リクルートは12月8日、「SUUMO」が実施した首都圏における不動産売却を検討する人および実施した人の意識と行動に関する調査の結果を発表した。調査は2021年12月21日〜22日、首都圏(東京都/千葉県/埼玉県/神奈川県)在住の20歳〜69歳男女1,239人を対象に行われたもの。

  • 過去1年間の不動産の売却についての行動は?

過去1年間に、不動産売却を検討した人を対象に「不動産の売却について具体的に行ったこと」について聞いたところ、「相続・贈与」「買い替え」「その他」いずれも「売却検討」「情報収集」「問い合わせ」が上位となった。

「売却検討」に関しては全てにおいて100%であり、「相続・贈与」物件の売却検討者では実際に1年以内に売却を完了した人は37.4%となっている。

「相続・贈与」物件の売却検討者が検討した売却方法については、「仲介会社に依頼」がトップで、57.5%と半数以上。それに対して、実際に売却を完了した人がとった売却方法は「仲介会社に依頼」が47.3%と約半数、次いで「不動産会社に買い取ってもらう」が26.4%という結果となった。

  • 不動産を売却しようと思ったときに検討した売却方法は?/売却した人が、実際に売却した方法は?

また、売却を検討する際に「相続・贈与」によって得た物件の場合を、「買い替え」のための売却物件の場合と比較したところ、相続物件は買い替えのための売却物件と比べて「古い」「広い」「駅から遠い」という傾向にあることが分かった。

相続物件の特徴の一つに物件の「築年数」が古めということが挙げられる。買い替えのための売却物件では「築25年以上」が19.6%のところ、相続物件では48.3%と約半数に。一方で、「取得してからの年数」は買い替えのための売却物件より短い傾向が見られる。

  • 売却を検討した/実施した物件の特徴は?(築年数、取得してからの年数)

また、「物件の平米数」においては、買い替えのための売却物件は60〜80平米がボリュームゾーンなのに対し、相続物件は150平米以上と広さに大きな差が見られる。

「最寄駅からの徒歩分数」を比べると、徒歩10分未満の合計が、買い替えのための売却物件では47.0%のところ、相続物件では40.1%で、相続物件の方が駅から遠めの物件が多い傾向となっている。

「売却検討時のローンの残額」にも大きな違いが見られた。買い替えのための売却物件では「ローンの残額がなかった」が47.3%と半数に満たないところ、相続物件では79.6%に。約8割が残債のない状態で相続していることが分かった。

  • 売却を検討した/実施した物件の特徴は?(物件の平米数、最寄駅からの徒歩分数、売却検討時のローンの残額)

最後に、不動産の売却を検討する中で最も手間だと思ったことを尋ねたところ、「必要な書類の準備をすること」が最多で28.2%となった。売却者のタイプ別に見ると、買い替えの場合は26.6%なのに対し、相続・贈与の場合は34.7%とさらに高くなっている。

  • 不動産の売却を検討する中で最も手間だと思ったことは?