いすみ市において、官民連携の「ISUMIモデル」を構築。その取り組みのひとつとして、魚価価値向上と漁業の担い手確保の両面を実現する。ICT管理を活用した魚価価値向上(鮮度向上)や漁業業務DX化を支援。また、鮮度の可視化をすることで、ロス削減と、収益性の高い加工・販売を実現可能な仕組みを構築(粗利率10%程度を実現できるという試算)。今後は、「ISUMIモデル」が社会実装・全国展開されることで全国の地域課題、社会課題の解決に貢献する。

  • 最優秀賞に選ばれた(左から)NTT Nihilent、NTT Innovation Laboratory Israel(イスラエル)、NTT西日本(宮崎)、NTT DATA Business Solutions(ドイツ)の担当者

NTT Nihilent、NTT Innovation Laboratory Israel(イスラエル)の施策は「最適在庫予測モデルによる過不足のない医薬調達システムの実現~未使用医薬品の廃棄抑制を通じた人と環境を守る管理ソリューションの構築~」。

使用期限に達した医薬品の廃棄は、医薬品が無駄になるだけでなく、重大な環境問題を起こすリスクもあるため、適切に医薬品を管理・使用することが求められている。そこでNTT NihilentとNTT Lab Israelではシュナイダー小児病院、薬局サービスなどと連携し、NTTが独自で開発した「購入数量」と「廃棄数量」から「一定期間における医薬品の利用状況」を導くアルゴリズムを提供。医薬品の最適な在庫予測を可能とし、使用期限に達した医薬品の廃棄による環境汚染、および旧在庫損失(年間最大38,354米ドル相当)を削減できるシステムを実現。今後、病院全体、近隣の病院、イスラエル内外の医療システム全体への活用の実現をめざす。

NTT西日本(宮崎)の施策は「NTT西日本森林・林業DXによるカーボンニュートラル社会の実現~資源循環型社会の実現~」。

日本国内では、昨今の担い手不足などの問題により「伐る、使う、植える、育てる」という森林の健全なライフサイクルが循環しない課題に直面している。NTT西日本では、人工衛星・ドローンによる計測、AI解析により森林情報収集の上、森林の資産価値・CO2吸収量をスマホやタブレットで見ることができる「森林クラウド」アプリを提供。森林調査の稼働を従来の30分の1に省力化する。また、クラウド活用により一般の木材市場より2%高い価格での取引が成立(実証結果)するほか、カーボンクレジット収益を森づくりに還元させることで地域と企業のカーボンニュートラルに貢献する(約3億円相当の創出を見込む)。本取り組みを通し、資源循環型の社会を目指す。

NTT DATA Business Solutions(ドイツ)の施策は「ドローンを活用した医療用品サプライチェーンの構築~人命救助と雇用創出を実現するマラウイでの挑戦~」。

NTT DATA Business Solutionsは、高性能なドローンWingcopterを活用し、マラウイ(アフリカ東部)で医療用品のサプライチェーンを構築。これまで、道路インフラの未整備などにより医療品センターから診療所などへの医療品輸送に丸1日かかっていたところ、本施策ではドローンを活用することで、わずか20分で現地調達する仕組みを実現。さらに、現地の若者をWingcopterドローンパイロットに育成することで雇用機会も創出しており、「命を救う」「命を向上させる」という2つの側面で社会課題の解決に貢献する。

■アイデアは着実に社会に普及

最後に、島田社長が登壇して総評。「第10回を迎えた今回も、様々なサステナビリティのアイデアを出していただき、本当にありがたく思っています。いまから10年ほど前、NTTデータが2012年に高松市で提供をスタートした救急医療に関するソリューションは、いま香川県全域にまで広がっています。また第2回カンファレンスでは、バチカン図書館の古書のアーカイブをデジタル化するNTTデータのアイデアが大賞となりました。この取り組みは現在も続いています。本日発表していただいた施策も、どんどん実用化され、社会に普及していくでしょう。

先般、中期戦略を発表しましたが、そのなかの大きな柱は『サステナビリティを我々のビジネスにしていく』ということです。社会課題を解決し、地球、人類がサステナブルに生活していける、そして循環していく世の中をつくりたい。そんなメッセージを込めました。まさに今回のカンファレンスは、これからも価値のあるものを世の中に生み出して、サステナブルな社会をつくっていく原動力になると思います。10年後に、本日発表の施策が『こんなに大きくなったよね』と語り合えると良いなぁと思います」と話し、あらためて受賞した各社に賛辞を送った。