日経トレンディは11月3日、毎年恒例の「2022年ヒット商品ベスト30」「2023年ヒット予測30」を発表しました。IT&デジタルのカテゴリに注目してみると、2022年のヒット商品には『スプラトゥーン3』『Tamagotchi Smart』『instax mini Evo』などがランクイン。2023年ヒット予測には『ステルス家電』『エレキソルト』といったユニークな商品が選ばれています。

  • 流行情報誌「日経トレンディ」が、2022年ヒット商品ベスト30を発表

2022年ヒット商品ベスト30(IT&デジタル関連)

日経トレンディ編集長の澤原昇氏が案内役となり、「2022年 今年の顔」に選ばれた間宮祥太朗さん、清野菜名さん、「2023年 来年の顔」に選ばれた高橋文哉さんなどのゲストも登壇した記者発表会。2022年ヒット商品ベスト30の1位は『Yakult1000 / Y1000』、2位は『ちいかわ』、3位は『PCM冷却ネックリング』でした。

  • 日経トレンディ 編集長の澤原昇氏

冒頭、澤原氏は「行動制限が少しずつ緩和されてきた2022年は、巣ごもり消費が続きつつも、外向けの商品もいくつかランクインしました。そして気になる来年の2023年ですが、基本的には健康志向、家ナカ消費が相変わらず続く見込みです。そのうえで、これまで消費者が抱えていた悩みに対して、いままでにないアプローチ、画期的な手法が提案されて、ひいては健康の質、暮らしの質が変わっていく、そんなサービスやテクノロジーが登場すると予測しています」とコメントしました。

  • 左から間宮祥太朗さん、清野菜名さん、高橋文哉さん

2022年ヒット商品ベスト30に選ばれたIT&デジタル関連の主な商品とヒットの概要は、以下の通りです。

  • 9位『スプラトゥーン3』:敵を撃つ殺伐さを排除したポップな世界観のシューティングゲームに初心者も参戦。発売後3日間で345万本の最高販売記録を樹立

  • 12位『SHEIN』:安くて映える服を扱う中国発のファッションECがZ世代をとりこにした。国内アプリの月間利用者数はZOZOTOWNを超えた

  • 13位『Tamagotchi Smart』:発売から25年で初のスマートウォッチ型が、シリーズ全体で年間70万個出荷と爆発的ヒット。休眠ユーザーも呼び起こした

  • 17位『セカンド冷凍庫』:冷凍食品市場の拡大に合わせて、販売数量が過去14年で最大規模を記録。置き場所に困る家庭の悩みを解決する新製品がよく売れた

  • 20位『instax mini Evo』:デジアナ融合に成功して売れ行き絶好調で、22年4月以降は計画の3倍以上を販売。レトロな外観に中高年層も引き付けられた

  • 22位『チューナーレステレビ』:チューナーがなく、テレビ放送が見られない異色の家電が、リアルタイム視聴不要派に大人気。ドン・キホーテだけで17,000台を販売

  • 24位『ぷにるんず』:本体の穴に指を入れると画面内のキャラクターを“触れる”精巧ギミックが人気のデジタル玩具。販売再開のたびに売れ、30万個を出荷した

背面液晶で画角を確認しながら撮影し、その場で印刷もできる『instax mini Evo』。実際に商品を手にした清野さんは、隣りの間宮さんを撮影しながら「すごい。失敗しても、撮り直しもできるし。欲しいです」と興味津々の様子でした。

  • 間宮さんを撮影して満足そうな清野さん

  • ヒット商品ベスト30

2023年ヒット予測30(IT&デジタル関連)

続いて、2023年ヒット予測30に選ばれたIT&デジタル関連の主な商品とヒットの概要は、以下の通りです。

  • 2位:家具と家電のハイブリッド『ステルス家電』:冷蔵庫が隠れたテーブル、バスマットとしても使える体重計。在宅時間の充実を図った結果、「新しい家電の置き場がない」というニーズを捉え、家具と一体化し、パッと見では存在が分からない家電製品が次々に花開く

  • 4位:味変する魔法のスプーン&おわん『エレキソルト』:わずかな電流を流すことで、ラーメンやみそ汁などの塩味強度が1.5倍に。食事本来の味わいはそのままに、減塩につながる「魔法のスプーン&おわん」が2023年中にも商品化される

  • 8位:高価格ドライヤーの新機軸『光ヘアケアドライヤー』:髪にも家計にも優しい。髪表面の水分子の蒸発を加速させる光の力を借りて、低温の風で髪を乾かす新機軸のドライヤーが、好調な高機能・高価格帯ドライヤー市場で存在感を示す

澤原氏は、バスマットと体重計が一体化しているステルス家電を紹介。「日ごろからバスマットとして使うことで、自然と体重が記録されていきます。数字はスマートフォンで確認できます。世の中の家電は飽和状態。もう家のなかに置き場がない、というお困りの声を上手にすくい取った製品なのかなと思います」と解説します。

  • 無意識に体重管理ができる「スマートバスマット」(issin社製)

また『光ヘアケアドライヤー』を手にした高橋さんは「すごい風が強いです。でも全然、熱くはないんですね」。これには間宮さんも「なんか不思議な製品ですね。自分は今年、役柄で髪を痛めたので、とても良いなぁと思いました」と関心を示していました。

  • Zuvi Halo(ズーヴィヘイロー)の『光ヘアケアドライヤー』を見つめる高橋さん

このほか、7位に『視聴者介入型ゲーム実況 ライブゲーム』、9位に『人気ライブの行列が消える NFTチケット』、11位に『究極の個別栄養最適食を提案 AI食』、13位に『住むだけで健康寿命が延びる AIアシスト高齢者住宅』、14位に『モバイルゲーミングPC Steam Deck』、16位に『バッテリーシェアリングGachaco』などがランクインしています。ちなみに、味変する魔法のスプーン&おわん『エレキソルト』については「キリンが、ラーメンの塩味を電気味覚で増強するウソのような商品『エレキソルト』デバイスを開発中!?」でも詳しく紹介していますので、ご参考までに。

  • 14位の『モバイルゲーミングPC Steam Deck』。Steamでおなじみのゲームや機能をどこへでも持ち運べる携帯ゲーム機

  • 16位の『バッテリーシェアリングGachaco』。Gachacoでは10月25日より、EVバイクのバッテリーを自由に交換できるGachacoステーションを都内で展開している

  • 「エレキソルト -スプーン-」を手に製品説明する、開発者のキリンホールディングス 新規事業グループ 佐藤愛氏